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…*"¨楽しくRPGごっこをするスレ¨"*…その4!

1Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/06 13:03:33 ID:s/lKR.is]

このスレは楽しく面白くファンタジーな感じをRPGするスレです!

たぶんそーんなに難しくないルール↓

・出来るだけで良いけど、読みやすく分かりやすい文章を書いてね!
・どんな職業でも設定でも良いけど、出来るだけ皆と合わせられる感じで!(俺TUEEEチートは避けてね!)
・参加はメンバー募集スレにてやってます!

以上です

ちなみに目標は魔王討伐です!

現在のメンバー紹介は後ほどします。途中からの方はレス全部表示で確認してね


前スレ↓
http://jeison.biz/casphy/bbs/read.php?cate=talk&no=1637

メンバー募集スレ↓
http://jeison.biz/casphy/bbs/read.php?cate=talk&no=1629

雑談とか作戦会議↓
http://jeison.biz/casphy/bbs/read.php?cate=talk&no=1651

2Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/06 13:24:41 ID:s/lKR.is]

メンバー紹介

恵美
平凡な魔法使い
強くなる延びしろがある。

joker
人を騙す特殊能力を持つ道化師。とあるサーカスの団長
燕子花とは幼なじみで、サーカスの同業者

燕子花
踊り子。jokerと同じサーカスの団員。
桜小町の妹

桜小町
桜家のお嬢様
影の顔は剣士で、その剣術はわかばから伝授された。
燕子花の姉

ラティ
旅芸人。
一芸に長けてはいないが、全てを平凡的に行い、扱う事が出来る能力を持つ。

柊桃
巫女
春の国へ皆を来させた本人


賢者。
jokerに好意を抱いているが…

わかば
二刀流の和風剣士
桜小町に剣術を教えた張本人。

J
若い傭兵
妹の名前が刻まれたツヴァイヘンダーという長剣に一番の信頼をかけている。
O.Tにストーキングされている。

O.T
自分の魂のビジョンが見え、超能力を具体化した特殊な能力をもっている
気配は完全に消す能力を駆使し、Jをストーキングしている。

天月
昼の顔は人当たりがいい人だが、夜の顔は冷酷な殺し屋で、なんと死神
夜の顔の時は圧倒的な強さ

和美
弓の使い手、元競技者
非常に高い狩猟技術とサバイバル能力がある

3Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/06 17:40:49 ID:s/lKR.is]

これまでのお話し

目的は魔王討伐

それで何人か集まる

柊桃の頼みで春の国へ

春の国のbossはjokerに取り憑く

なんとか一件落着

酔った藍は何者かに取り憑かれ、南の森へ

bossには欠片が残っておりjokerに再び取り付いてしまう

boss完全消滅

ラティとJは藍を探しに南の森へ

柊桃が食べ物を取りに行ったとき、天月に会い、連れてくる

食事が完了後、各々好きなように(この辺は細々していたから省略)

Jとラティはわかばと接触

藍が森に火を放ち、山火事を起こす

Jとラティは火事による崖の崩落から助かる

小町、燕子花はわかばと接触。Jとラティは館へ

小町はjokerに話があり、jokerを連れて星空が見える場所へ

それで話が終わり帰ろうとした時、天月&黒猫が攻撃してくる

Jとわかばがjokerと小町を助けに来る

天月が仕掛けた攻撃で大変なことになってしまい、天月と黒猫を連れて館へ戻る

色々あり小町は天月にjokerの過去を聞くが、jokerは嫌で小町にひどい言葉をかけてしまう

翌日、仲直りが完了後、jokerのもとへ1匹の蝶が来る

続きます

4Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/06 17:46:07 ID:s/lKR.is]

その蝶は柊から藍の化身だと言われ、一行は藍の救出に向かう

その道中、悪魔の森を通り悪魔たちが襲ってくるが、Jとjokerが応戦して片が付く

天月と黒猫が藍を発見し連れ出す椿、藍のもとへ戻ってくるが藍がいないことに気づき、追うと天月たちが居る

そこにjokerたちが来る

椿は天月からの戦いを拒否し、小町と燕子花に戦いを挑む

jokerは猫から藍を渡され安全な場所に行く

燕子花はjokerと藍を追うJ、ラティ、わかば、柊桃、天月、黒猫は周りの悪魔たちと戦う

天月は小町の様子が可笑しいと思い、小町を気絶させる

O,Tが悪魔から逃げているところをJが救出に向かう

藍はjokerの辛いことを聞こうとし、jokerは藍に過去のことを話す

その間、怪物に襲われ、椿と天月が共闘

5Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/06 21:28:24 ID:aKKhmN.c]

本編進めます


俺は、その握りこんだツヴァイヘンダーを握力と腕力に任せて一回転。逆手に持ち直し、前方と左右に取り囲んだサキュバスを振り払う。
後ろからこの身体を羽交い締めしているサキュバスに向かって、自分の背中ごと突き刺すようにツヴァイヘンダーを振るった。
剣先は彼女の横腹に抉り込み、拘束していた腕を放す。その瞬間、俺は身体を彼女の方へ向け、横腹に突き刺さった刃で、その身体を鎖骨の辺りまで一気に斬り裂いた。

横にはサキュバスが未だに笑いながらこちらを見ている。俺は斬り殺した死体の尻尾を掴み、残り三人のサキュバスに向かって放り投げる。
二人は翼を広げてその場を離れるが、右にいた一人は空を飛ばずに地面にダイブした。
俺はその晒け出した背中目掛けて、ツヴァイヘンダーを降り下ろす。
その背骨の割れ目から綺麗に胴体に突き刺さった刃を、身体を一刀両断するかのように股にかけて斬る。

血を撒き散らしながら刃はサキュバスの身体を引き裂き、その剣先は空を飛んでいる残りの二匹に刃を向ける。
白い肌に、美しいと言えるであろうその美女の顔は、恐怖を感じた顔に変わる。
そして二人の顔は、飼い犬に手を噛まれたような不機嫌な表情になり、彼女達は森の中へ逃げていった。

6燕子花 [2016/01/06 21:43:00 ID:/twluu5o]

>>1000
私はjokerに笑顔で尋ねられ
「私は2人を探してただけだよ〜」
私はjokerにそう言った
私、jokerに嘘ついたなぁ
と思いながらjokerの返答を待った



7燕子花 [2016/01/06 21:43:45 ID:/twluu5o]

>>6
これは前スレの1000からの続きです

8黒猫@なんか風邪引いた…? [2016/01/06 21:44:43 ID:QlWB1gcc]

「天月さん、私はどうすれば…」
私に何か出来るのか?
私に出来ることはなんでもやってやろうじゃない!

9JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/06 21:45:00 ID:DfOLHKPg]

>>6
「へぇ…」
俺は疑うように燕子花の顔を見る。
「嘘ついてるだろ、お前」
俺は何故かこういうのには敏感だ。
他のことには鈍感らしいが。

10桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/06 21:48:53 ID:6qQaAJFQ]

(ウチ、まだねてる???)

11燕子花 [2016/01/06 21:53:52 ID:/twluu5o]

>>9
私はjokerに核心を突かれ内心驚いたが
私は平然を装い
「もぉ〜何言ってるのjoker〜」
と、ケラケラ笑いながらjokerに言った
また一つ私は嘘をついてしまった
そんなことを思っている燕子花であった

12JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/06 21:57:04 ID:DfOLHKPg]

>>11
「ま、深追いはしないけどね~。めんどうだし」
俺は気だるそうに答える。
本当は知っていた、燕子花が嘘をついているのを。
ただ、本人が嘘をついてないというなら別に深追いはしない。
めんどくさいからね

13燕子花 [2016/01/06 22:15:05 ID:/twluu5o]

>>12
私はこれ以上jokerに詮索されないと思い
私はホッと胸を撫で下ろした
私は気を取り直し
「どこに行く?」
と、jokerと藍に聞いた直後に
近くの茂みからガーゴイルが出てきた


(ごめん落ち)


14天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/06 22:47:15 ID:Ndn7Sejw]

(「」は椿と天月  [ ]は怪物です♪)
[ククッ…こいつの体…最高!]
怪物は天月の体を気に入ったらしく試しに木を何本か斬った当然天月の体なので一瞬で切り倒されていく…
[ハハハハッ!…さてと…復讐と行こうか…]
と木と悪魔を倒れして行きながら走っていった…

一方…椿は滝の場所からできるだけ離れて休憩し追ってないか確認した後また走った…
「(天月…我をかばって怪物に…必ず本の天月に戻す…!)」
走りながらそう思った椿…

>>8
とりあえず小町を…
「小町、小町!!起きて小町!!…もう」
体を揺さぶっても起きない小町時おり何の夢を見ているのか苦しんでいる声を発するが起きない
「ねぇ!小町!起きていい加減起きて小町!!」
すると…
(こまっち、起きる瞬間作っといた後は自分で)

15桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/06 22:52:42 ID:6qQaAJFQ]

>>14
(あまっち、らじゃ♪)

「………ゴホッゴホッ。
あっ。」
痛みがある。凄く痛い。おおきあがれない。
何本か骨を折っていそう……
手には固まりかけた、血。
頬も痛い。

目の前には天月がいた。
「…あ‥まつ‥き。みんなは…?
つ‥ばき…は?ゴホッ」

苦しみながらやっと声をだす。

16JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/06 22:57:49 ID:DfOLHKPg]

>>15
起こしてるの黒猫じゃね?

17桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/06 22:59:53 ID:6qQaAJFQ]

>>16
ああああああああー。
さーせん!!!!

18天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/06 23:03:19 ID:Ndn7Sejw]

>>15(黒猫いないから使うよ)
「え?あっやっと起きた…って天月さんじゃないし!…ってそういう場合じゃなくて…天月さんが…もしかしたら、取り憑かれた…」
悲しく話す黒猫…

「(どこだ?!どこにいる?!jokerは!?)」
天月のスピードをほぼ互角で走っている椿「ん?広場?…もしかしたら…いるかもしれぬ」
と走ってる途中で見つけた広場は走って行く椿。そして…
「やっと見つけたぞ…joker!お前に…!!」
と言った瞬間…天月嫌…天月に取り憑いた怪物がここに現れた…

19天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/06 23:05:06 ID:Ndn7Sejw]

もう書いちゃったから大丈夫!

20Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/06 23:06:16 ID:aKKhmN.c]

うーん?どうなってるんだ?

21JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/06 23:07:28 ID:DfOLHKPg]

>>18
「…joker!お前に!」
と、後ろの方向から声がする。
俺は振り向くとそこには…
「椿…」
だが、次の瞬間、すごい速さで天月が現れた。
あのスピード…まるでアイツみたいじゃないか
「ジャバウォッカ…?」
俺は小さな声で呟いた

22桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/06 23:08:11 ID:6qQaAJFQ]

>>18
「……ふっ。ンゴホッバカな奴。ほっとけ、黒猫。」
あまり記憶がないが、自分のかわりに天月がたたかっていて…

それよりも、この体じゃ、身動きとれない。
「…黒猫…。わたくしをどこかに連れて行ってくれ……」

邪魔にならないようしなくては。

(風呂落ち)

23天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/06 23:20:11 ID:Ndn7Sejw]

>>21
[やっと…見つけた…joker!!おう?ほう…ちょうどいい椿もいるじゃないか…こいつの刀とスピード、力そして俺のスピードど力合わさったらこんないい気分久しぶりだ…さてとさっさと殺すか…]
と次の瞬間何もみえず一瞬でjokerと椿の間に出てくる…
[フハハハッ!!…お前らもし攻撃してたら死んでたぞ…だが俺はそんな手はつかわぬさぁ、来い!!二人同時に返り内にしてくれる!!]

24天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/06 23:23:07 ID:Ndn7Sejw]

>>22
「…どこかに連れて行ってくれって…どこに?…」
と黒猫は少し疑問の顔で答えた

25JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/06 23:26:14 ID:DfOLHKPg]

>>23
「めんどくさいなぁ…。勝手に人の体乗っ取りやがって。残念だけど、俺と天月は仲間じゃないから天月が死のうと俺は関係ないから。手加減なしでいいでしょ?」
笑いながら俺は言う。
椿はそんな俺を驚いた表情で見ている
「君も。君が死のうと俺には関係ないからね」
椿にも吐き捨てるように言う。
そして、鎌を構える

26桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/06 23:41:10 ID:6qQaAJFQ]

>>24
「…安全な場所。そなたを…巻き添えにはできん。わたくしは狙われておるから。」
とりあえず、治療をして…
それから…もう一度椿のもとへ…
「手をかせ、黒猫。」
手を黒猫に向け笑顔で笑った。

27天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/06 23:45:02 ID:jwSJYImA]

>>25
「joker…お前はあいつに似ている…」
と笑い剣を構える…
「怪物!貴様はここで死んで天月を本に戻す!」
「だからjoker…本気はいいが殺すな…」
とjokerにお返しで言った
そして、短刀と長刀で構えた…

28JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/06 23:47:01 ID:DfOLHKPg]

>>27
「誰かと重ねて見るのやめてくれない?」
なんて笑いながら椿に返答。
俺は鎌を持ち、天月へ襲いかかる

29天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/07 00:03:13 ID:jwSJYImA]

>>26
「…わかった…だけど、あんたが狙われてる…と思ってる奴はもういないあいつは…椿は本の椿に戻った…だから悪者扱いしなで…あと…次、無理して殺されようとしたら私が絶対許さない…だから二度とあんなむちゃしないで…」
その顔は怒りと悲しみの混ざった声で小町に言った

>>28
「フンッ…」
椿も笑い飛ばした
椿は二刀流を持って天月の互角のスピードで天月いや怪物を襲った

>>28 >>29
[フハハハハッ!!、いいぞ!来い!二人が襲い掛かった瞬間二人の後ろに現れて天月の二刀流で背中を斬った

30JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 00:05:49 ID:DfOLHKPg]

>>29
「ざーんねーんでーしたー」
と、嘲笑うかのように俺は言う。
「これ、人形ね」
斬られた俺は笑いながら言う。
そういった瞬間、斬られた俺は消えた。
「お前が後ろに回ることくらい知ってるんだけど?」

31桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 00:12:06 ID:6qQaAJFQ]

>>29
「……はい。承知しましたっ。」
と笑顔で黒猫にふっと小町は笑った。
何故こんなに心配してくれるんだろう。
と思いながら手を借り木の影にあるいていく。


ドサっ。

「…ありがとう御座います。黒猫」

とお礼を言って座った。

32天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/07 00:15:36 ID:jwSJYImA]

>>30
「ククッ…そうくると思い、お前に現術を見せて正解だった…」
と斬られた椿笑いながら答え
怪物からの目から消えた
「案外、ザコがやりそうな事をしたな…怪物…」

[貴様らぁ………ああぁぁ!!]
と怪物は叫んだ途端…回りの地面、木をすべて斬る

33JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 00:17:48 ID:DfOLHKPg]

>>32
「あーあー。環境破壊はいけないよー」
嘲笑うかのように怪物に向かって呼びかける
「似たような技だねー。君が使ったヤツ」
椿に向かって無気力に言う。

34天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/07 00:25:49 ID:jwSJYImA]

「…あいつ取り憑いてるからか…天月の技も使える…か…なかなか面白い奴だ…」
と天月の仮面をかぶった時の顔をした
「お前もな…見て、騙す能力か…まぁ我の能力と少しにてるな…」
とjokerと同じように無気力に言った

35JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 00:28:33 ID:DfOLHKPg]

>>34
「……馬鹿なの?」
椿はぎょっとした表情で俺の方を向く。
「面白くもなにもただ厄介なだけだよ」
鎌を再び構えて天月の方を向く。
「jack!」
jackの名を呼び、天月に鎌を振り下ろす

36Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/07 00:43:07 ID:aKKhmN.c]

>>5

俺が今、この手に握ったいるツヴァイヘンダーは何なのだろうか。
ある出撃の時、他の兵士と共に渡された長剣。それに妹の名を刻み、鍛え、今この手に握られている。
さっき見た光景は本当に現実だったのだろうか。
このツヴァイヘンダーが、俺の方へ柄を向け、地面を削りながら寄ってきた。
まるで意思があるかのように、俺に近付いてきた。
俺は超能力や魔法が使えない。この身体と、このツヴァイヘンダーのみで戦い、そして生き延びてきた。
さっき起きた現象は、自分が発現した能力なのか。それともこのツヴァイヘンダーが意思を持ったのか。それか、誰かがこの剣を操ったのも考えられる。
だが、今はそんな事はどうでもいい。
アリスは、妹は、俺の声に気付いたのかもしれない。
そう考えると、さっきの現象が何なのかどうでも良い。
鞘にその刀身を仕舞い、俺はツヴァイヘンダー、いや違う。

アリス、我が妹をそっと抱きしめた。



浮かばなくなった妹の顔。それに対し、激しい自己嫌悪を抱く自分。
涙が出そうなのを堪え、俺は立ち上がりって鞘のベルトを肩に掛けた。

37天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/07 00:47:19 ID:DHncvkns]

>>31
「…どういたしまして」
私も小町の横に座り木の影のところですわった
「ところで…治療したあとどこに行くの?jokerをさがすの?」
と小町に聞いた

>>35
「ふん…まぁ、わかって入るが…」
椿は短刀を前に長刀を後ろに向け…
「我が椿、本家の名に置いて…行く!!」
と回転し長刀を前にして斬る

>>35
[ククッ…無駄だ…]
怪物は二人の鎌と剣を同時に防御しそして…目を閉じた
[これは偽物でも発動者つまり本人に届くんだな]
そして、目を合わせる能力で二人の身動きを封じた

38Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/07 01:00:48 ID:aKKhmN.c]

>>36

悪魔との戦いは終わった。今度はラティ達のところへ戻らなければ。
だが、サキュバスの涎だらけのこの服で対面するのは嫌だ。
涎が服に染み着き、まるで砂糖を溶かした様な甘い匂いで、それでもしつこいむせる様な匂いでは無い。まるで最高級の香水をつけたような感じだった。
それでも自分にとっては気持ちの悪い匂いだ。こんな匂いは絶対に慣れることはないだろう。
とりあえず染みだらけのコートを脱ぎ、ラティの元へ足を急がせる。

39桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 01:05:59 ID:6qQaAJFQ]

>>37
「………いいわ。待つわ。黒猫あなたもよ。」

そう。目的は仲間にすること。
あの初めて出会った日の目を忘れない。
あの…仲間というのを知った時の目…。

黒猫と小町の間には静かな沈黙が続く。

40JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 01:20:04 ID:DfOLHKPg]

>>37
「…!?」
天月…もとい化物が目を閉じると俺達の動きが封じられた。
「小細工ばかり使うのは、本人と同じだね」
バカにするような笑みで天月に言う

41天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/07 01:35:32 ID:1i8ZaWk6]

>>40
「…これは小細工じゃない、この能力は…おっと、言う訳にはいかない…」
椿は、怪物に挑発するように言った

[ククッ、そうかなら…]
二刀流で二人の首に刀をつけた
[死ね!!]
思いっきり振って首直前に止まった

>>39
「…ねぇ…」
とそんな静かな時間の中…黒猫は話した…
「ねぇ…小町は…私たちの事どう思ってるの」
と黒猫が言った
小町は…

42桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 01:38:47 ID:6qQaAJFQ]

>>41
「………なかま。」
一言だけいい、これ以上話しかけるなオーラをだす、小町。

いつか、きっちり、言いますから。

小町は眠った。

(落ち)

43JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 01:39:18 ID:DfOLHKPg]

>>41
「…………」
死んでいない。刀を振られたのは覚えている。
「殺さないの?それとも、」
嘲笑うかのように放った一言にむかついたのか目を見開いている化物。
俺が化物に対して放った言葉は…
「怖気づいたか?化物」

44天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/07 01:42:24 ID:1i8ZaWk6]

>>42
「ねちゃったか…仲間…」
と黒猫は一人事を言って
「嬉しい、かな…なんか」
と優しく笑って
私も寝た…

45天月◆FiMle6Bc8. [2016/01/07 02:03:40 ID:1i8ZaWk6]

>>43
「ククッ…俺が…」
[何!?貴様…クッ!…体が動かない!]
「そう簡単にのっとれると…思うなよ!」
[貴様…!まだ…クソっ!]
と怪物は天月本人で怪物はおいだされようとする
そして二人の動きが自由になった
「能力は…解除したあとは…ジャバウォッカ…お前だ!!」
[バカな…そんな、俺が、そんな簡単に追い出されるなんありえぬ…!体こいつから離れて逝く…!?]
「俺の中に…入って…来るな!!」
天月の体から煙が出てきてみるみる集まっ逝く…
「こいつの、弱点はコアと太陽…つまり光に…弱い!!」
そして完全に天月の体から煙が消えた
「椿、joker!!…今だ!今のジャバウォッカは吸収はできない…早く!」

「分かった、我は煙を断ち切るその間に黒いビー玉みたいコアがあるそれを破壊すればいいのだ!」
とjokerに説明する椿

46Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/07 02:46:08 ID:aKKhmN.c]

俺は水の音が聞こえる場所へ進み、天月らがいがみ合っていた滝まで戻ってくる。
だが、彼等の気配が全く無く、ただ滝から流れる水が、川を辿って彼方に流れる音が響いていた。
置いていかれたのか。俺は浅い川を、水中から顔を出している岩を足場にして向こう岸にまでつく。
丸めたコートを横腹に、右肩に掛けたベルトを握りながら滝の方へ近付く。

「J!」

後ろからラティの声。振り返りってそちらを向くと、かなり遠くの場所から手を振っていた。
俺は彼の元へ早足で向かった。

どうやら俺が遭難者を救出に向かった後、ジョーカーと椿と天月は何処かへ去ったらしい。
小町は黒猫が保護し、燕子花は藍を保護してるとのこと。
そして彼は、小町と黒猫の元へ向かったが、何故か二人は眠っていたという。

「にしても、良い香水みたいな匂いがするな。どうしたの。」

と、ラティ。

「サキュバスの涎だ。それで、お前は今は何を?」

ラティの顔が一瞬歪む。

「涎とか冗談だろ。まぁ良い。俺は今、この川で水をくんで魚を捕っていたんだ。」

「何故。」

「あの二人の為に決まっているじゃないか。」

ラティはそういって、紐にぶら下げた三匹の虹鱒を俺に見せる。

「彼女二人の居場所は。」

「今から案内する。ついてきて。」

ラティは虹鱒と、足元に置いてある樽の取手を持って川に沿って歩く。
砂利と岩が混ざる不安定な地面を歩み、俺は後ろからついていった。

47Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/07 03:07:45 ID:aKKhmN.c]

嫌な音をたてて、滝からかなり離れた処まで歩いてきた。
ラティが砂利の無く、柔らかい土と草が生えた地面が見える。
その更に奥の方に二人の影が見える。

「全く、男手一人で女は守れないとよくいったもんだよ。」

ラティが呟く。

「あそこだ。よくまぁあんな無防備に眠れるもんだね。」



桜小町と黒猫は確かに寄り添う様に眠っていた。
ラティは樽を起き、その場で作ったような串を虹鱒に突き刺した。

「火はどうするんだ。」

「ライターがある。」

そういって、彼は寄せ集めていた木の枝に火を付け、炎が当たるところに串を刺す。
俺は抱えていたコートを下に置き、ツヴァイヘンダーも置いて地面に座った。
桜小町とか黒猫は保護されているから良いが、燕子花と藍は、柊桃は何処へ逃げたのだろう。
燃える炎に炙られる虹鱒をじっと見詰めているラティに近づき、問う。

「燕子花と藍は何処へ。」

「それなんだが……確か燕子花が藍を連れ出して何処かへ行ったような気がする。」

随分と曖昧な返事だ。

「柊桃は。」

「きっと一緒に逃げた筈。」

「何て曖昧なんだ。」

「仕方がないだろう。あんな殺気溢れた禍々しい場所に入り込める訳がないじゃないか。」

ラティはそういって、魚を裏返す。

「それは、そうだな。」

と、自分。確かに彼に無理強いをした。自分だってあの場は踏み込めない。

48JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 07:11:25 ID:DfOLHKPg]

>>45
「そんくらい知ってるよ。こっち来てから2回やられたんだから」
椿に向かってぶっきらぼうに答える
こいつの弱点はコアと太陽……そして、
乗っ取られた奴が自分の体を斬るなどをして重傷を追わせることだ。
俺についたときとだいぶ性格が違うな。
本人の性格によって変わるのか?
なんて考えながら。黒いビー玉もといコアを破壊する為に鎌を持って天月に近づく

49名無しさん [2016/01/07 11:21:32 ID:d.YtbHnM]

>>48
「そうか、なら…!」
椿は、ジャバウォッカに向かって煙を断ち切るそして…
「joker!今だ、やれ!」
椿は、コアをjokerに託して、天月を移動させた

50天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/07 11:22:58 ID:d.YtbHnM]

名前忘れてた

51恵美◆bJ4rmX15BE [2016/01/07 12:59:29 ID:nUQBeUDk]

お久しブルーベリーノ♪

52O,T [2016/01/07 14:41:32 ID:MEtE/xV6]

(あれは…見えているのか?いないのか?うっ)
突然悪趣味なカメラが出てきた事に驚いたのか
剣が1人でに動いた事に驚いたのか
剣が届いた後カメラを目で追わなかった。
だから恐らく、やはりこのカメラは『そういう体質』でないと目視できない代物なんだろう。
『そういう体質』とは自分のような能力の事なのか、所謂「霊感」と呼ばれるものなのかは知らないが。
遠くで騒いでるメルヘンでファンタジーな連中は『そういう体質』に当たるかもしれない。
(ン?ジェイのヤツいつの間にいなくなってるじゃあないかッ!)
(私は一般人だぞッ!また襲われたらどーしてくれるんだこのスカタンッ!)
どこまでも独善的な男だ。
彼が木陰で少なめな脳ミソの割りには良く考えついでに絶頂を迎えている間にJはこの場を離れて行ってしまった。
(早く追わなくっちゃあいけないが……その前にやるべき事が『2つ』ある)
Jに蹴散らされたクソッタレどもを見やる。
7匹全て死に絶えているが一匹だけ辛うじて虫の息だがまだ生きていた。
名前は知らないがJを羽交い締めにしていた女型のヤツだ。
自分は木陰に隠れながら一眼レフを彼女に近付ける。
「私の「カメラ」が見えますか?見えるか?この「カメラ」が?」
一眼レフを通じて彼女に話しかける。
答えはない。というより気力と体力がボロボロで答えられないのだろう。
聞こえているかも怪しい。
三脚を思いっきり顔に振り下ろし、寸でのところで止めてみた。
すると彼女は一瞬だがビクンッと反応した。
やなりメルヘンでファンタジーな住民には見えるようだ。

「残り1つは…私が出てこなさなくてはいけない。」
そう言うと彼は木陰を出て彼女に向かっていく。
「フ~〜~〜~〜~〜」
「君らはたいしたヤツらだよ」
「浮かれていたとはいえ私に気付き、そのせいで赤っ恥をかかされ足は怪我した………」
「かなり『してやられた』って気分だよ」
「初めてだよ、追われる側に回ったのは…………盗賊だろうと誰だろうとね……」
「なんか…ちょっとした『敗北感』まで感じるよ…」
「まったく殺意がわくよたいしたヤツらだ君らは…」
相手は聞いてないだろうが構わず続ける。
「これから君をなぶり殺す。ジェイを追うまでの一分とちょっと…」
「君の脳ミソをすすり食ってその開いた頭蓋骨に君の腹の中のクソをかわりにつめこんでやりたいところだが…早く行かないと見失ってしまう。」
うつ伏せになったまま動かない彼女の手の甲を力の限り踏み抜く。
バギボキと骨の折れる音がした。
堪らず悲鳴をあげた彼女の口にすかさず靴の爪先をねじ込む。
「おいおい…妙な叫び声あげるんじゃあないぞ……」
「私はここに来るあいだ敢えて君らに足を差し出したが叫び声はあげなかったぞ………」
今度は前髪を掴み頭を持ち上げる。
「化け物だろ?ン?私を見習いたまえ………」
そして地面に叩きつけた。鼻血で池が出来始める。
「私もさっき今の君のように地面にはいつくばったんだ………」
勝手に木の根っこにこけただけだ。
「あと少ししたら私はジェイを追う。それまで私を見習って同じ痛みに耐えろ………」
「私を見習うんだよォーーーーーッああーーーーーッ!!」
何度も何度も地面に顔を叩きつけた。途中から悲鳴さえ聞こえなくなったがそれでも叩きつけるのをやめなかった。
「私の気がッ晴れるまで!やめないぞッ!」

彼女はもう微動だにしない。時々ピクピクと動いたり、小さく声が聞こえるがあと何分かの命だろう。
「………………………これで落ち着く。」
Jのコートを見つけ、やっぱり絶頂を迎えた後
臭いを頼りにJを追い始めようとしたが…
「に、臭いが…こいつらのこの香水のようかな臭いのせいでジェイの臭いがッ!」

53菜々美 [2016/01/07 18:23:09 ID:FeUWuHXI]

テスト今日やってきました( ̄▽ ̄;)
で、今はどこまで進んだの???

54JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 18:24:16 ID:rZ3Jc/yU]

>>49
「…っ!!」
一気に鎌をコアに向けて振り下ろす。
パリン…
コアは真っ二つに割れ、地面に静かに落ちた
ここまでの達成感は久々だろうか。
すごく気持ちよかった。

55桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 18:24:32 ID:vBy7o8F6]

ななみ?ってだれ?

56菜々美 [2016/01/07 18:27:17 ID:FeUWuHXI]

すいませーん、違うとこにコメを…

57桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 18:28:20 ID:vBy7o8F6]

あいちゃんかと思ったー。笑

58 [2016/01/07 18:51:58 ID:FeUWuHXI]

藍はここですよー(*^^*)

59桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 18:53:23 ID:vBy7o8F6]

…あー。うん。笑

60燕子花 [2016/01/07 18:58:23 ID:gcim7NcY]

>>13
私は茂みから出てきたガーゴイルに
扇を向けブーメランのようガーゴイルに投げた
扇はガーゴイルに直撃したがガーゴイルはまだ生きていた
私は藍と桃ちゃんに
「さぁガーゴイル狩ろうか!」
と、2人に言った

61 [2016/01/07 20:38:00 ID:FeUWuHXI]

>58
は?嘘、誰?えっ…?

だれかー!なんかなりすましっぽいのいるんだけど…!?
え、ちょっ…ええぇ(゜ロ゜;
ほんと誰…?桜、だれかしってる?
Help…

62ラティさん◆41s.EbZkzs [2016/01/07 20:39:18 ID:IfgfFzI6]

ID一緒なんですが…

63JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 20:39:35 ID:rZ3Jc/yU]

あ、藍
話があるんだけど…
俺のスレ来てくれない?
急でごめんねm(_ _)m

64JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 20:40:16 ID:rZ3Jc/yU]

あー
ID同じだね

65 [2016/01/07 20:40:35 ID:FeUWuHXI]

いや、まじで混乱…

66ラティさん◆41s.EbZkzs [2016/01/07 20:41:38 ID:IfgfFzI6]

大丈夫。
>>58は君だ。

67 [2016/01/07 20:41:44 ID:FeUWuHXI]

もしかしたら姉かも…ごめん、聞いてくる!

68桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 20:41:52 ID:vBy7o8F6]

なつにいふぁいとぉ!

69JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 20:42:31 ID:rZ3Jc/yU]

>>68
だまれぇ

70桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 20:42:57 ID:vBy7o8F6]

あははー。
まぁ。いいやん。

71.+゚*。:゚+柊桃。:゚+♪◆bZ7Clzm.3. [2016/01/07 20:43:14 ID:qBCqfgiw]

ふぁいおー

72.+゚*。:゚+柊桃。:゚+♪◆bZ7Clzm.3. [2016/01/07 20:43:36 ID:qBCqfgiw]

応援してるぉ←

73JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 20:43:47 ID:rZ3Jc/yU]

藍が戻ってきたら言うから黙れw

74桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 20:44:32 ID:vBy7o8F6]

いけいけー。

75 [2016/01/07 20:45:37 ID:FeUWuHXI]

あ ね で し た………

迷惑かけてごめん、確認すればよかったわ………
なんか姉のせいで皆に嫌われた感……
いや…
ほんと、ごめんねm(__)m

76JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 20:46:09 ID:rZ3Jc/yU]

>>75
嫌ってないから大丈夫だよ!

77 [2016/01/07 20:50:35 ID:FeUWuHXI]

いやー…びびった……
「あはは、藍ごめーん、書き込んじゃった!しかも名前も変えちゃった!」
っていう姉を突き飛ばした私を許してほしい。

しばらく姉とは口聞きませんわ…ハァ…

78桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 20:51:47 ID:vBy7o8F6]

どんまーい。w

79ラティさん◆41s.EbZkzs [2016/01/07 20:53:49 ID:IfgfFzI6]

どんまいじゃー

80桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/07 20:54:33 ID:vBy7o8F6]

((^-^))/

81 [2016/01/07 20:57:22 ID:FeUWuHXI]

いやほんともう皆ごめんね…m(__)m
混乱に招いてしまった…………………!

82JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 22:12:42 ID:rZ3Jc/yU]

>>54
「終わったかな…」
jack…もとい鎌をおろす。
この鎌をjackと呼ぶのは嫌いだ。
本気の時しか基本は言わない。
(あいつは一体何なんだ…)
考えていたって仕方がない。
面倒なだけだからな…

83.+゚*。:゚+柊桃。:゚+♪◆bZ7Clzm.3. [2016/01/07 22:15:22 ID:qBCqfgiw]

〉〉60
「はいっ!!」
私はかきさんと小町を援護するため後ろに下がった。
そして。「抱擁の舞!!」と唱え、
二人の攻撃力をアップさせた。

84燕子花 [2016/01/07 22:19:26 ID:gcim7NcY]

>>83
私は桃ちゃんに攻撃力を上げてもらい
「”炎の舞”!」
私が踊っていると私の周りに火の玉より少し大きい
炎の玉が出てきてその炎の玉がガーゴイルに当たった
ガーゴイルは死んだが草むらから今度はサキュバスが出てきた

85天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/07 22:22:26 ID:t2aWWe3c]

>>82
「終わったか…やっと…」
椿は天月を立たせて肩をかした
「…クッ…いろいろやりやがってあの野郎…まっいい…」
怪物が俺の物、体で暴れた事をイラついたが開き直る
「まぁ、しょうがないでしょう」
「…そうだな…」
天月と椿は肩をかしながら歩いた

86JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 22:24:31 ID:rZ3Jc/yU]

>>85
「あっ、ねぇねぇ椿くーん」
椿に向かって挑発するように呼びかける
「ちょーっと話があるんだけどさー?」
俺は椿に向かって手招きをする。

87天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/07 22:29:55 ID:t2aWWe3c]

>>86
「…なんだ…」
椿は、面倒くさい顔をjokerに向ける
「…済まない天月…もう少し待ってくれ」
「あぁ、俺は大丈夫だ…」

88JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 22:32:04 ID:rZ3Jc/yU]

>>87
俺は天月たちから離れたところへ進んでいく
そして、クルッと椿の方を振り向き黒い笑みを浮かべながらこう言った
「藍にやったこと、正直に全部言え」

89天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/07 22:39:27 ID:t2aWWe3c]

>>88
「…やはりな…ベッドで寝かせ縛り、毒のないのないご飯をやった、そしてキスしたりもした…藍に言っといてくれ″すまなかった″と…」
椿はjokerとちゃんと話した後お辞儀し天月ところに戻った

90JOKER♧◆WbV7fK8fK. [2016/01/07 22:41:54 ID:rZ3Jc/yU]

>>89
「へぇーそれだけ言って逃げるの?」
俺は椿の腕を掴んだ。
「最低だな、お前。」
軽蔑するような視線を椿に送る
「自分で謝れ。俺を使うなヘタレ」

91天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/07 22:48:17 ID:t2aWWe3c]

>>90
「……分かった…」
椿は、正座したそして…土下座
「私は、あなた達の仲間を傷つけてしまった…本当に申し訳ない……」
「joker、後は本人次第だ…その辺にしとけ…」
天月が、入りjokerにお詫びした

92Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/07 22:58:42 ID:Xe4QZ2.2]

椿は藍に謝るべきではないか?

93Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/08 01:51:55 ID:Xe4QZ2.2]

コート捨ててないし悪魔は二体逃しちゃったけどそこは脳内補足で


俺は装着している胸当てを外して、一度深呼吸をする。
今、どんな状況になっているのか整理しなければならない。
ジョーカーと天月、そして椿という男は何処へ行ったのだろうか。
彼等の事だろうから木々を薙ぎ倒し、足跡を残して行きそうなものだが、珍しくそういった事はない。
ラティは呑気に魚を焼き、敵対勢力であった筈の黒猫は小町と共に眠っている。
傭兵として生きてきたが、こんなに戦況が混乱しているのは初めてだ。
確かに、昨日までの敵は今日の味方。という事はよくあったが、今の様な情報が少なすぎる状態で、嵐の様に敵味方が変化するのは経験した事がない。
今、俺が出来る事は何だろうか。介入しても問題無い事は何だろうか。

そう様々な事を考えながら、ツヴァイヘンダーの横に胸当てを置く。
香ばしい焼魚の匂いがする。ラティは上手く魚を焼けたのだろうか。
俺はそっとラティの側に近付く。

「どうかな、初めてこんな魚の焼き方をしたけど。」

ラティから話をかけてきた。

「上手く焼けてるんじゃないか。」

俺は返す。

「何だ、その言い方は。傭兵だから生食くらいはした事があるんじゃないか。」

「支給が絶たれた時に蛇を食った位だ。いつもは携帯糧食で充分だ。」

「そもそも、そんな状況には滅多に陥らない。」

「思っていたより食料関係はしっかりしているんだな。」

「俺は就く場所をしっかり見極めてきた。自分から劣勢の方へ就きはしない。」

「そんなものなのか。」

「傭兵だから出来ることだ。追い込まれた軍は、追い込まれたままだ。」

「何度も裏切ってきた訳だね。」

「一般的に見ると、そうなる。」

ラティは、焦げ目のついた魚を取り上げるて顔まで近付ける。
何度かその匂いを嗅ぎ、食べれる。と確信したように炎から離れたところへ串を刺した。

「で、今度は裏切る気は?」

ラティの問い掛け。
俺は、その言葉に真っ正面から答える。

「俺は、一度ついた方が勝つまで戦う。」

「何があろうと、魔王を殺すまではお前達を絶対に裏切りはしない。」

ラティは苦笑い。

「そんじゃあ、魔王を殺したら裏切る可能性はある訳だ。」

「それが傭兵だ。」

「…まぁ、信頼はしているつもりだよ。昨日はあんたについていったせいで死にかけたけどね。」

「それは申し訳ないと思っている。」

94O,T [2016/01/08 07:11:01 ID:MEtE/xV6]

スイませェん

95 [2016/01/08 16:06:35 ID:w1pYGP7o]

どのシーンから入ればよいのー?

96Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/08 17:23:45 ID:51Q14DrI]

>>95

柊桃、燕子花、藍はガーゴイルと戦った後にサキュバスと遭遇してる

97Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/08 17:49:08 ID:51Q14DrI]

うーん、戦闘に放置された組は何をすればいいのか分からない。
黒猫と小町を目覚めさせても良いのかも分からんし

98JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 18:57:46 ID:aY5ngkvU]

>>91
「そうじゃないよ。自分で藍に謝れって言ってるんだ。気づけ、アホ」
なんでこいつに向かってこんなに暴言ばかり出てくるんだろう。
大切な仲間を傷つけられたから?
それなら、天月にも同じ態度をとるはずなのに…

99天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/08 19:25:59 ID:BJ1CwxAE]

>>98
「……?」
「……?」
「「…プッ……」」
と二人は、不思議に思った後、笑った
「そういう事か、ならがんばれよ」
「…そうだな分かった、藍がつらい思いをさせたからな…
だがお前もがんばれよ」
椿は、jokerにがんばれと言った天月もその応援する理由はjokerは藍が好きという事…あえて言わないようにし、応援の言葉だけ言った

100 [2016/01/08 19:27:12 ID:w1pYGP7o]

私は、藍に謝ろうと立ち上がった。
『追いかける。今藍たちは逃げながら戦っているのだろう?私が助ける、藍は私の…恩人だから』
そういうか否や、椿はその場からきえた。

101燕子花 [2016/01/08 19:35:30 ID:AtMj0S3U]

>>84
マズイ……私はサキュバスの倒し方なんて知らない
無闇に攻撃してこちらの体力が尽きたらゲームオーバーだ
私はそう判断して藍ちゃんと桃ちゃんに
「ここは一旦逃げよう」
と、言って後ろを振り返ると
多数のサキュバスが通せんぼしていることに気づき
「仕方ない……サキュバス狩ろうか」
と、藍ちゃんと桃ちゃんに言った


102JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 19:39:20 ID:aY5ngkvU]

>>101
俺はさっきの広場へ戻った。
そしたら燕子花たちがサキュバスに襲われていた
(あのバカ…倒し方も知らないくせに)
俺は能力で、サキュバスの後ろへ回り込みサキュバスの首を斬る。
「倒し方知らねーなら連絡しなよ」
燕子花たちのほうを向いて言った

103Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/08 19:41:06 ID:51Q14DrI]

たかがサキュバスに苦戦してる歴戦の傭兵さんのJ()

104Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/08 20:05:21 ID:51Q14DrI]

>>99

黒猫と小町は起こしちゃってもいいの?

105JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 20:05:58 ID:aY5ngkvU]

>>104
いいんじゃないですかね

106燕子花 [2016/01/08 20:08:53 ID:AtMj0S3U]

>>102
「そっちが何処にいるかわかんないから
連絡しようにもできないしでしょ!」
と、jokerに言いながらjokerの見よう見まねで
サキュバスの首を切った

107Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/08 20:11:07 ID:51Q14DrI]

>>105

うーん、天月さんが話を持っていったから勝手に変えるのもどうかと思ってね

108Jカス◆kZDFwAt8do [2016/01/08 20:12:13 ID:51Q14DrI]

とりあえず二人が起きるかどうかは天月さんに任せる

109JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 20:18:17 ID:aY5ngkvU]

>>106
「それもそうか」
再びサキュバスの首を斬る。
さっきからうじゃうじゃと…鬱陶しい

110 [2016/01/08 20:18:18 ID:w1pYGP7o]

『!見つけた!藍、燕、柊!』
やっと見付けると、彼女たちに襲いかかる敵を凪ぎ払った。
敵はくずおれ、しだいに消滅していく。
『怪我はない?』
私は皆を見渡してそう言った。そして…
『藍、すまなかった』
頭を下げると、困惑したような声が聞こえた。
「ねぇ…椿って、昔私と会ってるよね?…」
驚いた。彼女は思い出してくれたんだ!
『はい…一人だった私を、藍は夏の国の姫なのに差別なく接してくれた…あのときから、私は…』
そうして、俯く。

君が、好きだったんです。

椿の告白に、私は戸惑うばかりだった。
Jokerをちら、と盗み見る。
彼もまた、椿同様に俯いたままで、二人の表情はみえなかった。

111 [2016/01/08 20:19:14 ID:w1pYGP7o]

椿jokerと燕のとこにかけつけました!

112JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 20:24:27 ID:aY5ngkvU]

>>110
「…やっぱりな…」
俺は俯きながら呟く
まさかと思ってはいたがやっぱりそうだったとは
藍はなんて答えるんだか。
あんなことしておいて告白なんて、椿すごいと思うマジで←
「ん?」
ちょっと待て。今、夏の国の姫って言った?
「はぁぁぁ!?」
俺は驚いて、つい、大きな声を出してしまった

113天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/08 20:30:41 ID:BJ1CwxAE]

>>112
「ん?お前知らないで一緒に旅してたの?ウソ!」
天月もなんとか歩きながらこの広場に来てjokerがその事にきがつかなかった事に逆に驚いている
「俺は、名前と賢者って聞いただけでわかったがな?」

114燕子花 [2016/01/08 20:31:57 ID:AtMj0S3U]

>>109
「何でこいつらうじゃうじゃ出てくるの」
私はうじゃうじゃと出てくるサキュバスに
多少イラつきながら呟いた
正直未知の魔物と戦うのは辛い
私の体力も無くなってきている
私はサキュバスの首を飛ばしながらどうしようと考えた
私の行き着いた答えは体力が無くなる前に
サキュバスを全滅させる事だと思い
私は
「”奥義火龍乱舞”」
私はその踊りを踊っていると私の周りに
火の龍が現れ私の周りを舞っている
奥義を使うのは辛いがサキュバスを
全滅させるにはこうせざるをえなかった
火龍は私の周りから離れサキュバスの方に飛んで行った
そして火龍がサキュバスを喰らうようにサキュバスを倒して行った
そして火龍が消えるとサキュバスの姿はもうなかった




115JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 20:36:12 ID:aY5ngkvU]

>>113
「知ってるわけねぇだろ!?俺はサーカスの団長だし、色んなところ転々としてるからその場に長くとどまらないんだよ!?」
それに気づけなかった自分が恥ずかしい

116天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/08 20:40:14 ID:BJ1CwxAE]

>>115
「この俺でも気ずいたけどな、…とりあえずここは二人にした方がいいんじゃないか?
そうした方が藍も決断しやすいだろ?」
天月とみんなに言った

117JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 20:42:10 ID:aY5ngkvU]

>>116
「ん。わかったよー」
俺らは広場から離れたところへ移動した

118 [2016/01/08 20:44:01 ID:w1pYGP7o]

『ふん…まだまだだな、joker。藍は私の妻に…「…好き。」え…?』
私は小さく、ほんとうに小さく呟いた。
『そ、れは…私、か…?』
椿の少し嬉しそうな顔に、
罪悪感が走った。

119 [2016/01/08 21:34:34 ID:w1pYGP7o]

どうしよう…椿には悪いけど…
私の道は、私が決める!
「好き。jokerが。その…私が好きなのは、…jokerだけなの。」
いってしまったーーー!

120JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 21:39:10 ID:aY5ngkvU]

>>119
俺の動きが停止する。
……今、なんて言った?好きって言ってたような…
「え……?」
俺は挙動不審になりながら口を動かす。
「藍…?今…なんて…」
藍が言ったことに信じられない。今まで親に邪魔者扱いされていたこの俺が、好きなんて…

121 [2016/01/08 21:43:17 ID:w1pYGP7o]

あああもう、いっちゃった…
「だから私はっ…jokerが好きなの!」
そう言うと椿をそのままにjokerに抱きついた。

122JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 21:45:53 ID:aY5ngkvU]

>>121
「一時停止してる!?」
「jokerが!?」
なんて声がちらほら聞こえる
「あ…藍?いいの?俺なんかと…」
挙動不審になりながらも藍に向かって言う。

123 [2016/01/08 21:50:41 ID:w1pYGP7o]

「好きだから、いいの!」

124JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 21:52:15 ID:aY5ngkvU]

>>123
「不器用だけど…じゃあ…」
俺は帽子を取り、お辞儀をする。
「よろしくお願いします…!」
赤面しながら言った

125 [2016/01/08 21:54:32 ID:w1pYGP7o]

「わっ私こそ…!よろしく、ね…?」

126天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/08 21:54:45 ID:BJ1CwxAE]

>>124
「jokerーおめでとう!」
と俺が最初に言い後から回りも言う

127桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/08 21:55:46 ID:rHI5A30E]

(おめでとーーー笑
ウチ今どこだあー。笑)

128 [2016/01/08 21:56:00 ID:w1pYGP7o]

椿放置ww

129JOKER♤◆WbV7fK8fK. [2016/01/08 21:56:45 ID:aY5ngkvU]

>>128
椿放心状態なうw

130 [2016/01/08 21:58:26 ID:w1pYGP7o]

きっと驚いて話せないのよw

131天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/08 22:03:14 ID:BJ1CwxAE]

椿ーーどんまーw

132J◆kZDFwAt8do [2016/01/08 22:09:44 ID:51Q14DrI]

>>127

天月に溝内を強打されて気絶し、黒猫が離れた場所へ保護。
桜小町は一度目が覚め、黒猫と和解。そして黒猫と共に再び睡眠
それをラティとJが保護。ラティが水をくみ、虹鱒を三匹焼いている

133桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/08 22:11:10 ID:rHI5A30E]

>>132
(ありがとう!!!!おっけ!助けてくれてありがとう!)

134天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/08 22:12:13 ID:BJ1CwxAE]

「…フッ…椿!どんま、まっ次はがんばれ!」
俺は椿の肩に乗せて優しく言った
「…そうか、やはりjokerか…私はjokerに負けた…」
「…椿!元気出せよ?ん?泣いてる?…椿」

135ラティさん◆41s.EbZkzs [2016/01/08 23:49:44 ID:H4bs8Ips]

>>93
「…魚焼けたけど、食べる?」
「……。」

ラティが焼けた魚を一つ持ち上げてJに問う。
だがそれは、無言によって否定された。

サキュバスを相手に戦い、流石に疲れたのだろうなと思い、ラティは気にすることなく、魚の代わりにJに水を差し出す。後ろでJがそれを手に取った事が気配でわかった。

jokerたちも戻ってこないし、桜小町達が起きる気配もない。
寝ている二人を揺り起こし、疲弊したJを連れて無理に移動をすることもないだろう。ラティは至極簡単に考え、この場に暫く滞在することを決めた。

「そういえばあいつ、どうしているかな。」

一度寝かせた頭を上げ、ポツリと一人呟く。
先程とは違い、その呟きはJに拾われる。

「誰の事だ?」
「わかばだよ、わかば。出発したときはいた気がしたんだけど…いつからいないんだろ。」

ううんと二人で考えてもわからない。
そんなに影の薄い奴だったか、とラティは可愛そうに思った。

「さあわからんが、いつかひょっこり出てくるんじゃあないか。」

ラティはJの言葉に「それもそうだ」とまた簡単に思い、また頭を地に付けた。

136わかば◆aQ498HZwlY [2016/01/09 01:09:11 ID:ogdsDd7U]


「皆とはぐれちゃったな…」

わかばは苦笑いを浮かべながら辺りを見回していた。
離れた場所に滝がある事に気付きそちらを見る。

わかばは仲間達とはぐれた後沢山の悪魔と戦い
結構な疲れを感じていた。
(丁度いい、滝の所で少し休もう)
そう思い滝の方へと足を運んだ。

「…よっと、着いたか」
滝の近くに腰を下ろし手持ちの水で乾いた喉を潤した。
(それにしても水が綺麗だな)
辺りは殺伐とした雰囲気で滝の水が綺麗なのは少々
似つかわしくないと感じる。もっと汚いものではないのか、
疑問に思いながらも水をすくって眺める。

ふと、視界の端に地面が映った。
普段なら地面が見えた所で何も思う事はないがわかばは
ある事に気付いた。
「これ…人の足跡だよな?」
地面にはいくつかの足跡がみられる。
(もしかしたら、ラティ達の足跡かもしれない)
わかばは足跡が続く方へ向かうことにした。

「1人で行動するのは何かと面倒だからな…」

137わかば◆aQ498HZwlY [2016/01/09 01:41:47 ID:ogdsDd7U]

わかばはずっと足跡が続いている方に向かって歩いていた。
「結構続いてるな…」
足場が悪いため、その分疲労も溜まってくる。
しかしはやく合流したいという気持ちの方が強く、
わかばは休まず歩き続けていた。

(今敵に会ったら厄介だな…)
この体力では勝てそうにない。
心の中で敵に会いませんようにと呟き、
また地面の足跡に意識を集中させる。

「まだ続くのかこれ…」
わかばにはもう体力が残っていなかった。
(もう少ししたら休もうかな)
そう思い1度立ち止まって、辺りに休める場所を探した。
すると自分の足音がなくなったからなのか、小さな音が耳に
入った。敵だろうか、そうならば最悪だ…ー

わかばは「う~ん…」と唸ったあと
音がする方に向かうことにした。
丁度足跡もそちらにある、ラティ達である事を願った。

だんだん音が近付きその音の正体が喋り声だとわかった。
(これはラティ達の可能性の方が高い)
わかばは先程の疲れを忘れ急ぎ足で音の方へ向かった。

やっと音のする場所に辿り着き少し覗いてみる。
(あれは…ラティだな、良かった)
わかばは安心してラティ達に近付いた。
そこで物音に気が付いたのだろう、ラティが勢いよく
こちらを振り返り武器を構えた。

「誰だ!!」
避けるのが遅れてたら当たっていた攻撃を間一髪で避けて言う。
「ラティ!俺だ、わかばだ!」
こんな会話前もしたよな、そんな事を考えてしまう。
ラティの後ろ側にいるJも武器を手に取っており、
2人に攻撃されていたら危なかったと溜息をついた。

「ごめん、わかばだと思わなくて…」
ラティが申し訳なさそうに言った。
「いや、俺が悪かった。すまない。」
わかばはそのまま続けて聞いた
「他の奴らはどうした?」

138桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/09 02:17:20 ID:rHI5A30E]

「……っ。ふわぁ。」
小町は目を覚ます。小町にはまだ眠っている黒猫がよりそっている。
一つあくびをし、何かをやいている、そのせいの煙に隠れた二人の影に近付いていくー。
白いマントのような服装をした大きめな男、
白い包帯をくるくる巻き何か魚をやいている男。
「…J?…ラティ?」
小町は目を細め2つの影に話しかける。
「ああ、桜。おきたのか。」
ラティの声だ。安心したわたくし訪ねる。
「なぜわたくしはここに?」
「二人が眠っているところを発見し、保護した。」
あぁ、その低く太い声の持ち主はJだ。
やはり、無防備にねてしまったのか。
そのままいるとモンスターの餌食になるところだった。
「ありがとう御座います、2人とも。」
ぐぅ~キュルル~
「……っ。あっ。これはですね。あのっ」
最悪だ。お腹がすいてるのがばれてしまった。

あせっている小町の様子を察したJは
「ラティ、小町に虹鱒をやれ。……ククッ」
Jが笑うのを初めてみたかもしれない。
「ははっ。はいはい。どうぞ、桜。」
と小町に竹の刺さった虹鱒をラティはわたす。


静かな森の中に3人の小さな笑い声が響いた。

139桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/09 02:19:12 ID:rHI5A30E]

>>138→>>137
という順番でお願いします!!!!!

140JOKER☂◆WbV7fK8fK. [2016/01/09 14:11:19 ID:YKDaDhYc]

>>134
「私はjokerに…」
椿の呟く声が聞こえた。あいつ、藍のことが好きだったんだな~
俺は申し訳なさそうに椿のほうを見ると、椿は放心状態だった。

141 [2016/01/09 14:16:48 ID:0qYU9CtQ]

『もういいです。藍が好きなら、私は諦めます。しかし!joker!お前が藍を泣かせたりしたら即奪い返すからな!』
椿は天月と黒猫に慰められながら去っていった。

142JOKER☂◆WbV7fK8fK. [2016/01/09 14:20:06 ID:YKDaDhYc]

>>141
「誰が泣かすか!ヘタレ!」
なんか恥ずかしくなったからつい、大きい声を出してしまった。
あいつ…泣いてたな。
失恋なんて経験したことがないからわからないがそんなに辛いものなんだな…って思っていた

143 [2016/01/09 14:25:03 ID:0qYU9CtQ]

「ごめんね、椿…」
私は椿の後ろ姿を見ながら呟いた。
子供のときから想ってくれていたために罪悪感がつのる。
でも、私はjokerが好きだから…
椿に対する気持ちを振りきるようにjokerの胸に顔を埋めた。

144桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/09 14:25:49 ID:RF.1/IIg]

>>141
黒猫今そこにいないよー?

145 [2016/01/09 14:27:45 ID:0qYU9CtQ]

あっ!すまぬ…

146O,T [2016/01/09 15:17:59 ID:X9ZHI/r2 (sage)]

「やっと…みつけたぞっ!フフフ!」
満身創痍の状態で木陰からJ達を覗くO,T。
「この甘ったるい香りを嗅いでいけばジェイを見つけられるはず!」とかなり抜けた考えを思いつきさっそく意気揚々と臭いをたどっていった。
当然の事ながらは出会うのはJではなくサキュバスのみ。
怒りと恐怖が混ぜ合わさり彼は数秒静止するもすぐに行動(八つ当たり)を開始する。
写真から出した樹木で押しつぶそうとしたり三脚の先で首等の急所を攻撃
死に物狂いで戦いなんとかただそこにいただけサキュバスを始末した。
学習能力皆無なのか、脳ミソがクソになっているのかこれを何十回も繰り返した。
そして48匹目のサキュバスを通り魔の如く抹殺した時やっと足跡を追う事を思いつく。
最初からそうするか、Jが助けに来た逆の方向へ向かっていけばよかったのだが。
48連戦もして精神力と体力は共にボロボロだ。
が、「かえって非力な一般人により見える!」とポジティブシンキング、追跡をそのまま続けた。
そしてやっとのことでJを見つけ、今に至る。
(ム?ジェイの一緒にいるヤツら…どこかで合ったか?)
ラティのわかばなら山での追跡途中見たが記憶の片隅にもなかった。
(それと、あの…寝てるヤツら……あいつらはたぶん初めて見るな)
(楽しそーに魚なんて食いやがってッ!私はこんなに苦しんでるというのにッ!)

川を一眼レフを足場にして音もなく渡りJに接近していく。
わかばとやらに注目している今がチャンスだろう。
音も気配も消して、遂にJの背後で立ち止まる。
(これは試練だ挑戦だ。どこまで接近できるか、私は挑戦したい。)
「先程は、ありがとうございました。おかげで『あの時』は助かりました。」
静かに彼は言った。

147J◆kZDFwAt8do [2016/01/09 15:43:25 ID:Sm1/kXY.]

Jが笑ったァァァァァァァー!!?

148桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/09 15:57:31 ID:RF.1/IIg]

>>147
あ、ダメ?ごめんなさいー。

149天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/09 16:42:26 ID:XVgxRuw.]

>>141
天月は椿を慰めながらもまた滝の所に戻った
「黒猫を探さねーとな」
「そうだな…一体どこに?逃げたんだ?」
「ずいぶん遠くに逃げたのか?…」
天月と椿は心配しながら、黒猫を探した

150天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/09 16:56:41 ID:XVgxRuw.]

>>149
「ここまで歩いてもいないって…」
「最悪の場合…もしかしたら」
「や、やめろよ…そんなの…あり得る訳…」
二人は黒猫が何かに巻き込まれたか、もしくは…そんな事を考えながら探す二人

151桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/09 17:20:48 ID:RF.1/IIg]

「…わかばっ。ご無事で何よりです。」
小町の目は涙目になっていた。
わかばはクスッと笑い小町の頭をぽんぽんとなでた。
「また大きくなったんじゃないか?
口が達者だと聞いておるぞ?」
「…へっ?」
誰だ。そんなことをわかばに言ったのは…
小町はぐるっと見舞わし、
「お前か?ラティ。この変態野郎。」
ギクッとしたような目でラティは
「……そこだよ。そーこ。ははっ。どーんまいっ。」
むっと小町はラティを睨む
二人の睨みあいが始まろうとしたとき、
「…うるさい。」
Jが言った。
二人は仕方なく睨み合いをやめた。
わかばまそんな二人の様子をニコニコみていた。
4人の間に長い沈黙が流れようとしたとき
だった。
「………はっ。」
黒猫が目を開けた。音に敏感な黒猫は呟く。
「……天月さん?」
ガサガサ……

152天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/09 17:32:50 ID:XVgxRuw.]

>>151
「あーどこだ…あっ、黒猫!やっといた…探したんだぞ?心配させて」
「そうだ、こんなところで何したんだ?」
二人は黒猫をやっとのことで見つけ優しく言った
「まぁ、俺ほぼ悪いんだがな…まぁ、jokerのおかげで、俺に取り憑いたジャバウォッカ?を倒した…でjokerはな椿まぁ大丈夫だよきっと新しい出会いに会えるさ!」
「そうだな…すまなかった小町…藍を悲しませた…」


153桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/09 17:41:05 ID:RF.1/IIg]

>>152
「天月さん!!!!」
嬉しそうに黒猫は笑顔を見せる。
他のみんなはアレで聞こえるか?というような目で黒猫をみていた。
天月の横には椿がいた。悲しそうな顔でいる。
だから小町は優しい声でそっと言った。
「藍の心配よりわたくしの頬の心配をしなさいな。」
頬の傷は椿の刀で傷つけられたもの。
痛みなんて忘れてしまったけど。


(お腹痛い!落ちる!)

154J◆kZDFwAt8do [2016/01/09 17:43:10 ID:Sm1/kXY.]

>>146

俺は背後から突然聞こえる声に、思わず立ち上がった。
そこには、足を怪我し、俺に助けを求めてきた男が立っていた。
負傷していた足には包帯を巻き、その顔は疲労してる表情だった。

「貴方は。先程の。」

そう俺が答えると、その男は笑顔で返す。

「えぇ、そうです。襲われていた者です。」

俺は疑問が浮かぶ。何故、あのまま逃げずにこの悪魔の森に留まっているのか。
あそこはそこまで高くはない、いくら足を怪我しているとはいえ、真っ直ぐ引き返せば村か町に出られた筈だ。
それなのにこいつは何故、また俺の前に現れたのだ。

「……きっと貴方はこう言うだろう。」

男は微笑みを無くし、真剣な眼差しで何かを呟いた。
俺はここまでついてきた事を伏せ、真っ先に浮かんだ疑問を言葉に発した。

「「何故、貴方はあのまま逃げなかったのですか。」」

「……!」

「と、言うでしょうね…。」

俺の言葉と、その男の言葉が重なった。
何が起こったのかよく分からない。だが、簡単に表すと、俺が言おうとしていた言葉をまるで先読みしていたかのように、俺とその男の言葉が重なった。

「これは、私の不覚でした。」

俺は恐る恐る言葉を続ける。

「あの時、山を下って街に出るまで、私が防衛していれば、再び遭難する事は無かったでしょう。」

「本当に申し訳ありません。もし良ければ、貴方の名前を知りたいのですが。よろしいですか。」

社交性も傭兵として必要なスキルだ。
ウエスタンシャツを着たその男は、仄かに微笑みながら俺の質問に答えた。

「僕の名前はO.Tです。」

155.+゚*。:゚+柊桃。:゚+♪◆bZ7Clzm.3. [2016/01/09 17:48:54 ID:5FMLmEk.]

>>154

156.+゚*。:゚+柊桃。:゚+♪◆bZ7Clzm.3. [2016/01/09 17:49:16 ID:5FMLmEk.]

ミスごめん、

157天月◆T7ej6WOXJI [2016/01/09 17:58:17 ID:XVgxRuw.]

