周りの人の進路は決まっているのに、自分だけ決まらないというのは、焦るし不安だよね。

正社員とパート、どっちがいいかと言うと正社員に決まってる。さっさと正社員の就職先を決めた人はあなたから見ると「勝ち組」だろうけど、でも1年後にやめてる人も多いと思う。3年たてばかなりの人がやめてるよ。理由は、ブラック企業だったり、新入社員いじめのターゲットにされたり、仕事の内容が予想とちがって自分に向いてなかったり。

誰だって、そういう地雷を踏んでしまう危険がある。今は勝ち組に見えても、少なくない人が、地雷を踏んでやめていく。ただやめるだけならまだしも、せっかく手に入れた正社員の席を失いたくないから、ボロボロに精神を病むまでしがみつく人も多い。
電通社員の自殺事件は聞いてるかな。天下の東京大学を出て、電通という一流企業に就職して、外から見ると誰もがうらやむような勝ち組、エリートコースだった。でも、死ぬくらいまで追いつめられた。

今、就職先を探しているあなたから見ると、立派な就職先を見つけることは目標で理想で、ゴールかもしれない。でも、実際には就職はスタートなんだよ。これから先、何十年も続く社会人としてのスタートだ。

良いスタートを切って、そのまま走り続けるのが理想だけど、世の中そう甘くはない。今、あなたはスタートで出遅れそうになっていて悲観してるけど、スタートして数歩走ってつまずいて転ぶ人が続出する世の中で、スタートの出遅れで勝負が決まってしまうほど単純じゃないよ。
何十年も続く社会人は、小学校や中学校や高校のような短距離走じゃなくてマラソンなんだよ。最初の1キロで飛び出した選手が勝ちじゃない。しかも、あなたは別に優勝を目指しているわけではないよね。まあ、そこそこついて行けたらいい、というくらいの目標じゃないのかな。

私も、長い間にいくつもの地雷を踏んだ。幸い、今はこうして生きてるし、どうにか働いてもいる。でも、危険な地雷も踏んだ。私と一緒に働いた人の中には、結婚して子供もできて、一家の大黒柱になってから地雷上司に当たって退職した人もいる。あなたは、私の大体の年齢は知ってるよね。これだけ生きてたら、嫌でも何度もつまずく。子供の頃から、私は最初勝ち組で、一気に負け組に転落して、這い上がって勝ち組になって、そして何度もつまずいて今では中間組くらいかな。

人生は逆転の連続だ。世間的にカッコイイ仕事をしてる人が勝ちというわけじゃない。カッコイイけど地獄を見てる人もいれば、見た目はダメでも本人は幸せという人もいる。

だから、焦らないことが大事なんだよ。今、とりあえずパートで就職するか、必死に正社員を探すか。または就職浪人するか。どれが正解かなんて分からない。上に、正社員がいいに決まってると書いたけど、正社員という名前を見てあわてて食いついたらブラック企業で人生壊されたなんてこともある。

社会不適合者ってなんだろう。そこまで、自分を犠牲にして、社会とやらに合わせないといけないのかな。私はそんなのは嫌だ。社会に適合するより、自分のために生きたい。できるだけ、できる限り社会の役に立ちたいけど、でも私自身は社会のために生まれてきたわけでもなく、社会の犠牲になるために生きてるわけでもない。役に立ちたいけど、それでも役に立てない時は仕方ないじゃない。

あなたが、ワザと社会の足を引っ張ってやろうとたくらんでいるなら、そりゃ悪いことだと思う。でもそんなこと考えてないでしょう。できることなら立派な社会人になって、社会の役に立ちたいと思ってるはず。それを望んでも、望んでもできないのだったら、あなたのせいじゃない。
誰にだって、それぞれ、できることとできないことがある。何もできなかったとしても、できない人になりたくてなったわけじゃない。できないことをしなくてもいい。できることを探せばいいんだよ。あなたは若い。ちょっと探してできることが見つからなくても、無いって思うのは早すぎるよ。