まず前置きだけど、人を殺してはいけないっていうのはあくまで期待可能性がある前提での話であって、例外的に人を殺してもいいことはある。
急迫不正の法益侵害が起きた場合。法益(自己または他人の生命)が急迫不正の侵害を受けた場合に最低限の反撃をして、仮にそれで殺してしまっても罪に問われない。
あと、二者択一の場合。これは、どちらか一方しか生き残れないという状況に陥った時のことを指す。
例えばAはBを殺さないと生き残れないし、BはAを殺さないと生き残れないってシチュエーション。
この場合AとBは二者択一関係にあると言える。なのでここではA及びBが適法行為に出るという期待可能性は持てない。
さて例外の話はこれくらいにしておいて本題へ。人を殺す行為は法律で罰せられる行為、つまり禁止された行為だから。
実際、刑法第26章殺人の罪 第199条にはこう記されてる。
「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」
一般に、この規範(ルール)による行為の評価は規範の評価を理解できると想定される構成員の意識に働きかけて、これに従って行動する構成員の行為によって秩序が維持される(またはそのように図られる)。
規範は、行為者に対して規範に合致した意思決定を行う義務を課しているから、その義務に違反して、違法な行為を行うという意思決定をし、これを実行した場合に社会的非難や呵責性が生じることになる。