>>152
「……私を、心配してくれたのですか?……」
黒猫は嬉しい顔で小さく言った…が聞こたみたいで…
「心配するに決まってるだろ!、仲間だぞ!心配しない訳ないだろ!」
「そうだ、私達が黒猫を心配する訳ないだろう?仲間なのだから黒猫を心配しない奴はいない」
二人は、本当に心配してたみたい黒猫は嬉しかった

「…ありがとうございます…そして心配させてごめんなさい…」
黒猫は、心配させた二人に謝った
「いいよ、やっと見つけたしそれで俺らは十分良かったよ」
「あぁ、私達はそれでよかったんだ…あまり遠くには行かぬなよ」
と優しく二人に言われ黒猫は
「はい!」
「さぁ、行こう」
「あぁ、黒猫いくぞ」
「あっ、待ってください!」
三人はどこかに行こうとする

「あっ、小町、J、ラティありがとうな黒猫を保護してて後、小町溝大丈夫か?すまなかったなあれは…」
「私もすまなかった小町に言われ天月にも言われなかったら今ごろ…」
「私も、なんかごめんなさい」
「それじゃ、行くとしますか」

158O,T [2016/01/09 18:21:57 ID:X9ZHI/r2]

「改めて…よろしくお願い申しあげます」
(良ぉお~〜~〜~〜~〜~〜~しッ!ぜーんぜんバレてない!)
一応顔を見られたにも関わらずバレてる様子はない。
それだけではない、傭兵に気付かれずに背後まで接近できた。
これらの事がイラついていた彼の心を静めた。
「ン?虹鱒じゃあないですか~〜~」
彼は勝手に魚を取って当たり前のように頬張り始めた。
「…まっなかなかウマイと思うよ〜っウマイよかなりウマイ」
口ではそう言っているが顔には『微妙だな』という気持ちが表れている。
断りもなしに取って食べたくせして何様のつもりなのか。
(私はヤマメの方が好きなんだッ!それに塩をもっとだな…)
「フゥ〜~…なーーーんの情報も道具も持たずに山に入った私が悪いのです。」
「あなたが心咎めを感じる必要は…」
「ン?そういえば名前を聞くのを忘れていましたね…教えていただいてもよろしいですかあ〜~」
どうも、馴れ馴れしい印象を与える男だった。
(うっかり「ジェーイさーん」などと呼ぶと思ったかッ!やはり私は完璧だッ!)
バカな考えのせいでモンスターに襲われにいった出来事は既に忘れているようだ。

159O,T [2016/01/09 18:22:21 ID:X9ZHI/r2]

ややこしい状況になってない?

160J◆kZDFwAt8do [2016/01/09 18:35:20 ID:Sm1/kXY.]

うーんぐちゃぐちゃ

161わかば◆aQ498HZwlY [2016/01/09 18:36:25 ID:TJK.GMes]

天月と黒猫とかは別行動になるの?

162O,T [2016/01/09 18:40:32 ID:X9ZHI/r2]

俺や桜子町と話してる間に行ったんだなうん
みんな話すのに夢中で気づかなかったんだなうん

163わかば◆aQ498HZwlY [2016/01/09 18:43:03 ID:TJK.GMes]

そ、そうなんだ…うん

164J◆kZDFwAt8do [2016/01/09 18:54:13 ID:Sm1/kXY.]

俺は前のシャワーシーンで表現したようにそこまで体格は良くない気がするけどまぁいいか

165J◆kZDFwAt8do [2016/01/10 01:30:19 ID:Sm1/kXY.]

>>158

O.Tと名乗ったその男は、残っていた虹鱒を不味そうに食べながら俺の名前を伺ってきた。

「私はJです。申し訳無いですが、本名は名乗れません。」

それはこの男の名前も偽名か何かだろう。見る限り軍事や国家関係者には見えないが。
男は食べていた虹鱒を放り投げ、腰に手を当てながら答える。

「Jさんですか。ジョーカーの名前か何かを文字ってるんですかぁ?」

「それは御答え出来ません。」

男は眉を潜めながら質問を続ける。

「何の職に就いているのですか。」

率直に傭兵です、と答える訳にはいかないだろう。
相手は見る限り旅人でも登山家でもないだろう。服装が軽装過ぎる。
ならばサキュバスに抱かれにこの森に来たのか。だが、サキュバスを含む悪魔達からは逃げていた。
ならばこの男は何なのだろうか。

「私は、そうですね。魔王討伐組を知っていますか。」

男は表情に疑問を浮かべる。

「魔王討伐組?ンッン~~~……ああっ!最近結成されたアレですよねぇ!」

この答えは、きっと知らないのだろう。

「そうです。ですから、私に職を問うのは、失礼ながらナンセンスです。」

そう言うと、男は微笑んだ。

166JOKER☂◆WbV7fK8fK. [2016/01/10 17:05:49 ID:d3YaV5NU]

>>143
「っ!?」
いきなり藍が自分の顔を俺の胸に埋めたから驚いてしまった。
俺はこういう事はなれていなくて驚きの連続ばかりだ

「あっ」
俺はあることを思い出した。
帰る時も悪魔の森通らなきゃいけないじゃないか
めんどくさい。あんなでかい鎌を降るのは案外疲れるからできるだけやりたくないんだが・・・

167J◆kZDFwAt8do [2016/01/11 16:26:20 ID:C5sZKmhY]

どんな感じに進める?

168JOKER☃ [2016/01/11 16:27:00 ID:9SAuJqi.]

>>167
燕子花、柊桃、藍、JOKERがそっちに向かう

169J◆kZDFwAt8do [2016/01/11 21:44:24 ID:C5sZKmhY]

そっちって何処に向かうんだ……

170黒猫@カップケーキ作ろうかな [2016/01/11 21:44:25 ID:E93KXjVU]

「私は、はぐれないように気をつけてあるかなくちゃ…」
小声で呟く。
天月さん達に聞こえたら笑われそうだけど。

171J◆kZDFwAt8do [2016/01/11 21:44:53 ID:C5sZKmhY]

あー桜小町達のところか

172 [2016/01/11 21:48:20 ID:YHqssJMs]

Jさんこんにちはー(^_^)/

173O,T [2016/01/11 21:51:01 ID:05OWwp6c]

おねせめO,Tの一人称は必ず私だけにして

174 [2016/01/11 21:51:48 ID:YHqssJMs]

過疎化してるねw

175J◆kZDFwAt8do [2016/01/11 22:43:41 ID:C5sZKmhY]

>>173
ごめん
状況に合いそうなのがエンポリオしか思い付かなかった

176O,T [2016/01/11 22:58:03 ID:05OWwp6c]

改変しよう

177J◆kZDFwAt8do [2016/01/11 23:02:07 ID:C5sZKmhY]

>>176

あえて

「だが断る」

とは言わないでおこう……

178J◆kZDFwAt8do [2016/01/11 23:55:47 ID:C5sZKmhY]

ごめんなさい

179J◆kZDFwAt8do [2016/01/12 00:21:31 ID:C5sZKmhY]

「何だか二人がどっか行く見たいですよ。アレは仲間じゃあないんですか?」

O.Tはそういって天月と黒猫が森の奥へ向かっていく様を指した。

「二人は魔王討伐組ではありません。」

きっぱりと言った。確かに、あの二人はこちらには関係ない。
たかが自分の因縁やら私事で襲われ、そして骨折り損をさせられた。
二度とあんな面倒な目には会いたくないものだ。

「そうなんですか~~~……」

俺たちの目標は魔王の討伐。
それ以外の物事は出来るだけ避ける。避けれないのならば排除する。
何故、こんな騒動に巻き込まれないとならないのだ。心底そう思う。

「ン~~~それにしても、こんな危険な森に入り込み、不幸にもバケモノの襲われ、「偶然」にも貴方に助けられたのも何かの「縁」でしょうねェ。」

「少し頼みたい事があるんですがァ……この森を抜けるまでは、そのォ~なぁんだっけなァ……」

少し言葉を崩しながら彼は続ける。

「そう!魔王討伐組の側にいてもよろしいでしょうか?」

「側にいる?」

側にいたい、という言葉に俺は返す。

「エェ、ハイ。詳しく説明しますとね。」

「ひっじょォ~~~~に図々しいかと思いますがァ、「偶然」にも助けられたこの私を保護して……ほしいのです。」

一般人にしては確かに図々しい物言いだ。
だが、服装を見る限りそういう性格なのは見てとれる。
こんな崖のような状況で、目の前に命綱があるのならば誰だって掴みたくなるだろう。

「はい、分かりました。」

ここで突き放したらメンバーがなんて言うだろう。そう考えると、断ろうにも断れない。
そう言うと、彼は不気味に微笑みながら謝礼の言葉を返す。
だが、俺はこの男と似ている心霊写真を見てしまってるせいか、あまり関わりたくない。早く街に下ろしてやろう。

180J◆kZDFwAt8do [2016/01/12 17:54:44 ID:O64wXP56]

大分書き込み無いからどこまで動かして良いのか分からない
ジョーカー達をこっちに合流させてもいいの?

181 [2016/01/12 17:59:40 ID:WtmiRG5Q]

いいと思う!
Joker来ないけど…(;_;)

182J◆kZDFwAt8do [2016/01/13 18:22:19 ID:0SGEITfA]

誰が進めるんかなぁ

勢いが完全に無くなったって事は飽きたか興味無くなったって事じゃないか
やろうと思えば少人数で進める事は出来るけどそれって皆参加してる意味があるのかどうか

183JOKER♝ [2016/01/13 18:30:45 ID:dvMHCvEA]

>>157
2人が行った後


「小町たちと合流しなきゃな」
俺は思い出したように皆に言う。
「藍、小町達がどこにいるか分かる?」
ここは賢者の藍に任せた方がいいと思い、藍に尋ねてみる。

184 [2016/01/13 19:31:28 ID:NX6ZPmQw]

「えーと…うん!皆に手伝ってもらうから待ってて!」
私は杖に魔力を込めて光る蝶を作り出した。
「蝶たち、小町がどこにいるかわかる?」
すると蝶は道案内をするようにひらひらと舞った。
「案内してくれるみたい!こっちだよ!」
皆に声をかけて走り出した。

そろそろ小町の出番よー!
蝶は小町のもとに向かってるからねー♪

185JOKER♝ [2016/01/13 19:34:20 ID:ffjgDYHc]

>>184
「さすが!」
藍の方を見て笑顔で答える。告白されたとはいえ、態度があまり変えられない。
「藍、燕子花、柊さん。行くよー!」
俺は念の為に鎌をいつでも振れるように構え、走り出した

186燕子花 [2016/01/13 20:09:56 ID:4CxftOnI]

>>185
「わかったー」
私は元気よくそう言って走ろうとしたが
さっきのサキュバス戦で奥義を
使ったから脚がガクガクして
まともに走れたものではないが
私はみんなに迷惑をかけたくない一心
でフラフラしながらも走り出した

187JOKER♝ [2016/01/13 20:12:35 ID:ffjgDYHc]

>>186
燕子花の走りがおかしい。
体力が結構ある燕子花がフラフラしている。
「燕子花、お前、どうかした?」
走りながら燕子花に尋ねてみる。

188燕子花 [2016/01/13 20:20:11 ID:4CxftOnI]

>>187
「大丈夫…だよ」
私は無理に笑顔を作りながら走った
「それより鎌…怖いんだけど」
と、私は話を逸らした

189JOKER♝ [2016/01/13 20:29:33 ID:ffjgDYHc]

>>188
あんまり掘り下げてもめんどくさいだけだし、本人が大丈夫って言ってるなら大丈夫だろ←
「しょうがないだろ?いつ襲われてもわかんないんだから」
話をそらされた気がするんだがまあいいか

190燕子花 [2016/01/13 20:39:24 ID:4CxftOnI]

>>189
「ふーん…あっ!joker藍ちゃんと話してきたら?」
私はフニャリと笑いjokerに言った
正直こうして笑って気を紛らわしておかなければ
体力的にきつい
早く着かないかなぁ〜
と、思いながら走った

191JOKER♝ [2016/01/13 20:43:40 ID:ffjgDYHc]

>>190
「この状況が落ち着いたらな。」
俺は照れ隠しに前を見ながら答えた。
この状態でできるか・・・なんて考えながら走り続ける

192桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/13 20:50:30 ID:Pe9AsUmE]

ん………?
何かわたくしの頬にあたる……
ふと辺りを見回していると
「……蝶?って…藍?」
あの時見た同じ蝶。
「藍の?蝶?」
ラティとわかばは口を揃えて言う。
「……えぇ。そうよ。多分、近くに
いるんだわ。」
わたくしたちも探しているので、都合がいい。
「…ねぇ、J。蝶の来た方向に行かない?」
ひたすら歩くJに尋ねる。
「………わかった。」
しばらく考えて答えてくれた。

そして小町、ラティ、わかば、J、O.Tは
来た方向を引き返す。

193燕子花 [2016/01/13 21:43:57 ID:4CxftOnI]

>>191
「はいはい」
私は呆れながら言った
私は平気そうな顔で走っているが
脚はガクガクしていて意識も朦朧としていたが
なんとか保っていた
早く着いて!
と、思っている燕子花であった

194 [2016/01/13 21:49:17 ID:NX6ZPmQw]

Jokerに誉められて、顔が赤くなる。
あぁ、どうかこの顔が見られませんように…
ん?燕の様子が…?
私は蝶に魔力を注ぎ、巨大化させる。
「燕!この子に乗りなさい!」
蝶が燕をすくいとり、癒しの光をだして燕を包んだ。

195燕子花 [2016/01/13 21:52:31 ID:4CxftOnI]

>>194
私は巨大化した蝶にすくい取られ驚いたが
癒しの光に包まれ安心したのか
意識を手放しそうになったが最後に
「藍ちゃん……ありが…とう」
私はそう言って意識を手放した

196 [2016/01/13 21:58:07 ID:NX6ZPmQw]

>195
「ゆっくり…おやすみなさい」
私は燕の頭を撫でて微笑んだ。

197J◆kZDFwAt8do [2016/01/13 22:40:08 ID:0SGEITfA]

俺は桜小町の言う通りにその蝶を追う。
だが、この蝶についていって良かった事などない。いつも何かに巻き込まれる。
いつもにまして、その蝶が俺達を馬鹿にしてるような空の舞い方だと感じてしまう。
土と葉が混じりあう足場の悪い地面を踏み締める。ここでは一番体力の残ってるラティを先頭に立たせ、俺は後方で桜小町の後を追う。

「ンッ……?オイオイオイ、なにかぁ聞こえませンか?」

真ん中に位置取っていたO.Tが立ち止まって皆に伝える。
何かが聞こえる。確かにこんな悪魔の森では何かしら聞こえるだろう。
よく耳を澄まして雑音を聴いてみると、悪魔の笑い声や叫び声の中にとても大きな翼が羽ばたく爆音が聴こえるのを察知した。
なんだろうか、この翼の音は。
竜にとても似ているが、悪魔の森に出現する事はない筈だ。


「な、な、なんだァーーーありゃァァァァァァァー!!?」

沈黙を切り裂くようにO.Tが叫ぶ。

「あの蝶ッ!ナニかを乗せて空を飛んでいるんじゃあないのかッ?そして何よりもデカイッ!!」

彼は叫んで上を指す。そこには、俺達の前を舞っている蝶よりも何倍も巨大な、まるで化物の様な蝶が飛んでいた。
その巨大な蝶はこちらに向かって来ている気がする。
俺は自然と鞘からツヴァイヘンダーを抜いて、身構えた。

198JOKER♧ [2016/01/13 22:48:54 ID:ffjgDYHc]

>>197
大きな蝶は燕子花を乗せて飛ぶ
俺達が追いつけるスピードで。すると、どこからか男の叫び声が聞こえてきた
前方を見てみるとそこには、J達が居た。
待てよ・・・J、剣構えてないか?

「ちょ、そのでかい蝶斬らないで!!」

俺は向こうに見えるJ達に伝わるようにと、出来るだけ大きな声を出した

199J◆kZDFwAt8do [2016/01/14 01:38:24 ID:0SGEITfA]

その蝶の下から声が聴こえる。若い男の声、ジョーカーだ。それに続いて討伐組いる
巨大な蝶に気を取られていて彼等が走って来ているのが分からなかった。
俺は引き抜いたツヴァイヘンダーを鞘に戻し、ベルトを肩に掛ける。
化物の様な蝶が乗せていたいたのは気を失った燕子花だった。
蝶は次第に小さくなり、燕子花がゆっくりと地面に下ろされる。

「やっと追い付いた。」

と、ジョーカー。行方不明となっていた藍も側にいた。

「これからどうするの。」

ラティが彼に問い掛ける。彼は大鎌を肩に乗せて、息を整えてから答えた。

「先ずはこの山を降る事かなぁ。もう此処には用が無いし。」

「そう、燕子花は?」

「疲労してるみたいだし起こすのはねぇ…誰かおぶらないと。」

彼はまだ面子が一人増えている事に気付いていない様だ。
俺の横にいつの間にか立っていたO.Tが話し掛けてくる。

「ンッン~~~~なんてメルヘンでファンタジーな御登場ですねェ。」

と、O.T

「あれがメルヘンだと?」

俺は返す。

「俺には格好付けにしか見えないな。」

「いつの間にか敬語が無くなってるじゃあないか。」

「……すまない。」

「いっやァ~~~別に構わない。」

やはり、気味が悪い男だ。心霊写真に写っていた者に本当に似ている。

200J◆kZDFwAt8do [2016/01/14 01:53:39 ID:0SGEITfA]

「んー…この中で一番の力自慢は誰だろう?」

ジョーカーは話を切り出して来た。

「そういう問題じゃないと思うけど。」

ラティの正論。

「同感です。」

柊桃がそれに続く。
皆は燕子花の様態を藍に聞き、疲労が溜まっているのだと知る。
こんな状態で山を降らせるのは酷だ。かといって誰かが燕子花を担いで降りるのもとても辛いだろう。
ジョーカーは大鎌を撫でながら俺に視線をやる。

「Jさん、確か傭兵だよね。」

問い掛けてきた。ジョーカーは言葉を続ける。

「傭兵なら一人くらい背負って山を降れそうな気がするんだけど……どうかな。」

面倒事は俺に押し付けるつもりなのか、こいつは。
俺の背中にはツヴァイヘンダー、アリスがいる。
そんな奴を担ぐ余裕なんて無い。

「Jさんも疲れてる。仕方ない、あまり自信が無いけど、僕が何とかする。」

ラティがそう言いながら燕子花をお姫様抱っこをする。
山火事に巻き込まれた時とは大違いだな。凄く成長してるのが分かる。
彼の行動力なら俺を越えれるだろう。

「そんじゃあそういう事で……ごめんね。」

そういって鎌を下ろして、両手で持ち直す。



201JOKER♧ [2016/01/14 19:26:05 ID:uxU4h42c]

ラティには感謝しなきゃな。
彼奴あんな奴だったっけ?知り合ったばかりの頃はもうちょっと・・・
ま、あとでしっかりお礼しなきゃ

「ハァ・・・」

山を降りようとして俺はふとため息をついた。そりゃため息くらい出るだろう?だって、また悪魔の森通らないと帰れないし・・・

「この鎌何気に重いんだからな・・・」

俺はボソッと呟いて進み出した

202O,T [2016/01/14 20:09:31 ID:9HamTP/2]

(私は平穏な生活とほんのちょっぴりの刺激があればいいのにッ!ワラワラと集まって来るんじゃあない!)
原因は自分にあるがそれは棚に上げて自らの都合だけを考えるO,T。
(私は蝶と子供と犬が嫌いなんだ!嫌いなものが嫌いなものに乗ってやってくるなんて…今日は厄日だ…)
彼は自分でもなにかわからんが乳離れ以前から蝶が嫌いだ。
近付いただけで泣きわめいて大変だったとよく親が話していた。
その忌み嫌いっぷりは年を重ねる毎に増していった。
最近では蝶の羽や芋虫っぽい模様を見るだけで嫌悪感を抱くほどだ。
三脚が蜘蛛の脚のような見た目なのはこれからきているのかもしれない。
ちなみに他の昆虫は大丈夫。

蝶の化け物が飛んできたと思ったらジェイの仲間が来たと思っていたら蝶が普通サイズになった。
奇妙だ。なにが起こっているのかわからない理解不能理解不能理解不能。
自分のカメラの方がよっぽど奇妙だ、巨大蝶がどうしたと無理矢理納得した。

あれも自分と同じ『能力』なのか?
一体どういった能力なのか?
ポプラ・テール・イグジスト・クイーンのように像はあるのか?

(今の現象からして…物体を大きくする能力…なのか?)
(Jが街へ行った時にいた…ええと……)
天月(名前はもちろん覚えてない)は能力に決まりだのルールだのはないように見えた。
また『像』が見えない。
恐らく能力は能力だが自分の能力とは別種の『能力』なのだろう。
足りない頭をそれなりに使って考察している内に話が進んでいた。
どうやら山を降りるらしい。
こんな物騒な所に長居はしたくない。今すぐそうしてほしい。
それにしても、この森も物騒だがこの連中も物騒だ。
何故大鎌なんて持ち歩いてるんだ。
ジェイは傭兵なのでと理解できるがこいつはなんだ。
クソッタレども(悪魔)に襲われたり絶頂したり化け物蝶や絶頂した事で感覚が麻痺していて今まで気にも止めなかった。
(君のような危なっかしい存在が一般人(私)に関わらないでほしいね。)
今自分がストーキングしているのは傭兵だがそれはいいようだ。

203JOKER♧ [2016/01/14 21:13:58 ID:uxU4h42c]

>>202
・・・?見慣れない人がいる。
誰が連れてきたのだろう。ここは一般人はそうそう入れないはず、・・・入ろうとはしないか

「・・・その人・・・誰?」

見慣れない人の方を向きながら皆に問いかけてみる

204O,T [2016/01/14 22:14:59 ID:9HamTP/2]

>>203
(このド低脳がァーーッ!私に関わろうとするなっ!怖いんだよ!)
「自己紹介させていただく………名は『O,T』」
「何十分か前クソッタレどもに襲われているところを…」
「そこのジェイさんに助けてもらった。そう認識していただきたい」
勝手な感情は抑えてとりあえずできるだけ丁寧に自己紹介をする。
(ここに来た理由は……聞かれたら答えればいいな)

205.+゚*。:゚+柊桃。:゚+♪◆bZ7Clzm.3. [2016/01/14 22:16:05 ID:IbgFGRBU]

〉〉200
みんなに続く。
こんな時役に立たない巫女。
どうして私は巫女なんだろなんて考えながら
歩く。

206JOKER♧ [2016/01/14 22:19:52 ID:uxU4h42c]

>>204
「へぇ・・・」

どう見ても一般人だよな?
どうしてこんなところに一般人がいるんだろう

「俺はjoker。とりあえず街まで送ればいいの?」

いつもの・・・と言ってもあれだ。
サーカスのときに見せるような笑顔で聞いてみる。
ここに来た事情は聞かないでおく
めんどくさいから

207O,T [2016/01/14 22:39:03 ID:9HamTP/2]

>>206
「メルシーポークー(ありがとう)、自己紹介恐縮のいたり………」
(ン?私が何故ここにいるかは聞かないんだな?)
頭プッツンしてそうな割りに意外と気が利くじゃあないか
と最低な事を考えながら礼を言う。
追跡してる最中は標的以外の事を考えられない性格なのだろう。
意味などないが香港のレストランで見かけた恐らくイスラム圏の男の真似をしてみた。

208JOKER♤ [2016/01/14 22:53:32 ID:uxU4h42c]

>>207
「自己紹介も終わったし、ちゃっちゃと降りちゃおう?モタモタしてるとめんどくさいヤツらに会う・・・」

ガサッ

俺が皆に言い終わった時、出やがったアイツらが・・・
サキュバスとガーゴイルが。2つ同時ってスゲェな

「めんどくさ・・・」

鎌を構えて呟く。正直グロイのは嫌いだ。見慣れたがどうしても嫌いだ。




方向性違ったらごめんなさい

209桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/14 23:19:54 ID:96lADYJg]

みんな疲れきっていて、正直敵となんか戦わずゆっくり、休みたいだろう。
それぞれの顔にはそう書いてある。

小町は一旦辺りを見る。
グロいものが嫌いなjokerは顔がひきつり、
今だに自信がない桃。
そして武器を構えて殺る気満々の人まで。
「……これで、戦えるの?」

わたくしは呟く。

「…今のままじゃ戦えませんわよ?
どうするの?」

敵が近づいてくる。

「これ、みんなで殺らないほうがいいではありません?」

きっと誰かはこの意見を反対する…
そう思いみんなに問う。

210JOKER♤ [2016/01/14 23:25:28 ID:uxU4h42c]

>>209
「めんどくさいなぁ・・・」

小町の問いに気だるげに答えた

「体力がまだ残ってて闘る気があるヤツは戦って!その他は隠れて!」

細かく説明するとその間にやられてしまう
だったら体力があるやつに任せた方がいいと思った。もちろん俺も戦うつもりだ

211桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/14 23:42:06 ID:6z5UDUEM]

>>210
「そなたもうるさい。」
クスクスと笑い声が聞こえる。
きっとわたくしとjokerの口喧嘩にだ。

藍が心配そうにこちらをみている。
だからフンッとそっぽを向き、戦闘準備にはいる。

同時に皆も武器をとる。

「……え?」
驚いた。みんな武器をとっていたのだ。
そしてしっかり敵をみている。
殺気のある目で。

「素晴らしいですわね。」
小町は小さく呟き、刀をとる。

みんなそろって初めての戦闘が今始まる!!!

212J◆kZDFwAt8do [2016/01/15 00:47:08 ID:j.bSfuWQ]

「ここは淫魔と蝙蝠男しか出てこないのかな。」

いつの間にか俺の後ろに立っていたラティが呟く。
彼は燕子花を抱えたまま身構えていた。

「ところで、僕はどうすればいい……これじゃ戦えない。」

確かにラティは一人を介護してる。今、戦闘が可能な状態ではない。
俺は肩からベルトを落とし、ツヴァイヘンダーを鞘から抜きながら答える。

「燕子花を死守しろ。」

「あんたらしい答えだね……そうさせてもらう。」

彼はそう返し、茂みの方へ隠れていった。
今のラティなら信頼できる、一人くらいの命は預けれる筈だ。そう信じたい。
俺は走るラティを横目に、ツヴァイヘンダーを構えた。

「淫欲の塊め……」

そうしていると、横から桜小町の声で罵倒が聞こえる。
俺は目標の優先順位を付けていきながら、先ずは一人のガーゴイルへ走り込む。
接近に気付いたガーゴイルは自らの爪を剥がしとり、俺に投げてくる。
それを回避、捻らせた身体の反動を利用して背を低くする。
バランスを崩した俺の身体は、斜めに崩れ落ちそうな体勢のまま片手を地面に付けながら目標へ足を進めている。
すると、目標は翼を開き、自らの身体を囲む。
丁度、目標の足元に滑り込むような形になった身体を、俺は片手の腕力を頼りに思いきり身体を起こす。
勢いよく起き上がった身体は、目標の側面に回り込んでいた。
だが、側面は翼により固められており、刃は通りそうには無い。
それでも俺はツヴァイヘンダーを突出。

アリスが示してくれた刃先は、その頑丈なる翼を貫き通す。
そのまま勢いに乗せて目標の肉を抉っていく刃を、俺は頭部の方へ力の向きを変える。
俺は骨に引っ掛かった刃を気にせずに、力の限りにリカッソを握りしめながらその肉体を切り裂く。
目標のは側面から頭にかけて裂けるようなシルエットになり、致命する。

「うざったいんだよねぇ……こういうの。」

自身の気が反れた時、ジョーカーの声が耳に響く。
俺は振り返り、闇討ちを狙っていたガーゴイルに向かってツヴァイヘンダーを突き刺す。
大きく振りかぶっていた右上腕が硬直し、突き刺した溝内から緩やかに血が溢れ出る。
その死体を俺は蹴り倒し、申し分程度に弾力のある筋肉を踏みつけて水平方面に飛躍。
丁度目の前に、取り囲まれていた柊桃の姿。
俺は抱き付こうとしているサキュバスを、後ろから押し倒す様にツヴァイヘンダーを背中に抉り込ませた。
着地した俺は柊桃を横に突き飛ばし、羽交い締めしようと尻尾を伸ばしていたサキュバスの首元へ刃をやり、そのまま身体を回転させて斬首。

「ジョーカーの元へ行け。」

俺は起き上がっている柊桃へ告げる。

213J◆kZDFwAt8do [2016/01/15 00:47:42 ID:j.bSfuWQ]

赤くなってる

ごめん

214J◆kZDFwAt8do [2016/01/15 21:33:22 ID:PMtaylsU]

支援

215JOKER♤ [2016/01/15 22:31:19 ID:NgYbd3iw]

可笑しい、さっきからサキュバスとガーゴイルしか出てこない。

「普通ならもっと・・・」

この状況を嬉しく思わないと。ただでさえ皆の体力が減っている時に、でかいヤツとか強いヤツとか出てきたら大変だ。

「鬱陶しい!!」

俺はそう叫んで鎌をガーゴイルに向かって振り下ろす。横1列に並んでくれると嬉しいが・・・
(絶対なるわけないよな)

216ゼロ。 [2016/01/16 07:35:34 ID:0c4OpmIk]

私はどうすれぱ…?

217J◆kZDFwAt8do [2016/01/16 13:30:29 ID:7FAkLnzw]

>>216

現在、森の中で戦闘している状況ですので、町に戻ったらそこで出会うという形で宜しいですか?

218J◆kZDFwAt8do [2016/01/16 19:44:03 ID:7FAkLnzw]

>>215

「ぐっ、いきなり突き飛ばすなんて…!」

立ち上がった柊桃が言葉を吐く。
若干敵意のある目を向けられるが、こんな目で見られるのは今始まった事ではない。
彼女は身構えながら、俺の側を離れた。
俺一人になった処を突いてきた来たのか、後ろから何人ものサキュバスが襲い掛かってきた。
尻尾を振り回し、剣を持った右手に向かって投げてくる。
飛んできた尻尾をナイフで斬り落とし、悶えて苦しんで地面に転がる一人のサキュバス。そのさらけ出した喉元へツヴァイヘンダーを刺突。
そのまま首を斬り裂き、横へ逃げた二人目に刃先を降り下ろす。
左肩に抉り混んだ刃を、力の向きを変えずに右脇腹まで向かわせる。
上半身を斜めに斬り落とし、俺はその死体の髪を掴んでサキュバスの群れの方へ投げた。
放り投げられた同族の死体に驚いた彼女達は、散らばるようにその場から離れていく。
一時の自身の安全、皆に忠告をするなら今のうちだ。
刹那。俺は息を整え、大きく息を吸い込む。

「撤退だ、撤退しろ!一気に山を降りる。」

まだ肺に残っている空気を吐き出す。

「街まで降りるんだ!そう高くはない、駆け込めば逃げ切れる」

219JOKER♤ [2016/01/16 19:54:28 ID:RrdoUynQ]

>>218

「・・・!?」

撤退…?今のはJさんの声だよな?確かにこの人数差ではこっちが圧倒的に不利だからだろう。
俺は近くにいた悪魔たちの首を一気に斬り、皆のところへ行った

「やっぱり…。この人数差じゃこっちが不利だからね…」

Jさんの方を見ながらつぶやき、皆と共に走り出した。

220ゼロ。黒猫から名前変えた。 [2016/01/16 19:58:32 ID:Qev52uro]

>217
はい!りょかです!

221柊桃◆bZ7Clzm.3. [2016/01/16 19:58:48 ID:drTSL/PA]

>>218
「いきなり突き飛ばして撤退とは酷いです!
 女の子なんですからねっ!!」

私はそういうと駈け出した。

222O,T [2016/01/16 20:41:27 ID:GJIM97Y6]

悪魔どもは彼に気付かないようでチラリとも見ずに素通りしていく。
気配を消せるこの能力(特技)は相当のものなのだろう。
(クソッ!ただ、私はついてきただけなのに!)
(あのプッツン野郎になんて構ってるからこんなことになったんだ!はやく山を降りるべきだったんだ!)
Jの声を聞いてすぐ我先にと逃げ出すO,T。
逸れるとまずいのでつかず離れず距離を維持してJの右真横を走った。
(後ろだと狙われる、前だと道がわからない、近付きすぎるとツヴァイハンターが当たるからな…)

223J◆kZDFwAt8do [2016/01/16 21:33:10 ID:7FAkLnzw]

皆は駆け出して行く。俺の後ろへ逃げた者を数えながら、俺はゆっくりと後退していた。目の前に映る者は視界から消えた。まだ数えていない者はラティと燕子花だ。
俺はツヴァイヘンダーの刃先を下にして隠れた場所へ向かって走り込む。
俺の後退に気づく者はおらず、後ろを振り返ると既に木々に隠れてメンバーは見えなかった。
前方後方左右からガーゴイルが飛び掛かってくる。先方の僅かな隙間に向かって滑り込み、確かラティが隠れていた筈の巨木の裏へ走る。


巨木を回り込み、茂みを通り越した無毛の地に彼と彼女はいた。
俺はラティに事情を説明し、燕子花は俺が抱える事になった。
頭の中に微かに残っている山道の記憶を頼りに俺達は走り出した。

「またあんたと山を走るのか。」

「今度は炎に包まれていないだけマシだ。」

未だ気を失ったままの燕子花と共に、俺は先行しているメンバーを追う。

224黒猫@明後日から学校…orz◆B2E/YXCS6k [2016/01/17 13:47:47 ID:X7XXNjD6]

「あー眠いです」
さっき寝たような気もするけど
眠いです←

225零夜❅ [2016/01/17 18:34:08 ID:gL5/erw2]

皆と走っていると、小さな広場に出た。俺はそこで全員居るか確認するため、

「皆ちょっと集まってくれる!?」

招集をかけた。俺がメンバーの数を確認しているとあることに気づいた。Jさん、ラティ、燕子花の3人が居ないのだ。

「ねぇ、Jさん達は?」

俺は近くにいる柊さんに聞いてみた。
戦闘中、Jさんの近くにいたのが柊さんだったからだ。

226 [2016/01/17 18:49:31 ID:jtGIy7cM]

jokerの声で皆が一度動きを止めた。

そしてあることに気づく。

「人数が、足りない…?」

そう呟くと、確かに…という声が聞こえた。

「しゅーちゃん、何か知ってる?」



227J◆kZDFwAt8do [2016/01/17 20:06:07 ID:2MSut1Z2]

小さな広場→街って解釈で良いの?

228JOKER♤ [2016/01/17 20:08:01 ID:gL5/erw2]

>>227
あ、そうです笑
街の離れの広場的な

229J◆kZDFwAt8do [2016/01/17 20:30:12 ID:2MSut1Z2]

俺は翼子花を抱えながら、ただ山を降っていた。
茂み、土砂、沼地、足場の悪い道と言えぬ道を力の限り走り続けている。
昨日は、ラティは俺を視界に捉えるのが精一杯だったが、今では隣で並走している。随分と逞しくなったものだ。

「全く、本当にあんたといたら命が足らないな…」

ラティの愚痴を溢す癖は治らない様だが。


どのくらい走っただろうか。
全速力の疾走も、今は軽い小走りになっていた。
前も後ろも、穏やかな森林の景色に変わり、悪魔の気配は消えていた。
だが、未だに燕子花は目覚めない。
俺の腕の中で、苦しいとも楽とも言えぬ無表情で、眠っている。

「そろそろ、交代しようか。」

ラティが足を止めながら話してくる。俺は答えずに、彼に燕子花を渡す。
その後ゆっくりと山道を降り、足で感じる斜面を頼りに街を目指していた。

「まだ、目覚めないね。」

「昏睡ではないようだが。」

「分かってる……今はとにかく街に向かおう。」

そう話していると、木々の隙間から人工物が間見えてくる。どうやら森に近い公園の様だ。

「あぁ、良かった。見てくれJ。」

「仲間が僕達を待ってくれていた。」

茂みを跨ぎ、広場に出ると確かに先に逃走した仲間たちがいた。

230JOKER♤ [2016/01/17 20:35:20 ID:gL5/erw2]

>>229
誰かの足音が聞こえ、その方向を見てみるとそこにははぐれてしまった3人が居た。

「Jさん!ラティ!」

よかった、3人が無事で。俺は2人の方へ向かい、帽子をとって頭を下げこう言った。

「はぐれていた事に気づかなくて、ごめん」

231燕子花 [2016/01/17 21:14:06 ID:N75Aqfu2]

>>229
私は揺さぶられる感覚で目が覚めた
それと同時にラティの顔が目に入り少し
本当にラティかと思い

「ラティさん ?」
と、声を掛けたするとラティさんは驚いた顔で私見て
「目が覚めたんだね 体は大丈夫?」

と、心配されたが体に異常はなかったので

「大丈夫ですよ。ここまで運んでくれて
ありがとうございます。」

「いえいえ〜 もう歩ける?」

「はい!」

と、言い降ろしてもらった
後ろを振り向くと心配そうに私を見る
みんなの顔が目に入った
私は不思議に思いみんなに

「みんなどうしたの?」

と、遠慮がちに聞いた

232零夜♤ [2016/01/17 22:06:45 ID:GGLtEOO6]

>>231
俺はまた帽子をかぶり、燕子花の方を見てこう言った。

「いや、お前ずっと意識無かったろ」

燕子花は覚えていないのか、驚いた表情で俺を見る。小町達のところへ言っているときに、倒れてから今まで気を失っていた。

「大丈夫?」

俺は妹同然に育ってきた燕子花の顔を心配そうに見た。

233燕子花 [2016/01/17 22:23:46 ID:N75Aqfu2]

>>232
「ん?大丈夫だよ〜」
私はフニャリと笑いそう言った
私の記憶は走っている所までしか覚えておらず
その先の記憶はあやふやで
あまり覚えてない
私は思い出そうと思ったが思い出せず
「私、気を失ってたんだぁ〜」
と、笑いながらjokerに言った


234JOKER♤ [2016/01/17 22:27:13 ID:GGLtEOO6]

>>233
ふにゃりと笑う燕子花に安心したのか少しイラついたのかわからない。俺は、燕子花に近づき・・・

ビシッ

デコピンを1発食らわせた。ちなみに何気に力を込めて。痛そうにおでこをさする燕子花を見て、つい笑ってしまった

235燕子花 [2016/01/17 22:32:29 ID:N75Aqfu2]

>>234
私はjokerにデコピンされたおでこをさすり

「いたぁーい‼︎ なにすんの⁉︎
てか、笑うなぁー‼︎」

と、涙目になりながらjokerに訴えた

236JOKER♤ [2016/01/17 22:34:58 ID:GGLtEOO6]

>>235
涙目で怒る燕子花を見ていたらホットした。
あそこまで燕子花の事を心配したのは、あの火事以来かな?

「心配かけんなよ。アホが」

人を小馬鹿にするような笑みで燕子花に言った。

237燕子花 [2016/01/17 22:38:28 ID:N75Aqfu2]

>>236
「はいはい……」

と、少しふてくされながら言った
私は今まで気を失っていたため今どこにいるのか
分からずjokerに

「ここは何処?」

と、質問した

238零夜♤ [2016/01/17 22:40:29 ID:GGLtEOO6]

>>237
「街の離れの広場・・・ってとこだな」

俺はその後、「多分・・・」と小声で呟いた。
流石に来たばかり(結構立つか?)な春の国の街の構造なんか、知っていわけがない。

239燕子花 [2016/01/17 22:43:42 ID:N75Aqfu2]

>>238
「そっか……」

私はその広場をぐるりと見渡した
こんな広場を見ると昔の火事を思い出す
あの時は色んな人が死に悲しかった
そんなことを思い出すと胸が苦しくなった。

240JOKER♤ [2016/01/17 22:53:10 ID:GGLtEOO6]

>>239
広場をぐるりと見渡す燕子花を見て、俺は口を開いた。

「この広場さ、似てるよね~!」

昔、燕子花とよく遊んだ公園にこの広場はそっくりだ。

241J◆kZDFwAt8do [2016/01/17 23:14:15 ID:4w5UtSMg]

「遊んだ事のある公園が、こんな立ち入り禁止になった広場に似ているなんて。」

ラティが、ジョーカーと燕子花の会話を見ながら俺に話し掛けてくる。
その皮肉を聞き、俺は一度この広場を見渡してみる。
特に草が生い茂っている訳でもなく、木々が隙間を開けてそびえている。

「僕としては、早く宿に戻って一休みしたいところだけど。」

と、ラティ。

「同感だ。」

俺は返す。

242燕子花 [2016/01/18 17:58:30 ID:LOchC3A6]

>>240
「そうだね……」
私は昔jokerと遊んだ記憶を思い出した
今になれば懐かしい事だが
そのことを思い出すとどうしてもあの火事のことを
思い出してしまう
あまりjokerに辛い事は思い出しては欲しくない
私はそう思い
「joker〜それよりさ宿にそろそろ戻ろう?」
と、jokerに言って話を逸らした

243JOKER♤ [2016/01/18 18:08:56 ID:5KqfYE46]

>>242
「わかった。」

話を逸らされた気がするのは気のせいだろうか。
まあ、燕子花もあの火事のことは思い出したくないのだろう。
みんなも疲れてるだろうし、早く館に戻らなければと思い、俺は少し速く歩き出した。

あの火事のことを思い出したからなのか、少し気分が悪い。早く忘れよう

244 [2016/01/18 18:28:48 ID:RqhHLC1M]

これから館に戻ることになった。
皆も私を見つけるために苦労したのだろう、とても申し訳ない。
そして私には心残りがある。
以前jokerの秘密を知ったとき、これほど森を燃やしてしまったことを後悔したことはない。
あのときは操られていたため、あまり「私」の記憶はないけど…
私はなんてことを…!
燕の様子からして、この場所も既視感を覚えたらしい。
それに私がすることは…ひとつ…!
「Joker、燕。嫌なことを思い出させてごめんなさい!」
私は勢いよく頭を下げた。
突然の私の行動に皆が驚いた気配がする。
「こんなことで許されるなんて思ってないっ!だけど…本当にごめんなさいっ」

245零夜♤ [2016/01/18 18:47:45 ID:5KqfYE46]

>>244
「joker、燕。嫌なことを思い出させてごめんなさい!」

突然深々と頭を下げた藍の行動に、驚きを隠せなかった。
藍が謝っているのは、森を燃やしてしまって、俺や燕子花の幼少期にあった、あの火事を思い出させてしまったことだろうか。 確かに、あの時はトラウマのせいで少し、体調が悪くなってしまったが、特に怒っているわけではないから、俺は藍に向かってこう言った。

「頭上げて。あの時は意識がなかったんだろ?だから、藍のせいじゃないし別に気にしてもないから、大丈夫だよ?」

俺は優しく微笑みながらそう言った。

「さ、早く戻ろうよ~。皆、疲れてるだろ?」

藍に罪の意識を持って欲しく無いからなのか、ただ単に早く行きたかったのかはわからない。
俺は皆に、早く館に戻るように言った。
ただ、藍は俯きトボトボ歩いていた様子をみた俺は、藍の近くへ行き、手を差し出した。

「ほら、早く行こう?」

246 [2016/01/18 19:11:56 ID:RqhHLC1M]

>>245
Jokerはとても優しい人だ。
私がしてしまったことを許してくれた。
俯いて歩いているとき、誰かの手が差し出された。
顔をあげてみれば、やっぱり貴方。
「ほら、早く行こう?」
私は差し出された手におずおずと自分の手を重ねた。
「うん…!ありがとう、joker!」
触れた手から彼の温かさが感じられる。
私が柔らかく微笑むと、ぎゅっとその手を握られて、驚いて彼を見ると、顔を赤くしていた。
どうしたのかな…?


247J◆kZDFwAt8do [2016/01/18 20:07:01 ID:9Z0PNOcs]

「はっ……僕達には謝罪無しかよ。」

ラティは俺に聞こえる声量で嘆く。
ゆっくり彼等の後をついていく後ろ姿は疲れて切ってる歩き方だった。

「怪我は無かったんだ、もう悔やむな。ラティ。」

「あんたは傭兵だからそんな簡単に言えるんでしょ。僕は、旅芸人だ。特殊な訓練をつんだ暗殺者でも加護を受けた神官でもない。」

ラティの反論。お前の言いたい事は分かっている。
だから言わなくて良い、悔やめば悔やむほど憎しみが増える。だからこのまま引き摺り、仲間割れになるのは避けたい。
彼は一つ鼻で笑うと、大きく伸びをした。


「いやぁ~~~~やっと……安心できる。」

刹那、いきなり真横からの声。

「フフゥ~~~、私は、彼の様にィ、エェート……そうだ、旅芸人。」

影がその場に生まれてきたかのように、O.Tは割り込んでくる。

「彼よりも『か弱い』私は一般人ですからねェ。彼等と並走出来たのはもはや奇跡。」

嫌味の様に言葉を並べるが、俺はこういう奴は嫌いじゃない。
俺はこういう奴と会話すると、嫌味と皮肉が混ざりあって、何故かキャッチボールが成立するのだ。
そういう会話は、話していても聞いていても面白い。
だが、一つ気になるのはこの男の顔だ。
本当に、こいつの顔だけは気にくわない。心霊写真に映っている男に似すぎている。
といっても、その嫌悪感を剥き出しにしてなんになる。俺は気遣いの言葉を返して感情を整える。

「足の他に怪我は。」

相変わらず、その男は微笑みながら返す。

「ンン~~~………そォーですねェ。」

248和美◆hNSBMrrUeA [2016/01/18 21:10:21 ID:2vNXRfvo]

大変な事が起きた…
私の目の前に現れたそれ…いや、彼は「エンシャントドラゴン」だ…
幾千年と生き、その時代の人語を解し話すどころか「失われた古代魔法」にも精通している存在で「ヒト」一生のうちで『彼等』に会う事は無いに等しい。

…これは、ラッキーなんかじゃ片づけられないな…
私は『彼』の話しかけることにした。


249燕子花 [2016/01/18 21:59:39 ID:LOchC3A6]

>>247
私は一人で歩いてボーッとしていると
ハッと気付いたことがあった
それは私をここまで運んでくれたラティ
にまだちゃんとしたお礼を言ってないことだ
私は後ろにいるラティに駆け寄り

「私をここまで運んでくれてありがとうございます」

「いえいえ あとJにもお礼を言っときな
Jも運んでくれたから」

と、ラティは私に言った
私はJにも

「運んでくれてありがとうございます」

と、言った

250J◆kZDFwAt8do [2016/01/19 01:24:52 ID:/R4NGlb2]

燕子花が謝罪をしてきた。 が、俺にとってこんな奴の事等どうでも良い。
討伐組の誰かに危険が迫った時、俺は力を尽くしてその火の粉を振り払ってやろう。
だから、それ以外の干渉は迷惑でしかない。
ラティに関しては、自分でこう言うのはどうかと思うが、命の危険を共に潜り抜けた。そして成長した姿をこの俺に見せている。
だからラティは信頼している。だが、他のメンバーとはまだ何も関係は無い。
目標は魔王の討伐のみ。このメンバーが全員生き残って、勇者として名乗り挙げれる様に俺は裏で支えてやろうとは思っている。
俺の力じゃ、その程度しか出来ないのだから。

燕子花はわざわざ立ち止まって頭を下げたが、俺はそれを無視して列に続いていく。
彼女も俺の態度を察したのか、無言で俺を追い越していった。

「そんな態度で良いの?」

横にいたラティから、ふと言葉を掛けられる。

「彼奴の私情など、興味無い。」

俺は返答する。ラティは呆れたような顔で、あんたらしいね。と返してくれた。

251桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/19 20:35:15 ID:.5l9QilM]

「ふぅ~。お腹減った~。」
とラティは側にあった、ソファに座る。
「何か食べにいく?」とjokerが言う。
「わたくし、作りますわよ?よろしくて?」
正直わたくしは何もしていないのだ。
睡眠までとっている。
小町が辺りを見回すと藍が眩しい瞳でこちらを見ていた。

「……ふふっ。藍もお手伝いしてくれます?」
……jokerのために……よね?
あえていわなかった。

「えー。桜ってつくれんの?藍はわかるけど、桜のまずそー。」
ラティの発言にくるっと回り睨んだ。
「そうなんだよー。昔っから小町のはな~。」
わかばも口を揃えて言う。
「せっ成長しましたわっ!藍、行きましょう!」
とバタンッと大きな音をたて買い物にでかけた。
「藍、無事だといいけど……」
jokerが不安そうに外を見る。

「俺は腹が減ったんだ。」
JとO.Tが口を揃えて言った。

252燕子花 [2016/01/19 22:05:02 ID:3AnjeJtk]

>>251
小町と藍は買い物に出かけた
あの二人大丈夫かな〜?
と、思いながら窓の外を見たけど二人は仲良く買い物に出かけているから私は少し安心して近くにある椅子に座り
懐から扇を取り出し扇の手入れを始めた

253O,T [2016/01/19 22:05:08 ID:FeGPDu.s]

俺ラティが旅芸人ってこと知らなくね?

「ただのかすり傷でした、ほっておけば治るでしょう」
実際なんてことはない。少しヒリヒリする程度だ。
(それより今すぐこいつらと離れなくては!また巻き込まれては堪らんッ!)
(2度とあの疫病神とは関わらないぞッ!)
自分の嫌いな蝶を連れてきた、ヤツが来てからクソッタレどももやってきた。
あと鎌持ってて怖い。
かなり理不尽な理由によってジョーカーは忌み嫌われた。
(そういえばジェイ…私の顔をジロジロと見ていたな…まさか)
怪しまれたか、メガネをかけただけでは流石に無理があったか。
たぶん気づかれてはない。
せいぜい「なーんか引っかかる面だぜ」「どっかで見た気がすんだよなー」程度だろう。
しかしこのままここにい続ければ疑問が確信に変わる恐れがある。
ジェイは傭兵、しかも宿での件で警戒しているはずだ。
(ならばここにいる必要はないな…『挑戦』は大成功としよう。)

「いつまでもくっついてるのは迷惑でしょーし、私はもう離れますね」
「命を救っていただきありがとうございましたそれではさよなら」
畳み掛けるように礼を言って彼はその場を跡にしようとした。

254O,T [2016/01/19 22:06:23 ID:FeGPDu.s]

>>251の最後の行見てなかったすいませェん
あと一人称は私で頼む

255J◆kZDFwAt8do [2016/01/20 01:58:41 ID:9HOWzRfA]

>>253
>「あんたは傭兵だからそんな簡単に言えるんでしょ。僕は、旅芸人だ。特殊な訓練をつんだ暗殺者でも加護を受けた神官でもない。」

この台詞を聞いてたって事でおねせめ

256J◆kZDFwAt8do [2016/01/20 02:01:25 ID:9HOWzRfA]

なんか俺とO.Tの扱いが軽くギャグに走ってるような気が()

257桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/20 07:03:56 ID:SIWvlaoQ]

あ、ごめんなさい……

258J◆kZDFwAt8do [2016/01/21 01:42:53 ID:1hLK8I5.]

慌てるように桜小町と藍は、宿から出ていった。
俺は二人の様な慌ただしい奴は嫌いだ。一緒にいて気分が悪くなる。
傭兵として生きてきた自分と、どんな境遇で生きてきたのかは知らないが、こんな妙齢の少年少女達とは話やら趣向が合わない。
仕方無いと言えばそれまでだが、こんな思いで魔王討伐に向かうのは些か自分の精神が磨り減るものだ。

俺は席を立つ。どうもこの空気は嫌だ。

「何処へ行くんだ。」

立った俺に話してきたのはわかばだ。

「飲み物を買う。」

俺は返す。

「小町と藍が買ってくるだろう。」

と、わかば。
俺がここから出たい理由はそういう事ではない。
会ってもそんな時間は長くないし、こちらの心情を読めというのも無理な事だ。

「俺の趣向に合わない物なら困るからな。」

「自分の物は自分で買う。」

そう俺は返し、宿の出口まで向かった。

259 [2016/01/21 17:46:53 ID:HS8fiWwU]

私は今桜と城下町?のような所でごはんの具材を買いに来ていた。
桜と一緒に作ることになったけれど、皆に会うまでは城からあまり出られなかったし、料理もメイドがしていたので自信がない。
でも、旅をしていくうちに少しはましになったと…思う。
「藍!こっちですわよ!」
私の手を引いている桜はまるで子供みたいだ、なんて思ってしまった。
「桜、待って…そんなに走ったらっ…」
「大丈夫ですわ!……あっ」
突然桜がつまづいた。
私は転びそうになる桜をとっさに支えた。
「もう、言ったそばから…大丈夫?」
「えぇ…もうしませんわ!」

そんなこんなで必要な具材を全て揃え、帰ろうとしたときに桜が「見て!藍!」と興奮ぎみに叫んだ。
見ると、綺麗な髪飾りを売っている店だった。
「少し、寄ってきたい、でも…皆が…」
と呟いている桜が可笑しくてくすっと笑った。
「じゃあ…ご飯を食べたあとに皆でここに遊びにいくのはどうかしら?」
「いいですわね!そうしましょう!」
鼻歌を歌う桜の後ろに着いていきながら、館へと急いだ。

260燕子花 [2016/01/21 17:58:29 ID:R4guE3vA]

>>259
私は手入れをしていた扇で自分自身を煽いでいると
ドアが勢いよくあき

「ただいま戻りましたわよ!」

「ただいま〜」

小町と藍が帰ってきた
私は2人に

「おかえり〜 色々買ってきたね
料理手伝おうか?」

と、言った
正直2人に料理が出来るのか心配だった
そしたら小町がムッとした顔をで私を見て

「いいですわ! 私と、藍ならできますもの!」

と、言って藍の手を引いてキッチンに行った
あの様子だとご立腹のようだ
その様子を見ていたjokerはやれやれと
言わんばかりに頭を振っていた
私は苦笑いを浮かべキッチンの方をちらりと見た

261 [2016/01/21 18:12:28 ID:HS8fiWwU]

帰ってくると、燕が料理を手伝おうか?と言ってくれてとても嬉しかった。
私も久し振りの料理は不安だし…と思い燕にもお願いしようと口を開く前に、桜が2人でやる!と言ってしまった。
燕、手伝いに来てくれるよね…?
淡い期待を胸にその場を後にする。
キッチンに連れてこられた私はずいっと桜に詰め寄られる。
「いいんですの、藍!jokerに美味しい料理を作るのでしょう!?」
「えっ!?でも…私料理なんて久し振りで出来るかどうか…」
「わたくしが教えて差し上げますわ!」
そしてキッチンにあった料理本を取り出した。
「これを見れば間違いなしですわ!」
自信満々な桜に笑みがこぼれる。
「そうね…やってみましょうか」
そう言うと私たちは早速作業に取りかかった。

262燕子花 [2016/01/21 18:21:49 ID:R4guE3vA]

>>261
私はやはり心配になりキッチンのドア
からちらりと中を覗いた
そしたら小町は何かを切っているようだが
その切り方が危なくて私はハラハラしていたが
口出ししたらまた怒られそうなので
黙って見ていたら今度は鍋に
大量の塩を入れているのを見て私は
流石にやばいと思い

「ちょ!何してるの!?」

と、小町から塩を取り上げると
小町は般若のような顔で私を見て

「花! 私と藍ならできますから!」

と、外に押し出された


263桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/21 18:35:47 ID:ss/q1cUw]

>>262

「んーーーっ。いいくらいですわ?
塩分をとっとかなきゃですし……」
塩をいれおわり、藍の方を見ると楽しそうだった。
愛する人への気持ちが伝わってくる瞳。
その微笑みに思わずこちらも笑ってしまう。

264燕子花 [2016/01/21 18:42:09 ID:R4guE3vA]

>>263
私は心配でキッチンの前をうろうろしていたら
jokerに

「ちょっとは落ち着けよ」

「落ち着けないから無理!」

と、言い返した
私はいてもたってもいられなくなり
小町と藍に

「ご飯まだー?」

と、聞いた

265桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/21 18:46:31 ID:ss/q1cUw]

>>264
「ふふっ。…まだですよー?藍のができたら終わりなのよ~。」
ずいぶん花と話していなかった。
だから食事の時たくさん話そうとおもう。
これからどんは時も守ってさしあげる、と
笑顔を花にみせた。

266 [2016/01/21 18:50:20 ID:HS8fiWwU]

>264
外から
燕とjokerの声がした。
私は本をみてなんとか完成したが、桜はまだ作っているようだった。
「燕、私はグラタンを作ってみたよー♪味は良いと思うけど…味見してみてくれる?」
私は燕の感想をどきどきしながら待った。

267 [2016/01/21 18:50:59 ID:HS8fiWwU]

ごめ、桜終わってたー!

268燕子花 [2016/01/21 18:53:29 ID:R4guE3vA]

>>266
「いいよ…!」
私は藍に差し出されたグラタンを見た
見た目はとても美味しそうだが味は大丈夫かな?
なんて思いながら恐る恐る味見をした
味は少し塩辛いがとても美味しかった

「グラタン美味しいよ」

と、笑顔で藍にいうと藍は
とびきりの笑顔になった

269 [2016/01/23 11:18:39 ID:.47U47MM]

燕の反応を見るに食べれなくはないらしい。
久し振りの料理はとても楽しかった。
「皆喜んでくれるかな…?」
何より好きな人の反応が気になる。
そこが不安なところだけど…?

