俺VSC

25C◆grFikwy8q6
2019-01-14 04:30:31
ID:LA1MujUg

今、俺の心の中にある考えが浮かびつつある


・・・そろそろ楽にしてやるべきなのだろうか?


彼が大きな声で叫んでいる「事情!都合!オナジ!オマエバカ!」という言葉が
俺の耳にはどうしても「コロシテ・・・ハヤク・・・ラクニシテ・・・」と苦しんでいるように思えてならないのだ


時は数日前にさかのぼる
喧嘩山の奥深くに生息する一味違う族の青年から「会話からの喧嘩」をヨロシクされた俺は、特に何も意識せず警戒もせず無防備に会話を試みていた
しかし、彼は俺と喧嘩したがっているはずなのになかなか攻めてこない
少し離れた場所からときおり「モシソウナラ!オマエバカ!」という現地の言葉で俺のことを威嚇する仕草は見せるものの
なかなか手の届くところまで近づいてこない、俺はまだ警戒されているのだろうか?
「そんなことないよ」と普通の会話で応じたら、彼はしゅんとした顔で「ハヤクシロ・・・ノロマ・・・」とつぶやいて洞窟に戻っていってしまう
どうやら彼は警戒心がひといちばい強く、そして繊細な種族でもあるようだ

彼との会話に応じながら、彼が自ら攻めてくるのを待ち続けて数日が経ったある日
ついに彼のほうから歩み寄ってきてくれたのだ!
「リンゴ!ウマイ!オマエバカ!」
俺は感動した


しかしそんな感動もつかの間、彼の様子がどうもおかしいことに気付く
俺と会話を始めてからもう随分のあいだ彼は何も食べておらず、我慢の限界が来ていたのだろう
俺が目を離した隙に毒性の強い植物を口にしてしまったのかもしれない、彼の胸と股間は異常なほど膨らんでいた
この辺りにはリンゴに似た毒草が実るという話を聞いたことがある
「アトダシ・・・オデ オマエ ユルス・・・」とても苦しそうだ

彼は毒に侵されて充血しきった真っ赤な目でジッとこちらを見つめながら「事情!都合!オナジ!」と叫ぶ
叫び声に混ざってドロリとした半固形の血塊が飛び散っている
恐らく・・・彼はもう助からないだろう・・・


俺は・・・彼の苦しみを終わらせてやるべきなのだろうか?

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