養殖真珠貝

166夕露
2018-07-17 16:52:53
ID:OhDFtW5M

あの子の真っ直ぐな髪に、綺麗な輪を描いて光が、伸びたり縮んだりするのを、息をゆっくりしながら見ていた。隣にいてもに、言葉を交わせない。1年前は、戻らない。夏に熱せられたコンクリートから、熱気が立ち上り、遠くの景色を揺らめかせた、それを立ち止まって見た、そんな季節が戻らない。呼び止めて、指先に凍てついていた表情がこびりついて剥がれない。何度でも問うてしまう、誤ったのはわたしだとしても、干支が一周するほど一緒にいて、一体どこで間違ったのだろう。

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