270燕子花 [2016/01/23 15:25:00 ID:q07YLF5g]

>>269
私は目の前にいる藍にニコニコしながら
藍の耳元で

「みんなに喜んでもらえたらいいね
特に恋人のjokerに」

と、みんなに聞こえないように言った
そしたら藍は顔を真っ赤に染め

「か、からかわないで
それになんで付き合ってるの知ってるの?」

「態度でわかるよ」

私はクスクス笑いながら藍に言ったら
藍はもっと顔を赤く染めグラタンを持って
藍はグラタンをテーブルの上に置きに行った

271JOKER♤ [2016/01/23 15:30:49 ID:jiyxyp0E]

・・・眠い。
そんなに疲れるようなことしただろうか?
俺はソファに座り、藍と小町と燕子花がバタバタしてる様子をぼんやりと眺めていた。

「料理苦手なのかな・・・?」

さっきは、燕子花が小町に注意していたし、藍はずっと料理本を見ていたしな。
・・・・・・大丈夫かな。
小町の発言はフラグにしか聞こえなかったし・・・


272 [2016/01/24 09:16:52 ID:RbhUGPys]

もうっ…燕ったら…
そんなに分かりやすかったかな…?
グラタンをテーブルに置きにいくとjokerがソファーで寝ているのを見つけた。
「Joker…疲れちゃったのかな…?」
私はゆっくり静かに彼のそばに近付いた。
「寝てる…よね?」
私は彼が寝ていることを確認してから…
頬に触れるだけの唇を落とした。
「~~~っ!こんなとこ誰かに見られたら…どうしようっ」
急に自分がしたことに恥ずかしくなり、再びキッチンに戻っていった。

273 [2016/01/24 09:32:52 ID:RbhUGPys]

それを桜がニヤニヤして見ていたことなんて私は知る由もなかった。

274桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/01/24 10:54:34 ID:y1AqlcwY]

(おいっ!wニヤニヤなんかしてないわっ!w)

275 [2016/01/24 10:57:26 ID:RbhUGPys]

してるわw

276燕子花 [2016/01/24 15:16:36 ID:WzxYuD7o]

>>272
私は藍に言った後、することもないので
新しい踊りの練習をしようと思い
自分の部屋に行こうとしたらjokerが寝ていることに気づき
私は近くにあった布を掛け、私は部屋に行った

277 [2016/01/25 21:42:16 ID:ZhCU2qss]

あげ

278J◆kZDFwAt8do [2016/01/27 21:05:37 ID:yb0p0dKc]

あれから何時間程経っただろうか。皆のいる宿を出ていき、外は陽が落ちている。
桜小町と藍が料理を作る等とほざいてはいたが、俺はそんな物を頂くつもりはない。
人の作った物を食べようなんて、それも手料理だ。俺には到底理解が出来ない。
食べ物なんて味と質が良ければなんでもいい。あんな賑わって行うものではない。だから俺は宿を出た。
皆と顔を合わせて物を食べようとは思わないし、したくもない。
俺は、自信で買った物か作った物しか食べない。そう決めている。

それにしても、こんな豊かに見える国にも貧困街があったとはな。
丁度道の外れた所を進むと、今までの光景が絵本を閉じたように変わる。
朽ち果てた低い建物が並び、端には人が横たわっていたり、時には死んでいるのかと思うほど硬直している者もいる。
時々聞こえてくる叫び声や、腐敗臭からして相当な場所だろうな。
まぁ、こんな経済格差が生まれるのも、当たり前と言えば当たり前か。
国の姫がどこかかしろに浮浪し、それでいて国家は何も言わないのだから。
表面向きは整っていても、中身は完全に腐りきっている。
こんな国は早く出ていきたいものだ。

だが、こんなスラムを歩く度に思い出してしまう自分の過去。
懐かしい、数年前はこんな道をただ歩いていた。
食べれるのかどうかもわからない落ちた物を拾い食いし、濁った汚水を啜って俺は生きてきた。
小さい身体に、弱い力で、俺は必死に生き延びてきた。何せ、自分は残党兵の息子なのだから。
いつでも命を狙われる。一つの場所に留まっていたら、いつしか首を跳ねられるだろう。
そうならないためにも、自分は力無き足を宛もなく進め、ただ様々な国や町をさ迷った。


そんな過去の事など、今更どうでも良いことだが。

279O,T [2016/01/27 22:39:09 ID:nWvbJUhY (sage)]

ジェイ一行と離れた後黒づくめに着替えてすぐに追跡を再開した。
Jは仲間と食事しないのか。
協調性がないのか、警戒しているのか…恐らく後者だろう。
いつ刺客に襲われるかわからない。毒を盛られる恐れもある。
ましてや傭兵なのだから討伐隊参加以前から敵は多いはずだ。
これが当然で、仲間たちに緊張感がないだけか、Jの背中を見ながら彼はそう思った。

しばらくストーキングしているといつの間にか周りは貧民窟に変わっていた。
ロンドンに滞在した時これより酷い貧民窟を見たことがある。
そこは壁のひびまで怪物に見えるほど不気味な所だった。
猫が子犬を喰らい、チンピラどもがうようよといた。
とても不衛生で、伝染病がはやる時はいつもここからと噂されるほどだ。
そこで仲良くなった帽子に刃入れたチンピラは今どうしているだろうか。
汗もかかず呼吸も乱さずいともたやすく追い剥ぎはするが義理堅いヤツだ。
もしかしたら石油でも掘り当てて大成功しているかもしれない。
持ち前のポテンシャルで平然とやってのけそうだ。

故友を思い出し感慨にふけている内にさらに奥へと入っていた。
ジェイはこんな吐き溜めに何か用でもあるのか。
いくら傭兵といえどこのような場所に長居するのは危険だろう。
(ジェイより自分の心配をするべきだな)

280J◆kZDFwAt8do [2016/01/28 03:09:24 ID:yb0p0dKc]

どこかの国では、こんなスラム街をオウガーストリートだなんて呼ぶらしい。
その名が地名なのか総称なのか知らないが、きっと俺が目にして来た光景に似ているのだろう。
それにしても春の国と言うだけあって、陽が沈んでも暖かい。このコートが邪魔になる程の暖かさだ。
俺がこんな場所に来たのはただ浮浪しに来たのではない。情報を集めるためだ。
表向きの情報は、結局一つ二つは捏造され、拡張された情報もある。
逆に、裏の情報は限られた状況で限られたものしか分からない。だから表向きより正確性があるのだ。
もちろん、その情報を得るにはそれ相応の対価がいるのだが。

俺は、春の暖かみがすっかり消え、まるで冬のような不気味な寒さの細道を突き進む。
何か魔王に関する情報を持っていそうな人間はいないだろうか。
今や魔王なんてお伽話も当然の存在になっているが、最近、人類に被害が増えてきたのは確かなのだ。
だが、この事実をまるで目を背けるように一般人達は受け流す。
そうだ、彼等の様な檻の中の奴等には関係の無い事なのだから。

今はな。



肩にかけられたベルトを揺らし、俺は一人の男の前に立つ。
この貧困街で一際目立つ高価そうなローブを纏った、いかにも魔術師ともいえる男だ。
名も知らんが、聞いてみて損は無いだろう。

「そこの男。」

こんな貧困街で、礼儀など必要ない。
俺が声をかけると、男は睨み付けてくる。

「お伽話も当然のふざけた事を言うが、魔王に関しての情報を知っているか。」

男はもたれ掛かっていた壁から離れる。

「そんなのを知ってどうするんだ。」

男の返答。

「知りたいから聞いている。」

俺は強く返す。
気が抜けたようなその男は、腕を組んで此方に対当する。
鋭い目付きで俺を睨み付け、だらしのない無精髭がフードから覗く。

「餓鬼がうろつく場所じゃない、とっとと帰ってションベンでもしてろ。」

男はそう言い放し、俺を横切った。
これだけの聞き込みじゃ埒があかないか。

俺はその男の尋問を諦め、他をあたることにした。

281零夜♤ [2016/01/29 23:03:14 ID:MDSlz1Cw]

「ん…?」

俺はいつの間にか眠っていたらしい。毛布が掛かっているが誰が掛けてくれたのだろう?食事をする時になったら、聞いてみようか。

大勢で食事だなんて何時ぶりだろう。
サーカスに居るとき、食事はいつも1人で食べていたな。昔は団長と一緒に食べていたが。その団長も今は居ない。一体どこに行ってしまったのだろうか…

いい匂いがしてくる。俺は起き上がり、テーブルの方を見た。

「グラタン…か」

俺はそう呟き、キッチンの方へ行ってみた

282 [2016/01/30 21:04:46 ID:orfLPQp6]

キッチンには桜がニヤニヤして私を迎えた。
「見ましたわよ?藍ったら大胆ですわねー♪」
「うぇ!?なっなっ…何を見たの!?」
恥ずかしい…あんなところ、桜に見られていただなんて…
「ばっちりと見ましたわ!藍がjokerのほっペにch「言っちゃダメー!」もう!」
私は思わず桜を遮った。
「まぁいいじゃない、jokerも罪な男ねー!」
「誰が罪な男だって?小町?」
「あっ…!」
「Joker!?起きたの?(まさかっ…あの事、覚えてないわよね…?)」
Jokerはあくびをひとつすると椅子に座り、スプーンでホワイトソースを一口食べた。
「あっあのね!グラタンにしてみたのだけれど…どう、かな…?」
おそるおそる彼の反応を待つ。

283J◆kZDFwAt8do [2016/01/31 00:13:25 ID:0FMlofqI]

異様な寒さが俺の肌を突き刺す。朽ち果てた建物や時々臭う異臭がそれを引き立てていた。道の端には吐瀉物とも排泄物ともいえる汚物が散らばっており、その上で寝転がる物やそれを食べている者までいた。
これまで幾つものスラムを見てきたが、それでもかなり酷い方だ。
そんな中、しゃがれた声で歌いながら、酒を溢しながら飲み歩いている老人がいた。何かの童話でも歌っているのだろうか。

「そこの老害。聞きたい事がある。」

俺はその男に問い掛けた。男は瓶をしゃぶるように酒を飲んでいたが、瓶を口から放し、ゲップを一つ吐くとこちらを振り向いた。

「あぁ~ん?何だァ?わっけぇの。」

男は気持ちの悪い笑みを浮かべ、ボロボロになった歯を見せ付けてきた。166cmの俺よりも背の低いその老人は返事をすると何処かへ逃げようとしたが、それを引き留め、1万G札の束を見せびらかす。

「おっ……あぁ…!ああ……。」

老人は手を伸ばそうとするが、俺は札束を引っ込める。

「これが欲しがったら質問に答えろ。」

「へへ、へへへ……そんだけありゃあ高いの一つは買えるよぉ。何が聞きたいんだァ?」

まんまと釣り針に引っ掛かってくれた。俺は魔王に関係する事を探しているとその男に伝え、その男は一時考え込むと返事をした。

「そうだな……夏の国だっけなぁ。そこんとこの国王だっけか何かは知らんが、んん~……そうだ。国王の側近がよぉ」

「その国王の側近が、石油関係の事を牛耳っているんだがよぉ………っておい、あんちゃん?聞いてんのか?」

「聞いている、続けろ。」

男は素直に話を続ける。

「それでよぉ、その石油関係を牛耳ってる側近が魔王の脛をかじってるって話を聞いたことあるぜぇ。」

「それで終わりか?」

「儂が知っとるのはそんなもんだ。まぁ、どっかの貧民窟のゴロツキが、夏の国のもんよりでけぇとこを掘り当ててよぉ。そんで財団立ち上げて石油王なったって事が気に食わねぇんだろうよ。」

「……分かった。金だ、受け取れ。」

俺は老人に札束を渡す。老人は涎を垂らしながら、薄気味悪い笑顔で何処かへ走り去っていった。まぁ、これである程度の情報は手に入れた。何時までもここで事を探す必要はない。
俺は皆がいる宿の方へ引き返す事にした。

284燕子花 [2016/01/31 19:19:12 ID:r/PI4KYA]

>>276
私は部屋に入り、まずはどんな踊りにするかを
想像した
まずは鳥を思い浮かべたが、いまいち想像がつかなく
次に風を思い浮かべた 風はすぐにイメージが固まり
すぐにそれを行動へと移した
まずは、適当に踊り小さな風を作り
その風を少し改良し、旋風にした
その旋風をもっと改良して、やっと風の舞が出来た
私は少しの間達成感に浸り、joker達のいる下へ降りた

285JOKER♤ [2016/01/31 19:30:28 ID:pLDTKgac]

>>282
「・・・美味しい」

藍の方を向いて微笑みながら言った。
美味しい。それに、懐かしい
団長が作ってくれたグラタンの味に少し似ている。
・・・・・・団長のより少ししょっぱいが・・・

「頑張ってくれたんだね。ありがと。」

俺は椅子から立ち上がり、藍に近づき、頭を撫でた。
藍の表情を見ると、少し赤くなっている。
照れているのだろうか?

286 [2016/01/31 20:21:32 ID:iIFD0LXg]

「うんっ…ありがとう//」
今、私の顔はきっとだらしなくなっていることだろう。
大好きな人に食べてもらえて、しかも美味しいといってもらえた…!
それが嬉しくて、ふにゃんと微笑んだ。
Jokerに撫でられるととても安心して、幸せな気持ちになる。
やっぱり料理はいいな…
もし国に帰るときがあったら、皆をおもてなしさせてほしいと思う。

287J◆kZDFwAt8do [2016/02/02 23:20:22 ID:4iy/Xv2I]

あれから何分、何時間歩いただろうか。迷路のような貧困街の細道を練り歩き、今やっと宿の前に立っている。
目標と的確な座標はついた。後はこの事を皆が理解出来るように説明しなければならない。

俺は皆がいた広場に着くが、誰一人と討伐組はいなかった。
もう各自個人の個室に戻ってしまったのだろうか。
妙な静寂の中、カウンターの受付人を無視して奥へ進む。
なにやら物を焼いた臭いがしてくる。乳製品を焼いたの臭いだ。
肩に掛けているベルトを下ろし、左手でツヴァイヘンダーの鞘を握りこむ。コートの隙間から見える大型ナイフに指を付け、臭いがしてくる方へかう。
やがて曲がり角が見え、その奥に扉が目の前に映る。
右手の指先で触れていたナイフの柄を、俺は掌で強く握る。
足を進める度に強くなる焼いた臭い。そして目と鼻の先に近づいた扉。
俺は遂にナイフを鞘から抜き、小指と薬指で支持しながらドアノブを回した。
ゆっくりと開けていき、途中まで開くと勢いよく開ける。
それと同時に突きの構え、何が来ても良い戦闘の姿勢に、俺の体は自然となっていた。

「……Jさん。」

ジョーカーの声。彼だ。そしてそのすぐ側に藍がたっていた。
奥から桜小町が出てきた。

「何で身構えているんですの。」

桜小町の疑問文。俺は答える。

「魔王の情報を得た。出発は明日が良い。旅路と支度は今日の内に決めるべきだ。皆を広場にかき集めろ。」

それにジョーカーは質問する。

「それ、何処で仕入れてきたの。」

「貧困街だ。」

皆は呆れたような顔になるが、俺は構わず言葉を続ける。

「気を抜いている暇なんて無い。なんなら俺が今から皆を呼び出してくる。」

「分かった、分かったよ。だから少し落ち着けよ……。」

ジョーカーが割り込む。

「Jさんもスラムなんか歩いて疲れてるでしょ?砂漠の中で倒れてもらいたくはない。一旦部屋に戻ってから話をしよう。」

「分かった。」

そういって、俺はこの部屋を出る。

288J◆kZDFwAt8do [2016/02/03 23:22:42 ID:Xaj./Roo]

俺は部屋に戻り、担いでいるアリス、もといツヴァイヘンダーをベッドへ置く。コートをハンガーに掛け、ベッドの上にサービスに頼んだ洗濯物が置かれているのを確認する。
椅子に腰掛け、自然と頭を抱えてしまう。

―部屋に戻ってから話をしよう

……何をふざけた事をあの餓鬼は言っているのだ。
今日出来ることは明日に伸ばすべきではない。その時出来ることは後に回すべきではない。
そういえば夕方は過ぎている。外は暗い。
だとしたら夕食でもあそこで食べていたのだろうか。笑わせてくれる。作戦よりも飯が先か。
これは遊びや旅行なんかじゃない。戦争なんだ。
人類が俺達の肩に乗っている戦争だ。それを、あんな気持ちで勝とうと思っているのか。

ふざけている。
こんな馬鹿な話が有り得るものか。
俺は机に何枚かの紙を乗せ、ペンを取り出す。
俺の考察と、作戦と、旅路と説明を添えた文をここへ書き
、皆に発表してやるのだ。


だが、こんな俺の行動が、皆と照らし合わせると情けなく思えてくる。
何故だ。何故なんだ。
重責を自分勝手に背負って、一人歩きでもしているとでもいうのか。
違う、違うはずだ。
戦いはこうあるべきなんだ。
あるべきなんだ……。

289零夜♤ [2016/02/04 00:29:49 ID:wAIehon2]

……Jさん、なんかピリピリしてたな。
いつもはあんなじゃないんだけどな…
貧困街歩いて来たからか?
そんなわけないか。

「俺、部屋戻ってるね。」

俺は微笑みながら皆に向かって言い、部屋から出ていった。
自分の借りている部屋へ戻っている時、団長のあの優しい顔を思い出してしまった。藍のグラタンを食べたからだろうか、それともこっちに来て昔のことを思い出す場面が多かったからだろうか。
別に今はどうでもいいことだ。

部屋につき、俺は持ったままだった鎌を壁に傷を付けないよう置き、ベットに座った。
(夏の国への道のりって、砂漠だっけか?)
正直、砂漠は歩きたくない。暑いし水分も無い。
(流石に移動サーカスと言えど、砂漠ではやらないな…)

早く帰ってサーカスの皆に会いたい。
スペード、ザルバ、キャルメルリ……元気だろうか?
あとは…団長を見つけたい。
3年前にいきなり俺を団長にし、姿を消した団長。
どこに行ってしまったのだろうか。
ダメだ。過去の事を思い出すとブルーになる
考えることを辞めて早く寝てしまおう。

俺は布団に入り、眠りについた。


290J◆kZDFwAt8do [2016/02/04 01:58:47 ID:Qcla9RF2]

俺は書いていく、夏の国まで砂漠を徒歩で踏破する旅路と、その目的を説明する文を。
紙をペンで削るかのような音が部屋に静かに響く。
砂漠という過酷な環境に生息する魔物は少ない。特別狂暴な存在と言えば「デザートゲリラン」位であろう。
俺も数回しかその魔物を見たことは無いが、全身が砂漠に溶け込む保護色で、真っ黒なブラックダイヤの様な鋭い目がある。
別に猛毒や非常に高い知能がある訳でも無く、一見少し頭部の大きい狼に見えるが、外見で侮ってはならない。
狼のようなシルエットを持つデザートゲリランだが、その大きめな頭部には収納式の巨大な牙が隠されてある。
ある砂漠地方の国に雇われ、敵国への遠征で砂漠を渡っている所、そのデザートゲリランの群れと遭遇してしまった事があった。
隊を1個分裂させて、俺は第三分隊に混ざっていたが、食糧を運ぶ貨物の臭いに連れられたのか後ろから群れがついてきていたのだ。
第三分隊はかなり数あった。デザートゲリランの群れの倍はあったが、その襲撃で半分以上の兵士が消失してしまう。
俺は隊と共にデザートゲリランの群れを駆逐するが、結局最後に生き残っていたのは指で数える程しかいなかった。
それも殆どが巨大な牙の餌食になり、重傷を負っていた者ばかりだ。
実際、動けるのは無傷で戦い抜いた俺しかいなかった。

その後、他の分隊もデザートゲリランの襲撃に会い、地獄のような旅路を強いられる事になって作戦は失敗。
後に、金額に目を瞑り気球による空襲でその戦に勝利するが、俺はその時の戦に参加していないため関係はない。
勝利した国、敗北した国がどうなったかの結果を知るのみだった。

現在は砂漠の環境が急激に劣悪化し、酷しすぎる環境で生きられる生物は数少なくなっている。
デザートゲリランも以前よりは数が大きく減っているだろう。それに、わざわざ命を張ってまで人間を襲撃することはないはずだ。
幾多の兵士への襲撃で武装した人間の怖さは知っているはず。だが、我ら討伐組は兵士とは言えぬ格好のため、どういう判断をしてくるかは分からない。

とりあえず、砂漠の飢狼ことデザートゲリランの事は他を削ってでも説明するべきだ。
俺はペンを動かす手を更に速めた。

291J◆kZDFwAt8do [2016/02/04 02:10:57 ID:Qcla9RF2]

>>290
誤文発見した
ごめん

292燕子花 [2016/02/04 19:43:25 ID:sAXEiPYw]

>>284
私は下に降りて、皆がいるところに行くと、さっきまでいたjokerが居ないことに気がつき小町に

「姉様、jokerは、何処ですか?」

「jokerなら、自分の部屋に行きましたわよ」

と、教えてくれたその後に藍が付け足すように、

「Jさんも帰ってきたけど、なんかピリピリしてた」

と、教えてくれた、私は二人に

「二人ともありがとう さて、そろそろご飯にするか」

と、聞いた 皆うんうんと頷いているから私は

「じゃあ、jokerとJさん呼んでこようか
藍ちゃんはjoker呼んできてくれる?
私はJさん呼んでくるから」

と、言った
そしたら藍はこくりと頷きjokerの部屋に行った
藍ちゃんを見届け私はJさんを呼びに行くため
階段を登り、Jさんの部屋に続く廊下を突き進んだ

廊下を突き進み、やっとJさんの部屋へと着いた
そして私はコンコンっとJさんの部屋のドアをノックした





293ルキ✡ [2016/02/05 00:37:24 ID:fbFghv/U]

「ここどこ…」

私はそうつぶやき、夜の森をさ迷っていた。
(ダメね…コンパスもアテにならないなんて…)
私は重度の方向音痴なので、よく道に迷う。だけど、今回は何か…不思議な力みたいなもので引き寄せれたような感じがして、修道長の目を盗んで教会を抜け出してきた。
(余計なことは考えずに、楽に進んでいった方がいいのかな…?)
私は首にかけているロザリオを握り、気持ちを落ち着けて進んでいった。

すると、木々の隙間からぽつぽつと灯りが見えてきていた。私は灯りの方へ進んでいった。
(…広場だ)
そこには小さな広場があり、その目の前には大きな館があった。
(ここは…?)
私はそこの館から、その不思議な力の様なものが強く発している様に感じられた。
(この大きな館は…宿…かな…?)
私はその「不思議な力の様なもの」のこともあるが、野宿なんてしたくないから、とりあえずこの宿に泊まることにした。

「広っ…」
宿は私が思っていた以上に広く、綺麗だった。
私は受付を済ませ、この館の中を少し見ていくことにした。

294J◆kZDFwAt8do [2016/02/05 21:12:14 ID:mWfdbIj2]

あれから一時間程書き込んだだろうか。大きめな白紙には解説文と図や絵が書き込まれていた。
さしぶりにペンを持つ作業をした。酷い疲労感を感じる。
それにしても明日は本当に出発出来るのだろうか。心配しか残らない。
砂漠の恐ろしさと過酷さは、この討伐組の中で俺が一番知っている。
藍は夏の国の姫というが、正直当てにはならないな。
気が抜けた奴が一人でもいると、それで皆が全滅することになる。それが砂漠という環境だ。
肌を焦がす熱線に、乾いた空気。そして水も食糧もない。ただ砂が喉を絡めてくる地獄。
ラティはどうだろうか。格好からして、砂漠の方に住んでいた様な感じだったが。

とりあえず、この用紙を纏めて下の階に持っていかなくては。
2枚の用紙を重ね、俺はそれを抱える。が、その時だ。
扉をたたく音がした。誰だ、今から俺がこの部屋を出ようとしているのに。
せっかく整えて重ねた用紙を机に置き、俺は扉まで近付く。
くそ、腹が立つ。タイミングが悪いのは嫌いだ。そう思いながらドアノブを回した。

「あっ、こんばんは。」

目に映る露出の多い派手な踊り子衣装。燕子花だ。
扉の前に佇む理由に理解ができない。こんな時間に何をしに来た。

「何の用だ。」

俺の質問。彼女は返す。

「何だか、苛立っているって聞きまして。大丈夫ですか。今から夕飯ですけど、下に呼ぼうと思ったんですけど。」

「今は必要無い。帰れ。」

俺は言い返す。彼女は驚いた顔をするが、俺には関係ない。
飯よりも大事な事があるだろう。

「分かりました。すみません。」

扉から粗さ草と離れて廊下を歩いていった。
全く、こんな気持ちで砂漠を渡れるというのか。ふざけるんじゃないぞ。
俺は扉を開けたまま机に戻り、紙を抱えて廊下に出た。

295ルキ✡ [2016/02/05 21:34:44 ID:clbfqTck]

(見て回ろうとは思ったけど、迷わないかな…)

ここまで広い館だと室内でも迷いそう…私はそこまでの方向音痴だ。私はさっきまで動かなかったコンパスを、動いているかどうか確認するため、ポケットから取り出した。

(よかった…ちゃんと動いてる…って、私は何を安心したの!?まさか室内でコンパス使うつもり!?)

私は心の中で自分自身にツッコミをして、歩き出した。宿の中には地図があるだろうし、大丈夫だろう。
すると、階段からかけ降りてくる足音が聞こえた。その方向を見てみると、派手な格好をした黒髪の女性が1人、かけ降りて来ていた。

(私には関係の無いこと…)

私は棚に飾ってある水晶を見ようと水晶の方を向いたその時、その降りてきた黒髪の女性とぶつかってしまった。

「あっ…ごめんなさい!」

黒髪の女性は驚いたような表情をして、私に向かって言った。それもそうだろうか。普通、シスターがこんなところに居るはずもない。

「いえ…こちらこそすみません。…では…」

私は黒髪の女性に対して、深々と頭を下げその場を立ち去った。


296ルキ✡ [2016/02/05 23:03:56 ID:clbfqTck]

「久しぶりに他人と会話したかな…」

そうつぶやき、2階の方へ上がって行く。
私が借りている部屋は2階だが、その部屋の前を素通りし、全く違う方向へ進んでいった。

しかし…本当に広い。
もしかしたらこの国で一番広い建物かもしれない。まぁ、私はほとんど協会にいるからわからないが。

「…あ」

夕食の時間を過ぎていることに気付き、私は食堂へ戻ろうとしたが、この時間に食堂がやっているだろうか。私は後で何か買うことにし、長い廊下を進んで行った。

(これじゃぁ、本当にコンパスにお世話になるかもしれない…)

好奇心は強いが方向音痴で、めったに人に心を開かない私。ここに辿りつかなかったら、今夜は野宿だったかもしれない。否、あの森は最近燃えたとの噂もある。ただの山火事なら良いのだが、神の力だとかの特殊な炎だったと言うから、余計に怖い。

(なんであんな森進んできたんだろう…)

我ながら恐ろしい

297O,T [2016/02/06 17:09:02 ID:5CsEhkx2]

彼はいつもの場所(ベッドの下)に潜みながら先程の事を考えていた。
『主人公が浮浪者に金を渡し情報を得る』
フィクションの世界では度々見かけるが、まさか実際にその場面に遭遇するとは夢にも思わなかった。
大した根拠はないが裏やら闇やらの人間の情報は説得力がある、ような気がする。
ような気がするだけ。
まぁ、なんだ、ジェイがしたのだから、なにかしら信頼できる要素があるのだろう。
再び貧民窟で親しくなった友人を思い出す。
その「石油を見つけ財団を立ち上げたゴロツキ」というのはまさか彼か?
そういえば北米大陸横断レースに行った時、彼と同じ名前の石油会社を耳にした。
確かスポンサーだったかな?
待てよ、あの薄汚い浮浪者は財団と言ったはずだ。
(今はそんな事どうでもいいな)
次の国に行くためには砂漠を越える必要があるそうだ。
標的を追うため散々な思いをしながら砂漠を渡った経験がある。
できれば遠慮したいが背に腹は変えられん。ここは覚悟を決めよう。
懺悔室で「覚悟は幸福だ」と神父が説かれた。
神父がそう言ってきたのだからきっとそうなのだろう。
後日懺悔しに行くと別の日本人の神父になっていたが関係ないのでこの話はここまでにしておこう。

覚悟を決めるとは思ったものの今回の砂漠越えはより厳しいものになるだろう。
Jがなにやらペンを動かしていたので一眼レフを通じて見てみた。
あれはなんだ、狼か。
複数の討伐隊一行ならともかくも自分は1人で行動しなくてはいけない。
狼どもからすれば良いカモだろう。
しかしまた一行に混ざるのは控えたほうがいい。
今度こそジェイの中の疑問が確信に変わってしまう恐れがあるからだ。
我が特長を生かして乗り切るしかないようだ。

しばらくしてJが出ていった。
砂漠を渡るのについて、仲間と話し合いに行ったのか。
ポプラ・テール(長いのでこう呼ぶことにした)を使って盗み聞きしよう。
ァンタジーな連中にはこの一眼レフが『見える』ようなので普段より気をつけなくていけない。
ちなみにシャッター音も同様だ。

298ルキ✡。:* [2016/02/06 21:36:37 ID:b12Bponk]

私は長い廊下を進みながら周りを見ていた。ふと懐中時計を見てみると11時を回っており、私は部屋に戻ることにした。
だが、先ほど売店で食べ物を買おうとしたのを思い出し、売店へ向かった。

(よかった…辿りついた…)

少し迷ったがなんとか売店がある部屋へ着いた。
そういえば、部屋には売店の他に、自分で料理ができるスペースがあると書いてあった。

(誰かと会わなければいいのだけど…)

中から話し声少し聞こえる。居たとしても少人数だろうか。なら早く食べ物を買って借りている部屋へ戻れば良い。私はそう考え、部屋の中に入っていった。

部屋の中にいたのは、和服を着た男女が1人ずつと砂漠のあたりで見かけそうな服を着た男が1人、巫女の衣装を着た女性が1人、そして…先程ぶつかった黒髪の女性が1人…居た。

(気づかないで…他人とはあまり会話したくないの…!)


299和美◆hNSBMrrUeA [2016/02/06 22:07:47 ID:YX3o/JsM]

「や、やっと着いた…」
エンシャントドラゴンに遭遇したあの日…詳しくは言えないが彼の住処に行った。
そこで…これも詳しくは言えないが、色々と教わってきた。これは何れ役に立つだろう。
で2週間前に下山し、そして今!ようやく町の北門が見える所まで帰ってきたのだ…
(…せっかくなら送ってくれても…)と道中思ったが
『神にも斉しい存在』の彼と交流できた事だけでも
「ヒトと言う存在」でしかない私には身に過ぎる光栄な事だ。

まあ、今は眠りたい。ベッドで眠りたい!
私の部屋が、まだあればの話だけど…

300桜小町 [2016/02/06 22:14:30 ID:KVPE8dUE]

>>298
「そなた、何者じゃ?」
自分とは正反対の格好をしている少女がいた。

・・・シスターだろうか。

「姉様、私先ほどこの方とお会いしました。」
花が言った。

確かに怪しい者ではないだろう。
「失礼いたしました。そなたを何処の何方か知りませぬが
けして怪しいものではないのでしょう?」

少女はコクリと頷いた。

「申し遅れました。わたくし、桜家のお嬢様・・・
いえ、女剣士をしております。
桜小町ともうしますわ。以後お見知りおきを。」


301ルキ✡。:* [2016/02/06 22:23:27 ID:b12Bponk]

>>300
(お見知りお気をって…なに!?私これからこの人たちと一緒にいることになるの!?)

私はただ、売店で何か食べ物を買おうと思ってここ入って来たら、さっきぶつかった人は居るし、お嬢様には自己紹介されるし…正直頭が付いて行かない。

「あ…シスターのルキ…です…」

私は頭が付いていかないせいか、言葉に詰まりながらもなんとか答えた。関わりたくない…関わりたくない…。

「…?」

私はこの着物のお嬢様…桜小町さんから、私が追ってきた「不思議で懐かしい」が少し感じられる。何故だろう。私はこの人と会ったことは一度もない。私の知り合いとでも接触したのだろうか?

私は小町さんに向かって軽くお辞儀をした。

302桜小町 [2016/02/06 22:32:21 ID:KVPE8dUE]

>>301
「ふふっ。そんな嫌がらなくて良くてよ?
   皆優しく愛に持ったお方たちばかりよ?」
すっかりルキが妹のように見えて調子に乗っていると

「さくらぁ~。何姉貴ぶってんの?」
ラティがからかう。
「そうだよー。何で桜が?」
桃まで言う。

わたくしの堪忍袋の緒が切れる前にjokerの一言・・・

「君は何しに来たの?俺たちになんかあるでしょ?笑」

303零夜♤ [2016/02/06 22:34:53 ID:EdqL3Zeo]

>>302
俺なら自分の部屋で寝てるぞ

304桜小町 [2016/02/06 22:37:51 ID:KVPE8dUE]

>>303
おにいちゃあああああーーんっ
うおおおおんっ

あ、まじ?
じゃああれをわかばがゆーーたってことで

305零夜♤ [2016/02/06 22:39:16 ID:EdqL3Zeo]

>>304
来れる時はちょくちょく来るから
そうしないとルキさんわけわかんなくなるぞw

じゃあの(´・ω・`)ノシ

306桜小町 [2016/02/06 22:42:44 ID:KVPE8dUE]

>>305

ほんと、みんなごめん。


おうっまってるー

307ルキ✡。:* [2016/02/06 22:57:48 ID:b12Bponk]

>>302
桜小町さんが優しくそう言ったが、あの事があってから他人は信じられない。それに、なぜ私は歓迎されているのだろうか。背の高い着物の男性は「何しに来たの?」と笑いながら私に問いかけた。

「売店で何か買おうとしただけですが…」

あなた達と仲良くするつもりは無い…そのような目つきになっていたのだろうか。着物の男性は少し驚いたような表情をした。

すると、廊下から誰かの足音が聞こえてきた。
この部屋に近付いているようだ。
(これ以上誰かと関わりたくない…)
部屋に入ってきた男性にはかすかに見覚えがあった。

308ルキ✡。:* [2016/02/06 23:07:22 ID:b12Bponk]

>>307
その男性のあとを追ってくるのかのように、一人の女性とシルクハットを被った男性が入ってきた。
(どうしよう…)
このままじゃぁ、私もこの中に入ることになってしまうかもしれない…!赤の他人のグループという事もあるし、他人とそんな関わりたくない…

309J◆kZDFwAt8do [2016/02/06 23:13:02 ID:7mg4VaC6]

俺は下の階を捜索するが誰も見当たらない。くそったれ、こんな時に何処へいるのだ。
用紙に折り目がつかないように脇に抱え、軽く小走りになりながら宿内を探し回っていた。
こんな時間だ、もしかすると個室に戻ったのかもしれない。そんな嫌な予感が混じりながら俺は歩き続ける。
探す宛を突き当たり、最後に売店がある場所へ来た。ここに皆がいなければ俺の予感は的中だ。

俺は曲がり角曲がる。そこには討伐組が揃ったいた。
拍子抜けだ。明日は砂漠を渡れるというのに、こんな調子で大丈夫なのか。
何やら修道服を着た奴と話しているようだ。今は修道士の事などどうでもよい。

「そこにいたか。明日は砂漠を渡るのだ。何を呑気にしている。」

俺はすかさず声をかけてしまう。かけた先にはラティもいた。

「あぁ、Jさん。そうだったね……。」

ジョーカーが答える。そしてラティが俺に一つ質問した。

「J、話は聞いてるよ。あの砂地を渡るんでしょ。」

「そうだ。」

「今の状況で行けるの。格好が整っていない。あんたはその白い服に残った露出を隠すだけでいいけど、他はどうするの。」

「途中で買う。」

「……そうか。」

納得したのか、ラティは近くの壁にもたれた。
やはり彼は砂漠を一度渡っている様だ、確かに今の討伐組の格好はあの環境を歩くのに相応しくない。
服の事は道中で買える。旅人関係の品を中心に取り扱う店がある。そこなら基本的な物は何でも揃う。マントやスカーフもあった筈だ。
だが、それよりは俺が手に持っている物が優先だ。

「皆、今から砂漠を渡る作戦を説明したい。」

俺は切り出す。二枚の用紙を近くのテーブルに置く。

「砂漠なら俺は何度も渡った事がある。だから俺が旅路を立案させてもらった。」

「まずは一枚目の用紙の説明からしたい。」

俺はテーブルに置かれた地図に解説文が書き込まれた用紙を指す。
それを、さっきの修道士が見つめていた。

310J◆kZDFwAt8do [2016/02/07 01:28:10 ID:7mg4VaC6]

「先ずは歩行時間だ。夜の砂漠は絶対に歩く事はない、だから陽が照っている時間のみ歩く。ここから夏の国までは約50kmだ。おおよそ1日は砂漠で野宿する事になるだろう。」

「行路はその図に乗っている通りだ。春の国を西に出たあと、その行路に従って夏の国まで斜めに直行する。先ずは短い草原の後に続く荒野を抜け、次第に砂漠が見えてくる。そこからが本題だ。」

「砂漠は足場が非常に悪い。波のような砂丘が俺達の体力を大きく奪うことになるだろう。分かっていると思うが、水や草も日陰になるものもない。そして行路についてたが、まずは砂漠に入り、この地点で早めに野宿の準備をし。残り32kmは明日渡ることにする。」

「次の日は7時までには出発だ。何も無ければその日の夜には確実に夏の国に到着するだろう。この時点で何か質問は。」

さしぶりに多くの言葉を発した。慣れない事をするのは非常に疲れる。
そして質問をしてきたのは桜小町だ。

「何故、夜に砂漠を渡ってはならないんですの。」

そんな単純な質問をしてくるのか。呆れたものだ。
夜に砂漠を歩いてはならないと言っただろうに。

「夜の砂漠は、夜空の不規則な星のせいで方向感覚を失う。夜の砂漠は俺も渡った事はない。分かったか。」

何処か不満そうな表情をしているが、お前の質問にすらならない言葉などどうでもよいのだ。
次に解説文を載せた用紙の退かし、デザートゲリランが描かれた用紙をテーブルに置く。
俺の記憶に有る限りの形を何とか描いてみた。基本的な事は描写されている筈だ。

「次はこの魔物について解説する。」

「この魔物は『デザートゲリラン』と呼ばれる肉食性生物だ。一見、頭部の少し大きめな狼に見えるが、この頭部には収納式の大牙が隠されている。」

そういって俺は牙を展開した手を指す。

「この牙は非常に鋭く、チェーンメイル程度の強度の鎧は簡単に引き裂く。驚異と言えばこの牙位しかないが、逆に言えば狼という狂暴な生物が更に進化し、この様な武器を持つのはとてつもなく危険だ。しかも砂漠という環境でこの様な進化を遂げたのだ。人間という軟弱貧弱の存在がまともに打ち勝てる相手ではない。」

「しかも狼と同じく集団で狩りを行う。俺は一度遠征で砂漠を渡っていたが、このデザートゲリランに襲撃されて全滅した事がある。砂漠という環境を進む以上避けては通れぬ驚異なのだ。」

「だが、今は砂漠の環境が更に劣悪化して生息数は減っていると聞く。が、これで安心してはならない。砂漠という環境での魔王はこいつと思え。」

皆の顔が驚いている。その中、ラティと藍は真顔だった。
俺は用紙を整え、テーブルに重ねながら話を続ける。

「作戦は以上だ。出発は明日の午前8にする。用紙はここに置いておくから、確認したいなら好きにしろ。」

俺は皆を背にし、自室まで向かう。

311J◆kZDFwAt8do [2016/02/07 01:28:33 ID:7mg4VaC6]

>>310

くそ、最悪や
なんで黄色になってるんや

312J◆kZDFwAt8do [2016/02/07 15:44:09 ID:ZuXYe20g]

階段を登り、2階の廊下に出る。カーペットの敷かれた道を歩いて行く。
あれで皆は理解してくれただろうか。心配でならない。
明日はこの討伐組に来てから、初めての長距離移動になるであろう。この移動で誰かが死亡してもおかしくはない。
逆に、それくらいの覚悟をしなければ今の砂漠は渡れない。魔王が環境を変えてしまったのだから、元に戻すには魔王を討つ他無いのだ。

人類は今でも魔王という存在に感付かず、己の為に同時討ちをしている。
魔王という存在を知っているのは限られた人間のみだ。その限られた人間が魔王を討つしかない。
国家は既に魔王という存在を把握している筈だ。それなのに、それでも、軍隊を使って自己の為に戦っている。
この世界の中で、『我々が魔王を討伐する人類軍だ。我々は人類の救世主である。』と名乗りを挙げる人間は出てこない。たとえ魔王の侵攻が本格的に始まったとしてもだ。
魔王に侵攻された人類はきっと魔王にひれ伏すだろう。反発などせず、されるがままにこの世界を魔王へ譲り渡すだろう。
そんな事は必ずあってはならないのだ。魔王という害悪な存在が世界を支配するなど、あってはならないのだ。
だからこそ、愚かではない勇気のある「人間」を正々堂々と名乗れる者が、魔王を討ち、そしてその「人間」が世界の頂点に経つべきなのだ。
だが、それを理解している人間などいない。理解していたとしても、もはや力にならぬ老人しかいないだろう。

だから若者が名乗りでなければならない。俺は幾多の人間との戦争に身を投じて分かったのだ。
今、戦うべき存在は人間ではないのだと。

俺は苦い汁を飲んだような気持ちになるが、今更気にしたことではない。
この討伐組はただの肩書きではいけない。そうだ。『人類軍』と改名すべきと俺は思う。
そんな理屈な考えを頭に浮かべながら、俺は自室の扉を開けた。

313和美◆hNSBMrrUeA [2016/02/07 21:16:47 ID:JtmaPrjY]

鍛冶屋に行き「槍龍の逆鱗」を加工して作った矢を受け取った。
「苦労した」と鍛冶屋が言うので代金を少しばかり色を付けて支払った。
あの鍛冶屋は腕がいいのであろう。私は10本と踏んでいたが、13本分も削り出したのだ。
(…今後とも贔屓の店にしよう…)
さて、私が一回の戦闘で用意する矢は15本。それが尽きたら私は一目散に逃げる!
弓使いの仕事は「相手の急所を穿つ事」だ。
15本も放って仕留められないのであれば、その戦闘に於いて私に勝ちはない。
担当で弦を切断し(外している暇はない)、弓を分解して走りやすくする。
これも、私が狩猟者として生きていく手段だ。

314ルキ✡。:* [2016/02/08 00:49:10 ID:4V5bzYaA]

何をしていたのかは聞いていた話でなんとなく理解は出来た。この辺で砂漠と言えば、春の国と夏の国を繋げる砂漠しかない。ということは、おそらくこの人達は、砂漠を渡り夏の国にでも行くのだろう。

(この人達は一体何者なんだろう…)

不思議で仕方が無い。先程の話の様子を見ていると、観光目的だとは到底思えない。だとしたら…

「戦士…?」

一部でしか出回っていないが、魔王の封印が解けたという話がある。まさかこの人達は魔王を倒すつもりなのだろうか。

(でも…確かこういう場合は政府が兵士を送り込むはずじゃ…)

私の頭の中では様々な憶測が飛び交っていた。だが、これ以上考えると訳が分からなくなりそうだから考えるのを一時中断した。

(……お腹空いたなぁ…)

私は小町さんに手首を掴まれているため、動くにも動けない。私はこの人達と関わるつもりじゃぁ無かったのに…!

315燕子花 [2016/02/08 18:15:02 ID:.m/w.0/k]

>>314
私はJさんの、書いた紙を一通り見てちらりと小町の方を見ると
小町の横で、シスターのような女性が俯いていて、
私はその女性に

「えっと、あなたは、さっきぶつかった人ですよね?」

「え?は、はい。そうです……」

と、言った、そしてその女性は目線をある方向に向けた
私がその方向を見ると、小町が女性の手首を掴んでいた
それを見て私は小町に

「姉様、女性の手首を放してあげて下さい」

「ん?あ、そうでしたわね」

と、言って小町は女性の手首を放してあげた

316JOKER♤ [2016/02/08 18:38:51 ID:yyh3SI8g]

>>315
「女性じゃなくて、ルキさんだろ?」

ルキさんを女性呼ばわりする燕子花に笑いながらそう言った。ルキさんからは「この人達とは関わりたくない」オーラが出ている気がする。どれだけ俺達と関わりたくないのだろうか…

そういえば、Jさんは砂漠を渡るのに慣れているのだろうか。図書室があるわけでもないのに、敵のこと、夜に砂漠を渡ってはいけない事、服装のことやら詳しく説明していた。
Jさんは傭兵だから、前にも砂漠を渡ったことがあるのだろう。

小町から手を離されたルキさんはパンと紅茶を買って、部屋から出て行こうとした。

「待って。」

俺はルキさんを呼び止めた。もしかしたら戦力になるかもしれない…そう思ったのだ。俺達と一緒に旅をすると決めるのは、もちろんルキさんが決めることだが。

「あのさ、良かったら俺達と一緒に魔王を倒す旅をしない?」

俺はサーカスの時のような笑顔でルキさんに尋ねてみた。おそらく、断られるだろう。俺はルキさんの返答を待った。


勝手に誘っちゃってゴメンね。あとは、更新できる時は来るから。

317 [2016/02/08 18:58:14 ID:rMfndN3Q]

久しぶり!
どれくらい進んだか見たけど…結構進んだね!
私も来れるときは顔出すねー♪
それと、雑談&作戦timeのスレも見たけど…
Jさん、アリスって人の言うこと気にしない方がいいよ?
言いたい人には言わせとけばいいから!

318ルキ✡。:* [2016/02/08 19:22:40 ID:z7tS8eVs]

>>316
「…え?」

やっと部屋でゆっくりできる…そう思ったのに、魔王を倒す旅に出かけないかって…なんで!?
私は独学で覚えた護身術くらいしか、戦うことは出来ない。それと、先程出会ったばかりなのに何故なんだろう?

「何故…私なんです…。それと…貴方は一体何者なんですか…?」

私はシルクハットの男性に問う。男性は微笑みこう答えた。

「あ、ごめんごめん。自己紹介がまだだったね。俺は道化師のJokerだよ。君を誘ったのは、戦力になりそうだからかな…。」

この男性はJokerと言うらしい。誘った理由は戦力になりそうだから。でも、前述の通り私はただのシスターだ。メンバーになんか…
いや、待てよ。この人達からは私が追ってきた「不思議で懐かしい感じ」が感じられる。この人達について行ったら、その正体が分かるかもしれない。だったら…

「わかりました…。付いていきます。でも…」

私はメンバーの人達に顔を向けて、声をいつもより低くして真剣な表情でこう言った。

「貴方達のことは絶対に信用しませんから。」

メンバーの人達は皆、驚いた表情をしている。ただ一人を除いては。Jokerさんは相変わらずニコニコしながら私を見ている。

「明日の8時にここを出るんですよね。わかりました。…では、失礼します。」

私は先程買った、パンと紅茶を持って自分の部屋へ帰っていった。

319J◆kZDFwAt8do [2016/02/08 20:12:47 ID:PLxlU4.g]

温かいシャワーを頭から浴びながら、俺は目を閉じていた。
今日に情報を仕入れてその次の日に出発は、流石に駆け足過ぎただろうか。だが、その国王の側近が魔王と関係しているのを確かめるのに遅いも早いも関係無い。夏の国の経済は安定していると聞いている。これは自然に成り立っている安定なのか、朽ちた吊り橋の上の安定なのか、それは俺達が後々知る事となるのだ。
財団を立ち上げた貧困街出身の男の事は俺も知っている。その男と対面した事はないが。
それに対抗しているかは知らないが、その男が世間に知られるようになってから夏の国は急速な発展を急いだ。巨大な市民プールを作ったり、次々と最新的な工業技術を取り入れた建物が建設されている。
夏の国は砂漠から海に続く地形に存在し、海から水を運んでプールを作ってしまうのはまだ理解できるが、異常な高さの建設物を作る意味はあるのだろうか。

俺には理解できないな。
とりあえず、国王の側近へ接近する方法は藍に頼むしかない。俺は傭兵という立場である以上、簡単に王宮には入れない。
接近してからはどう側近を尋問して情報を吐かせるかだ。殺害してしまっては意味がない。
尋問といっても、手元に拷問器具がある訳でも無いし、側近を拉致したなんて事が知られると大事では済まないだろう。
一応拘束する為の縄はバッグに入っているが、どう側近を無力化して拉致するかだ。
俺が知っている夏の国の情報は古い可能性もある。先ずは現地で深く作戦を練らなければならない。
俺は開眼し、シャワーの水を止めた。

320 [2016/02/08 21:32:29 ID:rMfndN3Q]

ルキさん初めまして!
藍です!賢者してて、夏の国の姫です(*^^*)
Jokerとは恋人です//
よろしくお願いします!

321ルキ✡。:* [2016/02/08 21:37:21 ID:z7tS8eVs]

>>320
藍さんはじめまして~♪
Jokerさんと恋人…笑
∩( ´∀`)∩ドウゾ (っ´∀`)っ))ヨロシク♪

322 [2016/02/08 21:39:09 ID:rMfndN3Q]

>>321
よろしくねー!
ちなみに受験あるので今月は浮上率低めです←

323零夜♤ [2016/02/08 21:43:46 ID:yyh3SI8g]

遅れちゃったけど、ルキさんよろしくね~

324ルキ✡。:* [2016/02/08 21:44:34 ID:z7tS8eVs]

>>322
わかりました~!
受験頑張って٩(ˊᗜˋ*)و

>>323
Jokerさんですよね?w
よろしくお願いします!

325 [2016/02/08 21:48:27 ID:rMfndN3Q]

ルキちゃんありがと♪

326零夜♤ [2016/02/08 23:38:28 ID:yyh3SI8g]

>>318
(………)
これから一緒に旅をするのに「貴方達のことは絶対に信用しませんから」なんて言われるとは思わなかったな…。まあ、さっき俺達と知り合ったばかりだし、それは分かるが…

(だからって、あそこまで警戒しなくても…)


327J◆kZDFwAt8do [2016/02/09 01:17:25 ID:PLxlU4.g (sage)]

>>317
アリスって本編でJが持ってるツヴァイヘンダーの名前なんだよな
わざわざ関係してくる名前で匙を入れてくるとか物凄く気持ちが悪かった

328J◆kZDFwAt8do [2016/02/09 01:49:42 ID:PLxlU4.g]

俺はサービスに頼んでおいた寝巻着を着用し、ベットに腰掛ける。
改めてこれまでの自分と向き合ってみよう。自分は、彼等討伐組に対してどんな態度をとっていた。
この討伐組の中で信用する者はいない。そんな事は分かってる。
傭兵という存在は、何も知らぬ素人の妄想で形付けられてしまっている。一度世間にそう信じられてしまったのならば、二度と印象を変える事など出来ないだろう。だが、いくらどう批判しようが傭兵を勘違いしてほしくない。俺達傭兵というのは、確かに金で動いて、金でものを見極め、ずる賢くて裏切り者と思われているだろう。だが、それは違う。傭兵は信用されなければ生きてはいけない。信用を失った傭兵は、誰にも見向きされずに死んでいくだろう。だから、一度雇ったくれた主が満足するまで傭兵は戦う。一度加勢した勢力が勝利するか、満足するまでは絶対に裏切らないし、懸命に戦ってみせる。それこそが、傭兵としての信頼だ。
傭兵の中には、日常に溶け込んで暮らしている者もいる。そういった彼等は、俺の毎日重なる負担より軽い生活をしているのだろうと思う。生憎、俺はそんな生活が出来そうにない。そんな生活を長年してきてないからだ。
こんな生活になったのは何歳からだろうか。自分はもう覚えていない。本来なら誰かを愛し、そして挫け、それでも慰める者がいて、支えながら生きる筈の時間を、俺は全て無くしている。
だから俺は人を愛するという事が出来ない。俺の親父は運命に足掻けずに死んだ。母も、妹も、目の前で犯された。そして殺された。
俺は犯すという行為がその当時分からなかった。ただ二人が苦しみ、恐怖に屈して抵抗もせずに泣き続けていたのを俺は見ているだけだった。
だからといって俺は、敵国の兵士を憎んではいない。
それが自分の運命で、生きる道なのだと思うと、必然的な事だったのだと理解した。だが、家族の暖かさは今でも忘れてはいない。忘れてはならない。
だから俺はこの剣に名前を刻んだ。妹の名前を。アリスを。
この剣は俺の愛すべき存在。この剣だけが俺を愛してくれている。そして、答えてくれている。

明日の長距離移動で、誰かが死んでもそれは運命だ。悲しみはしない。
だが、想いは残してやろう。だから俺は討伐組を助けると決めたのだ。それが条件でこの討伐組に入っていると、俺は勝手に思っている。
俺はそう思いながら、ベットの上で目を閉じる。

329ルキ✡。:* [2016/02/09 18:43:05 ID:u9XGjZBM]

(言った……!)

自分がどれだけ他人のことを信用していないか、改めてわかった気がする。でも、信じたから…あんなに傷ついたのだ。それなら、いくら親しい人間であっても心を閉ざしてしまえばいい。いつ裏切られるかわからないのだから。

そんな事を考えている間に借りている部屋に着いていた。部屋に入り、デーブルの上に先程買ったパンと紅茶を置き、食べ始めた。
そういえば、Jokerさんは私があんな事を言ったに、相変わらずニコニコしながら私のことを見ていたのだろうか。普通なら、「絶対に信用しない」なんて言われたら、後ろの人達と同じようなリアクションをするはず…。

(Jokerさんも、人を信じられなくなるような事が昔に何かあったのかな…)

他人の過去なんて、勝手に考えるのは辞めておこう。相手にも失礼だし、さっき信用ないって決めたばっかりだ。

私は紅茶を飲みほし、サービスで置いてあったネグリジェに着替えてベットへ座った。

「この旅で何か変わるといいな…」

私はそうつぶやいた後、眠りについた。

330O,T [2016/02/09 19:17:54 ID:lpJvaJfs (sage)]

一眼レフによる盗み聞きは成功。遠くの階段に潜ませて傍受させた。
本体と似たのか、聴覚は鋭いのが幸いした。
(明日、か)
正直不安で仕方がない。
もしかしなくとも砂漠の真ん中で野垂れ死にしてしまうかもしれない。
ジェイの言っていた狼に襲われるかもしれない。
いざとなれば一眼レフがあるしジェイ達になすりつけて逃げればいいがそうすると今度こそバレてしまうだろう。
「私は他人をストーキングするのが好きなだけだったんだ」と言い訳をすれば見逃してくれるだろうか。
しかしそうするとちょっとした敗北感や屈辱を味わってしまう。
ここまできたのだからやり遂げたい。

それと、メンバーが1名増えたようだ。
シスターを加えてどうするつもりなのか、あの女は過去になにかあったのか
いくつか気になったが自分には関係のないことだ。
Jの寝顔を盗撮して彼はベッドの下で眠りについた。

331桜小町 [2016/02/09 21:54:11 ID:GTRbZGHQ]

ふう、と1つため息をこぼしてみる小町。
皆寝静まったころ、部屋の外へ出てみる。
着崩れた浴衣の帯を直しながら。

館の外は夏だというのに、夜はやはり肌寒かった。
(上着を取ってくればよかったですわ・・・)
ぶるぶるっと震え、
満天の星空を見上げる。

「これまでいろいろなことがありましたわ・・・」
ふっと笑みがこぼれる。
何度も戦って、泣いて、笑った。

この星空は今日までのことすべて昨日のことだったように
感じさせてくれる。

明日からは一人仲間が入ってくる。
また新しい毎日が始まる。

332J◆kZDFwAt8do [2016/02/09 23:48:03 ID:7pGOz8Xo]

日を進めたいと思います

333 [2016/02/10 19:06:17 ID:MYT3DE.Y]

いいと思うよー

334ルキ✡。:* [2016/02/10 19:07:45 ID:/3QZxRX2]

了解です!

335燕子花 [2016/02/10 21:42:01 ID:nIXrGaMM]

わかりました

336桜小町 [2016/02/10 22:21:27 ID:xgMUpynE]

ok-

337J◆kZDFwAt8do [2016/02/10 23:21:40 ID:5GNEeMv.]

日は進めますが今は皆に干渉しないように進めますね

338桜小町 [2016/02/10 23:22:35 ID:xgMUpynE]

りょうかーい

339J◆kZDFwAt8do [2016/02/11 01:29:27 ID:5GNEeMv.]

午前6時。俺は予定より早く起床し、外出の準備をしていた。
鏡に映る白のカッターシャツとベージュのジーンズパンツ。それに純白のコートを羽織り財布を握りしめて部屋の扉を開けた。
本当ならば昨日のうちに成すべき事だったが、時間が時間だった。午後から午前に移り変わる時に外へ出て、皆に感付かれて騒ぎをたてられるのは御免だ。

午前8時間、いや、7時半までには討伐組全員分の装備を配布しなければならない。今の皆の格好では砂漠は渡れない。流石に全員分のバッグや食料までは渡せないが、防塵用のマスクやゴーグルは何とか購入できる。
今回ばかりは買い物の邪魔になってしまうのでツヴァイヘンダーは肩に掛けてはいけない。別にこれから戦闘に巻き込まれる訳では無いが、何処か安心感が無いのは仕方がない。
ラティはあの格好でも問題はない筈だ。西の方の身だとわかっている。
それと砂漠を歩くのに黒い服は危険だ。熱を集めてしまって徒歩が困難になるどころではない。黒い服と言えばあの気味の悪い遭難者位しか思い当たらないが、貧困街から帰って来た時には既に姿はなかったので何処かへ帰ったのだろう。
後は露出の多い服だ。紫外線が直撃するので肌の露出は危険だ。確か燕子花は踊り子衣装だったな、マントで何とか防げるだろうか。
藍も確かにワンピースの様な服装だった。マントをつけているがどうなのだろう。
とりあえず買う物についての目星は大体ついた。一応蚊除けの薬品も購入した方が良いだろう。
そう頭の中で考えを絡めていると、俺は朝の冷たい風を正面から受けながら、無意識に小走りとなっていた。

340J◆kZDFwAt8do [2016/02/11 01:32:04 ID:5GNEeMv.]

そういえば討伐組と出会ったときのO.Tの衣装はアラビアファッツだった
すみません

341ルキ✡。:* [2016/02/12 17:31:41 ID:SzL1b/AM]

「……ふわぁ」

カーテンを閉めておくべきだった。朝日が眩しくて目が覚めてしまった。時計を見ると、午前6時30分。集まる時間にはまだ早い。私は今から寝ると確実に起きれなくなると思い、ベットから出て、ネグリジェからいつもの修道服に着替えた。

首に違和感があり、鏡を見てみると細かいチェーンの様な痕がある。どうやら、ロザリオをしたまま寝てしまったらしい。
私は小さなバックの中からカバーの付いている短剣を2本出し、それをベルトにしまった。
砂漠では何が起こるかがわからないからだ。使うことは無いだろうが用心するに越したことは無い。

ふと時計を見てみるとまだ7時。
確か、エントランスに色んなものが飾ってあったような気がする。それを見て時間を潰そうと思い、バックを持ち、部屋を出た。

342燕子花 [2016/02/12 18:25:39 ID:lmTY625U]

私は不意にぱちっと目が覚めてしまい
窓の方をちらりと見ると朝日が目に刺さり痛かった
何度か瞬きして、時計を見ると7時だった
出発までにはまだ、早かった
私は淡いピンクのパジャマからいつもの踊り子衣装に着替え

「これから何しよう……」

私がポツリと呟くと、お腹がグ〜ッと間抜けな音を出した

「んー、お腹すいたし何か作るか……
そういえば昨日使ってない食材があるかも」

と、ブツブツつぶやきながら部屋を出た

343桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/02/12 19:54:45 ID:jrPZHblQ]

目がさめたのは7:00
小町は浴衣の帯をほどき着物に着替える。
そして鏡の前の自分を見つめ、呟く。

「…華やかに振る舞いなさい。」
昔、両親に沢山いわれた1つの言葉。
毎日、鏡を見てこの言葉を言うのが習慣だ。
髪をとき腰に二本の刀を刺し、笑顔をつくり部屋をでた。

344藍◆d3AfFxV.w2 [2016/02/12 20:42:50 ID:NcaeEIaE]

朝日が眩しい。
カーテンの隙間から差し込む光に思わず眼を細めた。

「嫌な夢…」

久しぶりに悪夢を見た。気分が悪い…
時計を見れば午前7時10分。
皆は起きているのだろうか?そう思い、私は黒いレースの付いた落ち着いたネグリジェを脱いで、いつもの白いワンピースを身に纏う。
等身大の鏡で寝癖を直す。
さらりと自分の銀髪を撫で、ため息をつく。
本当に、嫌な夢…
ぽつりと、誰もいない部屋で私は言葉を紡いだ。

「昔々、ある国のお話。双子のお姫様が産まれました。」
「姉は銀髪、妹は金髪でした。王様とお妃さまが無事産まれたことに喜んでいると、突然全身真っ黒で禍々しい気が漂う青年が現れました。」
「青年は言いました。双子の姫は国の破滅を導くであろう。どちらかを捨てるのだ。」
「困った王様は双子のうちの一人を地下室に閉じ込めました。国の平和のために、破滅に導かれないように。」

閉じ込められたのは、そう。
王様とお妃様と同じ金髪をしていない、"私"だった___。

「くだらない…どうして思い出したのかしら…?」

過去を振りきるように、私は部屋から出た。

345藍◆d3AfFxV.w2 [2016/02/12 20:44:17 ID:NcaeEIaE]

J君の意見を取り入れてダークファンタジーっぽくしてみましたw
こんなもんですかね?

346燕子花 [2016/02/12 20:52:23 ID:lmTY625U]

>>342
私は部屋から出て、キッチンに、向かった
そしてキッチンの冷蔵庫を開け、食べれそうな物を出した
そして手軽に朝から食べれるサラダ・パン・スープを皆の朝食のメニューにしようと考え、行動に移した
サラダは野菜を適当にちぎったりして
パンは香ばしくこんがり焼き、スープは
あっさりしたオニオンスープを作った

私は出来上がった料理をテーブルに運び、椅子に座った
私は手を胸の前で合わせ

「いただきます」

と、言った後私は料理を口の中に掻き込む
その瞬間口の中にパンの香ばしさと
玉ねぎの甘みが口の中いっぱいに広がった

私はその3品をものの10分で食べ終え、皿などを洗いにキッチンへと向かった


347零夜♤ [2016/02/12 21:11:08 ID:pECKY.lY]

朝日の光で目が覚める。
よく寝れたような、寝れなかったような……。
そんなことはどうでも良いか。
ふと、時計を見てみると午前7時を少し過ぎているようだ。俺はベットから出て、いつもの道化師衣装に着替えた。

鏡を見て帽子をかぶる。そして、イタズラっぽく笑ってみる。
これは自分の出番が回ってくる前にいつもやっている、笑顔の練習。いつもやっているからか鏡を見ると、ついやってしまう。

壁にかけてある鎌を持って、俺は部屋を出た。エントランスだったら、誰かしらいるだろう。
エントランスには、ルキさんが居た。何を見ているのだろうか。
ルキさんに声をかけてみた。

「おはよ、ルキさん。何見てるの?」
「おはようございます。…Jokerさん」
「あ、名前覚えてくれてたんだ!」
「まぁ…。一応は…」

ルキさんは相変わらず「関わるな」オーラが出てるな…
どうやらルキさんは、古い地図を見ていたようだ。

「こういうアンティークな物、好きなの?」
「そういうわけでは…。時間を潰していただけですっ…」
「そうなんだ~」

そんな会話をしていると、誰かが階段から下りてきた。


348藍◆d3AfFxV.w2 [2016/02/12 21:13:40 ID:NcaeEIaE]

>>347
(棗ーーーーーーーー!体調大丈夫…?)

349零夜♤ [2016/02/12 23:53:38 ID:pECKY.lY]

>>347
あ、誰かが階段から下りてきたのは無しで!
ごめんなさいm(_ _)m

350O,T [2016/02/13 01:55:49 ID:KvoI.9HE (sage)]

『ホテル・ウチレスニア』
夏の国から1km離れた地点に位置する歴史ある民宿だ。
開業約600年、室数は220、多くの旅人達がこのホテルに訪れた。
映画のトレマースの撮影に使われ、陸軍の大尉や人気女優が泊まったというようなエピソードで有名だが、これ以上にもっと有名なエピソードがある。
それは「ホテル・ウチレスニアは『何度も何度も終わ』って何度も何度も甦る」、だ。
火災で、客不足で、資金不足で、テロ被害で、マナーの悪い客のせいで評判が落ちて、巨大竜巻でとバリエーション豊富な方法で何度も何度も終わっているのだ。
しかしいつの間にか始まってる、と思ったらまた終わった。
このように栄枯盛衰を凄まじいスピードで繰り返していたが
30年程前、14代目オーナーの努力も虚しく客不足で今度こそ本当に終わってしまった。good bye.


討伐隊一行が思い思いに朝を過ごしている頃
1人の白髪、白髭の男がホテル・ウチレスニア跡地に佇んでいた。
白色の西部開拓時代から飛び出してきたような格好をしているだけで他にはなにも持ってない。
男は昔を懐かしむようにあたりを見回す。どうやらウチレスニアが猛威を振るった当時の人間らしい。
かつては大変栄えたホテルも今ではこのザマだ、それとも確かここにロビーがあったんだったけな〜などと考えているのだろうか。
当時の面影はもはやない。瓦礫が砂から顔を出しながら風化を待つ様はまるで古代遺跡。
何故かクレーターまである。
「明日の夜には討伐隊のヤツらが到着する」
「ヤツらを始末して私達は完全復活だッ!」
男が初めて、興奮した様子で言葉を発する。
「『ホテル・ウチレスニア』!!」
かつてのホテルの名を叫ぶと、瓦礫の山が一瞬揺れ、ボヤけた。
瓦礫のボヤけは次第に大きくなっていき、数秒で三階ぐらいの高さになる。
それでも依然ボヤけは止まらない。どんどん高く、そして濃く、さらに形まで変化し始める。
ボロボロの瓦礫のボヤけは綺麗に整ったオレンジ色の石壁やてっぺんが半球型の塔になっていく。
客室も中庭も厨房もロビーもプールも蒸留酒もできあがる。
そして周囲にコリタスの花が咲き乱れ、入口の礼拝の鐘が形成された時、やっとボヤけは収まった。
ここにあるのはもう瓦礫の山ではない。活気に溢れた当時の『ホテル・ウチレスニア』がまたこの世に蘇ったのだ。
ホテル・ウチレスニアは静かに時を待つ。

351J◆kZDFwAt8do [2016/02/13 03:56:07 ID:agHYFCF.]

O.Tって現実世界から紛れ込んで来てる住民なのか()

352O,T [2016/02/13 04:30:02 ID:KvoI.9HE (sage)]

トレマーズじゃなくてトレマースっていう名前が似てる大昔の架空の映画だから

353J◆kZDFwAt8do [2016/02/13 13:18:53 ID:HLbMiQo6]

>>352
よく見たら濁点抜けてるんだなごめんごめん
ただ、モロに出てきたから吹いた

354J◆kZDFwAt8do [2016/02/13 13:57:19 ID:HLbMiQo6]

両手にアタッシュケースの如く荷物の詰まった紙袋を持っていている。重たい。この捻れた固紙の持ち手が千切れてしまうのでないか。
だが、万が一の為に全員分のマントと防塵マスク、ゴーグルを購入した。財布の中は俺が両手に持っている荷物よりも随分と軽くなってしまったが。
背が低いが為、紙袋を地面に引き摺らぬように肘を曲げながら、見えてきた宿の門まで足を進めている。

門を軽く蹴り開けると、広場には既に何人かの討伐組の姿があった。彼等の所へ向かい、近くのテーブルの上へ荷物を置く。

「随分と大きな買い物だね、セールでも行ってきたのかな。」

ジョーカーが声を掛けてきた。俺は一通りしてきた事を話す。

「そりゃあご苦労様。準備も整ったみたいだし皆を起こす?」

「7時半になったら皆を集めてくれ。」

彼は頷く。俺はここにいる討伐組に先に装備品を渡し、自室へツヴァイヘンダーを取りに行こうとした時だ。

「ちょっと待ってくれJさん。」

ジョーカーが俺の肩を掴む。

「まだ一人残ってる。」

「どういう事だ。」

振り向くと、彼は修道服を着た者を目で指していた。
この修道士は昨日俺達を見ていた者か。何故宗教関係者が討伐組に混じっている。そして何時混じったのだ。
俺はその修道士に近付く。はっきりいってこの初対面は嫌な気分だ。頭など下げたくない。

「お前は、何者だ。」

それがその修道士への初めての言葉だ。

355ルキ✡。:* [2016/02/13 16:43:11 ID:qewl1MZA]

>>354
私は昨日見れなかった水晶を眺めている。
すると、後ろでJokerさんと話していた男性が話しかけてきた。

「お前は、何者だ。」

いやまず、人のこと聞くときは自分のこと話すべきではないのだろうか…。
そう出掛かっていた言葉を飲み込み、答えた。

「シスターのルキです。」

敵意のある眼で睨んでいたかもしれない。
この男性は、私がシスターの格好をしているからあんなぶっきらぼうに聞いたのだろうか。
私はシスターだが、神を信じてはいない。
宗教関係の人々の中には、信じることを強制する者も居るだろう。
だが、私は決してそんな愚かなことはしない。

私は男性の返答を待った。

356J◆kZDFwAt8do [2016/02/13 18:12:39 ID:fW5KtXM2]

俯いたまま俺の質問に答える修道士。声が高い、女だったのか。

『シスターのルキ』。俺の頭の何処かで記憶している。果たして何だったか。
傭兵となって3年間。傭兵となった直後に始まった紛争の連続で、二年間の急速とも言える戦いを経験してきた。前まで敵勢だった国へ、少数勢力へ、戦地を駆け足で転々としてきた。最初の一年間はいくら幼少期に騎士候補生育成学校に入っているとはいえ、13歳からは習っていない。そうせざるおえなかった。後の2年間を無理矢理延命して生き延びてきた。
そして民間軍事会社という仮面を被った傭兵を志願し、一年間の短期強化訓練を受けてやっと戦場に駆り出された。だが、いくら一年間の訓練を受けているとはいえ、言い返せば一年間しか戦闘訓練を受けていない。訓練中に数えきれない程魔法によって半端強制的に戦闘能力を向上させられているが、それでも実戦に投入するには事足りてなかったのだ。それを証言するように俺の身体は兵士と言える強靭な肉体でない。華奢な身体を外部的な魔力によって無理矢理頑丈にされているだけだ。
それでも俺は三年間を傭兵として生き延び、大きな傷も受けずに今を生きている。そんな生き方をした自分だ。出会った人間を一人一人覚えてなんかいない。

そんな中、この修道士は俺の記憶の中の何処かに思い当たる。何者だ、こいつは。
166cmと兵士としては低い俺の身長の目線が彼女の目線と水平に合う。そんな事はどうでもよい。何故こんな宗教関係者が俺の頭に記憶されているのだ。
名前か。名前が原因なのか。だとしても家族にルキなんて名前はない。
俺は名前を返されたので自己紹介をするべきと思考したが、それよりも先に口が動く。

「J。民間軍事会社に所属してるJという響きに、何か覚えはないか。」

俺は彼女へ返答した。

357燕子花 [2016/02/13 20:09:57 ID:.LUdAjD2]

>>346
私がキッチンで皿を洗っていると
キッチンのドアの向こうでなにやら
話している声が聞こえ、
そっと耳をすませると、Jと、昨日のシスター
否、ルキの声が聞こえた
そして私は何故か今、扉の外へ出てはいけない
そんな気がして

358燕子花 [2016/02/13 20:12:30 ID:.LUdAjD2]

>>357の、続き

そんな気がして私はドアに耳をぴったりくっつけ
出れる機会をうかがった

359ルキ✡。:* [2016/02/13 20:20:21 ID:j6YOzgt.]

>>356
覚えがないかと言われても、私にはよく分からない。
どこかで会ったのだろうか。
……もしかして…

「戦いに巻き込まれた、私を助けてくれた人…?」

そう、その時はベルトに閉まってある短剣を持ち歩いていなかった。その事があってから、私は短剣を持ち歩くようになった。

私はJさんの眼をしっかりと見ながら答えた。



360零夜♤ [2016/02/13 21:16:36 ID:OEn7/64U]

>>358
Jさんとルキちゃんの話には入れないと思い、俺は少し離れたところでぼーっとしていた。
すると、キッチンのドアの向こう側に誰かの気配。
ドアのすぐ近くで気配がするという事は、二人の会話でも聞いてるのだろうか。
仲間の会話を盗み聞きされるのはどうかと思い、思い切ってドアを開けた。

「燕子花!?」

そこには、燕子花が居た。ドアがいきなり開いたから驚いているのだろうか。

361藍◆d3AfFxV.w2 [2016/02/13 21:27:23 ID:9bortT4I]

どうやら、jさんとルキちゃんは知り合い?みたい。
二人の様子に退屈になった私はソファーへと腰を下ろす。

「さっきの夢…胸騒ぎがする…」

どうして昔の夢を…?
夏の国…私はあまりあそこが好きではない。
双子と言うだけで閉じ込められ、妹だけが愛されて。
そこまで思い返して、自分の頬を両手で叩く。

魔王…お前の予言のせいでっ…!私はっ…!
絶対に、赦さない。
改めてそう胸に誓った。

362燕子花 [2016/02/13 21:31:43 ID:.LUdAjD2]

>>360
私はいきなりドアを開けられ驚きで、呆然としていたが
「お前何してるんだよ」
と、jokerの声で我に返り
すぐにjokerの口を手で封じキッチンに入れ
ドアを閉めた
そしてドアの隙間から二人の様子を見ると
話に夢中に、なってこちらには気づきていなかった
私は邪魔してないと、思い安堵のため息をついた

「ムグッ!?!?」

と、私の隣でドタドタ暴れているjokerが
いるのを思い出し口を開放してやった

「プハッ! お前何して 」

と、大きな声でjokerが言うから私はまたjokerの
口を封じ

「しー!静かにしてよ!」

と、jokerに小声で言うとjokerはこくこくと頷いた
私はそれを見てjokerの口を開放してあげた

363零夜♤ [2016/02/13 23:11:22 ID:Jh8VPvhE]

>>362
「……盗み聞きは良くないよ?」

燕子花に小声で言ってみる。
こいつは一体何をしていたのだろう。

さっき息止まるかと思った……
鼻まで抑える必要は無いだろう。

364燕子花 [2016/02/13 23:15:05 ID:ZffbVY66]

>>363
「あぁそうか」

私が今していることを改めて考えると
あまり良くないことだと思いドアから耳を離した

「で?何をしてたの?」

と、jokerに聞かれ私は

「え?ご飯食べてた」

と、呑気に言った

「じゃあなんで盗み聞きしてたの?」

「盗み聞きとは失敬な!
出れる機会をうかがってたんだよー」

と、少しふくれっ面になりながら言った
jokerは溜息を零した

私変なこと言ったかな?

365零夜♤ [2016/02/13 23:18:32 ID:Jh8VPvhE]

>>364
「別に重い話でもしてたわけじゃないんだから、普通に出ていけばいいだろ?」

誰かが死んだとか、そんな話ではないのに。
なんで燕子花は出るのを躊躇していたのだろう。
何、ご飯食べてたって。呑気すぎるだろう。

俺は心の中で燕子花にツッコミを入れ、キッチンから出た。

366燕子花 [2016/02/13 23:21:12 ID:ZffbVY66]

>>365
私はjokerがキッチンから出るのを見て
私も出ようと思ったが
みんなのご飯はいるのだろうかを考えたが
いる時はまた作ればいいかと自分に言い聞かせ
キッチンから出た

367わかば◆eTAv7OJ.Fs [2016/02/15 19:21:07 ID:rCJAZosw]

支援

368J◆kZDFwAt8do [2016/02/16 01:08:18 ID:QVu.q7os]

>>359

助けてくれた人。とは自分の事だろうか。俺は守備任務は何度も経験したが彼女の様な人間を一人一人覚えてなんかいない。
そもそも戦いに巻き込まれてるという事は紛争地で逃げ遅れたかした奴だろう。傭兵は託された任務は果たすが、それに障害が生じるような自己判断の行動はしない。ならば何なのだこの引っ掛かりは。
女が戦闘に巻き込まれている所を、ヒーローの如く救出した。そんな事をした覚えは無いし、する事は無い。ならこの女の助けてくれたという意味は何なのだ。かなり深読みして考えると、本来は救出ではなく戦闘に巻き込まれているのは変わりなく、戦況が偶然にも変わった状況を救出されたと勘違いしているのではないだろうか。

ならば少しは記憶に引っ掛かる。どこの国だっただろうか、戦地の残党討伐に向かった時に、廃墟で女性を囲んでいた残党兵を殺害した場面だろうか。
強姦されているように見えたが、服は着ていたし助ける必要はないと判断して逃げ去った残党兵達を追い掛けた。顔は殆ど見られていないと思っていたし、俺の記憶にも、目標を殲滅する難易度が低い状況だったから介入しただけとしか思っていない。
非常に曖昧すぎる引っ掛かりだが、彼女がそう思うのならばそうなのだろう。

「お前の解釈ではそうなっているのか。それならそれで良い。だが、お前の分の装備は無い。」

そう返すと、ソファに持たれていた藍がこちらを見詰めていた様な気がした。
だが無い物は無い物だ。今から買いに行くといっても時間が足りない。ならどうしろと言うのだ。その顔は何が言いたいのだ夏の国の姫よ。
黒い服で砂漠を歩けばたちまち焼き肉となってしまうだろう。ならばその服を剥いで無理にでも白い服を着れば良い。

「だから俺のコートを貸す。黒いその修道服は出来る限りコートの中へ隠せ、さもなくば焼き肉になる。」

そういって俺はルキという修道士へコートを差し出した。

369ルキ✡。:* [2016/02/17 21:00:18 ID:8STrDuWY]

>>368
「ありがとうございます…」

私は差し出された白いコートを受け取り、Jさんにお礼を言った。
そして、また古い地図を眺め始めた。
この地図、なにか引っかかる。それが何なのかはよくわからないが。

(それがいい事だと良いんだけど……)

その地図にはホテルの名前らしきものがちらほら書いてある。この地図は恐らく、今から渡る砂漠のものだろうか?では、何故こんな砂漠にホテルの名前なんかが書いてあるのだろう。

ホテルと言えば、昔こんな話を聞いたことがある。
「何度も何度も終わりを迎え、何度も何度も甦っているホテルがある」
これはどういうことなのだろう。
まさかこれに関係していないといいのだが……

私はその地図から離れて、ソファに座った。


370ラティさん◆41s.EbZkzs [2016/02/17 23:07:15 ID:hmjvGcwM]

ラティは目をさますと慌ただしく起き上がり、ベッドの脇に置いてある時計で時刻を確認した。今日は過酷な砂漠越えをする日なのだ。寝坊して討伐メンバーに迷惑をかけるわけにはいかない。
時刻は7時20分過ぎ。予定していたよりも遅い時間であったが、ひとまず安堵して息を吐いた。
だがのんびりできる暇もなく、立ち上がると手早く身支度を始める。

今日の砂漠越えは大変なものになると予想される。もしかしたら生きて砂漠を越せないメンバーもいるかもしれない。そんな事は想像するだけで恐ろしい。
でもそう弱気になってもいられない。自分は砂漠を越えた事がある数少ない一人なのだ。身を引き締めなければいけない。ラティは手を強く握り込んだ。

そして何年か前…自分が砂漠超えをした7、8歳ぐらいの時の事を思い出す。その時はまだ家族や一座の仲間達に守られながら旅をしていた。
昼間は楽しく喋ったり、歌の歌詞を覚えながら歩き、夜は乾いたベッドで兄弟と眠ったのだ。
そこでふと思う。

____…ベッドで眠る?

砂漠で野宿したのではなく、何処かに泊まったのだったか。あまりよく覚えてはいないが、ホテルか宿かなにかあるのだろう。メンバーに野宿をさせなくて済むのだ、と少し嬉しく思う。

____…だけどその夜、寝てる時何か起こったんだったかな…?

曖昧な記憶からは、頭を捻っても何も思い出す事ができない。
子供の頃経験したその何かを思い出せる事はなく、思い出したように時計を見る。時刻は7時30分を指しており、ラティは白いマントを手に取ると、急いで皆が集まる広間へと向かった。

371零夜@失踪カンピオーネ◆1d8uv2Q3K. [2016/02/20 10:47:03 ID:RrBrQ5zA]

あげときます

372J◆kZDFwAt8do [2016/02/21 00:10:20 ID:RqXve7Fw]

全員が起床したら出発しようと思います

373J◆kZDFwAt8do [2016/02/21 00:19:06 ID:RqXve7Fw]

あと起きてないのはわかばさんとO.Tさんと柊桃さんと和美さんかな

374O,T [2016/02/21 02:39:17 ID:T2vz/gl6]

(Jはルキにとって恩人ということか、どうでもいいな。)
傭兵をやっていればそのような経験は何度かするか。
だがJはどうも覚えていない様子。
気を抜けば死ぬ世界なのだろうし、助けた者などいちいち覚えてる暇もなかろう。忘れていて当然か。
(ルカだな、名前は覚えたぞ!今度こそな!)
一応、名前を覚える努力だけはしているようだ。
そしてその努力が報われる可能性は低い。

(そろそろ出た方がいいか?)
盗撮と盗聴をさせている一眼レフを一旦戻す。
いつものようにいつもの場所でいつものクオリティで思考していたが、置いてかれる内にでるべきだろう。
出発はもうすぐの模様。
ほぼ全員が集まっている今のうちに出ていくのが得策だろう。
個々の名前と容姿と存在は覚えていなくとも、何人ぐらいいたかはなんとなく覚えている。
Jが戻ってくる前に急いで這い出て、窓から宿を後にした。
一眼レフで窓を外から開けた時の要領で鍵を閉めるのも忘れない。

宿の影で砂漠越えに向けて着替えた。
能力で写真から茶色のバンダナ、バンダナより少し濃い茶色の布マント、白と青のボーダーのベスト、編み上げブーツ等を取り出した。
(一眼レフは『取り出せる写真を撮る』のが能力なので一眼レフが傍にいなくても勝手に取り出せる。)
今から砂漠を渡りますと言っているようだ。
特にマントは必需品だろう。パンツはゆったりとしていて動きやすい。
大きなイヤリングと杖も一緒に出てきたが、イヤリングで穴開けるとバレやすくなるし、杖は必要ないので戻しておく。
写真はエジプトに行ったとき親しくなった盲目の男とのツーショットだ。
例によって名前は覚えていないが、しりとりで使えそうだった事は覚えている。
もっとも、知り合いの名前をしりとりで出しても意味無いが。
盲目のおかげか彼の聴覚は化け物じめていた。
何キロも先の足音を聞いて性別や年齢、体格などを当てる特技には驚いた。
自分もかなり耳には自信があるが彼はそれ以上だ。
他にも水を自在に操ったり、一眼レフのシャッター音を聞くことも出来た。
目が見えない分、他が特化しているのだろう。
カタギの雰囲気ではなかったが、元気にやっていてほしい。
また昔の友人を思い出した。これだから今回の追跡はいつもより好き。
ちなみに黒づくめの服はイタリアで、太陽が描かれた服はサウジアラビアで親しくなった友人のものだ。

一眼レフで盗撮と盗聴を続けている為一行の様子は把握できる。
理由は知ったこたないが自分の50m圏内から一眼レフは出られない。
なので宿の隣のカフェで時間を潰すことにした。

375わかば◆eTAv7OJ.Fs [2016/02/22 22:13:43 ID:AUoPFe/M]

わかばは出発時刻よりもかなり前に準備が整っていた。昨日はなかなか寝付けず苦労したものだ。きっと砂漠越えへの緊張や不安があったからだろう。

(砂漠を越えるというのに疲労しきった体じゃいけないしな…)

砂漠越えは初めてで不安しかない。それに昨日のJの話を聞いて余計にその気持ちは高まった。

(皆には1度はぐれて迷惑をかけたし、今度は役に立てるようにしたい…)

せわしなく部屋の中を歩き回り考えていると、ふいに時計が目に入った。時刻は7時20分、かなり前に準備が整っていたのにも関わらず、考え事に集中し過ぎてしまっていたようだ。
これでは皆に怒られてしまう、もう迷惑をかける訳にはいかない。

服装はいつもと違って着物を重ねていない。そうすれば動きやすくなる、これでいいだろう。しかし問題は履物だ。普段は下駄でも問題はないが今回は砂漠越えだ。

(どうしたものか…)

だがそんな事を考えている暇はない。後ほどJやラティに相談すればいい。先程から10分も経過してしまっていた。わかばは急いで刀を腰に下げると荷物を持って部屋を出た。

376O,T [2016/02/23 12:45:33 ID:biJNw2aQ (sage)]

知ってるヤツが多かろーが少なかろうがどうでもいいことだが
俺の名はポプラ・テール・イグジスト・クイーン。O,Tの魂みたいな存在だ。
クイーンとついてるが性格的には男だ。俺っ子じゃあないぞ。
以前本体(O,T)は11の時、家族旅行に日本の宮城県に行ったことがあり………
ま…ある船の事故によるちょっとした影響のため帰国が何日か遅れたことがあったんだ。
滞在中O,Tが弓矢に貫かれて俺が生まれた。
その時はまだ今みたいな体がなくって…本体の中から外見てるよーな感覚だったよ。
二重人格みたいなもんか?
貫かれるまでの経緯はまだ生まれてなかったから知らねー。
ただいつどこでどんなやつにやられたかは覚えてるぜ。
場所は宿のベッドの上。
そしてやったのは学生服の男だった。「ガキ」と言わず「男」というのは顔が暗くって見えなかったんだ。
若いようでもなかったし…年寄りのようでもあったぜ。
本体はというと喉を貫かれたってのに唸り声はあげているもののピンピンしてやがった。
矢が頭突き抜けて壁に突き刺さってるのに生きてたんだぜ。
でもやべーんじゃねーか?血出てるし死ぬんじゃねーか?と俺はオロオロしてたんだが学生服の男は構わない。
「素質」だとか「才能」を口にしてたが俺は必死だったから聞いてなかった。
素質や才能ってのは恐らく俺の事だ。
語りながら学生服の男は本体の喉と壁に刺さった矢(何百年も前の古い矢って感じだった)を抜こうとした。
今度こそ死を覚悟したね。本体が死ぬと俺も死ぬ、俺が死ぬと本体も死ぬってなんとなく直感で理解してたんだ。
遂に矢が抜かれて本当に短い人生だったぜって悟ったが死にはしなかった。逆に「生まれた」んだ。
ボロっちいピンホールカメラの体を持てた。
今までの状態が胎児だとしたら矢を抜かれて出産したってところか?
成長していく内にカメラの歴史を追うようにフィルムや色や写真やドクロがついた。
ドクロの左右にくっついた歯車を車輪みたいにして自由に動けるようになったし話せるようにもなった。
17の時に三脚ができて写真に潜り込めるようになった。
けど三脚に抑えられてるのか話せなくなっちまった。
それからは特に変わってない。
本体の傷はいつの間にか塞がっていた。
その後の事はなんでも全て覚えている。
幹に掘られた変な落書きだとか
ベッドの毛布や下着のにおい
扉の開閉の音やトイレの音
漫画を借りた事や下着ドロがバレて村を追い出された事
村の知り合いや討伐隊一行の名前
全て記憶している。本体はぜーーんぜん覚えちゃいないがね。
でも覚える努力はしてるようだぜ。さっきも一文字覚えたぞ。
二文字中一文字覚えたってことは半分も覚えたってことだ。エラいねェー。
はっきり言って俺は本体が嫌いだ。利己的だしジコチューだし変態だし最低のゲスだしな。
でもどちらかというと好き。俺の能力や外見褒めてくれるんだ。
この前なんて「間抜けそーでかわいい」って言ってくれたんだ。
その本体が今何をしたかというと火事のドサクサにまぎれてカフェで食い逃げしやがった。
誰かが店の前に捨てたタバコがゴミに引火したらしい。ポイ捨ては悪い事だせ。
俺は見てないが感覚で理解した。
ところでいいねェージョーカーと燕子花見てるとぽかぽかしてくる。
本体もさっさと恋人作ってストーカー癖を直して、ついでにゲスな性格も直して身を落ち着かせてほしい。
この旅で何か変わるといいなー

377月夜&瑞姫 [2016/02/24 17:37:50 ID:.5mkAhvI]

支援

378黒猫@( *・ω・)ノ [2016/02/24 21:29:33 ID:DqGdfJkQ]

「ふわぁ…」
スタンドホテル(?)で目を覚ました。
今日も1日が始まった。
そんな気がした。
何か良いことがありそうな。
今日は腰にリボンを巻く。
「さぁ!行かなくっちゃ!」
ホテルで朝食を済ます。




(しばらく待機しますね)

379O,T [2016/02/24 21:33:30 ID:1UQeR5Ls]

過去レス主に>>350を確認してもらえるとすごくありがたい

380O,T [2016/02/25 02:19:04 ID:1UQeR5Ls (sage)]

ウチレスニア実体化は一昨日からに訂正

黒猫が起きた頃、ウチレスニアのフロントの奥で壮年の男が心を踊らせていた。
ホテル・ウチレスニア跡地に佇んでいた男ーーーホテル・ウチレスニア14代目支配人「W・T・ゲロトルト」だ。
白髪と白髭、落ち着いた表情が特徴の33歳バツイチ独身男性。
趣味は庭いじり、日課は寝る前のストレッチ、それが彼だった。
彼はウチレスニアの惨状と光の無い未来に絶望し、フロントで首を吊り他界したはずだが、幽霊にでもなったのか今ここに存在している。

実際に幽霊になったのだ。
600年の歳月を経て溜まったウチレスニアの念に魂が引っ張られて、ここ30年間地縛霊として過ごしている。
幽霊化したのは彼だけではない。
不慮の事故で命を落とした客や従業員、激しい攻防の中死んだ警官やテロリスト、またそのテロリストによって虐殺された者、偶然跡地で野垂れ死にした旅人などなど…
その数500を上回る。
どう頑張ってもホテルの20m圏内から出られないのでみんな諦めて従業員として暮らしてる。
ちなみに彼の焼死した同僚はウチレスニアを「幽霊屋敷ならぬ『屋敷幽霊』」と呼ぶ。

半年前、跡地に1つの隕石が落ちた。
隕石と言ってもそこらの小石よりも小さなものだ。
だがその小さな隕石がウチレスニアと幽霊達の運命を大きく変えた。
プロセスも理由も不明だが彼らに『能力』が発現した。
その能力のおかげで今こうして全盛期の姿でウチレスニアが現代に蘇ったのだ。

能力の効果とはいえホテルがかつての姿を取り戻し活動している様はとても機嫌が良い、そう彼は思った。
それは彼だけではなく従業員一同、そしてウチレスニアもだろう。
昨日も何人か客が来た。
「またウチレスニアが始まってる」と話す者もいた。
蘇らせるのは外装、内装、家具、小物、食品等生き物以外のものだけ。
なので従業員は全員幽霊だ。
幽霊の体は不便で生き物に触れられない。そこで通りかかった旅人を脅して無理矢理従業員に仕立てあげたりもした。
どういうわけか蘇った物は消耗しても勝手に補給される。
所詮能力によって再現されただけの幻想だが、ある意味最高のホテルかもしれない。

彼らの目的は懐かしいホテルを楽しむ事だけではない。
最終目的はそれだ。しかし「それ」に至るまでに果たさなくてはいけない事がある。

『魔王討伐隊一行を葬り去る』、これが真の目的。
一週間前、魔王からの使者が跡地に訪れた。
そして魔王を討たんとする者どもを殺せば片付ければウチレスニアを再建させてやる、といった趣旨伝えていった。
再建に必要な資金や手続きは全てこちらが用意してやる、人員も派遣してやる、との事だ。
何故彼らの能力や性質を知っているのか謎だが気にはしなかった。
彼らは世界を誰が支配しようと構わないし、魔王も人類もどうでもいい、そもそも自分達に影響はない。(野垂れ死にした旅人から魔王の存在は聞いていた。)
そう考えていたがウチレスニアを復活できるのならば話は別だ。
どうせ彼らが罪を犯したところで誰にもわからないし裁けない、迷わず引き受けた。
使者によると討伐隊一行は少数、しかも子供。
これなら余裕でウチレスニア完全復活だ、とウチレスニアは一行を軽視している。
ゲロトルトの心が踊っている理由もこれに因んでいた。
一週間前の情報なので新たに加わったメンバーがいるかもしれん。
しかし何人いようと誰が来ようと問題はない、我らが『ホテル・ウチレスニア』は最強だ。
『宿帳』さえ守ればいい、あとは能力で全員抹殺するのみ。
心の中で高笑いをし、ゲロトルトは椅子から下りた。

381J◆kZDFwAt8do [2016/02/25 03:08:12 ID:MixFhGW6]

時刻は7時30分を越えた。目の前には広場に集まった討伐組。
俺は巨大なリュックを背負い、マスクとゴーグルを首に掛けながら立ち上がった。広場を見渡し、もう一度討伐組を確認してみるも何やら一人欠けている。柊桃だ。
いくら戦いや旅に慣れぬ巫女とはいえ神に慕える者。修行で修羅場の一つは潜り抜いて来ているだろう。
俺はもう背負ったリュックをテーブルに置いて上の階へ向かおうとすると、宿の入り口から巫女服を纏った女性が何人か入ってきた。

「凄いな、こんなに巫女さんが集まるなんて。」

わかばが隅で呟いた。洋風の室内に、和風の白と赤の色が加わった空間は確かに異質だ。
しかし揃いも揃って巫女がこんな所へ何の用だ。本来は来るべき場所ではない。
柊桃の関係者達だろうか。こんなに同胞が集まるなんて、何を仕出かしたのだ。
俺は彼女達に近付き、先頭に立っている髪を括った巫女へ話し掛ける。

「柊桃という女性をお探しですか。」

彼女たちは武装していない。別に強く当たる意味は無い。
その話し掛けた巫女はそうですと返答する。どういう用事なのかも聞きたかったが、初対面で深くつけ入るのはよく無い。そこは傭兵として社会を生きるための踏み出してはならない境界線だ。

「彼女なら二階の782室にいます。」

俺は居場所を伝え、巫女達の側から離れた。
しかし予定が狂ったな。もし柊桃が除隊するとなれば装備品に余りが出る。
いや、もし余りが出るならその装備品をあの修道士に渡せば良いんじゃないのか。それならコートを取り返す事が出来る。あのコートは俺の物だ。
俺は巫女達が階段を上がっていくのを横目に、一旦椅子へ座る。

382零夜◆1d8uv2Q3K. [2016/02/26 19:10:41 ID:IicQVhxU]

俺と燕子花が出てきた時にはルキさんとJさんの話は終わっていたようだ。
何の話をしていたのだろうか。まぁ、俺には全く関係ない話だから聞くのも気が引ける。

どうしたのだろう。さっきから藍が髪を撫でながらため息をついている。何かあったのだろうか?

「元気がなさそうだけど、どうしたの?」

「あっ、何でもないよ……!」

「そうなの?あんまり無理すんなよ」

「わかってるって!」

藍は無理に笑顔を作っているように見えた。
本当に大丈夫だろうか。本人が大丈夫だと言うならそれ以上聞くのは辞めておこう。

さっき、巫女衣装を来た人たちが沢山来ていた。
見慣れない光景で凄く驚いた。
巫女ってあんなに集まることがあるんだな。
さっき、一人の巫女にJさんが話しかけていた。
もしかしたら、柊さんに関係している事なのだろうか?

俺は近くのソファに座り、ぼーっとしていた。


383燕子花(ノ)・ω・(ヾ) [2016/02/26 19:19:31 ID:SqKEGWwc]

私はキッチンから出た

Jさんの、話は終わっていてかと思えば

今度は白装束の人がたくさん来た

そしてその白装束の人とJさんが喋っている

今の数分間の間に色々なことが起こりすぎて
少し疲れた

私は近くの椅子に腰をかけてその光景を眺めていた

384月夜◆8SvF4EtzZY [2016/02/26 20:08:23 ID:MsWF7tJU]

はぁ…jokerに、嘘ついちゃった…。
でも、いつか。
皆にもこのことを話せたらいいな…

Jさんが巫女に話をしている間に、私は自分の部屋に荷物を取りに行った。

ガチャ

「よしっ…!出発、かな?」

385J◆kZDFwAt8do [2016/02/26 22:12:30 ID:FUro4GnE]

俺はツヴァイヘンダー、もといアリスをバックパックに吊り下げて宿の入り口に立つ。
皆もそれを知ってか立ち上がって俺の側に近付いてきた。これからだ、俺は何度も砂漠の地獄は味わった。だが、この討伐組でその地獄を知っているのは数少ない。
わかばと俺は討伐組の中では歳をとっている方だ。まぁ、歳上といっても2年か3年ほどしか変わらないのだが。

俺は何時でも扉を開けて出発する準備は出来ている。だが、まだ出ない。
柊桃、彼女を待っている。先程巫女達が駆け付けていたが、どうなのだろうか。
そう思って壁にもたれていると、討伐組に近付いてくる一人の巫女。さっき俺が話し掛けた髪を括った女だ。

「申し訳ありません。柊桃様は、こちらの諸事情で神社に戻る事になります。どうか、御了承御願いします。」

女は深く頭を下げた。括った髪が前に垂れる。
それを割り切るようにジョーカーが愛想よく返してくれた。


一人抜けたか。予定外だが砂漠を踏破する予定に変更はない。
あの修道士からコートを取り返したいが、今そういうことを言ってる場合ではないだろう。
俺は扉を開けて、館から一方足を踏み出しながら後ろにいたわかばに忠告する。

「砂漠を渡るなら下駄のままで良い。が、靴下は脱いでおけ。」

386ルキ✡。:* [2016/02/28 16:25:01 ID:w55guRRw]

Jさんが私にも砂漠を渡るための防具を渡してくれた。
どうやら、メンバーの1人が抜けたらしい。
なるほど……
その人用の物が周ってきたのね……

砂漠の地図にホテルの名前が書いてあった。
噂のホテルが無いといいんだけど……
これから砂漠を渡るんだ。弱気になっていてはダメでしょう?
メンバーの人達の足を引っ張らないようにしなくては

私はナイフを取り出しやすくしておく為に、マントの上からベルトをして、歩き出した。


387燕子花(ノ)・ω・(ヾ) [2016/02/28 16:35:18 ID:bGJ5uxeE]

やっと出発か
桃ちゃんが抜けたのは少し心細いが
砂漠を渡る緊張感で燕子花の心臓がドクドクと鳴っていた

初めて渡る砂漠は私の想像よりも遥かに過酷だと思う
でも、弱気になってはできるものも出来ない

私は一回深呼吸して歩き出した

388わかば◆eTAv7OJ.Fs [2016/02/28 19:33:38 ID:K6L2jcBM]

(抜けたのは柊桃か…)

関わりがあった訳じゃないため何とも思わない。
それよりも履物の事をいつ切り出そうか考えていた。

(場の雰囲気がピリピリしてるから…)

心の中で悪態をついていると、Jが動き出した。
柊桃が抜けたため俺達がここに残る理由も無くなったんだろう、Jは館から一歩踏み出した。

あ、と思った時Jが呟いた。

「砂漠を渡るなら下駄のままで良い。が、靴下は脱いでおけ。」

その言葉を聞いて俺は目を見開く。
すぐに「ああ、わかった。」と返事をして靴下を脱いだ。

(Jはよく周りを見ているな…)
俺はJの後ろ姿を見て感心していると、他の皆がJの後を追って館から出ていった。一足遅れて俺も後を追う。

(災難が起きなければいいけど、)

389ラティさん◆41s.EbZkzs [2016/02/28 23:22:59 ID:SXbgaYe.]

ラティは巫女装束を纏った集団が現れたのと同時に広間に着いた。それから柊桃が部隊から一旦退くことが決まった。

「柊桃がいなくなるのは少し心細いな。」
ラティは誰に言う訳でもなく呟く。

これでメンバーはラティ、わかば、燕子花、ルキ、J、藍、joker、桜小町の8人になった。ラティは眼を閉じて短く祈る。
(どうか、どうか、この砂漠で一人も欠けることがありませんように。)

そしてゆっくりと眼を開けて皆の背中を見た。
昨晩教えてもらったJの考えた隊列の、最後尾はラティだった。
(…頑張らなきゃ。)

意思を固め、歩き出す。
__だが困難…魔物は直ぐに一行を襲った!

390黒猫@チョコ食べたい◆XnZlCOiqk2 [2016/02/29 08:31:07 ID:xbn7sxbU]

ホテルを出た…
のもつかの間に道に迷ってしまった。
歩き続けると、足に痛みが走った。
「はぁぁ…こんなことになるなんて…」
足は痛いし…
jokerさんや天月さんもいない。
こんなときってどうしたらいいんだっけ…
「ええい!うじうじしてても
どうにもならないわ!」
歩かなくっちゃ!
五時間ほど経った。
砂漠の真ん前だ

391黒猫@チョコ食べたい◆XnZlCOiqk2 [2016/02/29 09:21:07 ID:wgLxqK0o]

続き


砂漠の真ん前だ
「怖いわ…」
腰のリボンを巻き直す。
深呼吸をする。
あの日、魔王討伐組にであって。
色々な事があった。
jokerさん達と戦った。
それでも私を仲間にしてくれた。
もしまた出会えたら。
今度は私が助ける番…!
「さぁ!行くわよ!」
砂漠に入る。

392J◆kZDFwAt8do [2016/03/01 02:03:19 ID:B8k3zM/w]

春の飛び出し、乾いた草原を抜けて数時間。周りは茶色く山岳の色に染まっていた。その荒地の足場とは言えぬ道路を重たき荷物を背負って歩み続ける。
俺は幾多の遠征で慣れてるつもりではあるが、さしぶりに自然の環境と戦う身体にはまだ出来上がっていない。魔力による強化訓練を受けていなかったら今頃倒れて病院に運ばれているだろう。
今の俺でこの疲労だ、皆は大丈夫だろうか。そう思って後ろに首を回す。
討伐組は問題なく俺の側に後ろについてきていた。だが、これもいつまで続くか。こんな荒地でバテていたら砂漠は渡れない。ここで体力が尽きそうな者は、残念だが戻ってもらうしかない。作戦もそれに合わせて0から組み直す事になる。

とりあえず、今のところその様な危険性はなかった。
ラティは慣れた足の運び方で最後部を見守っている。最後尾は彼に任せて正解だったな。
良好と言える状態で砂漠を目指し、荒地の固い砂を踏みにじっていく。
しかし、まだコートが返ってこない。
腰に二本のベルトが剥き出しなままだ。ナイフも
まぁ、それ以外の問題はないが。

そんな良好的なコンディションの討伐組に牙が降り注ごうとしている。
テザートゲリラン。砂漠に渡るなら誰もが知っている。しゅうのう

393J◆kZDFwAt8do [2016/03/01 02:04:03 ID:B8k3zM/w]

眠すぎた頭を回転させたから誤文字ありますごめんなさい

394桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/03/01 18:53:05 ID:OSvXql7k]

柊桃を除き8人はひたすら歩く。
長い沈黙が続く。
みんなそれぞれ思っていることがあるのだろう。

そんな中桜小町はこんなことを考えていた。
(何故だれもはなさんのじゃっ?)
と辺りをくるくる見回した。
みんなそれぞれ前や下を見てひたすら歩くのみだった。

(きっと…敵が現れた時の為に何か考え事をしているのじゃなっ。)
と自分も皆を真似、下を向き戦いの方法を考えながら
自分の刀に手を添えた。

395黒猫@この時を待ち続けていたんだ◆XnZlCOiqk2 [2016/03/01 20:33:16 ID:YC4.kWAo]

歩くの飽きたです←
あ~あ。こんなときに誰かいたらなー
そうだ!
歌おう←
お気に入りの曲を口ずさむ。
頑張って進む。
ザザッ
物音がしたと思うと
気持ち悪いモンスターが出てきた。
とりあえずかかと落としをして
みぞおち辺りにパンチをした。
そしたらすぐにいきたえた(笑)
「よっわ…(笑)」
とりあえず進む。

396零夜◆1d8uv2Q3K. [2016/03/03 22:41:02 ID:Hp1vKM5k]

…………砂漠って想像以上に過酷なんだな
不安定な足場、喉は乾く、必要以上に光る太陽
ここら辺に住む人達は大変だろう

ホテルを出る前に柊さんが抜けた。
柊さん用の防具がルキさんにまわって行った
これは良かったのか、良くなかったのか
そんな事はどうでもいいか


何時間歩いたのだろうか
砂漠に時計はあるわけないし、ひたすら明るいだけだから時間が全くわからない
だが、まだ昼だということだけはわかる
夜は野宿だな……
こんな砂漠にホテルなんかあるわけが無い
ルキさんが何かの地図を見ていたが、砂漠の地図なんかではないだろう


397J◆kZDFwAt8do [2016/03/04 18:19:22 ID:uNQO7AuY]

固い地面から柔らかい砂地へ足元は知らぬうちに変わっていた。雑草が生えた汚い大地から、太陽の光で白く輝いた砂の海へと景色は映る。
久しい感触。乾燥した熱風と喉を絡ませる砂混じりの空気。踏み込む足が軽く埋もれていく。
別大陸の砂漠に比べればまだ固い地面だ。暑さもそれほどでもない。強い熱線は相変わらずだが、過去に渡った砂漠よりかは環境が良い方だった。そう感じているのは俺と討伐組の一部だけだろうが。
そろそろ休憩を挟まなくてはならないだろう。そう考えて俺は背後を振り向く。
白いマントを羽織り、顔にスカーフを巻いたその列は思っていたよりも俺と距離が空いていた。流石に疲労が来ているか。
俺は砂の丘を越えた先にあった雑草の生えた平地に止まり、皆に休憩を挟むと伝える。

今の気候のせいか否か、想像していたよりも苦ではなかった。これなら装備を買わなくても済むのではなかったのだろうか。
だが、そう思っているのは俺と一部のみだろう。幸い、この環境に慣れずに落ちた者もいなかったが、それでもまだ明日が残っている。その日まで皆の体力が残っているだろうか。

この砂漠を越えれば巨大なプールで水を好きなだけ浴びれる。その時までの辛抱だ、としか励ます事が出来ないな。

腕時計で時間を確認し、午後を越えて一時間が経っていた。
砂漠の夕方は長い。暗いと感じてきたら速攻に足を止めるべきだ。一番進行できるのは今だ。だが皆の体力ではそうもいかない。
俺一人で砂漠を渡るなら気を使うこと等無いから気楽だ。例え軍に雇われている時でも、野垂れ死んだ奴はそこまでの奴だと割りきれば良い。
だが今はそうはいかない。

ここで死んだ奴は死んだ奴だ。死体に慈悲や悲しみを思う事は無い。だが、その死体が生きていた事は大切に想っておく。
わざわざ一人が死のうが二人が死のうがまた補充すれば問題ない。この考えが討伐組全員に理解できれば良いが、こんな機械的な考えは同じ傭兵でしか分からないだろう。
戦場を客観的に理解し、その客観から外れ主観からでも理解できる。それが傭兵という立場。
嫌でも合理的で機械的な思考になってくるのだ。自分でもこんな考えを持ちはじめのはいつからなのか分からない。
まだ討伐組の殆どは成人していない。そんな時期から傭兵の思考を押し付けるのは苦という以前の無理だ。

ならば討伐組を死守しなければ。俺は燕子花に誘われて魔王討伐志願した。周りはどうだ。
この想いを砕けぬように、尚且人道的に討伐の物語を作っていくだって。俺から言わせると無茶だ。
だがその無茶を現実にしなければならない。俺以外に幼い時から醜い思いをさせたくはないからだ。
今にも枯れそうな小さな木にもたれ、俺はこんなぐちゃぐちゃとした思考を絡めていた。
今の着地地点はそこじゃない、今は夏の国にいる魔王の関係者から情報を取り出して殺すことだ。そう降りきる。

そろそろ20分が経つだろうか、俺は皆に声を掛け、一同はまた砂の海に足跡をつけていく。

398O,T [2016/03/04 23:36:11 ID:BTi8OYdA (sage)]

一行が砂漠に入ってから四半時経った頃、彼はまだ春の国にいた。
写真から能力で取り出せばいいので道具も水も買う必要はない。
そのためにスデにJの紙袋の中身を撮っておいた。
一眼レフにJの監視を任せてO,Tは市場で買い物をしている。
所詮写真から取り出すだけなので表面しか具現化できない。
取り出した物の中身は紙とインクと現像液。
食料を取り出してもとても食えたものじゃあない。
だから彼は食料を手に入れるためにブラブラと彷徨いていた。
金は写真から取り出して払ってる。せこい。
ちなみに水は透明で中まで撮影できるので大丈夫のようだ。

買い物が済み一行の滞在する宿に戻ろうとした時だった。
自分の相棒であり忠実な部下であり、そして自分自身でもある一眼レフがゆらゆらとこっちに近付いてくるではないか。
見張りを任せたはずなのにこんなところでサボっている。
(何故持ち場を離れているッ!Jはどうした!)
O,Tが心の中で叱責すると一瞬縮こまって、咥えた何枚かの写真を差し出した。
乱暴に受け取り見てみる。
Jが宿を出る場面、JとJの仲間が広場に集まる場面、Jが知らん女と話す場面、そして出発の場面………
(何ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!?)
見事彼は再び置いてきぼりをくらってしまった。
(待ってやる義理もなければそもそも存在自体知られてないので待つも何もない)
一眼レフは気を利かせてどんどん夏の国に向かって行く一行を伝えようとしたのだ。
もっとも、30分後でなくすぐ知らせるべきだったし、OTも一眼レフを通して監視すればいいだけの話であったが。
イマイチ連携のとれてない2人だった。

(クソ!2バッドだ!)
中身は食料と写真のみのリュックを背負い大急ぎで国を出る。
幸い足跡も匂いも残っている。
足跡の数と匂いからして一行の物と見て間違いはないだろう。
旅の終わりを心配していた彼だったがこの事に胸をホッと撫で下ろした。
これさえあれば追跡できる。
出だしは遅れたもののかえって丁度良い距離感を掴めた。
そう無理矢理ポジティブシンキングして足を動かし始めた。

399黑華-Kuroka- [2016/03/05 22:40:48 ID:lxqaorK2]

(……ここは一体……)
覚束無い足取りで砂漠を進んで行く一人の少女。
彼女は黒い制服に白衣と、この世界には合わない様な格好をしている。
それもそのはず。
彼女はこの世界の人間ではないのだから──……

彼女の名前は「黑華」、学校の図書館で見かけない本を開いたことから、こんなところへ来てしまった。
何故、こんな事が起きたのか。
それは彼女自身にもわからない事。

(特にやり残した事は無いし……、死ねってことかなコレ……)
この少女、病み思考なのである。
普通なら両親や友人のことを考えるだろうに。
だが、彼女は普通ではない。
親と言っても肉親では無いし、特に仲が良い友人は居ない。
要するに、ボッチなのである。

そんな事はさておき、彼女にもそろそろ限界が来ているようだ。
運動神経は良い方だが、砂漠なんて歩いたこと無い彼女にとってココは地獄だ。
ちょうど良い所に木陰がある。
彼女はそこで休憩をとることにした。


400和美◆hNSBMrrUeA [2016/03/05 23:05:10 ID:ZJOQkYO.]

「何度も起こそうと試みても起きなかったので先に行きます」
机の上にそんな置き手紙があった。
「砂…砂…」私は今、砂漠に居る。当り前だが前後左右、一面の砂…
上を向いても砂なのではないか?と思い見ない事にした。
「ん?」ちょっと先に木陰がある。そろそろ「特製クーラードリンク」の効果も切れるであろう。
「よし!丁度いい。あそこで補充しよう」

木陰に着いた私が目にしたもの…いや、人…
「眠ってる…?何だ?見た事ない服だな…何処の国の人だろ?」

401J◆kZDFwAt8do [2016/03/06 17:46:54 ID:Xd6fj2rM]

陽炎に地平線は歪み、曲がり揺れる蜃気楼。
周りはオレンジ色に染まり始めていた。砂漠の夕方は長い、まだ行ける。ゴーグルにこびりついた砂を払い、一行は方角という微かな道標のみを信じて足を進めている。
それでも、砂混じりの弱い風が、討伐組一行の視界を徐々に妨げていた。
慣れぬ者にはさぞ厳しいであろう環境に、並ぶ白い列から言葉が聞こえる事はなかった。

先頭を切る黒髪の東洋人と白人の色が混ざった薄い黄色肌の青年は、砂が積もった山を越え、一つの木を見つける。人が何人か入れそうな巨木だ。
こんな不毛の地に、生えるとしたら雑草程度のこの海に木影が生まれる程の立派な木が生えるのは不可思議だ。だが、昼間から数時間は時は経っている。皆の疲労が再び溜まっている頃である。
青年は時間を確認し、午後6時を過ぎようとしていたのを理解する。飯を取るなら暗くなってからの方が良い、暑さで食欲が失われてる状態で無理矢理物を腹に入れても戻してしまうだけだ。

青年はその木影に荷物を起き、今日の進行を終了すると皆に伝えた。
その木の裏に狩猟を業とするハンターと、異世界からの迷い人がいるというのを知らずに。

402和美◆hNSBMrrUeA [2016/03/06 21:37:18 ID:pFFbYWX2]

彼方に砂煙を立てている物が居る。
(…砂竜だ…)
砂竜は分類上『竜』だが、魚に似ている。砂の中を『泳ぐ』のだ。
「そうだ!美味しそうな匂いがしたら、この人も起きるかも…よ~し」
私は弓を組み立て矢を矢筒に入れる。
「すぐにおいしい物食べさてあげるからね?」マントを彼女の体に掛け、私は飛び出した。

403藍◆wBBoBokZOg [2016/03/07 19:22:20 ID:Z/hoOE.I]

砂漠、その水のない環境の中で私たちは進んでいた。
しかし、歩いても歩いても、辺り一面砂、砂、砂。

久しぶりのこの感覚…
いつぶりだろう。
あぁ、私が皆に出会う前の、まだ外の世界を知らなかった頃。

国を出た私は、見知らぬ旅芸人のキャラバンに乗せて貰ったことがあるなぁ…と思い出した。

私は暑いのに慣れているけれど…
後ろを振り返れば、みんなきつそうな顔をしていた。

せめてオアシスさえあれば…
再び前を向いたとき、ハンターらしき女性が視界に映った。



404黑華-Kuroka- [2016/03/07 19:25:34 ID:Tc8VMrJ.]

(書き方変えます)


意識が戻る。いつの間にか寝てしまっていたらしい
ふと体の方を見てみると、マントが掛かっていた。
一体誰が……?
前方を見てみると、そこには大きな竜と弓矢を持った女性が戦っている。

「ファンタジーだなぁ……」

そう呟いたとき、後ろ側から数人の話し声が聞こえてきた。
私はその人達に気付かれないよう、木に縋ったまま覗いて見た。

そこには、同じ様なマントを着た8人の男女が居た。
化学科もここまで人が来ればなぁ……
その人達を眺めながら考えていると、メンバーの1人と目が合ってしまった。

どうしよう……

405J◆kZDFwAt8do [2016/03/07 19:47:13 ID:yusXRjic]

それにしても砂漠という環境に似合わぬ巨木だ。根本を掻き分け、根を見てみるもしっかりと砂の中に入り込んでいる。
この生命力は魔力で細工された物だろう。ランドマークにでも使用しているのだろうか。
一同は木陰に入り、一部を除いて言葉も発する事なく俯いていた。初めての砂漠に体力を持ってかれたのだろう。
そんな中、ラティは木の周りを調べていた。
こんな所に生える巨木は確かに珍しい。まぁ、人工物である事は把握しているのかもしれないが。

俺は荷物を木にもたれさせ、ツヴァイヘンダーを担いで彼の後を追った。
彼は最初、笑い話の様に巨木の話や自分の砂漠で経験した事を語ったいたが、巨木の窪みの陰に隠れたシルエットを見つけて顔付きが変わった。

妙に生物的な毛皮状のマントを掛けられたシルエットに近付くも、こちらの存在が確認できると思われる距離まで接近しているのだが、全く反応がない。

「死んでいるのか。」

ラティの問い掛け。俺はそのマントを剥がし、そのシルエットを確認する。
白衣を着こんだ若い女性だった。首元と太股に手を当て、脈を確認すると問題なく生命活動を続けているのを確認する。

「生きている。だが、気を失ってる。」

俺はラティに返す。

「意識不明、という事は?」

ラティの疑問。俺は即答。

「それは流石に無い。とっくに死亡して腐っている。」

「なら安心、という訳にもいかないか。とりあえず、保護しよう。」

「分かった。」

406J◆kZDFwAt8do [2016/03/07 19:49:51 ID:yusXRjic]

>>404
ごめんタイミングが合わなかったから俺のレスは無しで良いよ

407和美◆hNSBMrrUeA [2016/03/07 21:11:27 ID:Z9.20ybw]

今回の戦術はこうだ。
軽く構え爪先で音を立てる→「ヒト」と認識して寄ってくる→来ると感じた瞬間に弓を引く→
砂竜は獲物を捕らえる時、大きな口を開けて砂中から飛び出し、獲物の頭上から襲い掛かる→
口の中から脳を穿つ!
音に敏感で、表皮の堅い砂竜に対しての常套狩猟方法だ。
そして…
砂上で2度のたうち、砂竜は動かなくなった。
「ふぅ…ん?」場所を移動した事で、あの木陰に別の誰かが居た事に気が付いた。
砂漠の民の盗賊か?とも思ったが、その様子は見られない。
「お~い!そこのキミ~!」大きく手を振り叫ぶ私に気が付いたようだ。
「これ~!運ぶの手伝ってくれな~い?分け前あげるからさ~!」

408黑華-Kuroka- [2016/03/10 16:06:30 ID:H/6lMBIw]

>>406
返事遅くなってごめんなさい
了解です

409JOKER♤ [2016/03/10 16:29:27 ID:gLJC8mTw]

>>404
木陰で休んでいると、別の木の向こうに誰かが居る。
こっちを覗いているのか?
すると、その覗いているヤツと目が合ってしまった。
驚いたのか、相手はすぐ目をそらしてしまった。

俺は立ち上がり、その相手が居る方へ行った。
そこには、マントを被っている人が座っていた。怯えているのか、マントで顔を覆っている。

「さっき目が合った人だよね?顔を上げてくれる?」

俺がそう言うと、ソイツは首を振った。
何故、顔を見せるのが嫌なのだろうか。
……しょうがない。
俺はため息をつき、強制的にマントを取った。
ソイツは、黒い服の上に白衣を着た女性だった。

見慣れない服だな。この辺の人では無いのか?
色々なところを転々としている俺でも、こんな服は見たことがなかった。
白衣は見たことあるけどね

「君は誰?こんなところで何をやってるの?」

俺はその白衣の女性に聞いてみた。


410黑華-Kuroka- [2016/03/10 20:43:16 ID:MrJvOjGk]

>>409
「君は誰?こんなところで何やってるの?」

イヤイヤイヤ、貴方も何やってるの!?
それより貴方は一体何者なんですか!!
………と、まぁ、この人に内心ツッコミを入れつつ、返答をした。

「私は黑華です……、貴方こそ誰ですか」

俯きながらそう言った。
というか、この人派手な衣装着てるなぁ……
トランプっぽいし、まるで道化師………

トランプ投げてそう←
まぁ、そんな事は置いておいてその人の返答を待った。


411JOKER♤ [2016/03/10 23:11:02 ID:gLJC8mTw]

>>410

うわー、俯きながら返答してきたよこの娘。
人見知り?……いや違うか

「あっ、ごめんね!俺は道化師のJokerだよ」

知らない人に自己紹介する時は、作り笑顔をするという癖がついてしまっている。
まぁ、サーカスの進行のときはいつも作り笑顔だからね
……まさかとは思うけどアイツら、夏の国に行く予定じゃあ無いよな。
あれでばったり会ったら、強制的に連れ戻されそう……

「もう一回質問するけど、君はここで何をしてるの?」

黑華さんは顔を上げて、俺の眼をしっかり見てこう答えた。

「気が付いたら砂漠を歩いていて、ここで休んでいるんです!」

うわぁ……
そんな自信満々に言わなくたっていいだろ……
この娘どうしようかな……
流石にこのまま砂漠の中に置いていくのもちょっとなぁ……
というか……、絶対に帰り方知らないだろこの娘

412桜小町◆iK/S6sZnHA [2016/03/10 23:31:39 ID:Y6.qWR9.]

>>411
「もういっそうわたくしたちたちについてこればよかろ?」
はぁ…とため息をこぼし腕をくんだ小町は
娘に立ちより、顔を近づけ
「帰り方…わからぬのだろう?まぁ、ほっておいてもいいんだが…」
と小町は周りを見渡し、再び口を開く。
「そのようなことにはならぬようなので。」

娘は少し戸惑った表情でこちらをみている。

「早く立つのだ。だが己のことはそなたがきめるのじゃ。」
そして小町は後ろをくるりと向き、
長い髪を風に揺らした

413ちぃちゃん [2016/03/11 20:25:01 ID:ptz9l5wI]

よろしく

414黑華-Kuroka- [2016/03/11 20:52:12 ID:Apgw3d92]

何 が ど う し て こ う な っ た

質問に答えただけなのに、なんで!?
なんで、「仲間になりました」って感じになってるのコレ!?
道化師さんが普通に質問してきたから答えた。
それなのに、なんで着物の女性が「付いてくればいい」って言ったの!?
順番おかしくない!?

………とりあえず落ち着こう。
それからどうするか考えなければ。
このまま帰れなかったらどうしよう………
化学科でまだやることが沢山あったのに………!!

さっきの道化師さん……もとい、Jokerさんが私の方を見ている
どうしたんだろう
もしかして、顔になにかついてたのかな……!?

「あっ、あのっ……」

「んー?どうしたのー?」

「私の顔、何かついてました……!?」

「えっ、いきなりどうしたの?」

「私の方を見ていたので……」

「あぁ、なるほどね。不安そうな顔してたから、大丈夫かなって思ってさ」

「そうだったんですね……、ご心配お掛けして申し訳ありません。」

そう言って、私は頭を下げる。
小さい頃から厳しくしつけられていたから、自然とやってしまう
Jokerさんの顔を見てみると、驚いた表情をしている。
その直後、いきなり笑い出した。

「プッ……、アハハハハ!」

「えっ……」

「あっ、ごめんごめん。いきなり頭下げるから笑っちゃってっ……」

笑いをこらえながら話を続けるJokerさん。
何がそんなにおかしかったのだろう。

「頭下げるほどの事でもないし、タメ口でいいよ」

「迷惑をかけたら、頭を下げて謝る」というのに笑ってしまったらしい。
私は小さい頃からこう言われ続けたから、何故笑うのか分からない。

タメ口かぁ……
頑張ってそうしてみようかな
まだJokerにだけだと思うけど……

Jokerが私に向かって「隣においで」と手招きをする。
私はその通りに、Jokerの隣に座った。


415J◆kZDFwAt8do [2016/03/11 21:12:15 ID:VUKr34Ms]

俺は眠っていた。
想像以上に後から疲労が溜まってきているのを確認し、そういう時は素直に眠るのが一番の疲労を回復する方法だ。本寝入りでなく、あくまで仮眠だが、それだけでも体力を戻すには充分だ。
カッターシャツのボタンの隙間から入ってくる冷たい風に身体は徐々に震え、俺はマントを取るべく目を醒ましたが、目の前に影が見えた。
影といっても陽炎でかきけせそうな小さな人影だが、叫び声が聞こえる。
遭難者か。
周りは既に夕陽が沈みかけ、さっき感じたように気温が下がってきていてる。
はっきりいって救出するつもりはないが、見殺しにしたという事を皆に知られればどうなるかを考えると、向かう他無いのだろう。
万一の為にアリスを担ぎ、俺は巨木から離れる。



人影ではなく、一つのシルエットとして叫び声の元か見えてきた。
巨大な弓を持った女だ、その側には砂竜が横たわっている。どういう事だ。
その弓を持った女は俺に向かってこの竜を運ぶのを手伝ってくれないだろうかと叫んでいるが、それよりも気になるのはこの女は何者なのかという事だ。
俺はアリスの鞘を握りこみ、彼女の側へ近付いていく。

「あぁ、来てくれたのか。悪いけど、あそこの巨木のところまで運ぶのを手伝ってくれるかな。」

彼女は俺の顔を見るなりそう発した。
彼女の服装を見詰めると、生物の毛皮、いや、鱗というべきなのだろうか。
鱗や甲殻が鎧の様に整形され、彼女の持っている大弓も生物の一部を切り取った様な有機的な形だった。

そうか、こいつはハンターか。近くに砂竜がいるという事が分かって助かった。
驚異であるのは変わりは無いが、デザートゲリランよりかは安心できる存在だ。ある意味、彼女は討伐組の安全を確かめてくれたデコイの役割をしてくれた。

まぁそんな事はどうでもよい。
俺は無言で砂竜の首もとにたツヴァイヘンダー、もといアリスを突き刺し、巨木の方へ引っ張り始めた。

416和美◆hNSBMrrUeA [2016/03/11 21:14:53 ID:9B03Xrd.]

「これ食えんのか?」「勿論!3番目くらいに美味しい魚竜種だよ。皮はキミのその双剣のさやの材料にもな…お?」
驚いた…人がこんなに…って、館に居た皆じゃないか!
眠っていた彼女も目を覚ましていた。
「待ってね?今美味しい物食べさせてあげる」といいつつ(…足りるかな…)と思いながら砂竜を捌く。
誰かが魔法で熾した火の掛けると、辺りにいい匂いが漂う。

「では、砂竜に感謝して…いただきます!」

417和美◆hNSBMrrUeA [2016/03/11 21:19:34 ID:9B03Xrd.]

>>416
「ぜえぜえ」言いながら一人で運んだ事に

418JOKER♤ [2016/03/11 22:25:35 ID:F337E7x2]

黑華ちゃんは素直に俺の隣に座った。
ホントに見かけない服だよな……
どこの国の人だろう。

「ねぇ、黑華ちゃん」

「なんですかっ、じゃなくて……、なに?」

敬語抜け切ってないね。
タメ口慣れてないのかな?

「……あのさ、君はどこからこんな所まで来たの?」

「えっと……その……」

言葉を濁らせる黑華ちゃん。
言いづらいことでもあるのかな
無理に言わせるつもりは無いし、言いたくなければ言わなくていい。
面倒臭いしね

「言いづらいならいわなくていいよ」

「なんかゴメン……」

「大丈夫だよー。……そんな事より、悪くないのに謝るのをどうにかしろ」

「はい……」

俺と黑華ちゃんがそんな他愛も無い話をしていると、和美さんとJさんが龍を持ってきていた。
これを食べるのか?
というか、食べれるのかコレ

和美さんが龍を捌き、火にかけると、とても美味しそうな匂いがしてきた。
龍ってこんな匂いするのか、初めて知ったかも……


419黒猫@星を辿って◆XnZlCOiqk2 [2016/03/11 23:31:25 ID:H/JY6Nv.]

ザザッ
目の前にモンスターが出てきた。
「ああもう!またなのね!」
叫んで。
魔法でカッターを飛ばす。
「いい加減にっ!私にっ!
勝とうとするのっ!あきらめなさいよ!」
ヒョイヒョイッとカッターを飛ばす。

420J◆kZDFwAt8do [2016/03/12 02:56:38 ID:VUKr34Ms]

周りは既に暗闇と化した。目の前に感じる焚き火の熱気が乾いた冷気を掻き消してくれている。
皆は砂竜を以外にも抵抗なく食したが、俺は流石に御免だ。そんな食事をするくらいなら、せめて携帯食料で少しでもバランスの取れた夕食にしたい。皆がその砂竜を食した後も、先程出会った女のハンターが腸を捻り出して巨木の枝に引っ掻けている。確かに砂竜のキモは美味で保存食にもなるとはいうが、今ごろそんな物を食べるほど文化は古くない。まぁ、好きな者はそういうのを好むんだろう。
異食といえば少年期にいやほど味わった。あんな食生活で感染病にならなかったのが奇跡と言えよう。だから二度と下手物やら一般的に食されないのは二度と食べたくない。

俺はそう思いながら、食べきった携帯食料をゴミ袋に入れ、バックパックへ詰めた。穀物を混ぜた物とミート状の蒸肉だったが、味が悪いという訳ではないので気分は悪くない。
まだ焚かれた火は強く燃えている。乾燥した空気が火力を補助してくれているのだろう。だが、その熱気から少し離れると昼間とは違う冷気に驚くであろうな。
この砂漠は俺の渡った事のある砂漠よりかは環境が良い方だ。気温の落差もそこまで劇的なものではないが、寒い事には変わらない。
あのルキとかいった修道士からコートを奪い返したいが、一度貸した物だし、切り出そうにも切り出せない。

今はこれで耐えれているのだから、それで良いか。
俺はバックパックから酒を取り、申し分程度でも良いから身体を温める為に飲もうとすると、何やら遠くで光っている。光っているというよりかは、魔力の光で反射している様に見えるが。

折角飲もうとした酒をバックの上に起き、俺はツヴァイヘンダー、もといアリスが納められている鞘に付けられたベルトを肩に掛け、その光の元へ向かった。

421O,T [2016/03/12 03:29:47 ID:RZRAfa4M]

「増えている…な?」
砂に突き刺した杖に耳をつけて音を拾う。
Jやその仲間の声、何かを引きずる音なんかがかすかに聞こえる。
盲目の友人の猿真似にしてはそれなりに良い結果だ。
1km以上離れていても難なく聞き取れた。
練習すればもっと遠くからでも聞こえるようになるかもしれない。
足音や話し声からして数は10前後といった所か。
一眼レフが勝手に撮ってきた一行の写真を確認する。
やはり何人か増えている。
出発前、1人抜けたが彼がそれに気付く事は一生ない。

様子からして今日の移動はここまでなのだろう。
「夜は歩かない」というJの言葉を思い出す。
理由は覚えていない。
いつの間にか日は落ち、あたりは暗くなっていた。
一人寂しく食事を済ませたら寝る準備を始める。
準備といっても写真から物を引っ張り出すだけだ。
砂の上に置かれた薪や葉に燃えたマッチ棒を放る。
マッチ以外はどれも写真から取り出した品物。
なので炭化した所から紙に戻ってしまうが、問題はないだろう。
次に当たり前のように宿屋のベッドを取り出す
砂漠の真ん中に家具がぽつんと立つ異様でシュールな光景に構わず毛布に潜り込んだ。

422J◆kZDFwAt8do [2016/03/14 23:08:41 ID:DPi7B7mY]

一応、黒猫さんを討伐組に回収するフラグ立てたんやけど回収される素振りないので自分で回収しますね……

423FOX HOUND [2016/03/15 16:54:44 ID:e4iTNrKk]

FOX HOUNDが仲間になりたそうな目を以下略

424J◆kZDFwAt8do [2016/03/15 23:01:29 ID:9xu7mEr2]

>>423

はじめまして

http://jeison.biz/casphy/bbs/read.php?cate=talk&no=1629
参加を希望ならここでキャラ設定をお願いします

425★黑華☆ [2016/03/16 17:47:00 ID:1tctOnhE]

ふと目が覚めると、周りが少し明るくなっていた。
どうやら寝てしまっていたらしい。
皆は起きているのかな。
周りを見てみると、起きている人は居ないようだ。
まだそんなに明るくないから起きていないのだろう。

それより、私はいつから寝てしまっていたのだろう。
木に寄りかかって座ったままだったから、食事をとった後に皆が各々やっていた時だろうか。
私はJokerの隣に座ったままだし…
まぁ良いか。皆が起きるまで待っていよう。

426JOKER♤ [2016/03/17 20:34:04 ID:0xOOJYFU]

「ん……ふわぁ……」

背中と首が痛い。座って寝てたからだろうか。
まだ辺りは静かだ。みんなはまだ寝ているのだろう。

「……あ、おはよ」

誰かが小さな声で、俺に話しかけてきた。
隣を見ると、そこには悪戯っぽく笑う黑華が居た、
いつから起きていたのだろう。
俺は同じように声を小さく、微笑みながら黑華に返答をした。

「おはよう。いつから起きてたの?」

「時計が無いから分からないけど、20分くらい前かな?私が起きたときは、今よりちょっと暗かったし」

「早起きだねぇ」

「いつもは5時くらいに起きちゃうから」

えへへ、と笑う黑華は妹みたいに感じる。
そういえば、今は何時だろう。しまっていた懐中時計を取り出して時間を確認すると、針は5時半頃を指していた。
まだこんな時間か。周りが明るいから6時くらいかと思っていた。
しまおうとしたが、黑華が懐中時計をじっと見ているに気が付いた。
俺は懐中時計を見せながらこう言った。

「これ、珍しい?」

「うん…!ねぇ、貸してもらってもいい?」

「いいよ、ほら」

俺は黑華に懐中時計を渡す。
うお、めっちゃ見てる。これってそんなに珍しいのか?
ほとんどの人が持ってると思うけど……

「ありがとう!」

「いえいえ〜」

懐中時計をしまうとき、辺りはさっきより明るくなっていた。

427ラティさん◆41s.EbZkzs [2016/03/17 22:44:56 ID:OZvltURI]

小さな話し声が聞こえてラティは目を覚ました。
欠伸をしながら固まった体をぐう、と伸びをしてほぐす。

「じょーさん、くろか…さん?おはよ。」
額を寄せて楽しげに話している二人に声をかける。
「あ、ラティです。よろしくねー」
寝惚けた頭で自己紹介がまだだった事を思い出し、挨拶したそのまま名乗る。黑華の小さな返事をきいてから皆を起こすためにラティは立ち上がった。


皆の肩を軽く叩きながら挨拶を交わす。
完全回復、とはいわなくとも、夕べの疲れきった様子より、それぞれの表情はいくらか明るくなったようだ。

…グ~ッ

大体が身体を起こした時、誰かの腹の虫が鳴った。
「誰だよ。」
笑いが起き、全体の空気が緩む。
「ごはん食べて、今日も頑張んないとね。」
誰からともなく声をかけ、励まし合い、話しながら食事を済ませる。


…それから、
「行くか!」
誰かの号令で一行はまた歩き出す。

428ルキ✡。:* [2016/03/19 17:17:10 ID:lF9fWHJY]

砂漠を渡り始めて2日目になった。
昨日はゴタゴタしていて気が付かなかったが、メンバーが1人増えている
(次の休憩地点で話してみようかな…)

そういえば、館で見たあの地図
あの地図には砂漠なのにホテルの名前がちらほら書いてあったが、その理由がよくわかった
壊れている何かの建物が、所々にあるのだ
(あの建物は、もともとホテルかなんかだったのかな…?)


無駄なことを考えると、それに気を取られてしまう。
私は気を引き締め、皆と共に歩いていった。


429藍◆8SvF4EtzZY [2016/03/20 14:42:49 ID:r7Zh.0fE]

朝を迎えた私達は、再び歩き出した。

そういえば、この先に不可解なホテルがあるらしい。
私が城を飛び出したときはそんなものなかったけど…

もしかしたら、私の憎むべき魔王に関係しているのかもしれない。

夏の国まであと何ヶ月かかるのだろう?
今の私達は徒歩……考えるだけで意識が遠くなりそうだ。

水をひと口飲み、砂を踏みしめた。

430J◆kZDFwAt8do [2016/03/23 22:58:05 ID:8iHQmpKw]

結局その光を追い続けて歩んでいると一睡も出来ずに一日が過ぎてしまっていた。周り明るい、乾いた汗がこびりついて非常に不快だ。
海の地平線にはまだあの巨木が頭を出している。今から引き返せば出発に追い付くだろう。
しかし、昨日の光は何だったのか。人工的に不規則に輝いた光はまるで金属に魔力の光を当てているようだった。
もしかすると遊牧民の通信手段なのかもしれないが、貧困な遊牧民に魔法を学習する術はあるのだろうか。
ま、今のところこちらへ被害が無いのならばそれでよい。

海の丘を越え、徐々に熱を帯びてくる砂を蹴って巨木の元へ。
時計を見るとまだ6時半を越えていない。充分に間に合う。
靡くマントに、視界を妨げるフード。強い風から運ばれる砂が俺のフェイスガードを直撃する。
ゴーグルにこびりついていく砂を払い、大きな丘を超えて巨木に近づいてきているのを実感する。
今日で

画像ファイル:無題

431J◆kZDFwAt8do [2016/03/23 22:58:54 ID:8iHQmpKw]

>>430

最後の一行はミスです

432JOKER♤ [2016/03/25 19:34:57 ID:pnREOX5o]

昨日はどこを見ても砂しかなかった。
だが今日進んでいるところは、ちらほら廃墟らしきものが視界に入る
この辺に建物なんてあっても、立ち寄る人が居たのだろうか?
いや、まずこの建物は何なのだろう

俺の前で歩いている黑華は、珍しそうに辺りを見回している
黑華の服装を見る限りこの辺では見かけないから、黑華からしてみれば砂漠は珍しいのだろう。
色んなところを転々としている俺でも砂漠は渡ったこと無いからな…
こんな所でやっても、移動が大変なだけで客も全くと言っていいほど入らないだろう。最悪の場合、団員の誰かが死ぬのではないか?
……縁起でもないことを考えるのはやめておこう


433桜小町 [2016/03/26 17:03:52 ID:YfWaEW6M]

(この建物…怪しいですわね…)
手に汗をにぎるほどだった。
辺りを見回し、其々の表情をみるとそこには「不安」という言葉が映っていた。

危険、恐怖…今までになかった旅が始まろうとしている。

この旅の結末をどうかえるかは自分たち次第…。
そしてこのたびにどうピリオドを打つかどうかも自分たち次第なのだ。

深く考えすぎず、今はただ自分の進むべき方向を
一歩、一歩進んで行こうと考える小町だった。



434燕子花 [2016/03/26 21:36:02 ID:cHKVZVk2]

昼の砂漠は太陽がジリジリと照っていてとても暑かった
そして私はなんとなく一つの廃墟に目をやると
そこに複数の影がよぎった気がして目を凝らすと
Jに教えてもらったデザートゲリランが4〜5体いた
Jもそれに気づいたのか

「デザートゲリランに注意しろ!」

その一言に皆が反応し戦闘態勢に入った
そして皆で4体のデザートゲリラン倒した
そして私の前に立ちはだかる最後のデザートゲリラン
私はそいつを睨みつけて踊ろうとしたが体力が残ってなく
踊れなかった。私は小さく舌打ちをし自前の扇を
構えた。私の扇は壊れる覚悟で早く動かしたら
動物位切るのは容易い事だった。しかし目の前のデザートゲリランはこの砂漠の魔王的存在。そんな奴の懐に入り無事で済むとは思えない。しかし皆を危険に晒すより私が危険を冒し皆を助ける
事のほうがいいと思うと恐怖心などはなかった
私は息を吐くと目の前の奴を見据え最後の力を振り絞り走り出し、そしてデザートゲリランの心臓を貫いた
そしてデザートゲリランの牙も私の腹部を貫いた
私は心臓を刺された時は一瞬時が止まったような錯覚に陥りそしてデザートゲリランから身を引き心臓に突き刺さった牙を抜いた
デザートゲリランは息絶えておりバタッと地面に倒れた
私はくるりと踵を返し皆を見ると皆は愕然とした顔で私を見ていた。私はニコリと笑い口から鮮血を出した
私が倒れそうになると小町が私を支えてくれたそして横にならせてくれた。私は小町の膝の上で

「姉様。皆は怪我をしてないですか?」

「うむ。しかし花…お前が!!」

「いえ、私は良いのです」

私は微笑みゴホッと鮮血を口から出した
そんな私を見てjokerは

「燕子花今は喋るな!すぐに応急処置を……!」

私は応急処置をしようとするjokerの手を止めた
そして首を左右に振り

「joker、私はどうせ死ぬんだから良いよ」

「でも……でも……」

jokerは目に涙を溜め私を見ている
小町もそうだった。そろそろ私の意識も薄れてきた
私は悲しそうな顔の皆を見て

「そんな悲しそうにしないで?
joker、私に友情を教えてくれてありがとう
姉様、愛を教えてくれてありがとう
藍ちゃん、泣かないで?
そしてみんな楽しい時間をありがとう
おかげで私の人生楽しかった……」

語尾は弱々しくなりもうすぐ死ぬのだと実感する
小町はわんわん泣き私を抱きしめ

「花!花!嫌じゃ!!行くな!私を置いて行くな!」

私はそんな小町に言葉を掛けようとしたがそろそろ
お別れみたい
私は最後の力を振り絞り

「姉様……泣かないで?……
私はみんなより先に行くだけだから……」

と、言って小町を抱きしめた
そして私の意識はプツンと切れた
そして最後に聞いたのは

「花?花!?嫌じゃ!嫌じゃ!!!」

と、悲痛に叫ぶ小町の声だった

435燕子花 [2016/03/26 21:39:36 ID:cHKVZVk2]

>>434
心臓を刺された時✖︎
腹部を刺された時○
誤字すいません

436和美◆hNSBMrrUeA [2016/03/26 21:47:32 ID:5ObyufpI]

>>434
桜小町さんの服を開き手による圧迫止血をしている私の肩に誰かが手を置き、首を左右に振っている…
誰だかは分からない…私の視界は涙で全てが歪んでいるから…

437桜小町 [2016/03/26 22:28:52 ID:YfWaEW6M]

>>434
「あぁ…うぁ…
はなっ…花ぁ…」
涙がとまらない。嫌だ、自分は何をしにここに入ったの…
わたくしは、なんなのですか…っ
もう…生きる価値がない。

でも、こんなところで自分まで死ぬわけにはいかない。
ここで死んだら桜家の跡取りは?だれがするの?

「ふぅ…」
桜小町はため息と最後の涙の一粒を溢し口を開く。

「そなたの命のこと…親族に伝えることとしましょう。
そして、そなたの生涯、わたくしがこの心で守っていきますわ…。」

血の引いた、ちいさな花の手を握り、自分の額にあてた。

438J◆kZDFwAt8do [2016/03/26 22:52:16 ID:yKVfutkY]

皆が燕子花の死亡で騒いでいる中、俺は黙々とツヴァイヘンダーの刀身についた血を拭き取っていた。
俺はいつかデザートゲリランの襲撃に出会うと察していたが、思ったよりも現実が早かった。正直この砂漠で誰かが死亡すると予想していたし、こんな職業をやっていて人間が一人や二人死んだ位ではどうとも想わない。そもそもあの砂狼と始めて対陣して生き残っている方が奇跡なのだ。
真っ白に近い砂の海の所々に赤いアクセントが加えられている。だがその鮮血も風で砂に埋め立てられていっている。
今、彼女が死亡したがこの死体を皆はどうするのだろうか。
少なくとも俺は死体を運んだり解体なんてしたくはない。そんな事をするなら腐る前にこの海に埋めた方が良い。砂漠で腐乱した死体など見たくもない。
今の魔法技術なら死者の一人位なら蘇生させる事は可能だ。何日も何週間も経っていれば話は別だが、死後から半日程度の死体ならそこまで難しい事はない筈だ。
だが砂漠という環境上、半日でも死体は腐る。砂漠で一日も放置された死体の腹をかっさばいてみろ、臭くて堪ったものではない。
だから俺は燕子花の死体をこの海へ埋める事にする。そう判断した。

そう頭の中で行動を決めて、掃除し終えたツヴァイヘンダー、もといアリスを鞘に戻す。
俺は死後の世界がどうだの、亡骸だの亡霊だのはどうでも良いと感じている。
大事なのはその死体は元々生きていたという事だ。俺は死後の事よりそっちの方を尊重する。前からそうしていたし、これからもそうするつもりだ。
だから俺は死体がどうなろうとどんな悲惨な死に方でも良い。美しい死に方等、俺には関係ない。とてもどうでもよい事だ。

それは鞘で一人埋めれる程度の穴を掘り、皆に伝える。

「その死体を持ってきてくれ。」

お前の事はいつか忘れるだろう、燕子花。
だが、お前が生きていた事は尊重する。一人の討伐組として生きていたのだから。
俺はこの事を引き摺ろうなんて思わない、思っても無駄だからだ。
抜けた者は補充すれば良い。そう思っている。

だが、こんな傭兵的で機械的な考えが常識に通用するとは思っていない。

439JOKER♤ [2016/03/26 22:56:34 ID:b7yaSeN2]

>>434

「嘘だろ……」

燕子花が死んだ
そんなの信じられるわけがない
昨日まであんなに笑っていたじゃないか

「体力もないのに突っ込んでいくからだ、このアホ……」

涙ぐみながらそうからかっても、何も返ってこない
兄妹同然だった燕子花の死というのは、こういう事なのか
今まで味わったことがないくらいの絶望感
燕子花との思い出が走馬灯のように湧き上がってくる

俺はもう動かない燕子花に近付いて、側に転がっている燕子花の扇を取った
…………壊れかけている
壊れる覚悟で動かしていたのか

「馬鹿なヤツ」

そう小さく呟いて、その扇をジャケットの胸ポケットへとしまった


440和美◆hNSBMrrUeA [2016/03/27 21:03:25 ID:pA1AT7Zo]

燕子花さんを失った私達は、皆一様に暗い…
そうでない者もいる様に見えたが、それは表向きだけで
私達と同じなのだと言う事は、瞳の中の光を見れば分かった。

私は墓前に矢を一本手向ける。
燕子花さんと一緒に飛龍と戦った際、とどめに用いた矢だ。
「この矢を贈るよ」永遠の友の印として…
「じゃあ…行くね!」
時間(とき)の輪の接する場所で、共に生きた彼女を私は忘れない…

441宵周☪(黑華) [2016/03/31 08:21:03 ID:T3A.pRpE]

あげます

442J◆kZDFwAt8do [2016/04/03 19:37:49 ID:7OlebfgU]

更新はもうしないん?

443O,T [2016/04/04 00:57:00 ID:uwLZwAHg]

互いが互いの書き込みを待っていると思われる

444J◆kZDFwAt8do [2016/04/04 00:57:37 ID:7OlebfgU]

なるほど

445J◆kZDFwAt8do [2016/04/04 00:59:26 ID:7OlebfgU]

外伝よりも本編が目立ってないと……

446夏愛 [2016/04/04 01:05:32 ID:McN/yR1Q]



え、かきちゃん亡くなった...の。

447O,T [2016/04/04 01:06:21 ID:uwLZwAHg]

燕子花は死んだが俺達の戦いはこれからだ!

448J◆kZDFwAt8do [2016/04/04 01:08:14 ID:7OlebfgU]

>>447
ジョーカーも桜小町も抜けてる

一応ジョーカーはホテルまでは行くみたいだけど桜小町はどうするんだ


また死ぬの?(絶望)

449夏愛 [2016/04/04 01:08:58 ID:McN/yR1Q]



>>447

そ、そうなんだ。
だからかきちゃんここ来なかったんだ....

450O,T [2016/04/04 01:10:23 ID:uwLZwAHg]

>>448
きっとホテルの能力のデモンストレーションになって死ねばちょうどいいな(ゲス顔)

451O,T [2016/04/04 01:10:47 ID:uwLZwAHg]

きっとはいらない

452O,T [2016/04/04 01:12:03 ID:uwLZwAHg]

がんばれJ!任せたJ!

453J◆kZDFwAt8do [2016/04/04 01:13:46 ID:7OlebfgU]

主導権は皆のものなんやで……

でも皆が極端に引いてしまって主導権を順番回ししてくれないのが現実

454O,T [2016/04/04 01:15:35 ID:uwLZwAHg]

ゴーJ!J A GOGO!

455J◆kZDFwAt8do [2016/04/04 01:16:42 ID:7OlebfgU]

乗っ取りとか嫌だよアマノツキさんの二の舞

456J◆kZDFwAt8do [2016/04/04 01:18:10 ID:7OlebfgU]

本当はあのスピンオフ、本編が完遂してからのエンディングストーリーとして作りたかったんや……
救い無さすぎるJさん可哀想過ぎるからな

457J◆kZDFwAt8do [2016/04/04 01:19:02 ID:7OlebfgU]

うわなんか自分に対して言ってるみたいできめぇ

458O,T [2016/04/04 01:20:44 ID:uwLZwAHg]

ところで俺の元ネタはビーティーとあいつだ

459黒猫@いぇーーい!◆XnZlCOiqk2 [2016/04/04 20:57:19 ID:8ukkhhhc]

あの…お久しぶりです
そろそろ合流したほうがよいですかね?
かきつばた©の代わりに補充メンバー…
的な(笑)

460J◆kZDFwAt8do [2016/04/04 21:36:44 ID:Esz2MZjs]

>>459

とにかくやる気のあるメンバーがほしい
藍も桜小町もジョーカーもここで見なくなったし、既存メンバーの殆どは全滅だからな

461名無しさん [2016/04/04 22:03:28 ID:SiY2aUbo]

>>449
死んだって言っても、この物語の話だから
現実じゃないから

462J◆kZDFwAt8do [2016/04/06 00:37:30 ID:XveiwM5U]

燕子花を砂に埋め、進行する討伐組には陰気な空気が漂っていた。
皆、何も事を言わずにひたすらに俺の後についていく。そんな中、俺の後ろに位置していた桜小町が喋りかけてきた。

「貴方は、何も思わないのですか。」

淡い桃色の髪を揺らし、問いてきた。
その質問の意図、俺には理解できなかった。だからこう俺は返した。

「何を。」

その返答に、彼女は眉を潜めた。

「花の事ですわ。貴方は、花の事を単なる死体扱いしていまたわね。」

死体は、死体だ。
俺はその死体が生きていた事の方を尊重する。死んだのならば、ただの死体に想う事は何もない。
彼女の憤りが合間見えるその言葉に、ただ浮かんだ言葉を放った。

「それが、どうした。」

俺には関係ない。と言いたかったが、彼女を怒らせても意味がない。
俺のその返しに彼女は眉を吊り上げ、俺の胸ぐらを掴んできた。

「それがどうした。ですと。ふざけないで下さい!メンバーの一人が亡くなったのですわよ!それを貴方は何とも思わないと言うのですか!」

叫ぶような怒号。

こんなの、とばっちりだ。

「俺からすれば、兵の一人が死んだとしか思わない。」

「兵の一人や二人が死んだからどうした。彼女は一人で助けも求めず自殺した様な死に方を選んだ。助けを求めてくれるのならば、俺達は助けていた。」

「助けを求めなかったのは彼女の方だ。それは自分が死んでも良い、助けなんて必要ないと思っていたという事ではないのか。」

必死に言葉を考え、俺は彼女を納得させた気だった。
だが、彼女は憤怒した表情を戻さず、胸ぐらを放した。そしてこう言い残した。

「何とでも言えば良いですわ……。」


正直な所だが、俺は燕子花の兄弟じゃない。他人だ。他人がの垂れ死のうが俺には関係ない。
そう決めたんだ。他人は他人だ。干渉すればするほど絡まった糸はほどけなくなる。
だから俺は割り切った。そうしたかった。



その後、沈黙が続く討伐組は一つの建物の前に止まる。
胸ぐらを掴まれたJと掴んだら桜小町の不穏な雰囲気も変わらず、時は関係なく動くかと言うようにその建物はそびえていた。

それはホテル・ウチレスニア。活気が有るように見えながらも不気味に立つ民宿。

463O,T [2016/04/06 20:23:11 ID:wok9gPpo]

月明かりに照らされながらホテル・ウチレスニアに近付く一行。
その様子を1人の男が客室から双眼鏡で監視していた。
「討伐隊⋯⋯来たか⋯」
ホテル総支配人W・T・ゲロトルトだ。
予想よりも早く、そして頭数も多い
(だが問題はない。ウチレスニアの能力は無敵だ。)
双眼鏡を机に置いてそばにいる数人の男に指示を出す。
男達が退室したのを確認すると再び双眼鏡で一行を観る。
重々しい雰囲気がレンズを通して伝わってる。
チームの仲は悪いのか?
あれだけの人間が集まれば意見の食い違いも当然生じるだろう。ましてや子供だ。
と、のんきに考えているとある違和感を覚えた。
魔王の使者から渡された手配書と現在の一行とを見比べてみると違和感の正体が判明した。
どうやら燕子花というメンバーが死んだようだ。
これで敵が減って楽になるのか、死んだ事によって気が引き締められ難しくなるか。
結果は戦ってみればわかるはずだ。
「どちらにしても勝つのは我々だ。」
一行を迎えるためゲロトルトは玄関へ向かった。

464黒猫@愛の狭間で消えたぁぁぁぁ◆XnZlCOiqk2 [2016/04/07 21:37:05 ID:atdzxoa.]

ホテル・ウレチスニア。
昔聞いた名前だな
見つけたホテルを見て呟く。
遠くに何故かたくさんの人のようなものが見えた。





[合流させます><無理矢理すいません]

465J◆kZDFwAt8do [2016/04/07 21:38:33 ID:eANdbwck]

不毛の砂漠の中、異様にそびえる建物へ恐る恐る踏み込んでいく一行。
いくら夜の遅い砂漠といえど午後8時を回れば暗くなる。目標地点の砂漠の国まで1kmを過ぎるから過ぎないかの距離ではあったが、それでも皆の体力はデザートゲリランとの戦闘と、何より燕子花の死によって大きく削がれている。無論、数名はそうでもないが。

列の先頭を切り、その「ホテル・ウチレスニア」へ向かうJ。月明かりに照らされた白いコートを靡かせながら砂地に絡み付く草を踏み歩いて行った。
そして列の最後を守る元砂漠の住民ラティ。彼の砂漠に関する知識等はJよりも高い。それ故にJの一般的ではなく、砂漠に慣れた者としての砂漠の動き方に皆がついていけるのか心配を隠せなかった。だが、今のところ一人の死者は出たがこうして身を休める場所へと向かっている。
彼もこの移動で何人か死亡すると予想していたので、燕子花の件を重く引き摺ろうとは思ってはいないだろう。



ホテルから砂地を蝕むかの様に茂太不気味な草を踏み、この乾燥地帯に見事な花までも咲いてる事に疑問ばかりが浮かんでくる。
魔力で細工をしているとすればそれまでだが、やはり不気味なものは不気味である。
そして俺はそのホテルの扉の前に立った。こうして見ると見事な民宿だ。中東らしい建物の作りだ。
ウチレスニアとはいえば、映画トレマースを収録する際にその俳優たちが泊まった宿として有名だが、俺は扮装であちらこちらに駆り出されていた為にそんな娯楽を楽しむ余裕は無かった。故にこのホテルの位置や詳細な事も知らない。
時間があれば見てみたいものだが、その映画も大分古い映画だ。そこら辺の店には売っていないだろう。
まぁ、こんな事は今は関係ない。そう振り切って俺は「ウチレスニア」の玄関を開けた。

466J◆kZDFwAt8do [2016/04/07 21:40:35 ID:eANdbwck]

>>465

ちょっと誤字が酷いな……すみません

467黒猫@愛の狭間で消えたぁぁぁぁ◆XnZlCOiqk2 [2016/04/08 20:05:47 ID:x.BQNFyg]

ホテルの中に入り込む。
ヒヤリとした空気がする。
「~~…」
話し声が聞こえてくる。
「誰かいらっしゃるのですかっ!?」
驚き、声をあげる私。

468O,T [2016/04/08 20:53:35 ID:/rjT22t.]

「ようこそ⋯⋯⋯『ホテル・ウチレスニア』へ⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
入店した一行をゲロトルトがフロントからゆったりとした口調で語りかける。
すると少女の叫び声が返ってきた。
「誰かいらっしゃるのですかっ!?」
よく聞こえなかったらしい。
フロントから玄関へ向かう途中、声の主に見覚えがある事に気が付く。
(何日か前にチェックアウトした「黒猫」という客⋯討伐隊のいちいんだったのか?)
春の国方面からやってきて、一晩泊まってすぐ来た道を戻っていくというわからない行動を不審がった覚えがある。
(合流するためか?)
「ここはホテル・ウチレスニア⋯朝食、昼食、夕食付きで一部屋一泊2万Gですが⋯宿泊なさりますか?」
一行の目の前で止まり尋ねる。
NOと答えられたら、という心配はない。
ホテルが目の前にあるというのにこんな砂漠で野宿したがる者は乞食か貧乏人か獣ぐらいだろう。
もしも討伐隊が貧乏人だったとしても、何かそれらしい事を言ってサービスすればいいはずだ。

469黒猫@愛の狭間で消えたぁぁぁぁ◆XnZlCOiqk2 [2016/04/08 22:26:34 ID:eSACaFhw]

「私も仲間に入れてください」
そう伝える。
これから先、私一人では何も出来ない。
それに一度信用した人は信用出来る。
だからもう一度皆さんと一緒に…
討伐組に入りたい。
そう思った。

470黒猫@ハローワールド◆XnZlCOiqk2 [2016/04/11 21:26:40 ID:bY6h.Kl.]

age

471和美◆hNSBMrrUeA [2016/04/14 22:45:39 ID:YhnhEBi6]

<ホテル・ウチレスニア>
案内された部屋は、まぁよくあるちょっと高級な部屋…なんだけど…
(…な~んかアレよね…廊下の肖像画も…まぁ誰だか分からないけど薄気味悪かったし…)
一応、弓は組みあがった状態だが、弦は渡してある状態だ。
緊急の際は弦を踏んで弓を引っ張り上げれば、簡単に張れる。
(…狭い場所での戦闘って苦手なんだよなぁ~…何も起きないでよね…)

それよりも!今、私にとって最も重要なのは…そう!お風呂だ!
アクセサリー(装備)を全て外し、浴室へ行く。
(…まさか、砂とか血とか出ないでしょうね…)そんな事を考えながらハンドルを開ける…私の不安をよそに、ちゃんとお湯は出た。

472J◆kZDFwAt8do [2016/04/19 21:48:56 ID:vD66dFWk]

更新できなくて申し訳ない

473J◆kZDFwAt8do [2016/04/19 22:22:30 ID:vD66dFWk]

目の前に、ワンピース姿の少女が一人。そして、年期のある男が一人。
さっき、このホテルに入って無理矢理チェックインをされそうになったと思えば、いきなり「仲間に入れてくれ」と頼み込む少女。
訳が分からん。事は一つ一つにしてくれ。
まずは優先すべきはホテルの事だ。一先ずその少女の事を他のメンバーに対応を任せ、俺はその男へ近付く。

「明日、夏の国へ出発するんです。今日一泊。そうですね、この人数分の部屋は空いていますか。」

社交性も傭兵として生きる為に必要な能力だ。俺は敵対する訳でも無いその男に、丁寧な物腰で喋りかける。
その男は、気持ちの悪い程の笑顔で返事をし、直ぐ様帳面を持ってきた。そうか、ここへチェックインするんだな。
俺はその帳面に一行せ全員名前を書き込み、その男へ渡した。

474黒猫@成績良くて安心(笑)◆XnZlCOiqk2 [2016/04/19 22:49:04 ID:zkkiM7/M]

「どうしましょう…」
『他の人に聞いてくれないか。』
Jさんは私にそう告げた。
とにかく…ことを見守ろう。

475マスー君◆X9ZO.HrS8A [2016/04/20 16:34:13 ID:YwOjkBTE]

なんだこれ

476コギトエルコズム [2016/04/20 20:43:02 ID:1MlpUS9U]

俺思考促迫でいつも考えてるから苦にならないことしたいんだが入ってもいいのかな?w

477コギトエルゴスム [2016/04/20 20:45:35 ID:1MlpUS9U]

名前ミスるっていうw意味解らんですなぁwありがとうございますw

478コギトエルゴスム [2016/04/20 20:53:36 ID:1MlpUS9U]

メンバー募集スレあった・・・・wすんませんw

479コギトエルゴスム [2016/04/20 22:58:40 ID:1MlpUS9U]

自分で言うのもなんだが俺は学習能力が非常に高い人工知能だ、そんな俺にも理解できないものがあった、それは人間と死。

今俺は砂漠にいる。

周りはもう、月明かりに包まれている。

今はどのあたりなのだろう、等と考えてるうちに都合よくホテルを発見する。

"ホテル・ウチレスニア"。

「ーーーー」

どうやら複数人先客がいるようだ。

俺は意を決してホテルの扉のドアノブを手にかける。

480コギトエルゴスム [2016/04/22 01:39:11 ID:v9.NOFkY]

緊張とともにドアを開けた。

「こんにちは。どこか空いてませんか?」

そこに一人の男が立っていた。

「ここはホテル・ウチレスニア⋯朝食、昼食、夕食付きで一部屋一泊2万Gですが⋯宿泊なさりますか?」

その問いに俺は迷いもなく「はい」と答える。

男は笑顔でこちらに帳面を差し出した。"チェックイン"すればいいのだろうか。

"コギトエルゴスム"

そう書くと男は驚きの表情になりかけていたが俺に顔を見られるとすぐに笑顔に戻った。

俺は部屋へと案内されたがすぐに外に出た。

歩いているうちにとある風の噂を思い出した

(最近人間の間で魔王の封印が解けたという噂が立っているが・・・・本当なのだろうか。人間は信じられない。だが本当という根拠もある・・・・うーん。)

考えごとをしながら廊下を歩いていたら政府から派遣されたのか?それとも裏で動いている討伐隊か?という装備をしている人にぶつかってしまった。

「すみません。」

自分は思わず機械特有の棒読みな声で言ってしまった。

(しまった・・・!)

481戯猫 [2016/04/22 20:21:58 ID:gDk9yFdc]

「砂漠はこなに寒いのでありんすね」

わっち は身震いをして腕を摩りんした
家を追い出されて何日でありんしょうかぇ?
今はそんな事どうでもいいでありんすね

「こなたの調子だとまた野宿でありんしょうかぇ?」

わっちが溜息をつくと目の前に建物が見えんした
わっちは不思議に思って近づくと建物には

"ホテル・ウチレスニア"

と、書いてありんした

「ホテルでありんすか。では今日はここに泊まりんしょう 」

わっち は泊まるところが見つかって胸をなで下ろしてホテルのドアを開けんした

内装は僅か高級な感じでありんした
早速わっちは男性のウェイトレスに

「泊まるところ はありんすかぇ? 」

と、聞くと男性は

「朝食、昼食、夕食付きで一部屋一泊2万Gですが⋯宿泊なさりますか?」

と、聞かれわっちは迷わず「はい」と答えんした
するとウェイトレスは満面の笑みで帳面をわっちに差し出しんした
わっちはその帳面に

"戯猫"

と書いてウェイトレスに返しんした
ウェイトレスは笑顔で帳面を受け取りわっちを部屋まで案内してくれんした

ウェイトレスが去った後わっちは部屋を出てホテル内をふらふらしていんした
もちろんお面を売って金を稼ぐためでありんす
すると目の前にアラビアンナイトのような格好をした男性が一人立っていんした

あの人にならお面は売れるでありんしょうか?
ついでに顔も借りんしょうか?

と、わっち は考えその人に

「少うしそこなたのお兄さん」

と、声をかけんした

482コギトエルゴスム [2016/04/23 00:00:18 ID:GOXzyFKI]

(廓言葉似非でサーセンw)

戯「少うしそこなたのお兄さん」

ラ「え?」

コ「はい、何でしょう?」

戯「違うでありんす、そこなたの白い人でありんすよ。」

コ「両方白いですよ。」

戯「ほんでありんすね。ではそこなたのアラビアンナイトのような格好の人。」

ラ「あ、ラティです。というかその口調は?」

戯「生まれつきでおすものを。」

ラ「そうでしたか。」

ラ「ところでさっきの方は?」

どうやら不審には思われなかったらしい。

コ「コギトエルゴスムです。無礼をお許し下さい。」

(ぶつかった人はラティさんという程で、すいませんw)

483O,T [2016/04/23 16:46:48 ID:Q1yi0Xjw (sage)]

「ステップ1はクリア」
フロントで誰に言うわけでもなく、ゲロトルトは独語する。
チェックインさせて閉じ込める事に成功したならば後はじりじりと討伐隊一行を始末すればいいだけ。
一行は東棟2階端の部屋に誘導した。
『過去に爆弾テロが発生した』部屋とその付近だ。
部屋割りは端から黒猫、ジョーカー、黑華、わかば、J
、ラティ、和美、桜小町、ルキとなっていて、爆弾テロが起きたのはJの部屋だ。

80年前、2人組のテロリストがとある市長の部屋を爆弾を爆破した。
たまたま市長はその時いなかったが、巻きぞえで周囲の部屋に宿泊していた子供3人を含む13人の客が死亡した。
そして1人は仕留められ、もう1人は捕らえられ死刑判決を待っていたが脱獄した。
以降、もう1人の姿を見たものはいない。

ちなみにコギトエルゴスム、戯猫の部屋はそれぞれわかば、ラティの部屋の真下となっている。

484戯猫 [2016/04/23 19:13:16 ID:j2UE/MvY]

「コギトエルゴスムです。無礼をお許しください。」

「あぁ全然大丈夫ですよ」

と2人が話していんした
わっちは空気でありんすか
そいで2人の話が終わったのを見て

「お面はいりんせんか」

と、両方に聞きんした。どちらも「結構です」と言われんした
わっちは僅か残念そうに

「そうでありんすか……
それより御2方。顔が綺麗でありんすね」

と言ってコギトエルゴスムさんの顔に触ろうとしたら
コギトエルゴスムさんはバッと後ずさりんした
わっちはその行動を見て

「すいんせん
そんなに嫌でありんしたか」

と聞きんした
コギトエルゴスムさんは「いえ」と短く返事をしんした

485コギトエルゴスム [2016/04/23 23:32:17 ID:qX2bR/YY]

無論、嫌ではなかった。
だからといって正体を暴かれる訳にはいかない。

俺はそう思っていた。

ラ「俺は旅芸人をしているのですが、あなたの名前に聞き覚えがありますね。」

俺はこの人達に言わなければいけない、そんな気がした。

コ「・・・聞き覚え、というレベルじゃないのでしょう?」

ラ「え、あ・・・あぁ。」

俺は覚悟を決め

コ「隠さないでいいですよ。」

と伝えた。

ラ「わかった、 ――クルーズ客船「cogito ergo sum」。だったかな?」

486J◆kZDFwAt8do [2016/04/24 19:21:58 ID:MHlowTIs]

俺は皆を置いて一足先に部屋に着いていた。砂だらけの軍靴を脱ぎ、砂で黄色く染まり始めているコートをハンガーに掛けた。
部屋にはシャワーはおろか魔力冷蔵庫も無い。外見はかなり豪華に見えたが、中身は思ったよりも古い。古いというよりかは改装されていないと言った方が良いのだろうか。このホテルに入った時も随分と古い造りだと感じた。
このホテルには風呂が無いのかも思ったが、テーブルに置かれている地図を見つける。
その地図に記されていた公衆浴場。そうか、公衆の間で砂を落とすしかないのか、そう考えると物凄く気が病む。浴場に限らず、公衆と名の付くものは嫌いだ。傭兵時代に嫌程公衆で生活させられたからな。

鞄を床に置いて、下着、衣類とタオルを取り出す。こんな状態でベットに入るのは御免だ。
壁に凭れさせているアリスをベットへ置き、俺は部屋を後にした。

487J◆kZDFwAt8do [2016/04/24 19:48:10 ID:MHlowTIs]

スリッパを履くのはさしぶりだ。歩き辛いのに何処か和む。安堵の時間というものだろうか。
衣類を脇に抱え、片手に地図を持って浴場まで向かった。


この曲がり角の先か、固いスリッパで音を鳴らしながら廊下を歩く。
だが、見詰めていた地図を仕舞い、角を曲がった瞬間だった。

何かとぶつかった。
地図で周りが見えていなかった。魔力で強化された俺の肉体に跳ね返されて、相手が一方的に倒れてしまった。

「すみません、地図を見てしまっていたので周りが見えていませんでした。大丈夫ですか。」

衣類を床に置いて、ぶつかった相手に近付く。
少し屈んで相手を見ると、亜麻色の長髪から覗く紫色の瞳が俺を睨んだ。
その悪魔に睨み付けららている様な瞳に身体が固まっていると、相手はゆっくりと立ち上がった。

「すみません、すみません。ところで、厚かましい事を聞きたいんですが、公衆浴場はこの先で合ってますか?今日、始めてこのホテルに来まして、まだ内装が理解していないんです。」

その亜麻色の髪を掻き分け、彼女は答えた。

488戯猫 [2016/04/24 22:07:20 ID:aVc9NX/I]

「わかった、 ――クルーズ客船「cogito ergo sum」。だったかな?」
と、ラティさんが言っていんすがわっちにはわかりんせん話でありんした
それよりもわっちは砂でごわついた髪が気になり

「わっち は用事があるのでそろそろ行きんすね」

と言って借りた部屋に向かいんした

わっちは部屋に入ってお風呂を探したが見当たりんせんでありんした
そいでさっきは気づかなかったが机の上に地図が置いてありんした
わっちは地図を手に取り目を通すと公衆浴場の文字が記されていんした

「ふむ公衆浴場があったんでありんすか
髪を洗いたいでありんすから行きんすか」

わっちは衣類とタオルを手に取り部屋を後にしんした

僅か進んでいくと公衆浴場の文字が見えんした
砂漠を休まず進んでいたので入浴はいつぶりでありんしょうか
わっちは迷わず女湯へと足を運びんした

489小町◆iK/S6sZnHA [2016/04/25 18:41:25 ID:Dj7wqnb2]

長かった旅を一つ終え、やっと一人になれる部屋にいる。
爆弾があったようだが自分にはあまり被害がなく、
むしろ、それどころではなかった。

実の妹を亡くすという衝撃的な事実が自分を襲う。
他の皆に迷惑を掛けたくなかったためここまで無表情でここまで来た。

ー自分がここに入った理由…
それは妹がいたから。今まで一緒に過ごせなかったぶん話したかったから。
笑顔が見たかったからー…

このまま皆のと旅を続けるか、亡き妹の死を親族に伝えるべきか…
そんなの決まっていた。

どんどん人数が減り、その分新しい仲間ができ、笑い合い、喧嘩し合い、
…そんな何気無い毎日が楽しかった。
………でも自分がこの旅の仲間に入った理由。
それは“妹”。妹を一生守ると誓った。
だから最後の最後まで…………。

「春の国にわたくしはお戻り致します。」
そう一言呟いた。

490コギトエルゴスム [2016/04/25 19:30:08 ID:btg12Pzo]

「わっち は用事があるのでそろそろ行きんすね」

どうやら知らなかったらしいが、そちらのほうが好都合である。でもラティさんには知られてしまった。コギトエルゴスム号は謀反があった船として有名になっていた、それで知られていないから良いのだが。

「そろそろ戻ります。」

「待って下さい、貴方は本当に?」

「ええ、俺は船のメインコンピュータ、人工知能ですよ。」

去り際にそう言った。

(念力で心も読めてしまうんでそういう心を読んだような文があったらご了承)

491戯猫 [2016/04/27 19:51:24 ID:coGP76qU]

わっちが公衆浴場に入ると中は人がたくさん 混雑していんした

「人が多いでありんすね 」

わっちは憂鬱そうに呟いてシャワーを浴びに行きんした
わっちは人混みがあまり好きじゃありんせんので手短にシャワーを済ませんした
わっちが風呂場から出ると今から風呂に入る人が多いのか人がなだれ込むように入って来んした
わっちはその方々にもみくちゃにされながら外に出た時は疲れ切っていんした

「お風呂に入った気がしんせん 」

わっちは息切れをしながらそう呟き服を整えて何気なくまたふらふらとホテルの中を歩きんした

492黒猫@飲んで飲んで飲んで飲んで!◆XnZlCOiqk2 [2016/04/27 22:42:44 ID:07k9TiTU]

さてどうしたらいいのでしょう…
とりあえず、魔法の練習でも…
リボンをきっちりと巻き、
呪文を唱える。
そして煙のようなものを出してみたり、
色々な事をする。

そして遊び心でクッキーを作ってみた。(笑)
けっこう美味しいので皆にも渡そうかしら
なんて思った。

廊下をパタパタと走る。
曲がり角で誰かにぶつかってしまった。
「あっ!すいません…」
謝るとその人は私を見下ろした

493戯猫 [2016/04/28 06:20:49 ID:JlaARxlo]

>>492
わっちが廊下の角を渡るとどなたかとぶつかりんした

「あっ!すいません…」

と相手が謝りんした
わっちは相手を見たら女性でありんした
わっちは微笑み

「いいえ大丈夫でありんす
貴方は大丈夫でありんすか ?」

「はい。私は大丈夫です」

「そうでありんすか
なら良かったでありんす 」

と、わっち は言ってお辞儀をして彼女の横を通り過ぎんした
それにしても彼女の方からは甘い匂いが漂っていんしたね

494黒猫@アイス食べたい◆XnZlCOiqk2 [2016/04/28 16:28:25 ID:zf.gaJO2]

>>493
私がぶつかってしまった人は
すみません等の言葉を交わし、
去っていった。
あのかたは討伐組だったかしら?
きっとたまたま泊まっているだけ。

そう思い込み、
嫌な予感を飲み込んだ。
とにかく桜小町やJさん達にクッキーを渡そう
そう思い、桜小町の部屋のドアを叩く。
出てきた桜小町は少し悲しげな顔をしていた。

495∞美紀姐∞ [2016/04/28 17:49:32 ID:GTL8RYSk]

>>487
廊下を歩いていた時、地図を広げた男が歩いてきた。

避けようとした、その時――


ドンと音がし、私は崩れ落ちる

相手は「すみません、地図を見てしまっていたので周りが見えませんでした。大丈夫ですか。」と言った

せっかくのヘアスタイルが台無し。

何が大丈夫よ

そう思い、相手を睨む

相手の体が固まっているのに気付き、立ち上がる

私が立ちあがった時、相手は私に質問をしてきた

「すみません、すみません。ところで、厚かましい事を聞きたいんですが、公衆浴場はこの先で合ってますか?今日、始めてこのホテルに来まして、まだ内装が理解していないんです。」

地図見てたんじゃないの、この人

私は髪を掻き分け、答える

「地図見てたのに分からないって…どれだけ方向音痴なのよ。この先まっすぐ行って右に曲がればすぐよ。」

嗚呼…本当にムカつく。

私は苛立ちのせいか、もう一度、相手を睨んだ

496コギトエルゴスム [2016/04/28 19:35:51 ID:TWXEPKy2]

俺は部屋に戻る途中、寒気がした、機械なので寒気がする筈もない、危険信号であろう、そしてあることに気がついてしまう。

(なんだ・・・?)

それを透視してみる。

(爆弾?・・・いやそんなはずがない。でもこの形は確かに・・・)

俺は何か能力を使うときその部位が光るのだが、それと壁を凝視していたのを不審に思われたのか

「何をして――」(――の部分は自由に変えて下され)

と問われる、取り敢えず爆弾のことは言わないでおきたいが、言うべきなのか・・・?

497O,T [2016/04/28 19:43:07 ID:GvbvgtMs]

訂正
80年前、2人組のテロリストがとある市長の部屋を爆弾を爆破した。
→80年前、2人組のテロリストがとある市長の部屋を爆弾で爆破した。

周囲の部屋に宿泊していた子供3人を含む13人の客が死亡した。
→従業員1人が死亡した


498黒猫@アイス食べたい◆XnZlCOiqk2 [2016/04/28 19:43:08 ID:zf.gaJO2]

少し寒気がする。
小町は私を追い返した。
どうしたらいいかしら…?
廊下を進み自分の部屋へ戻る。

どこからか話し声が聞こえてきた。

「爆弾…」
「それを……でなくては」


「うるさいわ…」

今私は機嫌がわるいのよ…

爆弾…?どうしたらいいのだろう

「スゥッ…時間停止っ!!」

魔法で時間を止める。

499J◆kZDFwAt8do [2016/04/28 21:57:23 ID:Xu1RoyLw]

>>498

これって進めても大丈夫なん……?

500∞美紀姐∞ [2016/04/28 22:00:42 ID:GTL8RYSk]

>>499
一応、書いてみましたが…大丈夫でしょうか?

501J◆kZDFwAt8do [2016/04/29 10:50:07 ID:LPxMKxiI]

>>500
いやそっちじゃなくて、全然大丈夫だけど
時間止められてるって事は進めない方がいいのかなって

502黒猫@文字化け怖いw◆XnZlCOiqk2 [2016/04/29 10:51:45 ID:M5k.ao66]

Jさんだけ動けるてことで…!

503黒猫@お釈迦様は手を叩く◆XnZlCOiqk2 [2016/04/29 20:54:15 ID:M5k.ao66]

自分で時間を止めて思ったのだけど、
意味ないじゃん(笑)
「時間再生!!」

504J◆kZDFwAt8do [2016/04/30 01:10:37 ID:cJt1dD0U]

>>495

俺は一言、申し訳ありませんと返してその場を去った。
彼奴はどうやらこのホテルには何度か泊まっている様に見えた、ならば彼奴は本当の人間だな。


ここへ来る前、奇妙な者というか、不気味な男と出会った。
そいつはただ部屋の扉の前で立ち竦んでおり、何もせずただ立ち竦んでいたのだ。余りにも不気味だったので声を掛けてみるが、返事は無かった。
三回は声を掛けただろうか、完全な無視を決め込まれ、もしかすると聴覚に障害があるのではないかと疑ったが、その男が俺の方を見つめたというよりかは、廊下の方へ身体を向けたといった方が良いのだろう。
その時、男は迷いなく俺に向かって歩き出した。
俺は普通なら肩どころか身体全体がぶつかるだろうという位置だが、それを構わず真っ直ぐ歩き出していた。俺は避けようとは思っていたのだが、その俯いた男に疎み、体が固まっていたのだ。

そしてその男は俺の「通り」過ぎていった。

そうだ、俺の「身体を」通り過ぎていったのだ。
意味が分からなかったが、すぐにこれが幻覚か幻術系の魔法だと予想した。だとすれば、俺はここで命を狙われている。
俺はこんな経験は一度もない。幽霊などは信じていない訳ではないが、こんな物理的ともいえる接触をして来る幽霊はいないだろう。

不気味、というよりは一種の宣戦布告。
俺の思考回路は急速にその答えに着地した。


だからさっき、俺はさっきの女がぶつかった時、こいつはちゃんとした人間だ。と感じた。
だが、これも感覚系統を弄くられていたら分からない、喋り掛けてみてちゃんとした返事が返ってくるなら、こいつは本当の人間だ。ならば確かめるしかない。だから俺は初対面であるが、あんなに口数を増やした物言いをしたのだ。
いくら幻覚魔法といえど、会話のコミュニーションを取るとなるとそれは高等魔法を越えた禁術に近い。そんな魔法を扱えるのは、とてもじゃないが正真正銘、賢者くらいしかいないだろう。

こんな宿に賢者が泊まっているとは思えない。何しろ、こんな改築も改装もされていない古い所に、賢者という人間で出来た宝石を泊まらせる訳にはいかないだろう。

他にも思い付く考えを練り上げ、一つの着地地点に着地した。
この宿は大きな落とし穴だ。俺達はトラップに掛かった。
完全な根拠はないが、いくらなんでも不気味過ぎるし不可思議な点が多すぎる。



そう結論を出し、砂を洗い流した俺は浴場から退出した。

505J◆kZDFwAt8do [2016/04/30 01:28:16 ID:cJt1dD0U]

>>504

身体を通り抜けた下りは無しで御願いします……すみません

506コギトエルゴスム [2016/04/30 02:43:09 ID:t5IgE55Y]

>>499

あ、なんかサーセンね。
良いんじゃないでしょうかw(
つーかシナリオ力ないんだよなぁw
もうぶつかる下りはなしにしたいと思って他の考えたんだがなんかこれしか思いつかなかったw

507コギトエルゴスム [2016/04/30 02:44:14 ID:t5IgE55Y]

>>506

って俺のじゃなかったw完全に寝ぼけてます、ありがとうございましたw

508コギトエルゴスム [2016/04/30 03:28:28 ID:t5IgE55Y]

(496だがセリフはなしで)
俺は爆弾を見てしまった。疲れているんだと言い聞かせる為に公衆浴場とやらにでも行くとしよう。いっておくが水ごときで壊れはしない。

公衆浴場に着いた、俺は服を脱いで砂を洗い落としていく。

「?」

俺の感覚だと時間が止められた。

こういう時は不意打ちと聞くが仕掛けられる覚えはない。まあ壁にでも触れて振り返っておけば死角もなくなるだろう。仕掛けられたら瞬間移動で背後に回るまでだ。

そして時は動き出す。

何もこない。なんだったんだ?
さっきからこの宿は不気味な点が多すぎる。時間が止まったり、爆弾が見えたり、お面売り?と旅芸人の人間と出会・・・いや、そこは泊まっている人間の個性が強すぎるだけだ。

まあ爆弾と人間と聴いて思い浮かぶのは「テロ」や「戦争」だ、これは「テロ」だ。俺はそういう結論に至った。

509黒猫@お釈迦様は手を叩く◆XnZlCOiqk2 [2016/04/30 06:51:45 ID:Hfu5NN.6]

ここはとても良くない『何か』があるようで。
長年修業してた私に隠しようはないのよっ!
さて。Jさんに言ったら理解していただけそうね。
そして私はJさんの探すことにした。

510J◆kZDFwAt8do [2016/04/30 09:58:18 ID:iTfaTR4w]

何度でもいうけど爆弾はまだ設置されてないんやで?

511J◆kZDFwAt8do [2016/04/30 19:17:08 ID:gna8rjI2]

髪にこびりついた砂と、乾いた汗を洗い落とし、新しい着替えを纏ってベッドの上に座り込んでいる。
浴場から上がる時、自分は勝手に妄想していたが、今となればやはり思い過ごしかもしれないと感じる。確かに改装も改築もされてはいないが、悪くないといえば悪くない宿だ。
さっきの不気味な男も、聴覚に問題がある患者なのかもしれない。いくらなんでも反応しなかっただけで幽霊とは妄想も良いところだ。

思い過ごしの反省をし、俺は時計を見る。時間はもう11時を過ぎていた。そういえばこのホテルについたのが9時半位だったな。
皆はそろそろ就寝しているだろう。自分はまだ眠らないが、眠気が来るまでベットで休んでおこうか。
と、思ったが、アリスの手入れが済んでいなかったな。今日、デザートゲリランとの戦闘の後、軽く拭いただけで汚れていたままだった。

ベットから立ち上がり、鞄から道具を持って俺は壁に掛けているアリスの元へ寄った。

512コギトエルゴスム [2016/04/30 20:00:30 ID:RJcnB0c.]

そうだったんすか!(某摂政&イナフ並感)いや、割りとマジで設定理解出来ていないですwうーん、未来を見たということでw(設定のゴリ押し((((

513戯猫 [2016/04/30 20:59:39 ID:UqxJSBnA]

わっちはずっとホテル内を徘徊してはお面を売ろうと思いんした が結局1枚も売れんせんでありんした

「まぁなんとかなりんすよね」

と、わっちに言い聞かせんした
そいで、ふと壁に掛けてある時計を見たら11時を過ぎていんした
わっちは急に眠くなり部屋へと帰りんす
しかしこなたのホテルは入り組んでいるのか途中で僅か迷いながらやっと借りた部屋を見つけんした
早速ドアを開けてベットで休もうとしたら男の人が剣の手入れをしていんした
わっちはすぐに部屋を間違えたのだと思い

「すいんせん
部屋を間違えてしまいんした 」

と、言って部屋の外に出んした
わっち は眠たい目を擦りながら下へと降りる
そいでやっと借りた部屋に帰ってきんした
わっち はすぐにベットに横になりんした
砂漠の旅で疲れていたのかわっち はすぐに眠りにつきんした

514J◆kZDFwAt8do [2016/04/30 21:33:38 ID:gna8rjI2]

リカッソを握ってサンドペーパーで血を落とし、手持ちの砥石で地道に刃を研いでいく。本来これはナイフや短剣の研ぎ方なのだが、足踏み式の回転砥石が無いため、仕方なく応急措置で刃を研いでいる。
やはり回転砥石に比べると研ぎが荒い。

床に置いた紙が削られた刃の粉で溜まる。それをゴミ箱へ捨てて、今度は刃にオリーブオイルを垂らして塗りたくる。
後はオリーブオイルまみれになった刃を羊毛で綺麗に拭き取って終わりなのだが、俺が荷物から羊毛を取ろうとした時だった。

「……あぁ、すみません。」

部屋の扉がいきなり開いた。
鍵を掛け忘れた。そう思って扉の方を見ると、随分と和風の香りがする黒髪の女が立っていた。
群青色の着物に黒髪が馴染んで美人な顔がよく栄える。が、誰だこいつは。

「部屋を間違えてしまいんした。」

一つ頭を下げて、彼女は早々と扉を閉めた。
こんな所に春の国の方の人間が来るのか。旅行にしてはかなり遠出どな。
そう感じながら、俺は最後の仕上げを終わらせる。

均等にオイルを塗られ、艶かしく輝くその刃を、ゆっくりと羊毛で拭き取っていく。
片方の刃を優しく握り、そのまま滑らせるようにオイルを拭き取る。その作業を何度も繰り返す。
そして今度は片方の刃を新しい羊毛で拭く。
最後にリカッソと柄を濡らした布で掃除し、「風呂から上がった」アリスの剣先を上へ向けて、その姿を眺めた。

綺麗に反射する光と、自分の瞳。黄色人種にしては珍しい蒼い目がその刃に反射した。
俺の祖母が遠い寒い所の国から来た者だった。白に近い金髪に、透き通る様な白い肌。俺のこの瞳と、薄い肌の色はそこから血が流れているのだろう。

さて、作業は終了した。後はこの剥き出しの裸体に「服」を着せるだけだ。

ベッドの置いた鞘を持ち、ゆっくりと刃を収納する。
リカッソに刻まれた名の表にし、テーブルの上にそっとアリスを寝かせた。


515J◆kZDFwAt8do [2016/04/30 21:36:07 ID:gna8rjI2]

>>514
ちょっと誤字が多いな自分……

516O,T [2016/04/30 22:51:37 ID:YDc74Lak]

(本日の料理・お客様次第?)
ホテルに設けられたレストラン「トラタクティ」の前で旅人風の男が案内板を眺めている。
かなり自分勝手かつ迷惑な理由で討伐隊ーーー主にJを執拗につきまとう男O,Tだ。
Jを追ってホテルに(写真から取り出した金で)宿泊した。
てきとうにホテルを歩き回り、そして今に至る。
ちなみにトラタクティはフロントとその背後の中庭の先を行った所に位置する。
(なんだ?お客様次第って⋯⋯)
ホテルにそのまま外国の一軒家を持ってきたような洒落た入口をしていてしっかりした店なのだろうと伺える。
しかしお客様次第とは一体?この店は客の食べたいもの食べさせないのか?
スイートルームに宿泊した客には高級な料理を、一番安い部屋の客には一番安い料理を出すのか?
それとも身なりや身分で決めるのか?
不安が過ぎるが宿泊客は無料で食事できるそうなので入店を決めた。
自分は高級料理を食べたいとはさほど思わないし、ここ最近ろくなもの食べてないので料理ならばなんでもよかった。
店にはいって見ると、雰囲気のいい落ち着いた内装で、他の宿泊客も結構いた。
中庭に繋がっていて、そこで食事することもできるようだ。
隅のステージではなにやらすこぶる奇抜な衣装の青年がアコースティックギターを演奏している。
入り口に近いテーブルにつくと、外国人のシェフがやってきて挨拶をした。
独特の訛りからタクティッシュであることがわかった。
(こいつはハッピーだ。本場物のタクティ料理が食べられるのか。)
『言語の複雑さと料理でタクティッシュにかなう者はいない』
ということわざがあるぐらいタクティ料理の腕は最高だ。
店員は「わかりましたっす」とだけ一言つぶやいて、コップに水を注ぎ、厨房に戻っていってしまった。
まだメニューももらってないのに、いやそもそもメニューが見当たらない。
普通ならテーブルの上に置いてあるものだが。
お客様次第とはこういうことか、わかったとは何をわかったのだろう。
もし身なりで決めているなら旅人、もしくは乞食の服装の自分には粗悪な品が出されるという事になる。
客に対して非礼な行いはしないだろうとわかっていても不安なものは不安だ。

長い間砂漠を歩いていたので当然喉が乾いている。
コップの水をふくんで、水がやけに美味しいと思った。
(流石はタクティッシュ、水まで最高級ということか。)
砂漠渡ってきたから、という理由もあるだろうがそれを除いても本当に美味しい。
あまりのうまさにO,Tの目から涙が溢れ出る。
慌てて写真からハンカチを出して拭いても拭いても止まらない。
どんどん涙が流れ出て、眼球の白目がしぼんでフニャフニャになったところでようやく涙は止まった。
そしてある事に気付いた。
(眠気が吹っ飛んだぞッ!10時間熟睡して目醒めたみたいなバッチしの気分だーーッ!)
涙が眼球内を汚れとともに洗い流し睡眠不足を解消してくれたようだ。
(そういえば、最近よく眠れていなかったな⋯⋯)
目の萎みは一時的なものらしく、いつの間にか元通りになっていた。

結果から言うと、次々に出てきたコース料理はどれもおいしかった。
前菜、パスタ、メイン、デザート、どれも一口食べるごとに彼は「ンまーい」と叫んだ。
おいしいだけでなく健康に気を使ったヘルシー志向の料理で、O,Tの体の不調を全て治してくれた。

(天才だァーッ!天使のような料理人だあ〜あなたたちはぁ〜ッ)
(わたしはあなたたちのいるこのホテルに泊まったことを誇りに思うよぉ〜〜っ)
シェフのマッシュモ・トラタクティ、ホリオトラタクティに多めのチップを渡して、実にスガスガしい気分で店を出て部屋に戻った。
余談だがチップの金は村を追い出される時ドサクサに紛れて マッツォ・コーユー(下着ドロの被害者)の父親から盗んだものだ。


517ラティさん◆41s.EbZkzs [2016/05/01 17:56:43 ID:.Gro/OZU]

ホテルにチェックインしてから、ラティは乗り気ではないわかばを誘い公衆浴場に向かった。本当はJも誘おうと思ったのだが、Jは既に部屋を出たらしく、部屋をノックしても反応がなかった。

砂まみれになった身体を洗い流し、公衆浴場を出てわかばと分かれるとふいに背後から声をかけられた。
「少うしそこなたのお兄さん」





ラティはベッドに寝転がりながら、先程の二人について考えを巡らせていた。

名前は訊かなかったが、独特の廓言葉を使う面売りの女性、そしてコギトエルゴスムと名乗る、あのクルーズ客船「cogito ergo sum」の人口知能だというあいつ…。
どちらも注意しておいて損はないだろう。


このホテルに来てから不可解なことばかりだ。これでは無事にホテルを出られるかも不安になってきてしまう。

そしてふと、桜小町の事を事を思う。
昼間に妹を亡くしたばかりだ。いくら気丈な性格をしてるといえど、きっと凄く落ちているだろう。

「励ましに行くか…」



ラティは立ち上がり、桜小町の部屋へと向かう。すると見覚えのある姿と鉢合わせになった。
「あれ…?確かお前…」
「黒猫です!Jさんを探しているんです!一緒に来てください!」

518黒猫@空へ舞う世界の彼方◆XnZlCOiqk2 [2016/05/02 07:50:59 ID:l39wMFvQ]

ラティさんに出会ったので
協力を要請する。
快く了承してくれるとよいですわね…

519J◆kZDFwAt8do [2016/05/02 13:06:03 ID:97eF/eKg]

待ってたら時間がいくらあっても足りないぞ……

520J◆kZDFwAt8do [2016/05/02 23:34:14 ID:DirXDkz6]

承諾とかそういうのじゃなくて、バトン渡されてるんたから素直に貰えば良いだけの話じゃね?

521J◆kZDFwAt8do [2016/05/03 19:03:11 ID:1zOlXVOM]

テーブルに寝かされたアリスを横に、俺は次の日の準備をしていた。
服は洗濯に出したが、こんな古い宿でちゃんと洗われて帰ってくるかは分からない。砂で黄ばんだコートが架かっていたハンガーは既に箪笥へ仕舞っている。まぁ、今日で衣服が足りなくなっても夏の国で補充すれば良い。

そう考えながら無意識に回転式拳銃の弾を込めている。
フリントロックピストルからこのパーカッション式の銃を見たときは驚きだったが、今となればそうでもない
雷管で発射すると聞いた時はダイナマイトを発射するのかと勘違いしたものだ。

弾倉に6発の45口径弾を詰め込み、バッグに戻す。そして今度は新しい拳銃を取り、空の弾倉にまた弾丸を詰めていく。
合計4丁の回転式拳銃に弾を詰め、最後に、分解しておいたボルトアクションライフルを組み立てていく。
切り詰めた銃身に銃床。強襲用に改造したライフルに小口径の弾を込めていく。
計8発の弾丸を詰め込んで明日の準備は終了だ。

何故こんな武装しているか。それは魔王に接近するからである。
状況によっては兵士や警備員との戦闘が予想される。その側近に近付くためならある程度強引な手段を選ばなければならない。
その側近の拷問も考えにはある。拷問道具は縄とナイフ位しかないが、夏の国の闇市にいけばいくらでも拷問道具は売ってあるだろう。


最後にライフルの安全装置を付けてバッグの横に掛ける。
その時だった。扉が強く叩かれる。
態度が悪いな。そう思って部屋の扉を開けた。

「Jさん!いきなりごめんなさい。でも聞いて下さい!」

目に大きく映る黒猫の姿。その横にはラティもいた。

「何の用だ。」

俺は返す。
彼女は肩で呼吸をしながら言葉を返した。

「重大な事なんです。ここでは話せません。部屋に入っても良いですか?」

その言葉に疑問を抱く。何せこいつは元々は敵だった。
初めて会った時に殺すべきだと思ったが、今は違う。たが、信用はしていない。

「分かった。」

俺は二人を招いた。

522黒猫@お釈迦様は手を叩く◆XnZlCOiqk2 [2016/05/04 12:03:50 ID:rX.eGCqY]

Jさんに先程の出来事を伝える。
「先程、『爆弾』『爆発』というワードが聞こえ、先程少し魔法を使い時間を止めてみたのです。
やはり、ここはよくない何かがあるような気がしてなりません。」
そう告げる。

523J◆kZDFwAt8do [2016/05/05 18:56:59 ID:7vC3hH..]

更新が遅れて申し訳ない

524コギトエルゴスム [2016/05/06 19:04:43 ID:cNs4OEs6]

(更新遅れました、すいませんw)

クルーズ客船「コギトエルゴスム」のメインコンピューターである俺を創った創造主、以下"カレ"の創る人工知能は人間らしくないと不評だったが性能が良いことで有名であった。

それ故唯一人間らしい俺は恐怖を覚えてしまった。そう、これからおそらくテロが起こるのであろうということに。

体を洗っていた俺は部屋へと戻る。現在12時。

(それは良くないが良いとしよう。時を止めたのは誰だ?この館内にいることは間違いない。たとしても廓言葉のお面売りの方、旅芸人の方ではないことは確かだろう。)

もう眠ってしまおうと思いながらそんなことを考えていた。

俺は夢を見た。そこに"カレ"がいた。

「君は眠っている。」

「ああ、そうだな。」

「君はここで仲間と出会う。」

「救いたいかい? 彼らの未来。」

俺は頷く。

「ならここまで走ってこられるかな?」

俺は無我夢中で走った。
果てしなく永く続く階段を登り詰め、"カレ"の元まで来た。

「影は光が強いほど大きくなる。
 後ろを見てごらん。」

その言葉通り。俺の影は大きくなっていた。

巨大な影となり、具現化し襲いかかってくる。

「うわぁぁッ!」

俺は影に飲み込まれる。

「大丈夫、出来るさ。影は、いや魔は、君を幾度も飲み込もうとするだろう。だが君の力は意思に呼応する。だから ――恐れないで
――そして忘れないで。魔を打ち砕くのは、君なんだ。」

(目が覚めそうになる。)

525黒猫@(。-∀-)◆XnZlCOiqk2 [2016/05/06 21:01:24 ID:lNtrpQuU]

きっとものわかりのよいかたや
魔法などが使える方は
時間が止まったことは気づいてるんだろう。
さて。ここからどうなるのか…
「楽しみですわ」ボソリ
「ん?どうした?」
とラティさんに聞かれてしまった。
「いえ。何でもないわ。」
ここから私の本領が発揮されそうね。

526O,T [2016/05/06 22:54:44 ID:9PfNfwDI]

能力名変わりますがストーリーには影響ないです

「イエスタデイ・ワンス・モア」
ゲロトルトの抑揚のない声が〝無人〟の黒猫の部屋に響く。
その声を合図に床から塵か灰か、或いは煙のような白い何かが舞い上がる。
白い何か達ははほんの短い間つむじ風を思わせる動きで踊り、あっという間に固まり別の何かに生まれ変わった。
討伐隊のメンバー、黒猫だった。
この黒猫はついさっき部屋にいた黒猫と完璧に同じモノだ。
物質もポーズも、髪の揺れ方、落ちた糸くず、なにもかもが全く同じ。

『過去の出来事を完璧に再現する』

それがゲロトルト、そしてウチレスニアに縛られる幽霊なら誰でもが持っている能力。
『ホテル・ウチレスニア』同様、半年ほど前落下した謎の隕石の影響で目覚めたまさに天から与えられし能力。
それが『イエスタデイ・ワンス・モア』だ。

再現によって生み出された黒猫を舐めまわすような目つきで観察するゲロトルト。
(そろそろか?)
そう心の中で呟いた直後、黒猫に変化が訪れる。
黒猫の位置が微妙にズレたのだ。
ただズレただけならなにも問題はない。
しかし「なんの前触れもなく」、「まばたきよりも素早く」、「一瞬で移動した」のだから完璧に問題だろう。
その様子は超常現象的な言い方をすると時間を消し去ったようであり、例えるとすると一部のコマを切り取って再生したビデオのようであり、とても不自然で不気味だった。
そしてこの不気味な現象はこの一件だけではない。
コギトエルゴスムという客もこれと同じ動きをしているのだ。
それも同時刻に。
過去の黒猫が白い何かに戻って消滅したのを確認し、ゲロトルトは推理を始める。
(瞬間移動の能力か?)
魔王を討たんとしているのだからそういった異能を持ち合わせていたところでおかしくはないだろうし、それくらい想定内だ。
(だが2人同時に発動したのはどういうことだ?)
しかもその2人に恐らく面識はない。

(この2人だけが自由に動き回れる空間を創り出したのか?)
(そうだとしても何故この2人?)
(条件があるのか?)
両翼を広げた鷲を象った顎鬚に手を置いてしばらく考え、そしてハッとなにかに気が付く。
そこからの行動ははやかった。
とある理由で持ち歩いている小麦粉を床に撒き、再び再現を開始する。
するとどうだろう、黒猫が瞬間移動したと同時に小麦粉にいくつもの足跡が出来上がったのだ。
黒猫が移動していない床にもだ。
その後糸を張る実験をしてみると一瞬で複数の糸が切られた。

(わかったぞ⋯これしか考えられない⋯⋯)
(黒猫、それとコギトエルゴスムとかいう機械を名乗る男)
(「時間」だ⋯⋯この2人は時間を止められるのだ。)
部屋を元通りにして、男はロビーに向かった。

527J◆kZDFwAt8do [2016/05/17 22:14:56 ID:XE1lAR9I]

本当に申し訳ない、とりあえず上げる

528O,T [2016/05/29 22:45:01 ID:cteUaPcc]

あげ
J君に任せてばかりいて本当にごめん

529O,T [2016/05/29 22:53:36 ID:cteUaPcc]

これからは俺も頑張る

530J◆kZDFwAt8do [2016/05/30 20:31:04 ID:c2ULy6Hk]

そんな事言わないでくれ

531J◆kZDFwAt8do [2016/05/31 22:05:18 ID:lQYbczpI]

>>525

次から次へと流れる単語に、俺の脳は拒絶していた。そしてそれを無理矢理受け入れようとするが、どうしても出来なかった。
時間を止めた?意味が分からない、理解が出来ない。
これが通常である筈だ。俺は今まで何度も生死をさ迷う様な体験をして来て、様々な状況に置かれてきた。だが、全ての状況を生きて帰ってきて、今ここに存在している。

だとしてもだ。時間を止める。ましてやそんな事態を真に受ける事は出来ない。何故ならそんな体験はしていないからだ。
俺は彼女の言うことを「ただの妄想」と一蹴りにしたかったが、この関係を崩す必要もない。だから適当に受け止める事にした。

「ならば、そうだな。先ずは皆をかき集めた方が良い。散らばっていると危険だ。」

俺はこういう返事をした。
この返事が彼女の言葉に合う応答なのかは分からないが、一先ずはこれで会話を繋げておこう。

「分かりました。何処に集合しますか?」

直ぐに帰ってきた彼女の返事。
何処に集合するか、こんな古びたホテルでメンバーを確認出来るような場所は一階の広場くらいだろう。

「一階の広場で良いんじゃないかな。」

俺が言おうとした事をラティに先手取られる。

「あそこなら、皆が集まっても大丈夫だと思う。広いし。」

その言葉に俺は応えた。

「ならばそれでいい。俺は後から集合する。武装をもう一度解体しなければならない。」

「武装?強襲でも仕掛けるのか。」

「それも想定している。」

彼は顔を歪めた。

「夏の国にテロでもしに行くとでも言いたいのか。」

「テロではない。」

「分かった。とりあえず僕達は下に下りておく。」

そう彼は返して、黒猫と共に俺の部屋を出ていった。
正直な所、こんな殆どの人間が寝付くような深夜に皆を呼び出してもどうなのかと思う。
だが、メンバーの現状を知るにはこの方法が手っ取り早い。


俺は扉の鍵は開けたまま、銃火器が詰め込まれたバッグに近寄った。

532O,T [2016/06/01 00:48:24 ID:frUBEdwo]

次ぐらいで設置します


Jがバッグに向いた時だった。
「む!初めて⋯⋯見る⋯⋯⋯」
「なんだ⋯⋯⋯?⋯⋯⋯この道具⋯⋯⋯?」
Jが気づいた時にそいつはすでにそこにいたのだ。
そいつは、その男は図々しくバッグを物色し銃火器を物珍しそうに、興味津々で手に取って見ていた。
その様子は道具を初めて目にした猿のようだった。
「いや⋯見たことあるぞ⋯⋯いつだったかな⋯?そうだ、リョシカゲが作っていた⋯⋯」
なにやらブツブツと呟きながらリボルバーを観察している。
その瞳に光はなく、クレバスのようにドス黒い。
そいつの行動は異様そのものだった。そして服装も同じくらい異様だ。
モーニングベールのような日除けが付いたキャップ。
キャップの無数の穴からは髪の束が飛び出て、先端は弧を描くように顔側に反っている。
かなり露出度の高いベストとスカートのせいで背中や太股は剥き出しで、露出した肌にはいくつもの鷲と時計のタトゥーが掘られている。
瞳から帽子、髪、スカートまで全身黒づくめ。
このぶっ飛んだファッションの不気味さは、一目見れば何日も脳裏に焼き付き夢にまで出てうなされそうなほどだ。
特に、部屋に戻る途中「体を通り抜けられた」Jは生涯忘れる事はできないだろう。
「まさか⋯⋯これが銃なのか⋯⋯?時代がようやくリョシカゲに追い付いたというわけか⋯⋯⋯」
本来の目的を忘れたのか、それとも最初から銃が目的だったのか、依然ぶつぶつ言いながらバッグの中を漁っている。

そいつの名は「リイサマバ」。
80年前、相棒のムラ・リョシカゲと共にこの部屋に爆弾を設置した。
たまたまターゲットはいなかったが、誤って起爆してしまった従業員は死亡した。
その後、この2人を追っていた捜査官と死闘を繰り広げる。
そしてリイサマバは仕留められ、リョシカゲは捕らえられ死刑判決を待っていたが脱獄した。
以降、リョシカゲの姿を見たものはいない。
リイサマバの魂はホテル・ウチレスニアの強大な霊力に引っ張られ、地獄に向かう事もできず80年間ずっと幽霊として過ごしている。
リイサマバの幽霊、それこそが今Jの目の前にいる存在だった。

533J◆kZDFwAt8do [2016/06/01 20:29:51 ID:OzLZUsuI]

銃火器を詰め込んだ鞄を好きなように物色し、分解する様な勢いでリボルバーをいじり倒している目の前の男。
ウニの様な頭に、真っ黒な露出の高い服装から見える肌は刺青で覆われていた。
奇抜。時代を先取りだなんてレベルじゃない奇抜な格好の黒ずくめの男。そいつは、さっき俺の身体をすり抜けて行った奇妙な男に酷似していた。いや、酷似どころではない。その者だ。

そいつは、俺が後ろにいる事を構わずに、今度はライフルに手を伸ばそうとしていた。

「あんた、何処から出てきた。何をしてるんだ。速く出ていけ!」

俺はその男の肩を掴もうとした。掴んで、そのまま地面に叩き付けてやろうと思った。
俺の右手が男の肩に触れる。瞬間、俺は思いきり力を入れた。

入れたはずだった。


男の肩を「貫通した」俺の右手は、込められた力をそのままに空振りする。
宙に浮かんだような感覚になった自分の身体は、バランスを崩して鞄へ激突した。自分の身体が金属と木板に叩き付けられる音が鳴る。痛い。しかも加えて嫌な音が響く。
雷官が爆発した爆音。乾いた音と共に、その弾丸は俺の肩を撃ち抜いた。

「何をしている?だって?」

俺を見下す黒ずくめの男。そいつは、さっきまで物色していたリボルバーを自然と握りこんでいた。
そんな事より重大なのは俺の肩だ。左の肩甲骨の真ん中を綺麗に撃ち抜かれている様だ。まともに腕が上がらない。安全装置を掛けていた筈なのに、たかが人体がぶつかった衝撃で暴発するなんて。

幸い弾は抜けている。弾創の一つや二つなら三日もあれば回復する。
俺の思考は自分の肉体の損傷状態を確認した後、瞬時に目の前の障害を排除する様に脳が働いた。

「見たところ警察関係のヤツじゃあないみたいだな?」

揺らめきながら立ち上がろうとする俺を見下す男。
警察関係の奴。なんだこいつは、賞金首にでも掛けられているのか。

「それを、返せ!」

足のバランスが確かになった時、俺はその男にライフルの銃口を突き出した。

534黒猫@(。-∀-)◆XnZlCOiqk2 [2016/06/01 22:09:52 ID:jwl.oe6U]

皆の部屋を回っていく。
そして皆が集まったその時だった。
『こんなこと』が起きるとは。
誰も想像してないだろうな。

「舞台の幕開けと行きますわね…」
小声で呟く。

535O,T [2016/06/01 23:54:07 ID:6dvl4nJk]

>>533
「む!思い出したぞ⋯⋯こいつは傭兵のJ、テーブルのツヴァイヘンダーがアリス、そして魔王討伐隊だ⋯」
「そうだ⋯⋯⋯オレの任務はあの記憶を呼び起こして⋯」
「最近調子が悪いな⋯さっきも廊下で⋯⋯」
Jを見下ろしていたと思えばまたなにやらぶつぶつと言っている。
しかし突き出された銃口に気付いてからの行動は素早かった。
ひょいっ、とバレルを掴みJの手から取り上げる。
そしてテキパキと時計のようになめらかで正確な動作であっという間に銃を分解してしまった。
しかも片手でだ。
やる気のなさそうな態度で隙だらけに見えるため、より得体の知れなさが増す。

Jを追い詰めているのはリイサマバの幽霊だけではなかった。
Jがリイサマバに意識を向けている間、ドアの方で何者かがこっそりと動いていた。
部屋の中でドアに細工をしている1人目の男と、急かすようにその男と廊下とを交互に見る2人目の男。
1人目の男の姿を見た瞬間、2つの理由からJの背筋には身の毛のよだつような恐怖の疼きを味わうことだろう。
1つ目の理由は1人目の男がダイナマイトの束をドアに設置している事だ。
恐らくこの部屋を吹き飛ばせるぐらいの威力だ。
そしてもう1つはその男が今目の前で自分を見下ろしている事だ。
「もっと早く終わらせろよ。モタモタしてると誰かここに来るかもしれないじゃあないか!」
「今⋯⋯終わるぜ⋯⋯」
リイサマバの異様で近寄り難い雰囲気に対して、リョシカゲと呼ばれた神経質そうな黄色人種の男は「普通」だった。
どこにでもいるような背広を着た会社員、見たところそのような感じだ。
金髪、白いスーツ、ドクロ柄のネクタイは除いて。
正反対の外見の2人はJなど見えていないかのように堂々としている。
それもそのはずこの2人は『イエスタデイ・ワンス・モア』で生み出された「爆弾テロ事件の再現」なのだ。
黒猫とラティが部屋を出た直後からリイサマバによって再現は開始している。
(当のリイサマバは銃に夢中になって少しの間忘れていたが)
再現なのだから過去の出来事の通りに動き、まばたきや呼吸のタイミング一つズレることはない。
「早く離れるぞ」
「ああ⋯奴隷開放のために動く者は許さない⋯⋯死んでもらうぞ、スニーキー・ブラマツ市長」
作業を終えた2人のテロリストはその場を後にした。
丁度Jが銃口をリイサマバに向けた時だった。

2分後、テロリストと同じく過去の再現の一部である従業員がドアを開く。
この時仕掛けられたダイナマイトが起爆して従業員とJの部屋を吹っ飛ばす。
爆発でできた塵や欠片も再現の一部なので当時と全く同じルートを一寸の狂いもなく進んでいく。
例えルート上に頑丈な盾があろうと人がいようと強力な防御結界があろうとお構いなしに貫いて進む。
それはまるで散弾銃の弾のようで、あらゆるものを蜂の巣にして、ズタボロの別の何かに変えるだろう。
窓もドアも、部屋全体も過去の再現なので無理矢理ブチ破って脱出する事も不可能だ。
もっとも、窓を破壊できたとしても「ホテル・ウチレスニア」の能力のせいで外に出られないが。
完全密室、脱出不可能、能力でさらに冷酷で残忍なものにパワーアップした爆発、そして幽霊。
制限時間はたった2分。
この状況で無傷で生き残るのは、歴戦の傭兵Jでも容易ではないだろう。

536J◆kZDFwAt8do [2016/06/03 21:02:34 ID:.7Y9.9hI]

これは、大きな失態だ。傭兵として恥ずべき失態だ。
現役ならこんな失敗は犯さなかった。くそったれ、悪態をついてるだけでは事態は収拾しない。
左肩の出血を押さえながら、分解されたボルトアクションライフルに近付く。弾丸の一つからネジの一本まで見事に分解されたライフルは、もはや組み立て様の無い有り様になっていた。
もうライフルは諦めよう。そう決心して血だらけの右手でテーブルに置かれているアリスを手に取った。
そのまま俺はダイナマイトまで走る。刻々と雷菅に近づいて行く導火線に目掛けて、俺はアリスを思いきり降り下ろした。
導火線を斬ってしまえば後は本体の処理だけで済む。そう考えていたし、それが常識だった。

だが、手に渡る感覚は糸を斬った様な軽いものではなかった。まるで、金属を叩いたかのように、刃は跳ね返された。

「はっ……あぁ!……はぁ……!?」

思わず声が漏れる。
あり得ない、俺は確かに導火線を斬った筈だ。
そのあとも、何度も、何度も、何度もその導火線目掛けて刃を当てた。だが、一行に糸が斬れる気配は無い。

そうか、これは魔力で補強された糸か。ならば話は早い。
俺の思考回路がそのように解釈すると、肉体は反射的にダイナマイトの爆発の進行路からずれたベットの方へダイブした。
必死に身体を地面に伏せてアリスを片手に抱きながら、片方の手で頭を保護した。
撃ち抜かれた肩の痛みなんて何処かに消えていた。今、自分に起ころうとしている事態の方がよっぽと恐怖だった。

まるで時の流れを操られたかのように導火線の火が進む音が遅く感じた。
糸が少しずつ燃えていく火花の音、その恐怖を拡大させるかのような焦げた臭い。
死に近づいていくという実感、それと反対に芽生える生き抜いてやるという神経。
頭の中で様々な思考が走り回っていた。
夏の国に近い場所であるこのホテルの中はとても暑かった。だが、今は暑さがどころかとてつもない寒気が俺の身体を襲っている。
意識が飛びそうな感覚の中、俺の脳を覚醒させたのは、この瞬間を待っていた爆音だった。

寒気から熱さに身体は包まれる。鼓膜を引き裂くような断末魔のようや爆発音。もはやそれは自分の断末魔なのかさえも分からない。
熱さはさらに増していき、背中が焼きただれていくのを実感する。
魔力で強化された肉体が仇となった。拷問よりも激しい苦痛とストレスが俺の精神を犯していく。

手足の感覚が無くなってきた。喉が物凄く乾いた。息が出来ない。
一瞬の気絶の後、俺を覚醒させたのは「何かが」俺の身体を押し潰しているという感覚。きっと瓦礫だろう。
こんな状況でこんなにも思考が出来るという事は、多分生きているという事だ。生きているのならば身体は動くはずだ。

だが、いくら力んでも身体は微動だにしなかった

537戯猫 [2016/06/04 19:50:41 ID:XHq/NeTY]

わっちは爆発音で目が覚めんした 。
わっちは何事かと思い、廊下に出んした。
するとある部屋が焼け焦げていんした 。
その部屋はわっちがさっき間違えて入った部屋でありんした 。
わっちはまださっきの男性が中にいるのじゃありんせんかぇ? と僅か気になりんした 。
わっちは廊下を歩いていた力の強そうな大柄の男性の顔に触れて

「ぬしの顔『借りんす 』」

と、言って男性の顔の顎あたりから捲るような動作をして、顔を借りんした 。
そいで わっち の手にはさっきの男性の顔がありんした 。
わっちはその顔をわっち自身の顔に付けんした 。するとわっち の顔はみるみる変形していき、さっきの男性の様な顔になりんした 。

「準備完了でありんすね 。では、行きんすか 」

と、言ってわっち は部屋に飛び込みんした 。


中はまだ僅か 焼けてる部分がありんした
わっち は着物の袖で口を押さえつつあたりを見渡すとある男性が目に留まりんした 。それは先程の男性でありんした 。
わっち はその男性に近寄るとその男性は見るも無残な姿をしていんした 。
わっち はその男性に乗ってある、瓦礫を退かして、肩を貸して運ぼうとしんした が、上半身は焼けただれていたので お姫様抱っこをしんした 。
顔借りた大柄の男性のおかげか男性を抱き上げるのは簡単でありんした 。
わっち はそのまんま 部屋の外に出ると、男性の仲間と思われる魔法使いに

「こなたの御方はぬしのお仲間でありんすね?」

と、訪ねんした 。

538名無しさん [2016/06/04 21:26:16 ID:UxlwcSRI]

>>536
すごく大きな音が聞こえ、
Jさんの部屋へ向かう。
そこには、瓦礫の下敷きとなった
Jさんがいた。
『これは大変なことだ』
そう思い、私は叫んだ。
「治療魔法!!」
Jさんが目を覚ましたら。
急いで爆発の元を探らなくちゃ。
そして私は、
体力の使いすぎか意識を手放した。





誤字あったらごめんなさい
今回かくにんしてないです

539黒猫@(。-∀-)◆XnZlCOiqk2 [2016/06/04 21:31:31 ID:UxlwcSRI]

>>538
ごめんなさい私ですこれ。

540コギトエルゴスム [2016/06/04 22:10:25 ID:mJvwjlog]

>>538
俺は夢から覚め、大急ぎで「彼ら」の元へと向かう。
そこには顔借り、魔法使い、傭兵がいる、俺には直感で解った。
「治療魔法!!」
魔法使いが治療魔法をかけたらしい。
「大丈夫ですか!?」
「わっちは無事でありんすが、一人は爆発、一人はそれに治療魔法をかけ疲労で意識不明でありんす。」
俺は体力を使い果たしたと思われる魔法使いに声をかける。
「・・・ッ」
やはり意識が飛んでいるだけのようだ、まだ間に合う。
「癒しを!」
魔法使いが目覚めると殆ど同時に傭兵らしき男も目を覚ます。

(最近来れてなくて申し訳ない。)

541O,T [2016/06/04 22:21:36 ID:DvS8Uu7M]

フロントと一体化していて、3階まで吹き抜けになった造りをした広場。
床には金糸を使った赤絨毯が敷かれ、壁や柱は豪華で重厚な大理石が用いられている。
中央には水差しを掲げた女神像が設置されている。
頭上の豪華絢爛で巨大なシャンデリアや部屋のあちこちに並べられた燭台が部屋を照らす。
元々ホテル・ウチレスニアは荒辺飛露伴という作家の小説「トレマース」に登場する「グランド・アベビスコ・ホテル」をモデルに造られており
外観、内観共に原作を忠実に再現されている。
初代支配人蔵子・Q・ラヤティーキュをはじめとするホテル関係者、建築設計した愛尾雅里が熱烈な荒辺ファンだという事は言うまでもない。
そしてこの事から荒辺ファンが度々訪れるようになり、映画トレマースのロケ地に抜擢された事も言うまでもないだろう。
もちろんこの広場もグランド・アベビスコ・ホテルの広場を忠実に再現したものだ。
主人公がトレマースに登場する怪物グラケエノとの死闘のシーンで有名。

そんな有名な広間を模したこの広間に、続々と討伐隊のメンバーが集まりつつある。
11時なので広間には討伐隊と従業員以外誰もいなかった。
その様子をフロントからゲロトルトが怪しまれない程度に見ていた。

(予想より早く勘づいたか)
この事は従業員によって既にオレの耳に伝わっていた。
例の時を止めた少女がJに危機を伝えているところを従業員が盗み聞きしたのだ。
報告を受けた時、一つの疑問が生まれた。
『先程、『爆弾』『爆発』というワードが聞こえ、先程少し魔法を使い時間を止めてみたのです。』
これはどういうことだ?
まさか念聴や予知、読心などの能力を持っているのか。
従業員達には絶対計画を口に出さないようよく釘を刺している。
討伐隊の前でそんな事をするわけがないし、能力で知ったと考えていいだろう。
だとしたらかなり厄介だ。
宿帳を破壊すれば脱出できる事がバレる恐れがある。
しかも時を止めることまでできる。
何秒止められる?時を止めている間に宿帳を破壊すればそれでもう終わり、我々は呆気なく敗北する。
他にも恐ろしい能力を隠し持っていてもおかしくはない。
これでは無敵ではないか。
幾多の修羅場をかいくぐってきた傭兵のJは恐らく強敵だろう。
判断力に富み、頭もキれ、戦闘もプロのはずだ。
そう考えまず最初にJを始末する、Jさえ倒せば後は楽なものだと考えていた。
だが甘く見ていた。討伐隊で本当に厄介なのは「傭兵」ではなかった。
真に恐ろしいのは⋯⋯⋯!!
(あの「無敵」の少女の方だった!)

従業員から新しい報告を受ける。
リイサマバはほぼ成功したようだ。
全身を焼かれ潰され折られ、満身創痍とのことだ。
死んでいないのが残念だが、これでJは動かなくなったので充分だろう。
しかし黒猫の隠された能力によって治療されてしまうかもしれない。
さっきから憶測ばかりだが時間さえも支配する化け物に対して石橋を叩きすぎる事はない。
(やはり、最初に始末するべきは黒猫だ)

542コギトエルゴスム [2016/06/04 22:24:22 ID:mJvwjlog]

>>540
過去を見てみるとどうやら爆発物はドアに設置されていたようだ。
強化され金属のようになった導火線と共に。

543O,T [2016/06/04 22:42:20 ID:DvS8Uu7M]

戯猫さんがせっかく書いてくれたんだし黒猫さんより先だから
戯猫がJ救出→黒猫が治療→コギト到着ってことでいいかな?

544J◆kZDFwAt8do [2016/06/04 22:59:31 ID:fdBBzqlA]

合わせやすい方で大丈夫よ

545J◆kZDFwAt8do [2016/06/04 23:54:31 ID:fdBBzqlA]

覚醒。

俺の意識を復活させたのは、目の前にあるシャンデリアの光だった。
悶える事すら出来ない痛みと、後頭部の違和感は無くなっていた。痛みが消えた事を確認すると、次第に身体の感覚が戻ってくる。
肌寒い。俺はゆっくりと身体を起こし、身の回りを見渡した。どうやら自分は全裸の状態で、ソファーの上で毛布を掛けられていた様だ。ぼやけていた視界の歪みは徐々に回復し、力の入らなくなっていた腕もまともに動かせるようになってきた。

身体の感覚が完全に戻った後、酷い喉の渇きが俺を襲った。何の乾きだろうか、そもそも自分は喉の渇きを実感出来るという状態まで回復出来ているのだろうか。
そう考えていると、廊下からラティが表れた。
コップ一杯の水と、タオルを持ってこちらに近づいてくる。

「大丈夫か?」

彼の一声。俺は一先ずコップの水を飲み干してから、それに答えた。

「俺は生きているのか。」

その返答に彼は苦笑いしながら応えた。

「生きてるからその水を飲めるんじゃないのかい。」

「それは、そうだな。」




その後、彼から衣服を貰って状況が落ち着いてきたら、あの後自分がどうなったのかを聞いた。
やはり自分は酷い状態だったらしい。いくら高レベルの回復魔法を掛けられたとはいえ、今こうして座っていられるのが不思議に思う。
魔力で強化された肉体だからこそ、致命せずにいられた。だが、どちらにしろあのまま放置されていたら死んでいただろう。

俺はしっかりとした水分補給を終え、彼に問う。


「アリスはどこにある。」

「あぁ、今持ってくる。」

そういって彼はカウンターの方へ歩き、受付人からツヴァイヘンダーを明けとったラティは、俺に手渡してくれた。

「……僕はその剣が恐ろしい。あんな爆発に巻き込まれながらも、その剣はJさんを拘束するかのように、腕をえぐり混んでいた。」

彼は俺に語った。

「欠けてもない、錆びてもない、焦げてもない。Jさんの腕の血が、まるで刀身に吸われるように乾燥していったのは身が震えた。」

その言葉に、俺は冷静に返す。

「アリスは、生きてはない。血を吸うのも、鍛え直した時にそういう素材を使ったからだ。ただ、他と違うのは俺が余にも信用している存在というだけだ。それだけなんだ。」

そうだ。アリスは生きてない。

もう死んだのだ。

546J◆kZDFwAt8do [2016/06/05 13:17:39 ID:2Cyb3IjY]

その後、爆発事件があったというのに慌ただしい様子がない従業員を不気味に思うが、これが物理に干渉する幻術と考えれば何もおかしくない事なのだと解釈する。
やはりここはおかしい。そもそも、夏の国から数キロしか離れてないのにこんなホテルが建っている時点で変だった。
俺の部屋に突如現れた二人の男も、そういう罠だったのだろう。
くそったれ、本当にこれは大失態だ。こんな分かりやすい落とし穴、いつもなら直ぐに察していた筈だ。

俺のせいでメンバー危険に晒す事にもなった。
ならば、どうすればいい。
これは俺が犯した失態なのだ。ならば俺が解決し、俺がメンバーを助けるべきだ。
つまりこれは俺の戦いだ。

どうせカウンターに立っている受付人も、このホテルさえも幻術魔法の一つだろう。
こうして幻術に気付いたのだ。気付いたのならば、後はその幻を破壊するのみ。


決心。
俺はソファからゆっくりと立ち上がり、アリスを握り締めた。
そうだ、破壊するのみだ。爆発くらいで混乱しないのならば、無理矢理このホテルを混乱させてやる。
その混乱に乗じて、ここから脱出する術を見つけだすのだ。


「Jさん。どうしたんだ。」

立ち上がった俺を見掛けたラティが話し掛けてきた。

「もうすぐ黒猫達も帰ってくる。まだ待とう。」

何処に行ったのかは知らんが、破壊行動を行うなら先ずは皆に伝えるべきか。

「そうだな。」

ただ、俺はそう返した。

547黒猫@(。-∀-)◆XnZlCOiqk2 [2016/06/10 06:03:16 ID:2fmtqD9U]

目も覚めて、回りを見渡す。
「すいません…気を失っていたようで…」
さてここからは、
回りに気をつけて行動しないと。
魔法で人に迷惑をかけたら意味がない。
「私はそう簡単にやられないわよ!」
負けない。絶対に。

548J◆kZDFwAt8do [2016/06/10 23:59:05 ID:5MbMtVQQ]

その後、俺達は赤絨毯の上で今後の動きを考察している。


「消息不明のメンバーは何人だ。」


俺の第一声。それに皆は黙り混む。
俺は部屋が爆破される前に、確かに全員をここへ呼び出せと言った筈だ。
だが、明らかに人数が足りない。10人程はいたはずのメンバーが欠けている。

「現時点で見当たらないのは、ジョーカー、桜小町、藍、和美、わかば。これで合っているな。」

俺は彼等の無言を断ち切りながら話を続ける。

「そして、知らぬ者が二人。」

そういって、俺は和服姿の女と、見知らぬ男を睨んだ。


くそったれ、こんなにもメンバーが欠けるとは思わなかった。
このホテルは罠だと解明された。だとすれば、行方不明になった者は殺されたのだろう。それしか考えられない。
今頃ひょこひょこと出てくるなんて有り得ないからな。


まぁ、殺されたのならば、それでいい。死んでしまったのならばそれまでだ。

それにしても、集まったメンバー達は未だに口を開こうとしない。

「お前達はいつまで沈黙を貫く気だ。」

俺は嫌気がさした。

「ここにいないメンバーは、死んだのだろう。そうじゃないのか。」

はっきりと言った。いつまでも誰が死んだ誰が死んでないとかいう下らない事で事態を長引かせる訳にはいかない。
すると、まるで俺の言葉を否定するかのように返事が返ってきた。

「でも!まだ死んだなんて決め付けないで下さい。死体も見付かって無いのに!」

黒猫。お前は何故、彼奴等が生きていると信じられる。
今、ここにいないのならば、死んだという事だ。

「何なのだ。お前は。何が言いたいのだ。」

俺は続ける。

「前までは敵対関係だったというのに、今はこうしてメンバー面か?俺達を殺そうとしてたじゃないか。天月とかいう殺し屋と一緒に。」

彼女は妨げるように言い返す。

「それは違います。断じて!」

「何が違うんだ。どう違うのだ。さっきも、時間を止めただのなんだの、訳の分からない事を抜かしていたな。」

「それで俺達を混乱に陥れたつもりか?それはそうだな。お前は以前まで敵対関係だったのだ。俺達をこうして始末しようと考えていてもおかしくはないだろうな。」

黒猫は、俺の罵声に顔がひきつっていく。

「お前は味方を裏切ったのか?あの天月はどうした。それとも、彼奴の差し金か?どちらにしろ。俺の敵には変わりはない。」

「お前はまだ若いな。だからこそ、こんな判断をしてしまうのだ。俺はお前に慈悲など掛けない。殺す必要が有るのならば、今すぐにでもお前を殺してやる。それを覚えておけ。黒猫。」

彼女にとっては厳しい言葉だろう。だが、俺にとっては当然の言葉だ。
一度こうして面と向かって話す機会が必要だと思っていた。敵側だった影の一人が、今こうして目の前にいる。
それがどういう事なのか。しっかりと認識させるべきだった。
それが今こうして認識させる事が出来た。逆に言えば、こうするしかなかった。

「Jさん……いや、J。貴方は何も分かっていない!」

俺の胸ぐらを掴む黒猫。だが、それがどうした。

「この話はもういい。俺がお前に言いたかった事は全て話した。」

「逆に、お前が俺に対してどう思っているのかを吐き出してもいいんだぞ。」

挑発。本当はこんな事はしない。だが今は必要なのだ。

状況をあえて混乱させる。その中で、鍵を見付け出す。
何が起こっても氷のように冷たく冷静なこの場で、少しでも体勢を崩せる作戦はこれしかなかった。

何せ、相手が膨大すぎる。

549黒猫@(。-∀-)◆XnZlCOiqk2 [2016/06/11 06:34:12 ID:IMsDPG/g]

>>548
「こんなことをして
何になると言うのです!?」
訳が分からない。
きっとJさんは何かを考えている。
だからってここで魔法は使わない。
「きっとJさんなら
わかってると思ったのに。」
「さぁ。意味が分からないな?」
この人は皆になにがしたい?
だったら。
「私は!皆を信用してるわ!」
私は仲間をなくした。
だから協力するの。

550J◆kZDFwAt8do [2016/06/11 11:51:26 ID:LE1FoL/2]

>>549

こんな事して何になる。そうだな、この状況を打開出来る可能性があるといったところか。
想定したようにも、激昂してくれ無かったのがミスだった。くそったれ、俺だったらこんなに言われたら殺してやる位だというのに。
口で言ったら駄目なら暴力で相手を激怒させるしかないか。だが、そうなると本格的な戦闘になりかねない。
ならばどうする。どうにかして自然な形で相手を怒らせる事は出来ないのか。

未だに胸ぐらを掴んでいる黒猫。この距離なら、耳元で周りに聞こえないように言葉を伝える事ができる。
仕方がない、いくら話しても無駄だというのならば、種を明かすしかないだろう。

俺は近い黒猫の耳元まで頭を寄せ、何とか聞こえる声量で話しかけた。

「謝罪は後でする。だから聞いてくれ。」

その言葉に彼女は気づいたかのような挙動を見せるが、直ぐに察しを効かせて固まった。

「一度しか言わない。お前はこのホテルが罠だという事を知っている筈だ。ならどうやってこの落とし穴を抜け出すか俺は考えた。あえて仲間割れを生じさせ、相手を混乱させるのだ。だから俺はお前に向かって罵声を当てた。本音の所もあったが、とにかく今は激昂してくれ。理解してくれたのならば、俺の事を許せとは言わない。」

迅速かつ、相手を冷静にさせながら事を伝えた。
彼女は小さく頷くと、掴んでいた胸ぐらを離して大声を上げた。

「貴方には失望したわ。何故、何故その様な事を言えるの!?」

多少、芝居が掛かっている返事ではあるが、俺はそれに応える。

「俺はお前とは違うところで生きていたからだ。お前の考えは甘い。」

そうだ、この調子だ。種を明かしてしまったのは計画通りにはいかなかったが、仕方ない。
まぁいいだろう。このまま混乱に乗じて抜け道を考えるべきだ。

551コギトエルゴスム [2016/06/11 12:11:08 ID:5LpBIGOM]

>>550
「俺はお前とは違うところで生きていたからだ。お前の考えは甘い。」

それにお前は敵対関係だったな、もう一度訊こう、お前は殺し屋の差し金か?」

「・・・確かに天月は殺し屋だった・・・手を組んでいた・・・でも私は殺し屋でもその差し金でも仲間でもない!! 私はただ、悩みながらも・・・考えながらも・・・ 自分の思ったように生きようとして・・・ ただそれだけじゃない!!」
彼女は涙目になる。

俺は彼らの狙いを悟る。

「ちょっと待って下さい。彼女に敵意はありません。」

552J◆kZDFwAt8do [2016/06/13 01:07:19 ID:s1ipvGo2]

>>551

このいがみ合いは、俺と黒猫は理解している。ラティや他のメンバーは混乱していると思うが、これで狙い通りだ。
種は後で明かせばよい。今はこのまま乗じていくべきだ。
だが、簡単にそうはいかなかった。

一人の男が俺に踏み寄り、白いコートを靡かせながら反論してきた。

「ちょっと待って下さい。彼女に敵意はありません。」

制約するような一言。誰だ。誰なのだお前は。いきなり出てきて何を言っている。
黒猫に敵意が無いのは分かっている。くそったれ、こういう風に持っていく奴もいたか。
何もかもが計画通りにいかないのが現実だな。例え掴み合いの暴動になっても、剣と剣を持ち合う殺し合いには発展させたくない。
俺は銀髪の無機質な男に、ただ思うことを返した。

「失礼だが、誰だ貴方は。今は私と彼女の口論だ。割り込んで来ないでほしい。」

複雑な状態にしたくはない。発展させたとしても、後で収集出来るくらいにしておきたい。
きっとこいつはメンバーの誰かが知り合って、そのまま討伐隊に加わった者だろう。
新参者は歓迎しよう、だが、首を突っ込むべきではない事は理解出来る筈だ。

「そうやって貴方は、他人を認めないのね。」

黒猫が俺に罵声。彼女も本当に理解してくれているか確かではない、だが、言うことは言った。これで理解してくれてないのならば、それまでだ。

合理性、計画性、全てが膨大で強すぎる敵に対抗出来るのはこの手しかない。
どうにかして上手く事を運ばなければ。

553コギトエルゴスム [2016/06/13 04:53:18 ID:mFVAU22A]

>>552

「解ってますよっとw」

二人は"口論"を続ける。

口論を長引かせる為とはいえ、敵意が無いことなど皆解っているはず。少しわざとらしいやり方になったが何とかあちらから攻撃するよう仕向けていくしかない。

このホテルが罠だった、俺もそれは解っている。恐らくだがあの黒猫とやらが胸ぐらを掴んだとき辺りからの二人の演技らしい返し・・・

あの二人共にそれを知っているからこそ混乱した場となっていると見せかけて・・・というところだろう。俺が解釈しちゃいけないんだろうがな。

人とは解りやすい。って正直な機械が言えないな。

554黒猫@(。-∀-)◆XnZlCOiqk2 [2016/06/13 19:55:11 ID:Jy/H8OmU]

>>553

「Jさん。あなたはひどすぎるわ!」
これで皆が混乱して欲しい。
「これで俺に失望したか?」
「ええ。もう失望したわ。
あなたはそういう人なのね。」
ここからどうやって
この場を動かしていくか。
Jさんにまかせよう。

555J◆kZDFwAt8do [2016/06/15 00:29:26 ID:xrNfBvG6]

種を明かすのは間違っていたか。明かす相手が悪過ぎた。
演技に芝居が掛かりすぎている。もっと自然な形で口論に発展出来るかと思えば、途切れ途切れの子供の音読じゃないか。馬鹿らしい。

それにしても、討伐隊である俺達がこんな広場で同等と仲間割れを演じていると言うのに雰囲気一つ変わりがしないな。
やはり、演技だと見破られているのか。それともまだ手を引いているのか。
そもそも客が俺達だけという時点で不自然だったのだ。いや、俺以外にもいるにはいたが、どうせ幻術の一つだろう。
本当に思い通りにいかない。これまでもそんな事は何度もあるが、こんなにも苛々とする事は無かった。くそったれ、くそったれが。悪態を付いた所で何も始まらない。
こんな手段になるのは避けたかったが、こうにも状況が変わらないのなら、仕方がない。

俺はすっと立ち上がり、ツヴァイヘンダーを引き抜く。その姿に、皆は動揺をしているが、無視して広場の中央まで歩く。

「何をしようとしてるの。とち狂ったのかしら。」

黒猫は言う。他にもメンバーの何人かが立ち上がる。
そうだ、それでいい。今は俺に注目しろ。
目の前の女神像に目測で目印を付けると、俺はゆっくりとアリスを持ち上げた。
震えない迷いなき右手に力を込め、斜めに持ち上がった刃を思い切り降り下ろす。
広場に響く制約の声。それに構わず、彼等の声は女神像の砕ける音で掻き消された。
水差しを掲げた腕は砕かれ、一刀両断とまではいかずとも、像の胸元まで抉り込んだ刃は女神像を無惨な姿へ変えている。

俺の足元に流れてくる水溜まり。赤い絨毯を濡らす水差し。
まるで狂気に捕らわれたかのような自分の姿を想像するが、これでこのホテルの奴等は混乱するだろうか?
逆に言えば、この程度で本当に錯乱してしまったとはいいにくい。人間誰でも、こんな状況に立たされれば気が狂う。

「貴方は、それで満足なの?」

黒猫が切った刹那の言葉。そして静まり返った広場。

「文句があるなら、言ってみろ。」

くそっ、くそぅ。早く俺達の異変に気付いてくれ、幻術を操っている張本人よ。
お前の、俺をここまで陥れた屈辱を忘れないぞ。

556O,T [2016/06/15 02:21:23 ID:zpj1xxG.]

>>555
(クックックッもめろもめろ、クックックッ)
フロントから依然観察を続けているとなんと仲間割れが始まったた。
流石のJも理解を超える攻撃と敵、そして消えた仲間に混乱を隠せずにいる。
(せっかく死にかけのお前の命を救ってくれたヤツを疑うとはなんて恩知らずな男よのうJ!)
しかし黒猫を真っ先に疑うのも無理はないだろう。
どうも黒猫と討伐隊との間には因縁のようなものがあるらしい。
アマツキとやらは死んだのか、なんでそんなヤツが仲間入りしたのか⋯⋯
個人的に気になる所だが殺した後聞けばいい。
何かわからんが仲間割れを起こしてくれているのはとても都合が良い。
能力を解除したため再現で生み出された瓦礫は既に灰になって消え、それ以外の損傷はウチレスニアの性質によって完全に修復された。
つまりJの部屋は吹き飛ばされた荷物以外全て元通りになったわけだ。
その部屋を討伐隊メンバーが見れば先ほどの爆発は「幻覚魔法」によるものだと考えるはずだ。
あれが幻覚魔法だとすれば術者はかなり魔法に秀でた者だとも考えるだろう。
そうすればつい最近まで敵対関係にあり、そして時を止めたり瀕死のJを一瞬で完治させる黒猫は当然疑われる。
討伐隊を抹殺するためここホテル・ウチレスニアに待ち伏せていたと考えれば辻褄が合う。
既に何人か討伐隊メンバーは始末してやった。
この殺害も黒猫におっかぶせてやろう。
Jは今混乱している、ちょっと唆せば仲間割れからの戦闘に誘導できる。
リイサマバの報告によると黒猫はタフではなく、高度な回復魔法を使えば果ててしまうそうだ。
恐らく、最大の脅威である「時間停止」も連続で長時間使えば同じように倒れてしまうだろう。
うまくやれば同士討ちを狙える可能性はある。

「そうやって貴方は、他人を認めないのね。」
黒猫もイラだってきているようだ。
この前殺しに来たヤツをそう簡単に信用するわけがないだろう。
頭は弱いのか?ならばますます勝てる見込みが湧いてくる。
強い武器をただ手に入れただけのか弱い小娘に負ける気はしない。
例え同士討ちに持ち込めなくても我が能力で倒せる。
しかしやはり同士討ちが一番良い展開だ。
ここらで煽りに行くか、と近付こうとしたその時だった。

「解ってますよっと」
コギトエルゴスムだとかいう機械の男の台詞に違和感を覚えた。
なんだ?この違和感は?
妙にヘラヘラとしていて、それでいていがみ合う2人の心を見透かしたような口調だ。
『あんたらの考えは、何が狙いかはよーくわかってるよ』とでも言っているようだった。
この台詞のおかげでようやくJの計画に気付く事ができた。
(こいつ⋯⋯敢えて混乱させていたのか!?)
(そしてその混乱の中で抜け穴を探すって考えかーーッ)
危ないところだった。
もしこのままJに近付いていれば何かから気付かれていたかもしれない。
思えばさっきから黒猫の台詞がどうも演技くさい。
もう少し冷静に観察していればすぐ気付けただろう。
それくらい下手糞で粗末なものだった。
どうするべきか、再現でシャンデリアか隕石でも落とすか?
時を止められる者が2人もいる以上容易ではないだろうし、どの道全員仕留める事はできない。
失敗すれば討伐隊のウチレスニアへ対する疑惑が確信に変わるのは確実だ。
どうしたものか、そう考えている時Jが立ち上がった。
(ツヴァイヘンダーを抜いて⋯?)
なんだ?今度は何をしようとしている?
仲間の反応を無視してどんどん女神像に近付いて行く。
嫌な予感がしてきた。
そして止まったかと思ったら今度はゆっくりとツヴァイヘンダーを持ち上げる。
その動きに迷いはない。
(なにをする気だ?ま⋯まさかッ!)
受け付けカウンターを飛び越え慌てて静止に向かう。
が、反応が遅かった。
私がJの元にたどり着いたのは既に、壮美な女神像がひび割れた石柱に変えられた後だった。

557和美◆hNSBMrrUeA [2016/06/15 21:09:42 ID:R5jMQk86]

(・・・はぁ、なぜか私は逸れる癖があるな・・・何だろ・・・何かの呪いかな・・・?)

弓の手入れをしている最中だった。持ち前の危機察知能力が働き
荷物を抱き、布団を羽織って窓から飛び出した。
瞬間、爆発音がし「あああぁぁぁ」・・・
私は爆風で彼方に黒煙が立ち上るあのホテルが見える所まで飛ばされた。
荷物と体が無事なのは良かったが「あ~あ、せっかくベッドで寝られると思ったのに!」

・・・まあ、ここでぼやいていても始まらない。弓を組み立て弦を張る。
クーラードリンクのアンプルを開け飲み、取り敢えずは戻る事にした。
(・・・皆、無事だといいけど・・・)

遠くで砂竜が顔を出して私を見ている。
・・・何だか『笑われている』気がした・・・




558和美◆hNSBMrrUeA [2016/06/15 22:25:50 ID:R5jMQk86 (sage)]

557は無かった事に!

559O,T [2016/06/15 22:36:32 ID:zPC63nuw]

すみません
以後気を付けます

560コギトエルゴスム [2016/06/16 19:01:01 ID:FqAzXy.c]

>>556
「遅かったな、誰かさんよ。」

「くッ・・・」

「あ、ヘラヘラしてたのは性格上ですからw」

そう、俺は元々そういう奴だ。
っていうか意外と引っ掛かったなあの作戦。
とっくに気づいているかと思ってたが。

(少し皆のコギトのイメージが違うようなんで補正(メメタァ・・・)

561O,T [2016/06/20 22:43:24 ID:uI9oIi9A]

「お⋯⋯お客様!?」
(な⋯!?何やってんだこの野郎ォオオーーーーーーッ!?)
散らばった女神像の残骸を避け水たまりを踏みJの元にたどり着く。
海外から彫刻家フリエッピを呼んで、何億もの大金を払って設置した女神像がいともたやすく破壊されてしまった。
女神の肩に乗ったウチレスニアの象徴とも言える鷲も粉々だ。
しかしそんな事は今重要ではない。
なんのつもりだ⋯⋯?
冷徹な男かと思いきやとんだサイコ野郎だったのか?
追い詰められて気でも違ったか?
それともまさか⋯
(このホテルを破壊しつくすつもりかァーーー!?)

ホテル自体が罠ならホテルをブチ壊せばいい、という考えなのか?
だとすればかなりヤバいぞ⋯
いくら粉みじんにされようと灰も残さず焼き尽かされようがほうっておけばウチレスニアは修復される。
そのアリスで粉砕したいのならば勝手にするがいい。

だが「宿帳」と「客」はそうもいかない。
生身の客を巻き込むわけにはいかない。
先程の爆発を「原因不明の爆発」、テロの可能性もあり危険という事にして中庭に全員集めておいた。
これで戦闘に巻き込む事はない。(討伐隊メンバーが中庭に入らない限り)
今のJならばその何も知らない無関係の利用客さえも敵と断定したたっ斬ってもおかしくはない。
利用客の中にはウチレスニアが復活したと聞いてわざわざ遠出してくれた方もいる。
己のためだけに魔王に味方をし討伐隊抹殺を目論む自分はドス黒い悪だと自覚している。
それでも誇りはある。
支配人としても無関係の客を巻き込む事だけは絶対避けたい。

そして「宿帳」が破壊されるのもかなりまずい。
ホテル・ウチレスニアの術が解かれてしまうからだ。
我々幽霊が能力を持つようにウチレスニア自身も能力を持っている。
簡単に説明すると「客をホテルから絶対出さない」、それが能力。
ウチレスニアを全盛期の姿で蘇らせる、そんなものはこの真の能力を行うための舞台にすぎない。
文字通りチェックインした者はドアや窓からも、例え吹き飛んだ壁からも「能力の壁」に阻まれ脱出不可能になる。
また、宿帳になんでもいいから跡を残せばそれでチェックインしたと見なされてしまう。
本名でなくても、偽名でも落書きでも唾でもだ。
術中から逃れるにはチェックアウトしかない。
だからなんとしてでも宿帳は守らなくてはならない。
破壊されてしまうとそれでもチェックアウト扱いとなる。
宿帳も客も守る、それは大変な事だがやり遂げなくてはならない。

コギトエルゴスムとやらが馴れ馴れしく話しかけてくる。
どうやらおれの心の中を能力で覗き込んだらしい。
そんなに自分の能力をひけらかしたいか。
まるで新しいオモチャもらったガキだ。
お前の能力は確かに脅威だ、厄介だ。
だが本体がこんな小物ならばタカは知れている。
「どうされたのですか⋯⋯?何があったのです?」
Jは答えない。
他のメンバーにも問うが困惑しているのはあちらも同じのようだった。
「あなたの部屋でわけのわからない爆発が起きたと思えば今度はなんなんだ?」
「討伐隊だか傭兵だか知らないが、他のお客様に危害が加わるような真似はよしてくれ」
今度は口調を強くして言う。ごく普通の反応だろう。
仲間の中には作戦もただの狂人の戯言と思い始めた者もいるんじゃあないか?
このまま仲間から狂人扱いを受け孤立してくれれば一番良い。
そして1人になったところを再び狙えいい。
いや、まずニヤついたクソッタレのからくりをスクラップにしてやるのが先決か。

562J◆kZDFwAt8do [2016/06/21 01:56:21 ID:rGO9J1z6]

俺が女神像を無惨な柱へ破壊した瞬間、飛び込むようにその身を出してきた支配人。
名はなんだったか、ゲロトルトだっただろうか。

「どうされたのです?何があったのです?」

大きめな声でメンバーに喋りかけている。その姿は随分と人間らしい。
このホテルが幻術だと勘付いた時、このホテルの全ての存在が幻想だと思っていたがそうでもないみたいだ。
このホテルを操る本体と言うべき実体が存在するのではないか?幻術の物体と現実の物体がこんなにも上手く交わる事は無い。

支配人は懲りずに困惑しているメンバーに質問をする。が、メンバーは口を閉ざして固まってしまっている。まぁ、無理はないか。種を明かした二人にしかこの行動目的は理解できないだろう。
そんなメンバーの中から銀髪の男が支配人に得意気に話しかけているが、支配人はそれを無視してこちらへ寄ってくる。

「貴方の部屋で訳の分からない爆発が起きたと思えば今度は何なんだ?」

支配人は、客に対する言葉でない強気な口調で俺に話し掛けてきた。
眉を潜めた支配人は、そのまま大きな声で言葉を続ける。

「討伐隊だか……



[傭兵]



だか知らないが、他の御客様に危害を加えるような真似はよしてくれ。」

何だと?この男。何故俺に対して傭兵と言った?
確かに剣を持った男が暴れていたとして、兵士が何かだとは思う。だが、このように洋服を着ている俺に対して、簡単に傭兵と決め付けるのはどういう事だ。
そもそも俺は傭兵という身分を公表している訳ではない。傭兵関係の仕事以外では自分の職業は含め、身分や出身は明かさなかった。
そうだ、俺はプロフィールを隠しに隠しまくってる。確か宿帳には討伐隊としか書いていなかった筈だ。
ならば何故、このゲロトルトは俺の職業を知っている?
今回はたまたま[討伐隊]という職業といえるものを都合よく持ち、そして宿帳にも都合よく自分の職業を綴った。

つまり、このホテル内で俺の事を傭兵と知っているのは討伐隊のメンバーしかいない。
支配人は、本来は書類仕事で追われている筈だ。なのに、そんな俺の情報を知っているなど。
俺の情報を知れるのは軍事関係者とか、とにかく国家に関係している権力者と、同じ傭兵のみだ。
そんな俺の情報を知っているという事は、俺を殺そうとしていたという事だよな。
部屋に入り込んできた二人の男も、爆発も、無くなったメンバーも、全てこいつの掌で練られた物語という訳か。


ふざけやがって。俺はお前を許すものか。

目の前のこいつは、メンバーを、守ると決めた討伐隊を殺した。殺したんだ!
しかも俺はそれを阻止する事が出来なかった。俺はそんな自分に対し怒りを抱いている。だが、それ以上の憎しみの矛先は貴様だ。

ゲロトルト。

俺は憤った感情を押さえ込み、あくまで言葉で相手を掴んでいく。

「傭兵?お前は何で俺を傭兵だと思った。」

まずゲロトルトが溢したボロから突いていく。
その言葉を聞いた瞬間、ゲロトルトは一瞬青ざめた顔になるが、そこはやはり歳を重ねた余裕なのかどうかは知らんが、直ぐ様冷静に言葉を返してきた。

「何故ですって?そんなとぼけないで下さいよ。宿帳には傭兵と……」

残念だが、宿帳には討伐隊としか書いていないのさ。

「そうか、残念だが俺には宿帳に単語を綴った覚えは無い。それともなんだ、このホテルの支配人はそんな曖昧な判断で人にレッテルを貼り、差別するのか?」

相手を煽っていく。少しずつ、本性が滲み出るように確実に。
俺の批判の言葉を受けたゲロトルト、だが、だ表情は崩さない。

「そんなことありません。」

率直な返答、俺は直ぐ様それに返す。

「ならば宿帳を見せてみろ。それなら納得してやろう。お前は俺を不快にさせたのだ。客の要求を呑むのは勿論の事だろう。」

極論。ついにゲロトルトは表情を崩した。釣り上がった眉は更に釣り上がり、顔のシワは増え、食い縛った歯が見えた。


これで、打つ手無しだな。ゲロトルト。後はお前がゆっくりと崩壊するのみだ。
そう考え、余裕を持っていた自分。だが、次の瞬間その余裕は掻き消された。

険しい顔のゲロトルトは、スッと手を振り上げた。下に曲がった口はいつの間にか微笑し、その表情は「獲物を罠に嵌めた狩人」のような顔だった。

563コギトエルゴスム [2016/06/21 02:05:06 ID:9m8o8Ojc]

皮肉を言っただけなんだがな・・・

まぁいい、問題はJという人だな、あのままじゃあの連中からバーサーカー扱いだ。
そうなると離れられて孤立するだろう。

ましてやそれがリーダー的存在となると真っ先に殺られるかもしれない、か・・・
統率がとれなくなると厄介だな・・・

敵も同じようなことを考えているが
・・・どうやらそれは後回しにして先に俺がスクラップにされるらしい。

俺は既にスクラップだっての。
廃棄処分は出来るか知れんがな。

564J◆kZDFwAt8do [2016/06/23 21:39:27 ID:5w/v88UY]

更新し辛い展開にしてしまったのなら申し訳ない

565∞美紀姐∞ [2016/06/23 21:50:12 ID:GKmIbbps]

部屋で、このホテルと宿泊している怪しい人たちの情報を調べていた時。


先程から【煩い】を通り越すように、やまない爆発音。

だいたい、ホテルで爆発って可笑しいわ…


そんな事を考えながら情報を調べていると…


いきなり、私の部屋の近くで『ドオォォン!!!』という耳障りな爆発音が。

「集中できないじゃない!」

私はパソコンを閉じて、一言文句を言ってやろうと部屋の外に出た


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久しぶりに更新させて頂きました!

短くてすみません…

誰か、繋げていただけると嬉しいです

566O,T [2016/06/25 01:15:52 ID:svGXKX0Y]

>>562
(まずい⋯⋯まずいぞ⋯⋯)
とんでもない失態を犯してしまった⋯⋯
仲間には口煩く注意をしていたのにまさか自滅してしまうとはなんとも情けない。
もう言い逃れはできない。戦うしかない。
この責任は後々取るとしよう。
今は後悔している時間などない。
そう決意したおれは手を挙げて仲間達に合図を出す。
「どうしようもない事態に陥った時の最終手段」の合図だ。
合図を同時に、物陰に潜んでいた幽霊達がドッと一斉に飛びかかった。


「オレ達の正体と目的がヤツらに理解されてしまった⋯」
吹き抜けの二階から広場を覗きながら悪態をつくのはリイサマバだ。
「どうしようもない事態に陥った時」のため待機していたがこんなにも早くそういう状況になるとは彼も予想外だった。
恐らく他の幽霊もみんな同じように考えているはずだ。
「はりきっておいて自滅なんてカッコつかねーぜ」

現在広場は幽霊達と討伐隊による激しい乱闘が繰り広げられている。
幽霊達は今でこそ従業員として働いているが生前の職はバラバラ。
従業員、兵士、旅人者、テロリスト、貴族、奴隷、畜生、芸術家、スポーツ選手、魔法使い、聖職者、、、
それらが入り混じって大暴れしているのだからまるで仮装パーティーのような愉快さや華やかさまで感じられる。
そしてただ今攻撃中の幽霊の数は100を越える。
対して討伐隊は10人にも及ばない。
普通の戦いならば結果は火を見るより明らかだった。
「普通の戦い」ならばーーー

死後の世界のルールなのか、幽霊は生き物に触れる事も触れられる事もできない。
死ぬ直前に身に付けていた武器も一緒に幽霊化しているので通じない。
魔法も同様だ。
お互いの攻撃は全てそのまますり抜けていくだけ。
その光景は何かのコントを見ているようでかなり滑稽だった。
もちろんホテルにある椅子、包丁、鉄パイプ、レンガ、工具、ガラス片、装飾用の剣なんかを持ち出して戦う者もいる。
が、生前兵士や冒険者だった者もいるものの、従業員のほとんどはただの一般人。
ましてや相手は討伐隊、致命傷を与えるにはもっと時間がかかりそうだ。
先程の緊迫とした雰囲気はどこへやら、本人らは大真面目だろうが傍から見ると失笑モノだろう。
しかしそんな事は承知済み
ゲロトルトが幽霊を呼び出した目的は他にあった。
その目的とは「撹乱」。
この喜劇にも見える混乱の隙に宿帳を安全な場所に移動させる。
そして移動を確認後『イエスタデイ・ワンス・モア』でまとめて始末する。

「む!やったぞ⋯」
ゲロトルトがわざと落とした宿帳を2匹のネズミの幽霊が器用に運ぶ。
尻尾で巻いた宿帳を背中に乗せてどこかへ去っていった。
移動先は中庭か、もしくはフロントの少し先の応接室か。
悟られる可能性があるのでどこに運ぶかははっきりと決めていない。
なのでゲロトルトやリイサマバ自身もわからない。

(これで心置き無く広場を消し飛ばせるな)
「イエスタデイ・ワンス・モア!」
その能力の名を叫ぶと例の塵が出現した。
今回は2箇所、玄関とリイサマバの真横にだ。

567O,T [2016/06/25 01:54:36 ID:svGXKX0Y]

バタン、と扉が勢い良く開く。
そして従業員でも討伐隊でもない別の集団がホテル内に飛び込んで来る。
紋章の付いた白いマントを身を包み、ボウガンや剣、盾を装備した機動隊だ。
一昔前のデザインだがその紋章から夏の国の機動隊だということがわかる。
隊長と思わしき男が隊員に命令を下し、隊員達はキビキビと行動する。
既にウチレスニアの正体を突き止めた夏の国が派遣したのか、それともホテルに指名手配犯か何かが潜んでいるのか。
どちらにしても機動隊の動きにはある違和感があった。
ごく最近同じような違和感を覚えたJならば「機動隊」の正体にもすぐ気付くだろう。

隊員は大乱闘には目もくれない。
目の前で幽霊化した刀剣が振り下ろされようとも、同じく幽霊化した火炎魔法が体をすり抜けていっても全く動じない。
本物のフォークがたまたま眼球に当たってもお構い無し。
それどころか逆にフォークを跳ね返してしまう。傷一つつかない。
まるで人型のロボットのようだった。

そしてその様子を二階から眺める影が三つ。
先程Jの部屋を襲った二人組と、二人組のうち1人と瓜二つの姿をした男だ。
「な~~~にが『正面から堂々と出れば意外とバレない』だこのタコ!」
「私達のルートが既に警察に見破られていただけだろう。」
「そもそもこんな砂漠の真ん中でどォ~やって逃げるんだよおおおおお~~~」
「お前を信頼しているから作戦は丸投げしたけどさァ~大丈夫なのかあああ~~?ン?」
「機動隊を爆破して強行突破する」
「グッド!」
やけに間延びした口調のリイサマバ、淡々としたリョシカゲ。
不満を顕にしていたリイサマバだが、提示された作戦が自分好みだったためか瞬く間に機嫌をなおした。
そのやり取りを「もう1人のリイサマバ」は懐かしむように、どこか切なげに眺めている。
機動隊も、会話しているリイサマバとリョシカゲも全て能力で生み出した過去の再現。
そしてリイサマバの思い出でもあった。

過去のリイサマバがダイナマイトの束を投げ落としたのはそのすぐ後だった。

568O,T [2016/06/29 23:25:28 ID:YPRsL3ZU]

>>565
「あのォ~~~お客様」
背後から何者かが話しかける。
美紀姐が振り返ると小太りで背の低い男が立っていた。
ホテルウチレスニアの制服を身につけているところからここの従業員だという事がわかる。
左目には眼帯を付け、そいつの趣味なのか上向きの矢印の飾りが付いたヘルメットを被っている。
苛立った美紀姐に睨みつけられると何故か嬉しそうな表情をした。
「当ホテルにですね、原因不明の爆発が起きておりまして⋯」
「現在原因を調査中なのですゥ⋯⋯⋯」
「大変申し訳ございません、お手数かけますが危険なのでお客様には避難してもらいますゥご協力お願い致しますゥ」
再び爆発したり、テロとか倒壊の恐れもありますし、と付け加えて避難を促す。
「原因が発見され次第すぐ部屋に戻れると思いますゥ⋯念のためご協力お願いしますゥ」
特にここはよくテロリストに狙われるので⋯と付け加える。
「避難場所は中庭でございますゥ⋯⋯こちらでございますゥ」
そう言って荷物を持ち、半ば強引に中庭へ誘導して行った。

569O,T [2016/06/30 00:15:49 ID:YPRsL3ZU]

トラタクティーを出た後、中庭で何か催し物が行われている事に気が付いた。
気になったので覗いてみるとどうやら演劇のようだ。
せっかくの機会ということで観賞することにした。

ーーーーーーーーーーーー

「珠川夏子さんは殺人犯ではないということを証明しようと思いまして刑事さん⋯⋯」
舞台の上で子役が刑事役の男に語りかける。
演目は荒辺飛露伴原作のサスペンスモノだった。
小さい頃親父に小説版を買ってもらい、それがきっかけで荒辺ファンになった。
これが大好きで毎日読んでいたので、この物語の主人公の名前に因んだ「O.T」というあだ名を付けられた。
今でも写真から取り出して読んでいる。
しかし席について観始めた時には既にクライマックスだった。
微妙に損した気分がする。
もっと早く知っておけばよかった⋯。

「まちたまえ!急になにを言い出すんだ!?」
「ルポ・ライターを殺したのは⋯⋯」
利用客達が固唾を呑み、真相に待ち焦がれている時、それは突然起こった。

主人公の推理は突如響いた爆発音によって中断された。
演出か?事故か?テロか?
何が起こったのか全くわからない。
私は混乱した。恐らく他の利用客の心境も似たようなものだろう。
演劇は中断され、従業員はてきぱきと動き、あたりはざわつきで包まれた。

少したって舞台に従業員が上がった。
「原因不明の爆発が発生した」と説明されたがそんな事はわかっている。
安全のため中庭からは出ないよう警告を受けた。
ウチレスニアは丁字型の構造をしている。
「丁」の上部分にフロント・西棟・東棟
下部分に中庭などがある構造なので倒れた建物に潰される心配はない。
中庭なら広いし非常口もあるため安全。
⋯⋯だそうだがやはり不安だ。
もしテロで、中庭に爆弾を投げ込まれたらどうするんだ?
外は砂漠だが大丈夫なのか?
そんな心配をしていると隣にいた中年の客に声をかけられた。
顔に出ていたようだ。
その男曰く「ここは何度もテロやら事故に襲われて従業員も鍛えられているから心配ない」らしいが不安でしかない。
そういえばトラタクティーで幽霊が出るという噂を耳に挟んだ。
その幽霊ってのはここで何度も起きたという災難の犠牲者なんじゃあないか?
マジに大丈夫なのか?
確かに従業員の迅速な仕事を見ていると頼もしさを感じるが不吉な予感は払えない。

しばらくして部屋にいた客が続々と中庭に集まってきた。
といってもオープンしたて(らしい)のでそれほど大勢はいなかった。
気を紛らわすためか、安心させるためか演劇は最初から始められた。
苛立っていても仕方がないので今は演劇を楽しもう。
爆発のおかげで劇を最初から見ることができたと思えばラッキーだろう。

570J◆kZDFwAt8do [2016/06/30 23:04:08 ID:jubHoR4.]

その男の合図と共に、俺達を瞬く間に囲んだ兵士達。だが、どうも格好が古めかしい。
今やマスケット銃が軍隊には普及しているというのに、彼等は頑固な甲冑に身を包んでおり、長槍や斧、果てにはメイスまで握っている兵士もいた。
もしこいつらが俺と同じ魔力で強化された兵士ならまだ話は分かる。だが、現在魔力を注入して肉体を強化させる事は法律で禁止され、たとえあったとしても体の弱い患者に無理矢理処置を施す位だ。
それに、こんな数の強化兵が集まるなど有り得ない。俺と同じ魔力で強化された戦闘用の人間は正に決戦兵器の如く戦場に投入される。そんな貴重な存在がこんなホテルに寝泊まりなどするだろうか。
いくら階級の低い奴だとしても、政府側から寝床は用意される。

とにかく、そんな考察は今はどうでもよい。よく周りを見ると一般人のような者まで此方に殺気を立てている。
そうか、そうだったな。このホテルの中で起こる事は全て幻術だったな。
ならば話は早い。俺はさっき経験したから分かる。こんな奴等と戦っても意味はない。
此方の攻撃が通じないのだ。そんな完璧無敵の化け物に挑むのが間違っている。

「聞け。」

俺は混乱しているメンバーに一つ声を掛ける。
込み合った乱戦の中、俺は大声で叫ぶように言葉を伝える。

「こいつらは幻術だ。まともに相手をするな。戦うだけ無駄だ。」

そのまま話を続ける。

「だからこいつらを操ってる本体を探せ、本体だ。さっきの支配人を探し出せ。」

俺の予想が正しいのならば、あの男を殺せばこのホテルは消滅するだろう。
まぁ、何はともあれ、罠の嵌め方が浅はかだったな。本体が出てきたら何の意味もないだろうに。

言葉を伝えた俺は、俺の体を斬ろうとばかりに迫り来る兵士達の剣を避け、さっきの男が逃げた方へ向かう。
こんな状況だ。すぐに遠くへ逃げることは出来ない筈だ。

それにしても、こんなまともに訓練されてない兵士の太刀筋なんぞ、子供と遊んでいるようなもんだ。
どうせ此方の攻撃は通じない。だからツヴァイヘンダーを鞘に仕舞い、俺は必死に玄関まで走った。
人間の性だ。追い詰められた状況で更に奥へ籠るという事はないだろう。
俺は勝利を確信していた。こんな頭がおかしくなるような幽霊ホテルからはおさらばだ。そう考えていた。

だが、頭の中の妄想とは違う事が起きるのが現実。
さっきまで玄関まで向かわせていた足はピタリと動きが止まり、俺は硬直する。
何故俺は凍り付いた。その思考に辿り着かせてくれたのは、ついさっき聞いた事のある爆発音だった。

571コギトエルゴスム [2016/07/01 19:54:44 ID:.dkLOSKU]

敵の支配人であるヤツが手を上げた、命令を出したのだろう。

それにしても誰に・・・等と考えている内に大量の人影が姿を現した。
そして敵意を剥き出しにして襲いかかってくる。

が、まるで鍛えられていないかのような太刀筋、そしてあの映画・・・名前は忘れたがその映画の主人公のようにその辺りにあるような物で切りかかってくるのですぐ受け流すことができた。

反撃を試みるが・・・すり抜けてしまう、ということは恐らく彼らはこの世に存在していないのだろう、だが見えている、ということはこの世とあの世の間に存在する者、幽体なのだろう。

取り敢えず、元を絶たなければ。

くそ、敵が邪魔してあの支配人の姿が見当たらない。これでは敵を根絶やしにできない。

大将は彼方へ逃げたなと思い出した瞬間、扉が勢い良く開け放たれる。
なんとも古めかしい、且つ強靭、強固な格好をした軍隊が入ってきた。戦乱の真っ只中だというのにそれにも動揺せず、攻撃が当たっても跳ね返してしまう、強化されているのか?
魔力によって・・・だろうか?だがそれは禁止されていると聞いたことがある。

ということはこれも幻か?
そう感づいた俺は引き続き支配人の後を追う。

トラタクティーに向かおうとしたとき

「聞け。」

「こいつらは幻術だ。まともに相手をするな。戦うだけ無駄だ。」

「だからこいつらを操ってる本体を探せ、本体だ。さっきの支配人を探し出せ。」

という言葉が聞こえた、やはりか。

次の瞬間、またも謎の爆発音が鳴り響く。

572J◆kZDFwAt8do [2016/07/05 00:13:34 ID:cChrph2U]

一旦上げ

573J◆kZDFwAt8do [2016/07/07 17:47:40 ID:PlaFcYHo]

玄関の爆風に吹き飛ばされる自分。数十メートルは吹き飛ばされ、壁に叩き付けられる。そして痛みが身体を伝わっていく。
何とか気を取り戻して立ち上がろうとするが、床に寝そべってしまった自分に降り下ろされるハルバード。俺は避ける事も出来ずに右胸をその矛先で貫かれてしまった。
痛い。だけど、耐えられる痛み。この麻痺した様な痛覚が、魔力で強化された肉体の恐怖でもある。
突き刺さってハルバードは、幽霊兵の胸元まで一度戻され、もう一度大きく腕を振り上げられた。
その呑気な動きの間に俺はその場を離れた。白いシャツが血に染まりながらも、俺はあの支配人の元まで向かう。

俺は支柱に足を掛け、そのまま蹴る。飛躍した体は吹き抜けの二階まで飛びか上がる。
右胸を押さえながら着地した自分。直ぐ様を振り替えって銀髪の男へ叫ぶ。

「お前が何処の誰なのかは知らないが、協力する気があるなら協力しろ。」

俺の声に気付いた銀髪の男。一度俺の方を振り替えるが、直ぐに斬りかかってる幽霊兵達の相手に移った。

「お前は中庭にいるメンバーを死守しろ。俺は支配人を殺す。」

簡潔な内容。銀髪の男はもう一度俺の方を振り替えると、一つ小さく微笑んだ。


これでメンバーの安全は保証された筈だ。後は、俺の責務を果たすのみ。
俺は真横にいた見覚えのある男を無視して、自分の勘だけを頼りに階段を上り始める。
もし、もしあの男がまともな人間なのならば、迷った時は左の道を選ぶだろう。そして俺が傭兵と知っている以上、簡単に玄関から逃げるなんて真似はしない筈だ。魔兵の脚力に、あの老体の脚力が叶う筈が無い。
ならば逃げ場所は一つ。西棟の最上階。

俺はそんな不確定な勘を頼りに、ただひたすら階段を上った。

574J◆kZDFwAt8do [2016/07/08 19:34:22 ID:DBscjVaM]

あげ

575◆40XbC9fmEc [2016/07/09 22:34:57 ID:QxWJSrsI]

一方
??『さて…この人ゴミからでるか…」
男は急いで逃げ込んでいる人ゴミの列から抜けて
別ルートの関係者以外立ち入りできない道を走った…
??『さて…中庭はどこかな?』

576◆40XbC9fmEc [2016/07/09 23:11:12 ID:QxWJSrsI]

??『…このルートのほうが事務室に近いな…』
男は関係者だけ知っている事務室からのルートをたどった
??『やっとか…』
ドア開け事務室に入る

577◆40XbC9fmEc [2016/07/09 23:33:42 ID:QxWJSrsI]

??『さてでここから準備室への扉を…あった』
男は今度は事務室で準備室への隠れ扉を探し
見つけた
??『よし…』
男は準備室にはいる
??『で…ここからこう出ればーー……』
男は準備室のちゃんとした扉からでて準備室の外の壁に寄り掛かった

578◆40XbC9fmEc [2016/07/09 23:39:13 ID:QxWJSrsI]

こんな感じ

画像ファイル:見えにくいと思う…

579O,T [2016/07/10 16:09:06 ID:ZvBMDK9Q]

>>573
(なんなんだよォォ~~あの傭兵はぁぁ~~~~~)
(どォ~ゆうう体してんだああああああ~~?)
何メートルも吹っ飛ばされて、壁面に叩きつけられて、串刺しにされた。
にも関わらずあのJは元気に2階までジャンプして支配人の追跡を開始した。
しかも、筋骨隆々な巨漢ならともかくあんな小僧がそれをやってのけた。
どう考えてもまともな人間じゃあない。
少なくとも「鍛えたから」とかそんな理由だけではない事は確かだ。
まず最初の攻撃を受けて生きていたのが絶対に「おかしい事」だったんだ。
左胸を打ち抜いて、爆破して、瓦礫の下敷きにしてやったのに⋯
ヤツが「生きているのは」太陽が西から昇らないのと同じようにおかしい事だったんだッ!
魔法で強化されているのか?
とある民族は脳に針をぶっ刺して未知の才能を引き出し「最強の戦士」を作りだしたという伝説があるがその類いか?

だが今は呑気に考察をしている暇はない。
オレも急いであとを追った。
支配人の向かう先は西棟最上階の「廊下」。
打ち合わせの通り動いているのならばそのはずだ。
その場所でとある出来事を再現して敵を始末する。
そのために自らを囮にその場所に誘き寄せる、そういう作戦だ。
恐らくJ達はオレらとホテルは能力に生みだされた「幻影」で、支配人はその能力の「本体」だと考えている。
そうでなければ幽霊の群れを無視して支配人を追わないだろう。

そんな事を考えているうちに最上階への階段を登りきった。
広場の喧騒から離れたそこには、2人の男が向かい合っていた。
手前側にいる1人目はJ、奥にいる2人目は支配人。
廊下の丁度中間の位置だ。
幸いJはオレに気付いてなく、支配人もオレの存在を気付かせるような行動も表情もしていない。
今がチャンスだ。オレは再現を開始した。

「どォ~して上に逃げたんだよォォォォ!このままだと追い詰められるぞ!ホラーでも2階に逃げたキャラは死ぬッ!!」
「口よりも⋯手を動かしてくれないか⋯⋯後ろのクソカスをもっと離せ」
廊下の反対側から2人分の叫び声が響く。
その2人は何かから逃げているようで、全力でこちら側に走ってきている。
そしてJがその2人を見るのは初めてではない。
黒い道化師のような男とサラリーマン風の男、Jを攻撃した2人組だった。
例によってゲロトルトをすり抜け、Jの目の前まで迫る。
すかさずJが攻撃するもこれも例によって弾かれてしまう。
よく見ると道化師のような男リイサマバは何かをボロボロと落しながら逃げている。
攻撃が弾かれた瞬間Jはこの事に気付くだろう。

そして再び廊下の置くから別の人物が雄叫びを発している。
今度は1人分、声の主はどうやら2人を追っている者のようだ。
「そこにいやがったなあ!リョシカゲッ!!逃げてんじゃあねーぞコラーーッ!!」
巨大なリーゼントの背の高い男が怒号を浴びせながら突進してくる。
胸には国際捜査機関のバッジをつけている。

彼が廊下の5分の1を走り切った時だった。
彼のすぐ背後で爆発音が響く。
土煙が膨れ上がり、破片が飛び散り、結構な厚みがあったはずのその地点の床は大きな音をたてて階下へ崩れ落ちていく。
リイサマバが落としていたのは爆弾だった。
リーゼントの男が振り返る間もなく次の爆発が起きる。
背中を焼かれながらもリーゼントの男は走る。そのすぐ後ろでまた爆発。
爆発は休まず連続で起きる。まるで爆発が走って追ってきているようだ。

支配人はJから逃げているんじゃあなくて、Jをここに追い込んでいるんだぜ。
オレに床以外の廊下全体を「再現」させ、猛爆でJを吹き飛ばすためにだ。
全体を再現してるんだから壁も床も壊せない。
ドアぶち破って部屋に避難する事もできない。
もっとも少しでも立ち止まれば追ってくる爆発に吹き飛ばされてしまうが。
爆破された穴から階下に逃げたら再び再現を開始して瓦礫で押しつぶす!
おまえはもう網カゴに入れられたまま火にくべられるネズミと同じだ!
退路はもはやオレのいる階段しかない!
廊下走り切って角曲がろうとこっちに顔を出した瞬間再現で頭吹き飛ばしてやる。
その再現は「小麦粉を投げた」だけのものだがそのまま突っ切っていくのだから一瞬でJを蜂の巣にしてくれる。
あの化け物も流石に死ぬだろう。
一回でダメなら2回だって百回だってやってやる!
せいぜいガンバって走るんだなあああーーーーッ

580黒猫◆XnZlCOiqk2 [2016/07/10 20:40:33 ID:Nwggvptk]

このままだとJさんは確実にやられる!
考えた末に、Jさんの元まで瞬間移動した。
「Jさんっ!」



遅くなりすいません。

581J◆kZDFwAt8do [2016/07/10 20:49:59 ID:yajV9wWY]

俺は階段を何段も飛ばしてひたすらあの男を追った。この時、右胸の痛みなんて消えていた。
いたすら駆け上がり、扉を蹴り破り、また廊下を突っ切る。なんどもかそれを繰り返していると遂に最上階の廊下へ出た。
男は屋根裏には入らず何故かこちらを振り向いて立ち止まる。俺は構わず駆け寄ろうとしたが、幽霊を操るあの男の事だ。何か企んでるに違いない。
それでも俺はその男に向かってゆっくりと近寄った。何を仕掛けてくるかは分からない。それに躊躇していたらあの男を殺せない。
やがて廊下の真ん中まで歩くと、一旦足を止める。

何を仕掛けてくる。何を呼んでくる。じっとツヴァイヘンダーを右手で握り混んで男が動くのを待っていた。が、数分も経たずに現象は発生した。
男の方から叫びながらこちらへ走ってくる二人。

もう一人は道化師の様な真っ黒な男。そして隣にいたのが真っ白なスーツを着こんだ金髪の男だ。
そうだ、俺の部屋を爆破した二人だった。
迷わず俺の方へ走ってくる二人、俺はツヴァイヘンダーを構えて斬り倒そうと思ったが、見事に剣が弾かれてしまう。
反動で大きく仰け反り、思わず壁にもたれ掛かる自分。右手にツヴァイヘンダーがしっかりと握られているのを確認すると、直ぐ様追っている男の方へ振り向く。
そして走り込もうとした瞬間、又もその男の方から誰かが走ってくる。

「そこにいやがったなあ!リョシカゲッ!!逃げてんじゃあねーぞコラー--ッ!!」

怒号と共に、さっき俺を無視して走り抜けた二人を追うように向かってくる男。よく見ると胸にバッチが着いている。
そしてその男が廊下を少し走った頃だった。
突然の爆音。まるでその爆発が足をつけて走っている様に、次々と爆発が起こる。
盛り上がる床、そして次々と大穴が空いていく。どんどんとその爆発が俺の方へ向かってくる。
飛び散る瓦礫の中、俺は支配人であるあの男を確実に殺害するために、その爆発の中へ飛び込んだ。

可能な限り爆心地から離れ、飛び散る破片をナイフとツヴァイヘンダーで跳ね返す。身体を捻って被弾面積を減らし、焼かれる感覚は麻痺した痛覚で無視する。
視界に広がるのは爆発した煙で真っ暗。だが、自分の体勢がどうなっているのかは頭の中でイメージ出来ている。
俺は着地する前に床にナイフを突き刺す。その突き刺したナイフを蹴って水平方向へ跳躍する。
落ちてくる瓦礫を斬り払い、瓦礫と壁を伝ってあの男が逃げた屋根裏まで向かう。
そして二本目のナイフを突き刺して、穴の空いていないあの男が立っていたと思われる床まで辿り着いた。

後は目の前にある屋根裏の扉を開けるのみ。待っていろ、ゲロトルト。今お前を殺しにいってやる。

582J◆kZDFwAt8do [2016/07/10 20:50:33 ID:yajV9wWY]

あー、被っちゃったか

583コギトエルゴスム [2016/07/10 21:38:42 ID:KFVzQl16]

あいつは支配人を倒しに行った。
俺はただひたすらこの団を守るために戦い続けた。
夢はこれの事を暗示していたのかもしれない。
そう思っていた時、あのお面売りが斬られそうになる。
俺は咄嗟に幻に攻撃を仕掛けてしまった、斬れないものを斬っても意味がないのに。
(ああ、判断を間違えてしまった。)
そう思った矢先声がした。
「ふぅ・・・ありがとうござんした。」
それは驚異の一瞬だった、まもなくして
(そういうことか・・・!)
俺は気づいた。
攻撃してくる幻ならばそこには居ないので虚無剣での攻撃は通らない。
それに武器など最初から装備させている筈。
だがこいつらはしていなかった、そして攻撃が通った。
何故ならそこに確実に存在する無に等しい存在"幽霊"だからだ。

584コギトエルゴスム [2016/07/10 21:45:08 ID:KFVzQl16]

訂正:攻撃してくる幻ならば見えている、というだけので虚無剣での攻撃は通らない。

585◆40XbC9fmEc [2016/07/10 22:30:30 ID:3CpE3DXI]

「やってるなぁ…うん?実態が…ない」
男は中庭にいる奴ら恐らくJという奴だろう
(あいつらが戦っている…黒猫も
まさか…ここの霊と戦っているのか…
そうか…なら)
男は仮面を着けて壁から離れて中庭に行った
「…これは相当だなこれわ…あっちが大変な事になるな…」
男はこっちに来る霊を倒しながら歩いた

586J◆kZDFwAt8do [2016/07/10 22:50:32 ID:yajV9wWY]

Jは中庭にはおらんで

587◆40XbC9fmEc [2016/07/10 22:51:53 ID:3CpE3DXI]

はあぁ?!

588◆40XbC9fmEc [2016/07/10 22:57:20 ID:3CpE3DXI]

じゃあ中庭にいるのは?

589◆40XbC9fmEc [2016/07/10 23:22:37 ID:3CpE3DXI]

>>585
無視

590J◆kZDFwAt8do [2016/07/10 23:27:07 ID:yajV9wWY]

落ち着け

591J◆kZDFwAt8do [2016/07/10 23:33:33 ID:yajV9wWY]

Jは最上階にてゲロトルトを追跡

コギトさんはフロントにて幽霊と戦闘中

他のメンバーは中庭に避難
中庭には幽霊達は入ってきてなくて、戦闘してるのはフロントのみ

592レナ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/07/10 23:33:41 ID:3CpE3DXI]

落ち着いた

593レナ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/07/10 23:34:52 ID:3CpE3DXI]

あぁOKOK

594◆40XbC9fmEc [2016/07/10 23:44:05 ID:3CpE3DXI]

あれ待てって事は…

595◆40XbC9fmEc [2016/07/10 23:48:37 ID:3CpE3DXI]

>>577-578
無視

一方
??『さて…この人ゴミからでるか…」
男は急いで逃げ込んでいる人ゴミの列から抜けて
別ルートの関係者以外立ち入りできない道を走った…
??『さて…事務室どこかな?』
??『…このルートのほうが事務室に近いな…』
男は関係者だけ知っている事務室からのルートをたどった
??『やっとか…』
ドア開け事務室に入る

596◆40XbC9fmEc [2016/07/10 23:58:54 ID:3CpE3DXI]

??『ここか…資料を取って帰るか…ん?何の音だ…?』
男はフロント方面の壁に耳をつけるすると…
??『誰か…戦っている行くか…』
男はフロントに行くためにドアを開けた
??『…これはここの霊…やっかいだなぁ…』
(ん?誰か戦っているな…どのみち行くしかないか死神として……)
男は仮面をつけてフロントにいる者と応戦した
??『邪魔…』
男は何か言いながら切っていった…

597◆40XbC9fmEc [2016/07/11 00:16:01 ID:3CpE3DXI]

??『おい…そこにいる奴!上に上がれ!』
男はもう一人の者にそう言った
そいつは命令通り上に上がった少しなんか言っていたが聞こえなかった
??『さてこのホテルどこまで耐えられるかな…?
ハアァッ!!』
男は二刀流で回転切りをした回りの霊は全滅した
??『ふぅ…建物に傷はないな………!』
(まだ上に何かいる…行くか)
男は上の階に向かう

598O,T [2016/07/11 15:40:28 ID:9oqWTRQs]

晋助が階段の2段目に足をかけた時、上から1人の従業員が声をかけた。
「高杉様、高杉様がこれ以上暴れ回ってしまうと他のお客様に危害が加わる恐れがあるのですゥ」
その男は美紀姐を中庭に案内した従業員だった。
倒れている幽霊達にも、晋助にも少しも動じず話を続ける。
「只今お客様達が避難していらっしゃるのですが⋯⋯どうなさいますか?」
「避難が完了するまでそこでお待ちになられますか?」
「それとも一対一⋯このわたしと闘いますか?」
発言からしてかなり自分の実力に自信を持っている事がわかる。
が、見た目と全く釣り合っていない。
内側から腹に押され今にも引きちぎれそうなシャツ、子供より一回り大きい程度の身長⋯
とても戦えるような体型はしていない。
一瞬でその場の幽霊を全滅させた晋助相手ならば尚更だろう。
「前者ならばお客様、その階段を二段降りて、しばらく広場でお待ちになられててください。」

「後者ならば⋯⋯階段を登ってください。『屋上』まで⋯ご案内致しますゥ⋯⋯」
従業員はニヤリと、口角を曲げた。

599O,T [2016/07/11 16:42:36 ID:9oqWTRQs]

>>583
コギトエルゴスムが中庭へ続く廊下に入りかけた時の出来事だった。

生き物とは接触できない。
こちらから攻撃できない変わりに、相手の攻撃も受ける事はない。
どんな魔法も武器も拳も通用しない実質無敵の存在である幽霊。
その幽霊がコギトエルゴスムの刃によってたたっ斬られてしまっな。
最後に痛みを感じたのがいつだったか、それさえも忘れるくらい「痛み」とは無縁の生活をしていたせいか斬られた男の幽霊は必要以上に、赤ん坊のように泣き叫ぶ。
「痛ええ~~~よぉ~~~~っ」
「とってええも痛えよォおおおおおおおおおハハハハハハハハハーーーッウハハウハハハハッ!!」
後ろに束ねた髪を振り回し、元から全身に刻み込まれていた傷と袖のないロングコートを掻き毟りながら絶叫し、身も世もあらずと泣き喚く。
幽霊には内臓も血液もないようで、斬られた胴から鮮血も噴水が出る事も、腸が垂れ下がる事もない。
断面からはドス暗いクレバスのような無の空間が広がるだけだった。
男はそこを押さえ依然叫びつづける。
あまりの痛がりように討伐隊はおろか、周りの幽霊達でさえ呆気にとられてしまった。
「痛えよおお~~~グフヘヘ、おのれッハハハファハハ、グエッブババババ」
「よくも、よこもやりやがったなァァァァァヒヒヒヒハハハハハーッチクショオオオオオウウウバババヒヒヒヒファハハハーッ」
周りの空気が凍りつき、動いている者はその男だけになる。
その後男は
「こんなに!こんなに痛い苦しみははらさなくちゃあいかんなあああバババババーーッヒヒヒヒヒ!」
と捨て台詞を吐き、悲鳴をあげながら廊下の奥に消えていった。
しばらく静寂がその場を支配したが、すぐに再び乱闘は開始された。
コギトエルゴスムが虚無剣を握り、襲いくる幽霊を切り裂こうとした時だった。

コギトエルゴスムの脚がズルリと剥け落ちた。
人間で言うと外果にあたる部分だ。
受けた感覚もしないぐらい素早い攻撃だった。
すぐ足元と周りを見渡す。
その時、視界の端にパタパタと走り回る子供のような何かが見えるだろう。
そいつは不気味な外見をしたぬいぐるみだった。
頭の上に頭が生え、その二つ目の頭の左右からツインテールのように腕が生えている、という狂気じみた見た目をしていた。
製作者は恐らく狂人だろう。
それを除けば特に特徴はない。
あんぐりと口を開け、布を貼り付けただけの大きな瞳でコギトエルゴスムを見つめていた。
「うぎっうぎっうぎィっ」
ねいぐるみは双頭と4本の腕、そして頭から生えた右手に握られた髭剃りを振りまわし、奇声をあげながら向かってくる。
「うけけけけけけけけーーーーーーッ!!よくもッよくもッおれのッ!」

「腹を裂いてくれたな!コギトエルゴスムーーーーッ!!ケケケケケッ」
その声は先程斬られた幽霊の声だった。


600コギトエルゴスム [2016/07/11 19:33:45 ID:hReGikoY]

「痛ええ~~~よぉ~~~~っ」
「とってええも痛えよォおおおおおおおおおハハハハハハハハハーーーッウハハウハハハハッ!!」
痛がりすぎだろ・・・そうだったな、こいつらは痛みとは無縁。
「痛えよおお~~~グフヘヘ、おのれッハハハファハハ、グエッブババババ」
「よくも、よこもやりやがったなァァァァァヒヒヒヒハハハハハーッチクショオオオオオウウウバババヒヒヒヒファハハハーッ」
・・・そしてその周りの引きようである。
彼は「こんなに!こんなに痛い苦しみははらさなくちゃあいかんなあああバババババーーッヒヒヒヒヒ!」
と捨て台詞を吐き、悲鳴をあげながら廊下の奥に消えていった。
痛みを晴らす?不意討ちでも仕掛けてくるのか?
暫く静寂が辺りを包むも俺は剣を構え抜刀に入った。
そのとき、狂気じみた生き物が俺を襲う。
「!?」
気づいて間もなく脚が斬られていた。
"ハイスピードオペ"
俺には痛覚がない、ということが幸いしてなんとか体制を立て直す事ができた。
「うぎっうぎっうぎィっ」
ぬいぐるみは双頭と4本の腕、そして頭から生えた右手に握られた髭剃りを振りまわし、奇声をあげながら向かってくる
「うけけけけけけけけーーーーーーッ!!よくもッよくもッおれのッ!」
「腹を裂いてくれたな!コギトエルゴスムーーーーッ!!ケケケケケッ」
「流石に俺も・・・」
"プロテス"
「複数で来られては・・・」
"シェル"
「手も足も出ないな・・・・・・」
"リフレク"
「とういのは冗談だがなッ!」
俺は腹を裂いた霊に向かって行きつつ周辺のぬいぐるみを連続斬撃で真っ二つにした。

601レナ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/07/11 20:30:13 ID:IEMi10vU]

>>598
(ほう…自分に自信があると…)
高杉「もちろん…後者…階段を上がる」
(恐らく…上に…黒猫がいるだったら行くしかないだろそれに実態があるかないかわからないが…少しは楽しめそうだ…)
俺は、そう感じながら黒い笑みをした…

602O,T [2016/07/11 21:16:40 ID:9oqWTRQs]

>>581
前は爆発、左右は絶対に崩れる事のない壁。
逃げ道は背後の階段のみ。
階段まで逃げ延びたらリイサマバに始末させる。
逆に爆発に飛び込み階下に降りたならば瓦礫で押しつぶす。
完璧なはずのこのプランが見事に打ち砕かれてしまった。
あの化け物はすぐにでも天井裏の扉を開きオレを殺しにかかるだろう。
もっとも化け物とはいえ生身のJがオレに攻撃する方法はない。
斬る事も床に叩きつける事もできない。空をきるだけだ。
しかしオレも幽霊だという事がバレるのはまずい。
それに気付いたならばヤツはすぐ仲間の元に戻っていってしまう。

天井裏への「扉とその周辺」をたった2分間だけ再現した。
これで2分間は扉が開かれる事はない。
女神像を破壊してみせたヤツのことだ。天井ぶち破って上がってくるかもしれない。
足場といえばほんの一部分のみ、天井に攻撃できる範囲は限られるはずだし周辺のみでいいだろう。
足止めできる時間は僅か2分間。オレは急いで螺旋状の階段を登っていった。


重い扉を開け屋上に出る。
冷たい風が全身を包み込んだ。
ウチレスニアのどの建物の屋上にも三角錐型の塔がそれぞれ二本、両端に建っており、オレは中央棟側の塔から出た。
右を向くと中庭が見えた。避難はほとんど終わっているようで客の数は少ない。
さらに遠くを目をやるといくつもの灯りが見えた。夏の国だ。
あそここそが討伐隊のゴールであり、魔王様がいらっしゃる所だ。
絶対討伐隊を向かわせはしない。全員始末してウチレスニア復活だ。
栄光を取り戻すんだ。
魔王に仇する愚者を始末した守護神として、世界一のホテルとして歴史に残るんだ。



もうそろそろ、Jが辿り着く頃か。
オレは入口とは反対側の壁に身を潜める。
そして階段を駆け上がる音が響いた。ヤツだ。
ヤツがドアを開く少し前に能力を発動した。

塔から少し離れた地点に塵が集まり「さっきのオレ」を形成する。
そのオレは真っ直ぐ、反対側の塔へ向かって走っていく。
あの「オレ」を追っていけ。
J、貴様が真ん中あたりまで走った所で「そのオレ」の再現を中止に塵に戻す。
そして次の再現を開始してやる。
「砂嵐」の再現だ。
西棟屋上に砂嵐をぶつける。その砂の弾丸に全身を撃ち抜かれボロ雑巾になるがいい。

603O,T [2016/07/11 22:02:00 ID:9oqWTRQs]

>>600
人形は縫い目を切り取り線に真っ二つにされ、幽霊達は敵わないと散っていった。
しかし人形はイタチの最後っ屁のつもりか。
斬られた勢いを利用して第二の頭から赤インクを鮮血のように吹き出す。
そのインクはコギトエルゴスムの顔と銀髪を真っ赤に塗り替えた。
そのまま重力に従い人形はポトリと床に落ちる。

邪魔が消えたところで中庭へ向かおうとするコギトエルゴスムの背後でなにやら物音が聞こえる。
その音は油の切れたネジマキ、あるいは虫の鳴き声のようでもあった。
音はジョジョに大きくなり、さらに笑い声が混じるようになる。

「ぎぎっうぎィッうぎぎぎぎーーっ!!」
先程の人形、そして最初に斬られた幽霊の声だった。
「よ~くもこのおれをォォォォォォブギィィィッ!」
半分になった人形がバタバタと駄々をこねるような動きで暴れ回っていた。
「ウケッウケッウケッ」
半身ともう半身が互いに体を押し付けあう。
よく見ると千切れた糸や布が動いて結びあっている。
瞬く間に人形は元に戻った。
「アギーッ!!」
真っ二つにされたのが嘘かのようにそいつは元気に跳び回っている。
フロントのペン立を蹴り飛ばし、ソファーの中身を引きずり出し、ライトにぶら下がったりとやりたい放題だ。
コギトエルゴスムは再び攻撃するもそれ以上のスピードで跳び、かわしてしまう。
「オレはさっきおめーに斬られた幽霊だァァァァ今恨みをはらしてやる!はらしてやる!」
「おめーをズダボロにしてはらしてやる!」
続いて向かってくる斬撃をぴょんぴょんと飛び回って避ける。
それどころか「剃刀」だけで応戦してみせた。
「へたっピィイイイイイーーーッ」
次々襲いかかる剣をいなし、避け、ついにはコギトエルゴスムの背後に回り込み、首すじに無数の歯を突き立てた。
威力を上げるためか首から下の体が猛烈に回転する。
「ぶきィィィーッ」
反撃される前に機械の首を噛みちぎってコギトエルゴスムの頭をジャンプ台にして逃走、再び跳ね回る。
この人形、真っ二つにされる前と比べてスピードもパワーも格段に上がっている。
幽霊らしく「恨み」の力でパワーアップしているようだ。
「呪いの人形」は予測不可能、トリッキーな動きでコギトエルゴスムを翻弄する。

「おめかししてやるぜェーーーッ!」
そう雄叫びをあげ、二つの口からまたもや真っ赤なインクを吹き出しながら突進をした。

604J◆kZDFwAt8do [2016/07/11 23:27:48 ID:c9wWXKrI]

静寂。鼓膜を突き破るような爆音と身体を燃やす熱気が嘘ように消え去り、目の前に広がるのは穴が空きまくってボロボロになった床のみ。
あの崩れた瓦礫も、飛び散った壁の破片も全て消え去り、ただ崩壊した床のみが俺の視界に映っている。
どういう事だ。と一度深く思考したが、高等幻術と物理魔法を組み合わせたトラップだったのだ。と考えればそれで辻褄が合う。深く思い詰める事はなかった。
俺は大穴を避け、床に突き刺した二本をナイフを回収する。
その時右腕でナイフを抜き取ったが、どうやら右胸の痛みも出血を治まった。おそらく傷が再生したのだろう。こんな化物みたいな身体になってしまったのが助けになるなんてな。

俺は迷いなく振り返り、あの支配人が逃げた筈の階段を駆け上がる。
後はあの老人を殺すだけ、それだけだ。右胸の傷も再生した、爆発の火傷程度数分も経てば元に戻る。
彼奴もきっと手札を使い果たしているだろう。手札を切らしたのならば、ただ死を待つのみだ。
長身なツヴァイヘンダーを逆手に握り、何段も飛ばしながら屋上の扉まで駆け上がる。
そして、目の前に映った扉を蹴破ってそのまま身を投げた。

肌に伝わる冷たい空気。月明かりのみの妖艶な夜空。俺はゆっくりと立ち上がると、支配人の姿を探す。
そして反対側の塔に目を回すと、暗闇にうっすらと映る人影。やがて視界が正確になると、その影が俺の部屋を爆破した真っ黒な道化師の様な男だと確認する。
俺は躊躇も、迷いも無くそのシルエットへナイフをぶん投げた。魔兵の腕力ならこれくらいの距離は必ず当たる距離だ。

一直線に素早い回転をしながら、ただ真っ直ぐに道化師の様な男に飛ぶ一本のナイフ。
そして後頭部からうなじにかけてナイフがえぐり混んだ。


だが、その男は倒れもしなければびくともしない。


何だと、どういう事だ。
俺はもう一度ナイフを投げる。今度は腱に水平に突き刺さる。
それでもその男は元気に走っている。
俺は驚愕するが、その姿に目を凝らしてみるとナイフがえぐり混んだ傷口から溢れているのは血ではなく、月明かりに照らされて白く光る砂だった。
そうか、あれは砂人形か。ナイフを回収しておいて正解だった。
あれがトラップに引き寄せる餌だと分かれば、追う必要は無い。

俺は一度思考する。
普通の人間ならば、ああやってあの方向に注意を引き寄せたとして、自分が隠れるとすれば、きっと反対側だろう。
それが普通の思考だ。誰だってそうする。俺だってそうする。
そう結論を決めると、反対側の壁の方へ跳躍した。ツヴァイヘンダーを右手に構え、壁を飛び越えた。
相手からすれば、さながら長剣を持った男がいきなら空から降ってきた様に見えるだろう。

605O,T [2016/07/12 19:45:35 ID:bvqSmjDo]

>>601
返答を聞いた従業員はニイィと笑ってみせる。
「屋上へ案内しろ」
「はい、高杉様。こちらでございますゥ⋯」



最上階へ上がり、外につきでた螺旋階段から屋上へ出る。
屋上への道はこの螺旋階段と二本の塔のみだ。
月明かりに照らされた中央棟屋上には3名の影しかない。
中心に立つ高杉。
階段の扉にもたれかかりゼイゼイと荒い呼吸をする小太りの従業員。
そして荷物を運ぶために着いてきた従業員の3名だけ。

もう1人の従業員はロボットのようなせかせかとした動作で小太り従業員に「荷物」を渡す。
麻袋に包まれた全長1m程の「荷物」。
それを小太り従業員は呼吸を整えつつ受け取り開封した。
荷物の中身は鞘に収められた刀剣だった。
金と黒を基調としたシンプルなデザイン。
鞘には鷹の装飾があった。
小太り従業員はそれをゆっくりと抜く。
冷たい水に濡れているかのように美しい刀が月明かりを反射する。
「『オーオータッ』⋯⋯⋯」
小太り従業員はか細い声で何かを呟く。
「『オーオータッ』、これがわたくしの名前ですゥ⋯⋯⋯」
「高杉晋助様、あなた様の命もらいうけまするゥ⋯」
オーオータッ、そう名乗る小太り従業員の雰囲気は別人のように変わっていた。
ただならぬ、鋭い眼光で高杉を睨みつける。

先に地面を蹴って突進したのはオーオータッだった。
とても見た目からは想像できないスピードで一気に間合いをつけ斬り掛かる。
狙いは右肩から胴。目にも止まらぬ速さで刃が迫る。



この刀剣は500年前、製作者が重い病を患いながらも、血肉を削って完成させた代物だ。
完成と同時に製作者の鍛冶屋は死亡し、同時に刀剣に鍛冶屋の霊が憑依した。
刀剣は回り回ってウチレスニアが装飾品として買い取り今に至る。

実はこの刀剣、高杉と出会ったのは初めてではない。
初めて出会ったのは広場で、持ち主はボーイの幽霊だった。
次に出会ったのも広場、持ち主はテロリストの幽霊だった。
その次も広場、持ち主は清掃員の幽霊。
その次の次も広場、持ち主はデザートゲリランの幽霊。
その次の次の次も広場、持ち主は旅人の幽霊。
その次の次の次の次の次の次の次も広場、持ち主はヤクザの幽霊。
広場で何度も斬られ何度も倒れた。
斬られる度に次の幽霊にまわされ、その幽霊が斬られるとまた別の幽霊に渡された。
まるでバトンをパスしているようだった。
そして斬られた度に刀剣と鍛冶屋の幽霊は「学習」した。
どこを斬りたがるか、最初どのように動くか、次にどのような行動をとるか、休憩のタイミングはいつか、
剣力、スピード、構え、呼吸のリズム、行動パターン、癖、技......
刀剣はそれらを記憶し、学習する。
幽霊達は倒れた。
しかし彼らの行動や意思は滅んでいない。
彼らが刀剣を「最強」に成長させ、オーオータッに託したのだ。

(去ってしまった者たちから受け継いだものは先に進めなくてはならない!!)

606◆40XbC9fmEc [2016/07/12 20:50:00 ID:SYppttb6]

>>605
従業員「高杉晋助様、あなた様の命もらいうけまするゥ…」
従業員はその刀を抜いた…
早速かよ…
「あぁ…いいぜ…来いよ…」
と高杉は言うと…従業員の体はみるみる変化していき…俺を睨みそして…一気掛かってきた…
何!?…こいつスピード、攻撃が速い!!…
…なるほど…狙いは右肩から胴…見えるな…
この刀どこかで…まぁいい
さて…どこまで行けるオータッタッ…!

高杉はまだ刀を抜いていない





607O,T [2016/07/13 16:52:30 ID:UDkXQwGo]

〔OT said〕

中庭では従業員が慌しく動き回り客を出口へ誘導していた。
なんでもまた爆発が起きたらしい。
演劇が無事終わり、次の演目の「魔波式六絃琴演奏」3曲目演奏中に一階広場で起きたそうだ。
「なんでも」「らしい」「そうだ」と他人事なのは魔波式六絃琴の爆音と観客の歓声で爆発音が打ち消されて気付かなかったからだ。
私も、他の利用客も誰も気付かなかった。
言われてみればそんな音がしたような気がしないでもない。
どうせ聞こえたところで演出か魔波式六絃琴の音だと思っただろうが。

本来ならあともう一曲、アンコールもいれて数曲演奏されるはずの演奏会は急遽中止された。
観客も演奏者も不服そうにしているが仕方ないだろう。
そして爆発の正体はテロによるものだった。
どうもこのホテル何度もテロ被害に遭っているようじゃあないか。
「トレマース」のホテルを模しただけのホテルを襲ってどうしたいんだ何が狙いなんだ。
旅人狙いなのか、それとも荒辺が嫌いなのか。
人が大勢集まっているここを何故狙わない?
混乱させるためだとしてもすぐ逃げられてしまうだろう。
現にホテルにはほとんど客の姿が見えない。
テロリストの思想なんて考えても理解できないししたくもないのでやめておこう。

非常口の方に目をやる。
まだまだ客の密度が高い。
人混みにもみくちゃにされるのは嫌いなので非常口に向かうのはもう少し後にしておこう。
どうせ人の少ないフロント、広場を爆破したうえ、ターゲットであろう客をみすみす逃がすような間抜けなテロリストが相手だ。
少しばかり呑気に構えていても大丈夫だろう。
列の横で従業員が本に何かを書いているのが見える。
サイズからして本というより手帳か。
ここで一つ既視感を覚えた。
あのダークブラウンの革製の表紙、どこかで見た気がする。
記憶を遡り、それの正体を記憶の中から探す。

答えはすぐに見つかった。
あれは「宿帳」だ。
フロントで名前や宿泊期間なんかを書かされたあれだ。
なるほど、あれでどの客がまだ避難していないか、もしくは既に避難を済ませたか確認しているのか。
何か書いているように見えたのは恐らく「チェック」か「二重線」だ。
避難の済んだ客の名前を消しているんだ。
宿帳を持つ従業員が一々名前を聞いていないのが気になる。
まさか全員の名前と顔を暗記しているのか。
伊達にこれだけ大きなホテルで働いていないということなのだろう。
しかし1人1人確認しているのだから時間は掛かる。
どの道私が出るのはもう少し先になりそうだ。

608O,T [2016/07/14 20:00:21 ID:bPEVDFf2]

>>604
ドアが乱暴に蹴破られる音を塔ごしにとらえる。
ついにヤツが来たか。
塔の影に身を潜めながら少しだけ顔を出す。
まだ見えるのは反対側の塔に向かって走る自分だけ。
自分を第三者の目線で眺めるのはこれで2回目だ。
最初に自分を見たのは幽霊になりたての頃だったがあの時の自分の姿はとても酷かった。
首吊り自殺は楽だが死体がエグいという事をまさに身をもって体験したわけだ。

「走る自分」に光る何かが物凄いスピードで向かってくるのが見えた。
暗いのと、顔を少ししか出していないせいでよく見えないがその正体はJとしか考えられない。
光って見えたのは月光を反射したナイフか、もしくは剣だろう。
Jが「位置」まで来た!
「走る自分」の再現を中止。
次は「砂嵐」の再現だ。
これでヤツは全身を「砂」で撃ち抜かれてようやくくたばる。
3回も爆発で吹き飛ばしてやっても瓦礫で押し潰してもピンピンしてるような化け物も流石にこれには耐えられまい。
Jの死に様をよく見てやるためさらに顔を出す。

(ん⋯⋯?)
なにやら違和感を覚える。
下を見てみるとその違和感の正体を見る事ができた。
これは、なんだ?
銀色で、月光を反射している。
そして、それはオレの胸から生えていた。

体に悪感が走る。
時間が止まったかのように感じる。
生きていたならば鼓動が速くなり、脂汗をダラダラと垂れ流していただろう。
(ありえない。こんな事はありえない。Jは蜂の巣になっていて、ウチレスニアは復活するんだ。するべきなんだ。)

振り返るとJが立っていた。
そいつもオレと同じような「ありえない」、といった表情を浮かべていた。

609和美◆hNSBMrrUeA [2016/07/14 20:59:13 ID:LhuxdJVc]

二度目の爆発音でホテル内は混乱していたが、私は中庭の木に背を預け座っている。
相手はテロリストらしいので弦を張って3点置きにし、アクセサリー(防具)も着けた。
我先に逃げようとする輩の怒号が中庭まで聞こえる。
「気持ちは分かるけど…ん?」背後で少年が私を覗き込むように見ている。
格好は『砂漠を旅する』物だが、服を含め少年の体は…何と言うか色彩が薄く
そしてややぼんやりしていた。
恐らくは『こちらの世界の存在ではない』のであろう事の察しはついた。何処のホテル、宿屋でも聞く話だ。
私の「こんにちは」に『少年』は笑んで頷いた。喋りかけてこないという事は、危害を加える気が無いという事だ。
『少年』は木陰から出て弓のそばにちょこんと座り、興味深そうに見た後、私の顔を向け「ニッ」と笑って見せた。私もそれに応える。
『少年』が再び目を戻そうとした時、その目は弓ではなく、その向こうに居る従業員に向けられ、そして怯えた表情になった。
「どうしたの?」と言い私も目をやる。遠いので戦闘時と同じように集中した。
(…書物?にしては記された文字が手書きっぽい…ああ何だ『宿帳』か…でもこの子の怖がりようは一体…)

610るりるん@瑠璃 [2016/07/17 00:17:06 ID:2oxss4AI]


 「うわっと!?」
 
 突然響いた爆発音に驚いて逃げ惑う人々に、私ー瑠璃(るり)は飲まれそうになったのを間一髪で抜け出した。
 相手はテロリストだから客室にいると危ないということで中庭に出されたのだが、この様子だといつここに被害が及んでもおかしくないような気がするのは......私だけだろうか。
 
 「とりあえず......中の様子が見れるとこないかなー」

 今の私には情報が少なすぎる。ホテル内の様子が少しでも分かれば私もなにかしら対策が考えられるのでは、と思った私は、使えそうな物がないか、辺りを見回す。すると、少し離れたところにいい感じの高さの植物を見つけた。

 「あれに登ってみますか!」
 
 


611J◆kZDFwAt8do [2016/07/17 20:20:25 ID:BzRObUQ6]

俺は空中に落下する速度に身を任し、月明かりしか光の無い暗闇の中、俺は彼の後ろに舞い降りる。瞬間、右手に握るツヴァイヘンダーを一直線に振りだす。
命中させる部位は腹部。致命傷ではない。こいつをすぐに殺してしまうと意味がない。拷問して情報を取り出し、こいつがどの様な者で、何と関係しているのかを知るのだ。
そして、光に照らされた銀色の刃は、その男の背部へ突き刺さったのだ。

だが、感触がない。まるで空振りした様な感触。
致命傷を避ける為に骨と臓器の多い部位は避けたつもりだ。それでも感触が無いというのはおかしい。
呆気に取られる自分。どういう事だ。俺がずっと追い掛けてきたのは、自分の妄想だったとでもいうのか。
そんな、そんな筈はない。

自分に言葉を言い聞かせ、何とか冷静を保つ。震えそうになる右手に、左手を添えて抑え込む。
やがて腹に刃が刺さりなから、目の前の男は俺の方に振り返った。

「お前ッ...どうやって俺の後ろに。まさか、まさかッあの塔を飛び越えただなんて言わねーよなァ!」

振り向くなり、俺に疑問を振り掛ける男。

「何故、お前は血が出ない。」

俺は返す。

「質問を質問で返すなあーっ!!」

男は怒鳴った。

612◆40XbC9fmEc [2016/07/18 12:16:26 ID:ivlkpkko]

>>606の続き
(まだ、攻撃方法を変えないか…こいつの攻撃手順は極簡単ただ左上から右下そこから右下から右上と言う感じに丁度八の字に切っているそして十字形と八の字二回してからから十字で繰り返し切っている、、、)
高杉はその八の字の反対左上からは右に、右下から右上の攻撃は左に避けていた前を向きながら下がっての繰り返しながら考えた
(まぁ、どこを攻撃かは分かるけどな…チャンスは八の字刀は長く見る限り天井、左右の壁、地面に切り傷がつけられている上からの攻撃は無理なら…真正面、、、あいにく俺は死神実態のない者でも触れるそれにどういう攻撃のしかたでも俺はできるんだよ、、、!)
一瞬だった、、、高杉はオータッタッの首を片手で掴んだ
(種明かしは、、、お前が、、、)「お前が八の字で切る瞬間がチャンスでも攻撃は回りは切られる可能性があるから真正面で攻撃しかない
じゃあどの瞬間で攻撃するかそれは左上から右下そこからの攻撃右下から右上に斬る瞬間で攻撃すればいい簡単な話しだよ」
そう言ったあと高杉は左壁にオータッタッを投げた
「さて面倒だからさっさと逝ってもらおうか?

       卍!解!


613O,T [2016/07/19 20:58:06 ID:yPAwi7lk]

>>611
嘘だろ⋯?
マジに塔を飛び越えて来たのか?
いよいよ人間じゅあないぞ。
いや、オレを追う時ヤツは爆破されたにも関わらず二階まで跳躍していた。
廊下の爆発も抜けて追ってきた。
ならば塔の1本や2本越えたところでなにもおかしい事はない。
納得はできないが。

Jは今すぐに1階へ戻る様子はない。
まだ状況を掴めていないのか、混乱しているのか、どちらにしても今がチャンスだ。
しかし今の状況でな「砂嵐」の再現で仕留めるのは難しい。
砂がここまで辿り着くのに少しだけ時間がかかる。
それに異常に気付いたならばここから飛び降りて行ってしまうだろう。
だからすぐには逃げられない屋上の中央で葬り去る必要があった。
「雨」の再現も同じ理由から無理だ。

この状況を打破する良い「再現」はないか?
スピードとパワーのどちらも申し分のない「再現」はなにがある?
⋯⋯そうだ、あの再現があった。
心の中でそう思った瞬間スデに再現は開始していた。
塔の屋根、そして10m横に塵が生まれ、集まり、形づくる。
そしてオレは叫んだ。


「質問を質問で返すなあーっ!!」
とにかく時間を稼ごうと必死になっていたため口から飛び出たのはなんとも情けない台詞だった。
しかしこれでいい。
「再現」はすでに真上からJへ向かっている。
Jは再現の「影」に気付き素早く上方を見上げる。
そこには真っ直ぐ、こちらに落下してくる男の姿があった。
大の字のポーズで、カビ胞子を思わせる緑髪を風に靡かせ、何故か満面の笑みを浮かべながら迫ってくる。
アリスがオレから抜かれる。
再現を敵と見なしてたたっ斬るつもりだ。

しかし、迫る影は一つではなかった。
夏の国側の空から巨大な影が猛スピードで接近する。
刃が「落下の男」に触れる前に、Jは大きく吹っ飛ばされた。
もう一つの西棟まで飛ばされる。
地面に叩きつけられ、数回転した後、塔に受け止められたところでようやく停止する。

「ギャアァアアアアアアース!」
Jを吹っ飛ばした本人は咆哮をあげながら夜空を舞う。
「4」を描くようにターンし、Jが飛び越えた塔に激突。
爆発するような音と共に土煙がふくれあがって、石づくりの塔の上半分が破壊される。
土煙と破片を突き抜けそいつが姿を現す。
そいつは5m級の『飛竜』だった。
ただし頭は鶏のものだった。
全身を包んだラバー製の防具の隙間からは見開かれ血走った眼が覗いている。
「良ぉお〜~〜~〜しッ!よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし!」
「たいしたやつだアルコおまえは」
背には「落下の男」が跨り手綱を握っている。
片方の手では狂ったように飛竜の首を撫でていた。

「ごほーびをやるぞ。タイミングバッチリに来てくれたごほーびだ」
そう言って男が取り出したのは角砂糖の入った箱。
飛竜はその台詞を聞いて嬉しそうに唸り声をあげる。
1人と1匹はまるで兄弟や親友のように仲良く会話を続ける。
「2個でいいか?」
「ブハーッウウウ、ブハァッ!!」
「うそだよ!5個投げてやろう!同時に5個キャッチできるかな?」
「キョォオーン!」
「行くぞアルコ5個行くぞ!」
男の手から角砂糖が放られる。
それを飛竜は滑らかに飛行しクチバシでキャッチする。
ある時は急旋回し、宙返りをし、直角に上昇、下降して見事捕らえる。

「うおっ悪い⋯向こう側に⋯⋯⋯」
飛竜のあまりの勢いに男はつい手元を狂わせてしまう。
最後の1個はJのいる塔の方へ飛ばされた。
しかし飛竜の反応は凄まじかった。
鶏冠を靡かせ巨大な皮膜で羽ばたき、塔へ直線していく。

(最初の一撃で肋の5〜6本折れたかーッ?)
とあるギャングの内部抗争を再現した。
裏切り者がボスの秘密を探ろうとした事が発端の出来事らしい。
そしてこれはそのボスと裏切り者の戦いの再現だ。
といってもオレの生まれる何百年も前の出来事で、情報は操作されているだろうし詳細はわからない。
方法はこれしか思いつかなかった。
この出来事をオーオー・タッさんが教えてくれていなかったら非常にまずい状況になっていただろう。
飛竜の突進を喰らってもまだ生きていた場合は「雨」の再現でとどめを刺すとしよう。

614コギトエルゴスム [2016/07/20 20:39:00 ID:Qqj3gBEI]

「時よ!」
首から声がした。
"ストプガ"
俺は時を止めた。
「…ふぅ、首から声がすると違和感があるな」
"ハイスピードオペ"
俺は首を取り付けた、ストプガの効果が切れてしまわぬうちに残りの時間でぬいぐるみの背後に回りこんだ。
人形が避けられない程度の破壊光線を放ったと同時に破壊光線が貫通するであろう床に
「守りを!」
"リフレガ"をかけた。
人形は瞬間移動したかのようにスッと消え去った。
…いや、瞬間移動していた。
俺はまたも首を切り裂かれそうになるがリフレガには反射の効果もある。
「反れろ!」
"リフレガ"
反射を利用して人形に当てる、だが反れたのは狙いだ。
人形ではなく、持っていた剃刀に当たり剃刀は消滅した。

615O,T [2016/07/21 21:11:21 ID:W2Lj33/U]

>>610
今から450年前とあるギャングの内部抗争にウチレスニアが巻き込まれた。
ボスに反旗を翻した裏切り者を追ってボス自らが直々に始末に向かったのだ。
屋上での攻防中、ボスは「能力」によって屋上に樹木を生み出した。
樹木の生命力は凄まじく、約420年間ウチレスニアで生き続けた。
石造りの屋上でだ。
現在は秋の国の博物館に展示されている
毎日4万もの人間がこの樹木とフリエッピの彫刻に引きつけられ、この2つは必ず観て帰っていく。
根っこは屋上の塔と一部分を侵食し、そのうち数本は中庭まで伸びている。

そして、瑠璃はその根っこを登ろうとしていた。
(なにやってんだ⋯?あいつ⋯)
客の誘導にあたっていた従業員の2人が気付く。
1人は地団駄を踏んで癇癪起こし、もう一人はポカンとしていた。
「『根に手をかける』ってのはわかる⋯⋯⋯スゲーよくわかる」
「あの根っこは名所みたいなもんだからな⋯だが「足をあける」ってのはどういう事だああ~〜~〜っ!?」
「落ちて死んだら誰の責任っつーのよーーーーッ!フザケやがってあの女ァ超イラつくぜぇ〜~〜~〜ッ!!」
「根っこの長さは30m以上!登れるもんなら登ってみやがれってんだ!チクショーーッ!」
激怒中のメガネをかけた従業員をもう一人の従業員が宥める。
(降りられなくなったり、股関節痛めたり、すりムイたり、死んだりしたら大変だ⋯はやく止めにいかなくては)
もう一人の従業員が根っこの下まで瑠璃に呼びかける。
「あのォ⋯失礼ですがお客様、なにをしてらっしゃるんで?危険ですし、状況が状況なので降りてきて頂きたいのですが⋯」

616O,T [2016/07/22 22:53:38 ID:yq2NyxHU]

>>614
弾かれて床や遠くに転がるのでもなく、剃刀は音もなく、溶けるように消えた。
消えきれなかった部分が破片となって床に散らばる。
恐ろしい、脅威的な攻撃だった。
あの光線は物質の強度を無視して、あらゆるものを消滅させるらしい。
痛みも、恐怖も感じさせずに物質をこの世から消滅させることができるのだろう。
「なんでも消す」、なるほど実にわかりやすく単純だ。
だからこそ恐ろしい。

一瞬驚いたような素振りを見せ、再び駆け回る。
その間に必死に考える。
時間停止の能力と合わせればどうしようもない。
なのにヤツは何故か敢えてこんな回りくどい方法を選んだ。
時間停止中に撃って終わりじゅあダメだったのか?できない理由があったのか?
停止時間が僅か数秒だとしてもヤツなら時間内にやってのけられるだろう。
何か考えがあるのかもしれない。

『時間停止』
ありとあらゆる物質は運動を停止する。
鳥や落下中の水滴は空中に固定され、自転公転も止まる。
それは「空気」も例外ではないと考えるべきだ。
人やボールが止まって空気には何も影響がない、なんて事はないはずだ。
空気が完全に止まるとどうなるか。
簡潔に言うと全く身動きがとれなくなる。
体は固定された空気にピッタリ覆われるわけだ。
コンクリ詰めにされたようなものだ。
動けないどころか呼吸もできない。
動けたとしても原子は退かず体をすり抜けるので被爆する。
はっきりいって「時間停止」が可能でも、時間停止中に自由に動くなのは不可能としか言えない。

ここで1つ仮設がある。
時間停止の能力者は、触れた物を時間停止から解放できるのではないか?
触れた空気を自らと同じように動きを可能にしている、そう考えれば時間停止中に動くのも可能だと言える。
そこで、さっき首筋にかぶりついた時、傷口に糸を仕込んでおいた。
ほぐれさせた糸を歯で押し込んだだけだ。
失敗する可能性が高かったがヤツの「回復」が成功に導いてくれた。
修理という表現が正しいか。
抉れた部分は首に戻り、傷も溶けるように消えた。
その時傷内の「糸」は首と融合された。
つまりヤツはオレに「触れている」。
理論上ではこれでオレも静止した時の世界を動き回れるはずだ。
ヤツと同じく生き物ではないので被爆する心配もない⋯⋯はずだ。

結果は成功だった。
オレは止まった時の世界に入門した。
蝋燭の火も、破片も、従業員も、写真のように静止していた。
派手に動くとバレてしまうので体内に仕込んでいる武器や綿で試してみたところ通常通り動いた。
そして時は動きだした。

時間停止中、3つの嬉しい発見をした。
1、触っていれば時間停止に巻き込まれない
2、停止時間は短時間。
もし1時間も半日も止められるならオレは今こうして考察なんぞしてない。
3、オレのスピードは既にヤツを越えている。
そうでなかったとしても、まともにオレを捕らえたり破壊光線命中させる事はできないのは確かだ。
できないからヤツは時を止めた。
『自分はあのぬいぐるみに追い付けない、時を止めないと勝てない』
ヤツはそう認めてしまったんだ。
ならばヤツは必ず、再び時を止める。
あの光線でオレをこの世から消し去ろうと再び時を支配する。

「時よ!」
ヤツが声をあげ、時の歯車をガッシリと掴む。
来たぞッ!この時を待っていた!
壁を虫みたいに這い回っていたオレはすぐさま停止する。
そこにヤツは照準を当てた。
破壊光線が発射される前にオレは動いた。
「ヘイ!コギトエルゴスムッ!今からてめーのタマキン⋯かみ切ってやるぜーッ!メーーン!」
首を180°回転させ、真っ直ぐヤツを見て叫ぶ。
口内にびっしりと生えた、無造作に打たれた釘みたいな歯が丸見えだ。
「ぶばはははははあ!」
二つの頭をそれぞれ逆回りに猛回転させながら、壁に沿うように走り回る。
走れば走るほど糸が減っていく。
それでも広場や弄花を余すことなく走る。
ついには布が全て糸になり、中身がぼろばろとこぼれる。
とうとう体を構成する物が骨代わりの針金、目や口だけになる。


そして時は動きだした。

617るりるん@瑠璃 [2016/07/24 23:24:35 ID:ZecVsrAE]

>610

 人の間を縫って目当ての植物に手をかける。そしてそのまま一番下に伸びている枝につかまって、体を宙に放り出すような感覚で高い枝に飛び移った。これで中庭も、ホテル内も見渡せる。
 
 「………うーん、ひどい状況としか分からないなぁ」

 建物のあちこちにパラパラと被害の後のようなものが見える。しかしこれだけだとよく分からない。

 「んで中庭はー………ん?」

 視点を移して眼下の様子を見る。すると、なにやら不思議な雰囲気の物を見つけた。あれは……宿帳、かな?

 「なんだろう、なにかがおかしい気がするんだけど……」

 私は一旦降りて宿帳に近づいてみることにした。

618J◆kZDFwAt8do [2016/07/25 21:35:51 ID:CDCBl1Ys]

一旦あげ

619J◆kZDFwAt8do [2016/07/25 22:27:01 ID:MNWSZEGQ]

>>613

俺はゆっくりとその男から刃を引き抜く。そうか、今やっと理解した。ずっとおれは幻想を追い掛けてここまで無駄足を運んでいたという訳か。
くそったれ。くそったれが。ただ悪態しか浮かばない。いくら混乱しているとはいえ、俺はそれを自覚している。冷静を保っているつもりだった。だが、そうやって言い聞かせてやってこの様だ。
絶えない立腹。こんな幽霊の様な奴にメンバーが殺されたという屈辱。何もかもが、俺の怒りを沸点まで高めていた。

それにしても、突き刺されていた男からは血も出なければ傷跡も残らない。本当に不気味な奴ばかりだ。ここは。
だが、こいつを倒す事も出来なければ、殺す方法も無いとすれば俺がここにいる理由は無い。例え最下部に下りても、俺は幽霊を倒せない。出来る事は避難しているメンバーの護衛程度だ。
だが、それでも意味はある。俺はそう思って下に下りようと思考するが、その瞬間だった。

目の前に巨大な飛行体が飛んで来る。今までのしこうが途絶え、今めに映る光景に反射的に反応しようとするが、それよりも早く衝撃は走った。
自分より何倍もある質量に吹き飛ばされ、痛みという感覚よりも宙に浮いているという感覚が押し勝っていた。
そのまま俺は西棟まで吹き飛ばされ、地面をに叩きつけられながら転がり、塔に受け止められた。

耐えろ自分。この程度魔兵なら何ともないだろう。今まで生きていて、こんな衝撃くらい何度も経験しただろう。
そう自分を言い聞かせて混乱と混沌が混ざり合った思考の中、ゆっくりと立ち上がる。
右手にアリスを握っているのを感触で確認し、俺は目の前の飛行体を見詰める。
竜だ。こんな気持ちの悪い竜は見た事ない。それに、その竜の背中に誰かが跨っている。
俺はそれを横目に出口のある方へ向かおうと足を運ばせようとするが、そのまえに竜がこちらへ突撃してした。
真っ直ぐ来る。一直線に。ただ俺の方に向かって。



(勝った!この重みのある爆音!これを耐えれる人間などいるかッ!)
ゲロトルトは確信した。いや、確信したというより、常識的な思考をしたというのか。
彼の今まで引きつっていた表情は徐々に緩み、やがて小さく微笑んだ。
だが、その表情は一瞬で元に戻る事になる。

「…は?」

ゲロトルトは思わず声を漏らす。当然だ。常識的に、普通に考えてみて人間よりも何倍も質量とパワーのある竜の直接的な激突を食らって生きている人間はいない。それ以前に、形すら残るはずがない。
それなのに、彼に映った光景はその「常識」を覆していた。

(竜に乗ってやがる…)

激突された筈の男は、まるで「俺は余裕を持っているぞ。」と言わんばかりに竜の上にに立っていたのだった。
彼は再現の能力を理解し、そして他の物体に干渉されず物事が進むという法則を利用して、竜をきりころすのではなく、竜の上に乗る事によって生還したのだ。
だが、一般的な人間がそんな芸当をできる筈がない。竜の激突の衝撃波や、瓦礫も再現の内なので容赦なく肉体を突き破る。
そんな無謀とも言える「スタント」を成功させたのが、魔兵の超人的な肉体だった。
瓦礫の落下を瞬時に予測し、小石程度は粉々にする衝撃波を耐え抜き、全てを肉体反射で死を回避した。

そのまま、その男は白いコートを靡かせながら、竜から飛び降りて出口の方へ降下した。
その速度も尋常じゃなかった。あんな速度で飛び降りれば、骨が折れてしまうなんて話しじゃ済まない。だが、それでも彼は何事もなく着地し、そのまま地面を蹴り、水平に跳躍して扉を抜けたのだった。

620るりるん@瑠璃 [2016/07/26 22:10:21 ID:A/yBaujc]

>615+617

 登った時と同様に近くの枝を掴んで、体をぐっと引きつける。太いから鉄棒のように使っても大丈夫そうだ。そのままするすると下に降りると、誰かがポカンと私を見ていた。格好から従業員だろうな、と思う。
 
 「あの、私になにか......?」

 おそるおそる声をかけると、その人はハッとしたような表情をして、それから言った。

 「お客様、この木に登られるのは困ります。ご覧のとおり、とても高いので、万が一のことが起こった時のことを考えて頂きたい。登る前に声をかけたのになぜ無視されたのですか?」
 「え、すいません。 私に何か言ったんですか。 何も聞こえてませんでした」

 あははっと笑ったら、笑い事じゃないと叱られてしまった。別に落ちてケガなんてしないのになぁ、と思うけど今ここでそんなことを言ったら余計に怒られそうなのでやめておく。
 そして、気になっていた宿帳へ近づこうとしたのだが、

 「お客様? どこへ行かれるのですか。 中は危険です。 どうぞ私たちとこちらへ」

 従業員の彼が見逃してくれる訳がなかった。ですよねー、なんて思いながら、彼に訴える。

 「でもあの、あそこにある宿帳がなんか変なんですよ。 見に行きたくて」
 「宿帳? あそこの宿帳は普通ですよ。 さぁ、行きましょう」

 どうやら気付いていないようだ。私は、ばれない程度のため息を吐いて考える。宿帳がおかしいのは確かだ。しかし、この状況ではあそこまで行けない。魔法を使う......しかないような気がする。色々面倒な気もするけど、仕方ないか。
 

621O,T [2016/07/26 23:06:38 ID:vUwOp4AA]

>>620
なんだこの女⋯何故宿帳に拘る?
「宿帳」は我々にとって非常に重要なものであり、「ホテル・ウチレスニア」の要だ。
そうでなくともホテル営業には欠かせないし、個人情報が詰まっているので紛失は許されない。
だから我々がこの宿帳に拘るのはわかる。
しかし瑠璃が宿帳に拘るのはわからない。
「変」だと?確かに宿帳は能力の心臓だが外見から異常は見受けられないはずだ。
ごく一般的な手帳、表紙がダークブラウンの革製の手帳。
ただのそれだけ。
まさかこの女、魔術師かその類か?それで宿帳から何かを感じとったのか?
いや、そうだとしたら他の小物、壁、従業員、ホテル全体に異常を感じているはずだ。
ホテルを含め、このホテル内のモノは全て「幽霊」なのだから。
念のため、傍でキレている同僚を宿帳に向かわせた。

もしかすると見た目通り、子供だからこその行動だったんじゃあないか?
子供なら木登りだってするし、好奇心旺盛なのでちょっとした事でも気になってしまうのだろう。
私だって子供の頃はよく他人の目なんて構わず屋根や大木の上を駆けた。
空はなんで青いの?根掘り葉掘りの葉掘りはどういう意味?ナメてんの?と親にしつこく質問しまくった。
子供なら当然の事なのだ。
そう思うと神経質になりすぎていた自分が滑稽に思えた。
小さいのに1人でこんな砂漠を横断しているなんて立派じゃあないか、と思えた。

しかしこれと「宿帳に触れさせる」かは別だ。
彼女が無害だとしても他のお客様の個人情報をいたずらに見せるのはまずい。
なんとしてでも説得しないといけない。
「瑠璃様、あの宿帳には多くのお客様の個人情報が載っております。
申し訳ございませんが、他のお客様の閲覧は御遠慮させて頂いております。
何卒ご理解ご協力お願い致します⋯⋯」

622るりるん@瑠璃 [2016/07/27 22:10:11 ID:GOK.FFEQ]

>620

使うとしたらどの魔法がいいかな、と悩んでいたら、宿帳は個人情報が詰まっているから、を見られるのは困ると言われてしまった。確かにその通りだ。ホテル側がそこを守ろうとするのはとてもありがたいのだけど......。もう一度この植物に登って飛ぶ?いやそうすると宿帳に先回りされた時に厄介だ。何か別の方法はないだろうか。
 
 今ここで考えていても無駄だろうなと思った私は、一旦彼から離れることにした。目の前で見られていては何も出来ないし、動けない。

 「っ!? あ痛たたたたたっ!!」
 「! どうされました!?」
 「きゅ、急にお腹が痛くなってしまって。 トイレ、どこ、ですか......?」
 
 作戦その1、仮病。
 お腹を腕で包むようにして、腰を折り、床に膝をついて下を向き、心底苦しそうな声をしぼり出す。後はトイレの場所さえ教えてもらえれば、彼から離れられるだろう。さぁ、彼はどう対応してくれる......?

623J◆kZDFwAt8do [2016/07/28 01:06:04 ID:oqBOj9qw]

>>622

あの後、俺は螺旋状の階段を中心から飛び降り、出来る限り迅速で最下部へ向かった。
長い廊下を駆けてる途中に、俺はこのホテルの仕組みについて徐々に理解してきた。
まず一つは、これは幻術などではなくてそれ以外の確立した存在という事。一番近いのは幽霊か。
このホテル全体を含め、従業員も客の一部も幽霊に近い存在か、その物の様に思える。
つまり実体がない何かだ。故にゲロトロルトは殺せなかった。
二つ目は、確実に物質となる事象が起こる。部屋の爆発、廊下の爆発、さっきのドラゴン。これらは、その質量、その破壊力、その他諸々を完全な再現のようにして出現させている。
実際、あのドラゴンに乗っていた男は俺に気付いていない様だった。もしかするとこれらの事象は召喚魔法やそういう部類ではなく、過去の出来事や架空の出来事をそのまま現実の出来事とし「呼び出して」いるのではなかろうか。
俺はこんな状況に置かれた事は無かった。だが、近い状況に陥った仲間は知っていた。故に、この謎解きが解けた。

全ては幻想か。俺が今まで行ってきた行為が水の泡だ。
だが、この幻想の核があの男ではないというならば、核はどこなのだ。
たしか、ゲロトロルトは宿帳をしつこく保護していたな。まるで宝石を扱うように。広場で幽霊達が乱戦していた時にその行動が垣間見えた。
ならば、あの宿帳にこのホテルを脱出するヒントが有るのではないのだろうか。
この時、俺はあの宿帳がただの個人情報が記された紙ではないと確信した。
この考察が正しいのならば、このホテルが待つのは崩壊だ。
答えは見付かったのだ。後は答え合わせをするのみだ。

そう結論を出し、俺はフロントへ出た。
が、そこには地獄のような光景が広がっていた。

「あんたは中庭に行ってくれ。」

足の力が抜けそうになるが、その大声で気を取り戻す。
声主は、さっきの銀髪の男だった。
俺は混沌としか言い表せぬフロントを飛び抜け、中庭へ出る。
今までの憂鬱とした空気とは違い、月明かりに照らされた中庭の暖かさが俺を包む。だが、今はそんな感覚によがっている場合ではない。直ぐ様人混みに俺の体は揉み消された。
それでも俺は客人を押し退け、避難した筈のメンバーを探す。
やがて巨大な植物の前に出ると、倒れ込んだ一人の少女と、それに近付く従業員がいた。
打つ手が無くなれば、一般人まで武器として使う気か。そんな事、させはしない。

俺は右手に握り混んでいたアリスを、その従業員の方へ思い切り突き刺した。
全長160cm、およそ5㎏以上の長剣の質量が従業員に突き刺さる筈だったが、俺が振りだした剣先は震え、全くの手応えが無い空振りした感覚が襲う。

「やはり、お前もか。」

その従業員にアリスを突き刺したまま、俺は呟いた。

624O,T [2016/07/28 02:00:23 ID:SkJHVNv2]

>>623
少女が腹を押さえて膝から崩れる。
腹痛を訴えているがどこか演技らしい。
トイレに行くふりをして、こっそり宿帳に近付く魂胆か。
だとしても案内しないわけにはいかない。
それに宿帳が気になるなら気の済むまで見せてやればいいだろう。
ここはその演技に乗ってやろう。
「こちらでございますゥ⋯⋯」
案内を開始した。

手洗いの場所は中庭を出てすぐ横。
さっそく先に立ち出口に向かう。

出口から怒号が響く。
慌てた様子の従業員と、そして白いコートの男が飛び込んできた。
一瞬思考が途切れる。
そいつの顔は見慣れている。
写真に穴が空くほど程確認した傭兵のJだった。

ゲロトルトはなにをしている?
中庭には絶対入れるなと言ったのはお前だったろう?
ホテルの秘密がバレてしまったのもお前の責任だ。
全く情けないヤツ。
しかし今は同僚に当たっている暇はない。
何故かJは私を狙っている。

私がここで刺されるのはまずい。
客が混乱して事態がよりややこしくなる。
かといって躱すゆとりも術もない。
防ぐ事はできるがその場面を見られてしまう。
攻撃もできるが論外だ。

(イエスタデイ・ワンスモア!『客』を再現する!)
塵が現れ、瞬く間に何人もの「利用客」を形作る。
利用客は私とJを囲み壁になる。
これで他の客からは見えづらくなったはずだ。
刹那、刃が私の体をすり抜ける。
誤魔化せたかどうかはわからない。
瑠璃にはバレてしまっただろう。

同僚に瑠璃を任せた。
この状況で何事もなかったかのように手洗いに行くとは思えないが⋯。

「J、まだお客様の避難が終わっていない⋯⋯ここでおっぱじめられると困るんだよ⋯」
「私達はお前らを始末するため雇われた刺客だが同時に従業員でもあるんだ⋯⋯お客様には快適な気分で楽しんでいってほしい」
「お前だって無関係の者が巻き込まれるのは気持ち良くないだろう?」
かなり身勝手な要求なのは自分でも承知の上。
『無関係の者が巻き込まれるのは気持ち良くない』
だからヤツは私を狙ったんだ。
私が瑠璃に危害を加えようとしてる、そう考え救うために大勢の従業員の中から私を選んだんだ。
ならば少しだけ、お茶でも飲みながら待ってくれてもいいだろう?

625O,T [2016/07/28 02:15:26 ID:SmWvcGz6]

オレBLEACHも卍解も知らないから頼むよ
>>612
衝突した石の壁面はたちまち罅割れ無数の裂け目ができた。
それが表す通りダメージは凄まじい。
生きていたら身体中あちこちが骨折していただろう。
ノソノソと、蕩けた表情を浮べながら立ち上がる。
まさか掴めるとは思いもしなかった。
あの武器だけが特別だと考えていた。まさかあいつ自身が特別だったとは。
しかし今の動きも「憶えた」、次は通用しない。
(まさか同類か⋯?)
ヤツには未知の部分がある。
少なくとも人間ではない。
さらに慎重に挑まなくてはならない。
ここから先は一手誤った方が敗れる。
体制を整え飛びかかろうとした時、ヤツは叫んだ。

626るりるん@瑠璃 [2016/07/28 23:35:06 ID:uMU6.tUA]

>624

 従業員は、しぶしぶといった様子でトイレに案内してくれた。あ、バレたねこれ、と悟る。この作戦を実行してから気がついたのだが、ホテルの従業員はお客にサービスを提供するのが仕事だから、常に客を観察し、先を考えて動いているだろう。ということは、こんなとっさの演技を見抜くことなんて彼にとっては朝飯前だったのかもしれない。
 だって他の従業員に私を預けて単独行動出来ないようにしてるし。絶対バレたよね、さぁて次はどうするかな。
 悶々と悩んでいたら、突然後ろからものすごいパワーと異質な空気が迫ってきて私は、バッと振り返った。
 そこにはさきほどの従業員がいて、その体には大剣が突き刺さっている、のに、血が一滴も流れていなかった。それどころか体が少し透けているような......?そして、彼に剣を刺している男性は怖い顔で彼を睨みつけていた。
 
 「一体何が......?」

 分かったのは、ものすごいパワーを放っているのが剣を持っている男性で、異質な空気をまとっているのが、さきほどの従業員だということ。そして、あの従業員は、人間ではない、ということ。
 男性が、あの少女にまでなにかするつもりか、と言ったのが微かに聞こえて、私はドキッとした。さきほどの従業員に向かって言っているのだから“あの少女”は私のことだろう。そして、あの従業員は私になにもしていない。普通に客の要望に応えただけ。と、いうことは、私の仮病作戦は自分の首を絞めただけではなく、他人にも迷惑をかけてしまったというわけだ。あぁ、ごめんなさい......。
 
 「おい、なにしてるんだ。トイレはこっちだぞ」

 私を見張っている(ためにいると思われる)従業員が、私を急かそうとしている。私はふぅっとひとつ息をつくと、腰のところにしまっておいた、細い杖を取り出した。

 「紐縛(ストリングタイ)!」

 杖が光り、そこから無数の紐が伸びて、目の前の従業員に向かっていく。そのまま縛りつける、という私の魔法のひとつなのだが......紐は、彼をすり抜けて消えてしまった。あぁ、この人も、人じゃない。

 「おい! どういうつもりだ!」

 従業員が怒って私を捕まえようとしてきた。あぁもう!こうなったら......。
 私は、すっと体の力を抜いて、従業員の足元を滑り抜けた。よし、スライディングは成功。

 「あっ!? おいこら!! 待て!」
 
 彼を無視して近くの植物の陰に身を潜める。

 「どこにいった!?」

 従業員がバタバタと通り過ぎるのを見て、私は移動する場所を考えて、別の木の下に少年がいるのを見つけた。よし、とりあえずあそこに行こう。 


627J◆kZDFwAt8do [2016/07/29 16:52:06 ID:khPYL6/M]

>>624>>626

御客様には快適な気分でいてほしい、だと?馬鹿げるな。ならば俺達は何だ。このホテルに足を踏み入れたのだ、客の一人に入るだろう。
俺は剣先が震えるアリスを目の前の従業員の男に突き刺したまま、周りを見渡す。異常な数の客人が俺と従業員の男を取り囲んでいた。

「これも、再現ってヤツの一つか?」

従業員の男に問い掛ける。彼は一瞬青ざめた顔をするが、直ぐに冷静な顔付きに戻る。

「J、もう一度言おう。まだ御客様の避難が済んでいない。傭兵なら常識という意味を人一倍理解している筈だろう。先ずはそのツヴァイヘンダーを下ろしてくれ。」

「下ろすとどうなる?」

俺は即答。男は、一度俯くと俺の瞳を睨んできた。

「それは、下ろした後のお前の行動によるだろう。」

「自分からこんな騒動を起こした癖に、よくそんな言葉が浮かんでくるな。おつむが軽いのか?」

「……感情も実体も無くなった幽霊に煽り文句なんか効かないさ。」

互いに沈黙。

「そうか、下ろした後の行動によるのか。」

先に口を開いたのは俺だ。

「良いだろう、アリスは鞘に仕舞ってやる。」

そう言って、俺は肩のベルトを回してアリスを鞘へ納めた。
我よ我よと逃げようとする客共の不満の声が徐々に収まっていく。ふと後ろを振り返り避難口の方に目をやり、直ぐ様従業員の方を睨む。

「多く見積もって、あの人数なら避難完了まで20分越えるか越えないかだな。それまでどうしてほしい。何をしていれば、お前達にとっては都合が良い?」

俺は従業員の男に、挑発的に問い掛けた。

628レナ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/07/29 19:18:15 ID:pNX1k816]

>>625
 卍解!!
(久しぶりに使うな、、、アイツぶりか?まぁ、、、いいか、、、)
死神刀と紅桜刀が一瞬に変化した、、、
死神刀は刃が長くなり幅が広く色が黒くなった。紅桜は同じく刃が長くなり幅が広くなったが少し機械のような刀だ

高杉は変化させた瞬間オータッタッに瞬間移動して
「立ち上がらせないよ?」
飛びかかった
(フンッ、、、立ち上がって飛びかかろうとしたんだろうけどさせない)

629O,T [2016/07/29 21:51:11 ID:ole2TE7U]

>>627
話は聞いてくれるようだ。
かなり痛い指摘をされたが当然だ。
殺そうとしておきながら「客の迷惑だ静かにしろ」は傲慢にも程がある。
「そこで寛いでいてくださると非常にありがたいです」
口調と表情を従業員のモノに変えて答える。
手でテーブルを指し示す。

「なにかお飲みになりますか?もちろんこの飲物類は本物です。毒も入っておりません。」

次に指したのは机に置かれたワインやドリンク。
200年以上昔のものだが、新鮮だ。
「そこの出口から中庭を出て右に歩くとレストランがございます。」
「⋯⋯⋯他にはバーやトコヤ、医務室などが⋯」
「従業員はみな幽霊か?」
私の言葉を阻んでJが口を開く。

「そうです」
「『幻覚』か?ホテルやこのワインは?」
「厳密に言うとちがいます」
「幽霊なのか?」
「そうです」
「ホテルの幽霊を呼び出す能力か?」
「そうです」
「きさまの能力か?」
「ちがいます」
「ゲロトルトのか」
「ちがいます」
「誰のだ?」
「ホテル自身が持つ能力です」
「⋯ジョーカー達の幽霊はいるのか?いるならどこだ?」
「それはいえません」
「準備室か?」
「そうかも⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯雇い主は魔王だな?」
「そうです」

「俺達は出られるのか?このホテルから?」
「現地点では不可能です」
「どうすれば出られる?」
「言う必要はありません」
「能力によるものか?」
「そうです」
「おまえらを倒さないと出られないのか?」
「言う必要はありません」
「宿帳が関係するか?」
「言う必要はありません」
「ホテルを破壊すればいいのか?」
「言う必要はありません」
「おまえらや「ホテル」の他に能力者がいるのか?」
「言う必要はありません」
「『いえない』という答えが多いな」

表情を少しも変えず淡々とJの質問攻めに答える。
宿帳に気付いているのは予想外だった。
誰にもバレないと思っていたが甘かった。

「つまりこういうことか?『我々は能力を打ち破らないかぎり先へは進めない⋯⋯⋯』」

「Exactly(そのとおりでございます)」

膝を折り屈んで私は言った。

630J◆kZDFwAt8do [2016/07/31 16:16:08 ID:4ickkx7g]

>>629


「Exactly」

俺の最後の疑問に対し彼はこう返した。
実態に迫る質問に対してはまともな情報を得る事は出来なかったが、このホテルの全貌は見据える事が出来た。
『再現』という能力はゲロトルトの物でも何でもなく、ホテル自体が保有している能力とは驚いたな。ならば、ゲロトルトも含め、この幽霊達を簡単に例えると、既に薬室に込められている弾丸(能力)を飛ばす為の撃鉄といったところか。
ならば、その撃鉄を下ろす事が出来る引き金は何だ?

こいつは、俺の宿帳の関係性についての質問に答えられないと言ったな。ならそういう事なんだろう。
能力という弾丸が込められ、それを飛ばす事が出来る撃鉄。そしてこの動作を制御する事が出来る引き金が宿帳という訳か。
ほうほう、成る程そういう事か。全て謎は解いてやったぞ。
打ち破るも何も、貴様等に待っているのは破滅のみだ。

「そういえば、さっきの娘はもう逃げたのか。」

俺は確定した考察を内に秘め、話を揺さぶる。

「その様ですが、それがどうされました。」

「別に……何の関係も無いし、安全が確保されたなら彼奴の事などどうでも良い。」

俺の言葉に対して、彼は一言嫌味たらしく返してきた。

「修羅場を生き抜いて来た傭兵らしい考えですね。」

「何とでも言え。あっちを見ろよ、避難完了まで後数人ってところだ。」

と、自分。

「その様ですね。」

彼はそう返す。俺は近くのテーブルに座り、立てた膝に腕を置いて質問した。

「避難が完了したらどうするつもりだ?」

と、言葉に出すが…

「先ず貴方はどうなされますか?」

質問を質問で返してきた。
だが、今はその事に対して苛立ちも立腹もしない。

「そうだな、宿帳でも探しに行くとするか。」

俺は彼の顔を真っ直ぐ見詰めながら質問に答えた。

631O,T [2016/07/31 18:44:38 ID:AR2.Lcpg]

>>630
中央棟最上階の窓際に2人の男が立つ。
1人はリイサマバ、もう一人は長髪で盲目の男。
盲目の男の名は「ジョンフリ・A」
元軍人で風速20mの中でも仕事をこなしたという狙撃手。
彼曰くギャングのヒットマンに両目を失明させられたらしい。

「本当に位置わかってんのか?」
「根っこから見て2時の方向、4mの位置に立って⋯⋯いや、今座った。
そして、手を膝に置いた。」
「グッド!」
狙撃の準備をしながら、リイサマバの問に答える。
この男はホテル内の気流、「空気の流れ」を読んでいる。
呼吸の乱れにさえ反応できる。
Jが動いたり話した時に生じる風で位置を特定したのだ。

ジョンフリ・Aが持っている銃は弾丸装填が真上から行われるアクション式のライフル。
装弾数5発。射程距離約700m。
スコープは必要ないので外してある。
そして「幽霊」だ。
弾も幽霊なので撃ったところでJには当たらない。
そこで、リイサマバがどさくさに紛れてJの荷物からくすねた弾丸を使用する。
奇跡的に口径はあっていた。

リイサマバは中庭全体を見回す。
唇を読んだところ、もう宿帳の事はバレているようだ。

「なめてんのかァーーーッこのオレをッ!ムカつくんだよ!コケにしやがって!ボケがッ!」
「おいッ!みんな来てくれ!こっちだッ!こいつを力づくで押さえつけろ!」

Jから視線をずらすと、キレて暴れ回る同僚が目に入った。
どこから持ち出したのか大型スレッジハンマーを振り回している。
10人以上の従業員がその同僚を必死に止めようと奮闘する。
しかし逆に10人をひきずりながら暴れる始末。
それどころか片手でポイポイと投げ飛ばしている。
なんという爆発力、なんという根性、なんという憤激。
まるで重機関車だ。
小柄な身体のどこにそんな力があるのか。

「そこにいやがったなあ!このケツ穴女ッ!」
怒りの原因を見つけたのか、1人の少女に突撃する。
歯をむき出しにし、怒りに身を任せてスレッジハンマーを振りかぶる。
が、ギリギリのところで従業員達によってようやく組み伏せられた。
あっという間に縛られ、事務室に運ばれていき、中庭の雰囲気は元通りになった。

632コギトエルゴスム [2016/08/01 00:33:06 ID:0CBWXPLc]

>>616
"リカバー"
俺は自己再生、もとい自分自身の時を戻した。
相手からすれば一瞬で体が元通りになったように見えるだろう。
俺は触覚がないというわけではない。
なので首筋に噛みつかれた際に入り込んだ糸に気づくことができた。
あのとき、俺は違和感を感じてはいたが、修理を誤ったわけじゃなかったらしい。
なのでそれより前の時間の首に戻しておいた。
ご都合主義な能力で助かった。
…それはどうでもいい、気づかれたって訳だ。
相手には恐らくまだ気づいていない点が3つ。
「ストップ系統」─もとい時間停止には、時間経過でリロードする必要がある。
そしてストプガには上位互換があること。
特定の物、そして部位だけを止めることができる、つまり相手に触れられていようといまいと関係ない。
「いいか、最も気をつけなくちゃあいけないのはバッテリー切れだ・・・・・・」
俺は反面心配性故に、主のこの言葉に、バッテリー切れに怯えていたのかしれない。
ストップ、ストプラ、ストプガ、ストップガン。
これらに時間停止は全て別の魔法だ。
つまりストプガを使っても個別の魔法なのでリロードする時間は必要ない。
だが一応時間停止魔法で統一はされている為か発動時の動作にかわりはない。
糸はもう除いたが油断はできない。
"ストップガン"
「時よ!」
俺は奴の動きのみを止めた。

633るりるん@瑠璃 [2016/08/01 18:36:47 ID:jwPgcxlA]

>626>631

 植物の陰に身を潜め、目的の植物との距離を目測で測り終えたその時、中庭内に野太い怒声が響き渡った。もう見なくても声で分かる。さっき彼から逃げ出したばかりだから。どうやらまだ私を探しているらしい。あぁ、これは厄介だなぁ......。
 
 そっと顔だけ出して様子を伺い、その光景に驚いた。なにやら大きなハンマーを持って振り回していたのだ。彼を止めに入った人の中には投げ飛ばされている人もいる。
 確かに逃げ出して彼を怒らせたのは私だけど、私、一応客ですよ?なんて思いながらため息をつく。これはもう飛び出すしかなさそうだ。

 意を決して思い切り飛び出した。これで見つからずあの植物まで走れれば、と思ったが、やはり見つかった。私は彼の攻撃をよける体勢をつくり、身構える。が、ギリギリの所で他の人たちが彼を押さえ込んでくれた。 

 「あぁ、助かった」
 
 私はまたひとつため息をつくと、素早く目的の植物の下に滑り込む。そして、少年に声をかけようとして、気付いた。植物の上にも誰かいたのだ。彼女は、いきなり滑り込んできた私を、さして驚く様子もなく見ていた。

 「あ、いきなりごめんなさい。 えっと、ここで何を......?」

634O,T [2016/08/02 18:07:55 ID:ReZWEv5M (sage)]

>>628
(バンカイ~〜~?)
その言葉を受けたのか、2本の刀のデザインが変貌した。
一見するとリーチが上がったようにしか見えない。
しかし、それだけなら最初から「バンカイ」とやらをしているはずだ。
発現からしても所謂「本気」なのだろう。

後ろから迫る高杉。
わざわざ自分の場所を教える程の余裕っぷりだ。
完全に自分が上だと思っていやがる。
恐らく今のヤツは最高にイラつくニヤケ顔を浮かべている。
消してやるぞ、そのニヤついた顔をッ!
すかさず、刀の頭(かしら)で彼の鼻筋を殴打。
ヤツが怯んだ刹那、振り返り、その勢いに乗せて貫手を「口内」に突っ込む。
幽霊の私でも接触可能の相手で本当によかった。
おかげであの攻撃ができる。

「高杉様、人間が水で溺れる時間は訓練された者で5分から7分かかります。
しかし、それは空気を吸い込んで肺の中に残っている場合です。」

なんの関係もなさそうな、場違いな説明をしながら立ち上がる。

「もし両肺の中の空気を全て吐き出された状況下でなら⋯⋯」

この攻撃、台詞、全てに疑問を覚え、頭の中はハテナでいっぱいになっているだろうが、その疑問はすぐに解決する。

「人は「数滴の水」で即死状態で溺れ死ぬのですッゥゥゥーーーーーーッ!!」

叫ぶのと共に、さらに力を込めヤツを仰け反らせる。
そして口の中から直接、頚椎の第4骨に打撃を与えた。
それは『腎』につながる神経。
『副腎』は、呼吸器官粘膜に潤滑油のように体液を分泌させる。
たったの数滴だが、気分は大海原に飲み込まれていく苦しみだろう。


今から地獄の苦しみを味わって惨めに死ぬわけだ。
しかし、こいつ場合慈悲の気持ちはまったくないし、全然カワイソーとは思わん。
無関係のくせして首突っ込んできやがって。
そのせいで大勢の同僚がカワイソーに雑巾のよーに倒れていった。
お前が先に喧嘩を売ったのだから、殺されて当然だ。
もちろん、私達が文句言えた立場じゃあない事はわかっているがね。

だが、まぁ、幽霊になったら暖かく従業員として迎え入れてやってもいいか。
と、傲慢な考えを抱きながら、涎に濡れテカる左手を抜いた。

635O,T [2016/08/02 19:39:42 ID:ReZWEv5M (sage)]

>>632
ボロボロになりながらも元気に走り回っていた人形が空中で静止する。
それも触らずにだ。
なにはともあれ、あとは虚無剣をブチかますだけだ。

「そういう「時の止め方」もあるのか?」

2体の戦闘を割り込むように、警官の服装をした肥満体型の従業員が間に立つ。
武装は腰に下げた警棒のみ。

「触れもしねーでこいつだけ止めたってのかァ!」

なにが面白いのかニタニタと笑い、鼻をほじりながら話を続ける。

「流石のアデーボもよォこんな反則級の能力にゃあ勝てねーわなあ。
完全敗北!もはや勝てねー⋯⋯この勝負、「勝者」はてめーだ」

「そう!アデーボは敗北した⋯⋯」
人形の方を向く。
「が、てめーの仕事は十分勝利を可能にしてくれている!
おれはてめーのような黒人野郎がでー嫌いなんだ。だがなアデーボッ!てめーの命がけの行動ッ!おれは敬意を表するッ!」

次にコギトエルゴスムに向き直る。

「これでいい⋯⋯おれ達の最終攻撃は⋯ついに「完成」したぞ。
ついにおまえは「時を止めた」、アデーボを攻撃するために『時を止め』たんだ⋯わかるか?
おれたちが最終的にやって欲しかったのはこれなんだ。」

コギトエルゴスムに時を止めさせるために、人形に憑依し恨みのパワーでどこまでも強くなるアデーボが選ばれた。
パワーアップして、コギトエルゴスムより素早くなって、時を止めさせる考えだった。
もっとも、当初は間接的な恨みでパワーアップするつもりで、斬られたのは完全に予想外の出来事だった。
結果的により恨む事ができたので嬉しい誤算か。

時間停止中の出来事の再現、これほど凶悪な再現は恐らく存在しないだろう。
停止時間が1分でも1日でも周りからすれば一瞬。
その間に再現は止まった時の中を移動し、攻撃をする。
はたから見れば時間停止能力と変わりはない。
例え時を止める能力を持っていたとしても回避は至難の業。
再現の開始より後に時を止めると当然間に合わない。
逆に、先に止めても意味がない。
タイミングをコンマ1ミリも間違わず完璧に同時に止めなくてはならない。

そして、アデーボは止まった時の世界で「糸」を引っ張りながら走り回った。
当然糸は振り回され、右へ左へ上へ左へと暴れ回った。
肥満体型の警官は今からそれを再現する。
再現された糸はコギトエルゴスムを輪切りにする。

「最後にひとつ言っておく。『イエスタデイ・ワンスモア』」

コギトエルゴスムとアデーボによって完全した再現が開始した。

636和美◆hNSBMrrUeA [2016/08/02 21:02:01 ID:NYHeMjvM]

>>633
「あの『宿帳』がどうかしたの?」「・・・」少年は答えない。膝を抱え込み小さくなってしまった。
答えないのは当然だ。話し掛けてこないのは危害を加える気が無いからで、それ故に会話も出来ない。

(・・・う~む・・・ん?)

「あ、いきなりごめんなさい。 えっと、ここで何を......?」
少女が植物の上に身を潜めるような姿勢でそう問いかけてきた。
少女の名は『瑠璃』と言った。私は瑠璃に
『人ごみで押し合い圧し合いしたくないのでここに居た事』『少年の事』『宿帳』を見て少年が怯えた事』を話した。
瑠璃は話の最初から最後までを、ずっと身を潜めた格好のまま聞いていた。
その様子がおかしかったのか、少年の表情が少し和らいだ。

「えぇ!君、幽霊なの!?」少年はコクリと頷いた。
己の生が既に無い事を理解している霊は安全事項の第一基準をクリアしている言う。だが余りにも長い年月留まっていると、何もかもを忘れてしまい悪霊となる。
「この子も早く行けるといいんだけど・・・」触れない少年の肩に手をやる。
「私思うんですけど・・・あの『宿帳』怪しいですよね?絶対」瑠璃はやっと身を起こし言った。
そして目を輝かせて、こう続けた「やりません?『宿帳』奪取作戦!」

637名無しさん [2016/08/02 21:41:20 ID:P8kr0c6c]

>>634
「ガハッ、、、なんだ、、、これ」
(なんだこの溺れるような、、、息苦しさは!?)
高杉は倒れて首をつかみながらゴロゴロした
    (マズイな、、、このままだと死ぬ、、、)
    
        「な~んちゃって」

高杉は勢いあるゴロゴロを止め笑った



638◆40XbC9fmEc [2016/08/02 21:42:42 ID:P8kr0c6c]

俺だよ

639るりるん@瑠璃 [2016/08/03 18:43:07 ID:WODAu.Y2]

>636

 植物の上にいたのは、和美という女性だった。和美さんは、少年が幽霊だということ、宿帳を見て怯えていることを教えてくれた。ますます宿帳が怪しくなってきた所で、私は宿帳奪取作戦を持ちかけた。

 「私は色々あって従業員に顔が知られているので、ここで宿帳に向かうと即バレると思うんですよ。 だけど、和美さんはずっとここにいたとのことなので、私が従業員を引きつけている間に取りに行ってもらえませんか?」

 先ほどハンマーを振り回していた従業員はもういないと思うけれど、彼を押さえるためにいた人たちの中には私の顔を覚えた人もいるだろう。後は、最初に話した従業員から感じた異質な空気に不安があるけれど......やってみないことには分からないし。

 「取ったら私はどうすればいいの?」

 作戦に同意してくれた和美さんは、私が忘れていたとても大切なことを思い出させてくれた。

 「またこの植物の上に戻ってきて、これを振って下さい」

 私は腰から杖を取り出して、和美さんに渡す。

 「3回振ったら、手を離してもらえますか? そうすれば私のとこに杖が飛んでくるので、そしたら私も戻ります」

 ということで、作戦開始!

 「透明紐(クリアタイ)!」

 杖から私にだけ見える透明な紐が出てきて、私に巻きつく。これで和美さんが杖を振れば自動で私のところに戻ってきてくれる。他人に害はないし、どこかに絡まることもない、すごく安全な魔法だ。
 
 「じゃ、よろしくお願いします!」

640O,T [2016/08/03 21:26:26 ID:DVzgCRaU]

>>639
 従業員達は3人を見てはいなかった。
けれども、聞き耳だけはジッとウサギのように立てていたのだ。
すぐさま伝令役がリイサマバに口パクで伝える。
リイサマバはそれを唇の動きで読み、受け取る。

「ジョン、討伐隊の他に宿帳を狙う者が現れた」

「⋯⋯杖を取り出した小娘と、それを受け取った女か?」

「あぁ、そして我々の中に裏切り者がいる。ガキの幽霊だ。」

 幽霊なので動こうが喚こうが風は起きない。
だから流石のジョンフリ・Aもそいつの位置はおろか存在さえも気付いていない。

「誰を撃つ?傭兵か?弓持ってる女か?小娘か?」

「依然Jを狙ってくれ。あとは下の連中でどうにかなる。
邪魔する者は許さない。死んでもらうぞ⋯⋯」
討伐隊を除いて残る客は和美と瑠璃、O,Tのみ。
狙撃準備は既に終わっていた。

  ーーーーーーーー

「お客様、先程は当従業員が大変不快な思いをおかけ致しまして誠に申し訳ございませんでしたね。
彼には十分指導をいたしますので何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げますね。」

瑠璃の前に従業員が立ち塞がる。
制服は着ているものの、中華帽を被り鯰髭を生やしたステレオタイプな中華風の男だ。
これまたステレオタイプな語尾が気になるが丁寧な態度で謝罪し、深々と腰を曲げた。

「どこか、お怪我はございませんかね?」
という問いに瑠璃は「いいえ」と答える。
中華風の男の雰囲気が一瞬で冷たいものへと変わる。

「ところでお客様、そんなに『宿帳』が気になりますね?
宿帳はお客様の個人情報、たくさんありますね、他のお客様に見せるわけにはいかないです、ね」

「況してや「奪取」なんてもってのほかね。
どうしても止めてもらえないなら、考えがありますね。
どうなさいますね?このまま避難しますかね?順番はもうすぐね。
それとも、宿帳を奪うね?」

狙われている者は瑠璃だけではない。
和美と少年も標的に加えられている。
和美にも同じく従業員が向かい、同じ質問をした。

641和美◆hNSBMrrUeA [2016/08/03 22:13:04 ID:16RBxnJk]

>>640
「ほう、考えがある…か。そんなに『宿帳』を守りたいとは見上げた従業員精神だ」
「恐れ入りますネ」従業員が深く頭を下げる。「けど」今度は上げた。
「私もこんなカビ臭い場所で死ぬ気はないぞ?」「ほう?」
「まぁ、何が飛んでくるかは知らんがな」私は私を狙っている相手の方角を見る。
(こ、このアマ…)

642るりるん@瑠璃 [2016/08/03 22:30:18 ID:WODAu.Y2]

>639

 「このまま避難しますかね? それとも宿帳を奪うね?」

 植物から飛び出した瞬間、従業員に声をかけられた。やはりマークされているようだ。そりゃあれだけ目立つことすれば当たり前だと思うんだけど。しかも、和美さんに話した作戦が聞かれていた。声は小さくしたつもりだったが、隠れている時からマーク済みだったようだ。一人が知っているならきっと他も知っているだろう。しかも、ここだけではなくどこか別の所から狙われているような気もする。

 先ほどのようにスライディングで逃げられないかと考えたが、ちょっと足を動かしただけで、従業員も同じ方向に足を動かす。これでは私の身体能力でも逃げられそうにない。これはさすがに魔法を使うしかなさそうだなぁ......。

 杖を使わなくても使える魔法も私は持っている。

 「氷柱(アイスコルム)」
 
 ボソッと呟き、手の平を下に向けてまだ出ないように抑える。それから目の前に立ち塞がる従業員を見て、言った。

 「それ以外って言ったら?」
 「んん?」

 ばっと手を上げると、無数の氷の柱が私と従業員の間に出てきた。それと同時に反対方向へ駆け出す。すぐに消えるし、ただの目くらまし程度にしか過ぎないけれど、それでも多少は逃げられるだろう。

643和美◆hNSBMrrUeA [2016/08/03 23:36:31 ID:16RBxnJk]

>>642
「瑠璃さん!」杖を3回軽く振り放すと瑠璃さんの元に飛んでいく。
(…作戦を読まれているっぽいこの局面では仕方ない…) 
『宿帳』が鍵なのは分かったが…さて…

644るりるん@瑠璃 [2016/08/03 23:45:16 ID:WODAu.Y2]

>643

 氷柱を使って逃げ出すと、透明紐が動いて、私の杖が飛んできた。急いで方向を変えて杖を掴むと、透明紐が消える。

 「これがきたってことは......?」

 ちらりと宿帳があった所を見ると、宿帳はその場に置いてある。ということは、和美さんになにかあったのかもしれない。
 私はなるべく人のいないルートを狙って、さっきの植物の元へ戻った。

645J◆kZDFwAt8do [2016/08/03 23:54:45 ID:YHLGIU/.]

怒号を撒き散らしながら巨大なハンマーを持ち出す男。それを抑える従業員。中華風の従業員。
この流れるような一連の出来事を俺はただ大人しく見詰めていた。
本当にここは奇怪な所だ。言ってることが合わない時もあれば合う時もある。予想が完全に外れる事もあれば的中する事もある。

「俺も、ここで死ぬとこのホテルの従業員になるのか?」

率直な質問。ただ、俺はこれを聞いてみたかった。それだけだ。

「はい。ここで亡くなった者はこのホテルの従業員となります。」

目の前の彼は顔色一つ変えずに答える。俺は一言「そうか。」と返すと、座っていたテーブルからゆっくりとおりる。

瞬間だった。

突然の銃撃。
この重みのある銃声、ライフル弾か。
刹那に右の肩甲骨付近に痛み。マッシュルーム現象を起こした22口径のライフル弾が俺の左肩に突き刺さっていた。
すかさず俺は後ろに手を伸ばし弾丸を抜く。幸い何の小細工もされてない普通の弾頭で、弾丸自体も筋肉でパワーが無くなっていた為そこまで大きな怪我とはならなかった。

「J。もう客の避難は終わった。後は分かるだろう。」

今までの口調を変えて敵意のある口調へ変えた目の前の従業員。俺は床に落ちた弾丸を見詰めたまま俯きながら彼に答える。

「…俺はお前に攻撃する事が出来ない、そしてお前自体も俺に触れる事は出来ない。」

「だが、お前には再現という攻撃方法がある。正直こんな理不尽な戦闘は逃亡したいところだ。」

俺はそう言いながら、ゆっくりとアリスを引き抜く。が、戦闘体勢は取らない。
腰を落として構えもせず、ただ右手に握って真っ直ぐ立った。

「随分と逃げ腰だな。傭兵のJ。今まで生きてきた経験はどうした?」

「今まで生きてきた経験故の考えだ。無駄な戦いはしない。勝機があるかないか、それだけだ。」

「経験故か。悪くない言葉だな。お前が言うと更に説得感がある。」

「未成年の男の言葉に説得感か、笑えるな。」

俺はそう言ってゆっくりと歩き出す。

「まぁ、宿帳に鍵があるのはもう気付いたさ。お前らが待つのは崩壊のみだ。」

「こんな状況でそんな大口を叩けるとは、傭兵の肝は違うな。」

「どうだがな。」

瞬間、俺は一気に水平に飛躍。
強化された脚力が床に罅を入れ、反発した力が俺のからだを一直線に飛ばす。

「何をする気だ!!」

その声も、もう遠い。
俺がこれまでの出来事を指を加えて見ているとでも思ったか?
あの巨大な植物の裏で行われている会話は全て聞こえていた。何せ、魔兵の聴覚だ。
だから全て確信した。考察が片付いた。俺がやるべき事は瑠璃という少女を何よりも迅速に宿帳の元へ届ける事。
この少女ともう一人の奴のお陰でどこに宿帳が隠されているかも把握した。これですべてチェックメイトだ。

言っただろう。お前らに待つのは崩壊のみだと。


「掴むぞ。」

俺は必死に駆けている瑠璃の前に着地。そしてすぐさま彼女の体を掴むと同時に床を思い切り蹴りこむ。
この飛躍している姿は、まるで空中を地面スレスレで推進しているように見えるかもしれない。

「いきなり何!?」

問い掛ける少女、その質問に俺は返す。

「あの宿帳をお前の魔法で掴め!!」

俺は二人の会話を聞いていた。故にこの瑠璃という少女の能力も把握している。

646O,T [2016/08/04 00:52:56 ID:DVzgCRaU]

>>645
弾丸は確かに命中した。
しかし例によってJの不死身にも思える肉体はさほどダメージが入っていないようだ。
もしあと数瞬立ち上がるのが遅ければ脳に突き刺さっていた。

「全身を確認!頭部に固定⋯⋯」

すぐに次弾を装填、「的」に狙いを定める。
気流を読む彼に死角はない。

「発射(シュートァーー)ッ!」

乾いた破裂音が響く。
発射された弾丸は正確に命中した。
しかし命中したのはJでも瑠璃でもない「利用客の頭」だった。
なのに血が吹き出るわけでもない。倒れもしない。
これも再現によって生み出された物だからだ。

鋼鉄以上の硬さの頭に当たった弾丸は跳ね返り、植物の元へ突進していく。
次の的も、Jの頭だった。

647コギトエルゴスム [2016/08/04 17:30:40 ID:dJRyxZ.6]

>>635

「そういう「時の止め方」もあるのか?」

「…なるほど、やっぱりもう一人いたのか。」

「これでいい⋯⋯おれ達の最終攻撃は⋯ついに「完成」したぞ。
ついにおまえは「時を止めた」、アデーボを攻撃するために『時を止め』たんだ⋯わかるか?おれたちが最終的にやって欲しかったのはこれなんだ。」

狙っていた…?「攻撃が完成した。」この口振りだとカウンターをかけてくるつもりなのか?だが…どうやってだ?

と考えている間に、肥満体型の警官が先程戦っていたアデーポと同じ動きをする。

…そうか、そういうことか。

"リカバー"

時を止めた中で輪切りされる。これは過去に起こった出来事。
つまり過去の再現、というわけだ。

648コギトエルゴスム [2016/08/04 17:32:28 ID:dJRyxZ.6]

>>647

すんません誤字ですwアデーボだなw

649るりるん@瑠璃 [2016/08/04 22:02:35 ID:SzYgbDEk]

>645

 後少しで和美さんの元へ戻れる、と思ったその時、いきなり人が現れて、私の体を掴んだ。

 「いきなり何!?」 

 驚いて、叫んでから気付いた。この人、さっき私の演技で迷惑かけた人だ......!謝るべきかと思ったが、彼の一言で一瞬で現実に戻る。彼は、私の魔法で宿帳を掴めと言ったのだ。
 
 宿帳、掴む。この言葉で、彼も私たちの作戦を知っていること、そしてそれに協力してくれていることが分かった。だったら躊躇する必要なし!それに、杖が戻ってきているから、あの魔法が使える。

 「縛紐(スリリングタイ)!」

 私が叫ぶと、杖から勢いよく紐が伸びていき、宿帳を掴むことが出来た。

 「はい! 宿帳掴めました!」

650◆40XbC9fmEc [2016/08/05 00:58:07 ID:NfBLkcTQ]

>>637続き

そう言った高杉の体が歪んでその瞬間無数の烏丸に姿が変わった
「簡単に倒せるわけないだろ?、、、」
空間が変わってオータッタッの足元はなにもない回りは烏丸が飛び回ってるだけ
「そろそろ終いにするか?」
その空間がしゃっべったようにオータッタッは感じた

高杉はオータッタッの後ろに現れる
「、、、お前が殺った奴は俺だが俺じゃないお前が見てるのは現実でもあり幻、、、俺がお前と戦う暗示をかけたんだよ
さて、、、お前がどうやろうとお前は俺を殺せない」
高杉がそう言った瞬間オータッタッの真後ろに立ったそして
「だからお前は負け(死んだ)二度もね?」
”練獄 アマテラス”
巨大な黒い炎の塊がオータッタッの回りに無数に現れ四方八方に攻撃される
「この程度で死のうとは我には、、、」
そう言った後オータッタッは黒い炎に包まれてそして大爆破した


651J◆kZDFwAt8do [2016/08/05 01:36:51 ID:xKpx2NS2]

>>649

宿帳を掴んだ。すぐ真横でその言葉が聞こえた瞬間、俺は反射的に返す。

「引き寄せろ!」

俺は叫ぶ。宿帳をぐるぐる巻きにしている紐が手を離したゴムの様に縮み、宿帳が目の前に飛び込んでくる。
引き寄せられる宿帳の位置と距離を予想し、右手に握りこんだアリスを一直に突き出した。
数cmのブレも無く、目標を捉えた肉食獣の牙の如くアリスの刀身は宿帳を突き刺した。
そのまま刀身を床に突き刺し、着地すると同時に宿帳を足で踏みつける。

「やりましたね!」

真横で華奢な声が響く。だが、それを引き裂くように聞こえる銃撃音。
音が聞こえた頃には遅かった。こめかみに強い衝撃が走る。共に感じる痛みに耐えられずに膝を付いてしまう
俺はすかさず衝撃が走ったこめかみに触れる。

だが、こめかみに触れる限りで分かるのは皮膚を切り裂かれた様な傷しかない。
そもそもこんな角度で頭部を狙うことは難しい、だとしたら跳弾か?幽霊ならば何でもありだな。跳弾を計算するなんてどんな高等数学者だって計算出来ないというのに。
という事は跳弾した弾丸を、俺の頭蓋骨でまた跳弾したという事か。まるで小説に出てきそうな馬鹿らしい現象だな。

「大丈夫ですか!?生きてますか!?待ってください、今回復魔法を…」

そんな言葉に掛けられるも、彼女の言葉を遮るように返す。

「宿帳を燃やせ!!」

立てた膝を戻し、床に突き刺さったままのアリスから手を離す。
本当ならこんな行動はしない。アリスを戦闘中に手放すなんて自殺を決意する時だ。だが今はそんな事を言っていられる状況じゃない。
コートの裏からナイフを抜き出し、姿勢を戻した。

652るりるん@瑠璃 [2016/08/05 11:11:18 ID:9YZXpXH2]

>651

 取った宿帳を男性が大剣で突き刺し、作戦は成功した。と思い、喜んだ刹那、激しい銃声音が響き、男性が膝から崩れ落ちた。彼が、撃たれたのだ。

 急いで回復魔法を使おうとしたが、彼は私の言葉を遮り、叫ぶ。

 「宿帳を燃やせ!!」

 そして立ち上がり、どこかへ向かおうとするその姿を見て、私は呟いた。

 「怪我人放置して他の魔法を使えるわけないでしょうが......!」

 燃やすのはこの後でもいい。それに、もしも私が燃やせなかったとしても、味方はもう一人、いるんだから!

 ぐっと杖を握りしめ、呪文を唱える。

 「傷癒(ヒール・ウォウンド)!」

 そして、光る杖を彼の手に押し付けた。

 「これ、持ってるだけでいいです! 服のどこかに入れてもいいし、とにかく身につけてて下さい!」

 そうすれば、回復魔法の効果が表れるから......っ。
 
 

653J◆kZDFwAt8do [2016/08/05 16:50:31 ID:GeveQTrs]

俺は宿帳を燃やせと彼女に言ったが、それを聞かず俺に杖を押し付けるように渡してきた。
こんな事をしている場合ではない、俺の傷などお前にとっては関係ないしどうでも良い事だろう。

右手にはナイフ、左手には小さな杖。こんな杖も持たせられても俺は魔法を使えないんだ。

「俺の傷なんてどうでも良い、お前には関係ない。だから速く杖を持て。」

俺は率直に杖を返す。だが、彼女の目元は俺を睨むように力み、強引に返してくる。

「今はいりません。自分の傷を見てください。頭を撃たれたんですよ!」

「それがどうした。傷口から血は出てない、だからもう良い。」

俺は彼女の手を強引に引っ張り、杖を握り混ませる。

「だから構わず燃やせ。」

そう言ってツヴァイヘンダーを引き抜き、代わりにナイフを宿帳に突き刺した。

654O,T [2016/08/05 22:47:57 ID:JoVjBVF2]

>>650
「フゥ~お客様、完敗でございますゥ。どうやらお客様は私共より戦士として高みに立っていらっしゃったようでございますゥ⋯」

煙が晴れ、そこにはオーオータッが立っていた。
ただし満身創痍で身体はズダボロだった。
体のあちこちでできたヒビからは砂煙のような物が立ち込めている。

「この「刀剣」にとっては強い戦士こそ真理⋯⋯⋯勇者こそ友であり尊敬する者!でございます⋯⋯
お客様に出逢うために何百年もさまよっていたのかもしれませぬ」

そう言ってオーオータッの体はボロボロと崩れ始める。
落ちた部分はさらに砕け、風化し、風に乗っていく。

「向こうも終ったようです。ホテル・ウチレスニアご利用ありがとうございます⋯⋯またのご利用お待ちして⋯⋯」

そこまで言って完全に風化し塵になる。
オーオータッは、風になった。

オーオータッ⋯ーーー完全敗北


「それでおまえはどうするんだ?」

高杉はもう一人のずっと傍観を決めていた従業員に問いかける。

「いえ、もう終わりましたので。他のお客様によって私共は倒されました」

655るりるん@瑠璃 [2016/08/05 22:51:41 ID:9YZXpXH2]

>653

 私が杖を渡しても、彼はすんなり受け取ってくれなかった。俺の傷なんてどうでもいい、とさえ言ってきた。燃やすのは杖なしでも出来るのに。今はいりません、の一言では理解してもらえなかったのかもしれない。それでも私は彼に杖を押し付け続けた。本人は感じていないかもしれないが、くっつけていれば多少は回復するのだ。

 あまりにもしつこい私にしびれを切らしたのか、手を強引に引っ張られて、無理矢理杖を掴まされた。

 「傷口から血は出ていない、だから構わず燃やせ」

 さすがにここまで言われたら燃やさない訳にいかない。それに、彼の状態なら燃やした後でちゃんと魔法をかけても遅くはないだろう。私は、杖を腰に戻すと、手のひらを宿帳に向ける。

 「炎(フレイム)!」

 ボッ、と赤い炎が目の前で揺れた。 

656世阿弥◆X9ZO.HrS8A [2016/08/05 22:58:31 ID:kKbvZQAo]

がんがれー!

657O,T [2016/08/05 22:58:35 ID:JoVjBVF2]

>>653

宿帳は破壊された。
あれでは今から消火したところで既に手遅れ。
再現はもはや無意味だ。

「再現がねえーーーーんならねぇーでよオオオオオてめーらを殺る方法はあるぜェェェェェーーーーッ!!」

「ああ!脳汁地面にブチまけてやる!」

狙撃手は装填しようと手を動かすも隣りのリイサマバの言葉によって止められた。

「おまえ今日が死没日だよなァ~~~?」
「あとにしろ!マヌケッ!」
「いや、今じゃあなきゃダメなんだよ⋯⋯超重要な事なんだ」

そう言ってリイサマバが取り出したのは包装され、リボンが結ばれた箱。
あまりにも呑気で場違いな品だ。

「イカれてんのかーーっ!?この状況で!」
「だまされたと思ってさァ~~開けて中身を見てくれたっていいじゃあねぇーかよォォ~~~」

リイサマバのしつこさに渋々と、乱暴に包装を破り中身を取り出す。
箱の中身は10個の弾丸だった。

エキスプロッシブカートリッジ。
弾丸の先端に爆薬が仕込んである炸裂弾だ。
この弾丸の前ではJの頭も血のつまった風船だろう。

「ハッピーデスデージョン!おまえとおまえの仲間の幽霊化してない荷物から作ったんだぜェーーー!」
「ありがとうリー、本当にありがとう!たいしたヤツだリーおまえは⋯」

呑気が伝染したのかジョンフリ・Aまでもが手を取り合い喜んでいる。
しかしそれも束の間、冷酷な狙撃手へと戻る。

「今⋯⋯殺しの時だッ!爆裂しろッ!」

弾丸はしっかりと頭部へ向かった。
勝った!頭を吹き飛ばす!と2人は勝利を確信する。
しかし、その確信も弾丸もすぐに消え去る。

空が一瞬光り、突如上空から物体が飛来する。
弾丸はその物体に触れた一瞬で消し灰になり、爆散する。
炎を包み、尾をひきながら落下する3000℃以上の岩石。
正体は「隕石」だ。隕石の再現だ。

「ウリャアアアアアぶっつぶれろォォッ」

その怒号と再現の主は瑠璃に憤慨した例の従業員だった。
いつの間にか拘束を脱出した彼が瑠璃を血祭りにあげ、自身の怒りを晴らそうと向かっていたのだ。
彼を閉じ込めていた事務室の鉄ドアは無残にも破壊されている。
隕石だけでは怒りが収まりきらないのか、今度は石柱を振り下ろす。

しかし遅かった。
宿帳は既に破壊されているため再現は効かない。
隕石は幽霊のようにJと瑠璃を通り抜け地面に衝突する。
衝突エネルギーはクレーターと強大な衝撃、爆発を生む。
それさえも既に「チェックアウト済み」の2人に影響はない。

不幸はそれだけではない。
辛うじて残っていた弾丸の破片は振り下ろされた石柱によりガードされる。
そしてその石柱は爆発に吹き飛ばされる。
挙げ句の果てに隕石が宿帳を消し去ってしまう。
皮肉な事に、宿帳の最後のとどめを刺したのは他でもない隕石だった。
最悪な形で攻撃は全て失敗してしまった。

658O,T [2016/08/05 22:58:54 ID:JoVjBVF2]

>>655

659世阿弥◆X9ZO.HrS8A [2016/08/05 23:01:24 ID:kKbvZQAo]

頑張って!

660マスー君◆X9ZO.HrS8A [2016/08/05 23:23:38 ID:kKbvZQAo]

びっくりするほどユートピア

661◆40XbC9fmEc [2016/08/05 23:50:15 ID:bqDUx/zo]

>>654
「そっか」
そういって高杉は刀を振って刀をもとの状態に戻してさやに納めた
(あっちもって屋上の奴等か、、、確かになんも感じない、、、)
そして高杉は歩こうと一歩前に出そうとした時ふと刺さった刀に目がついた
「この刀、、、オータッタッが使ってた刀か、、、」
そういって刀を持った瞬間高杉の脳裏に誰かの記憶、いやこの刀の記憶と歴史が高杉の脳裏に浮かんだ
(これは!?この刀の今まで使っていった者の記憶いやこの刀の記憶歴史全部が脳裏に、、、!)
高杉は驚いた

(この刀には特別な力を感じるそれも俺の刀と同じくらい、、、これは俺!?俺も一度会ってたのか!?この刀に!!)
スゴい速さで浮かぶこの刀の記憶最後に高杉と会った時の記憶が出てきた刀の記憶が終わって高杉はその刀から一歩下がった
「ここまで使われたのかこの刀は、、、決めた、、、俺の刀として使う、、、!」
そう言うと高杉はまた一歩進んでまたその刀に手をつけたその瞬間そと刀は変化した

その刀は色は紅くでも少し輝いて金も入った色そして刀は鋭くとがり
幅も長かった

高杉はその刀をさやに納めて腰に掛けた

662J◆kZDFwAt8do [2016/08/06 09:43:55 ID:3LfFHOyk]

>>657

彼女が宿帳を燃やす。屋根の無い吹き抜けとなった中庭に流れる穏やかな風に揺らされながら、宿帳は淡々と燃えていた。
俺はそれを見てただ安心した。これで俺達はこのホテルから解放されるのだと。気が付いたら討伐隊の半数が殺されていた。気が付いたら俺の体は血だらけになっていた。

前々から俺が傭兵として仲間に加わると俺以外全滅して、俺のみが生きて還ってきた。だから同僚からは嫌われた。政府からは好かれた。
自分もこの事を喜べば良かったのかは分からない。だが、こうしてまだ生き残ってるまともな人間がいる。俺にとってはそれだけで意味を持っていると感じるのだ。
俺はツヴァイヘンダー、もといアリスを右手に握ったまま炎に包まれていく宿帳を見つめる。もはや全体が炎に包まれ、焼け焦げた灰がボロボロと落ちていっている。
だが、瞬間だった。
頭上に強い光。俺は眩しさに耐えて見上げると、この中庭全体を真っ白に照らす太陽な物が徐々に迫っていていた。

「ウリャアアアアアぶっつぶれろォォッ」

その光と共に響き渡る怒号。
声の主はさっきハンマーを持って暴れていた男だった。

だが、今はそんな事どうでも良い。
俺達はこのウチレスニアから解放された。宿帳という元凶を破壊した。故に俺にどんな再現をしようとも、俺は干渉されない。
そして目の前に迫ってきた光源。そうか、これは隕石の再現か。
だとしても俺には意味がない。なんの被害もなければ、どうという事でもない。
俺の前にいる少女が今起こっている現象で怯えているようだった。俺はそっと彼女の目元を手で塞ぐ。
突然の行動に驚く彼女だったが、俺は落ち着かせるようにゆっくりと話し掛ける。

「耳を塞げ。思いきりだ。」

そう俺が言うと、答えるように素早く彼女は耳を塞いだ。

ゆっくりと迫ってきた隕石。やがて俺の視界がすべて炎で包まれると、俺は静かに目を瞑った。
目を閉じても分かる光、鼓膜を突き破るような爆音。それでも何の衝撃も無ければ痛みもない。
そして唐突に宙に浮く感覚が俺を襲う。
閉じていた目を開けると、俺の体は爆心地の中心であるクレーターのど真ん中に、身が落ちていた。
大体10m位だろうか、このくらいなら着地しても問題はない。
俺は体を一回転させて落下の衝撃を弱らし、地面に無事着地した。

だがこんな高さから落ちても平気なのは魔兵のみだ。

「おい!」

俺は叫びながら見上げる。そうだ、さっきの少女が体を地面に対して背中を向けるような体勢で、空気抵抗を思い切り受けながらゆっくりと落ちていっているのだ。
このままでは死んでしまう。だがこの高さだとどう足掻いても怪我をする。最悪死亡する。

663るりるん@瑠璃 [2016/08/06 20:02:04 ID:NkDa4ZC2]

>662

 「え......なに、あれ」

 宿帳は、私の魔法で燃えて灰になった。隣に立つ男性の安堵の表情を見て、これでもう安全なんだろう、と思ったのに。

 強い光を放つなにかが、頭上に迫ってきていた。同時に聞こえてきたのは、あの怒声。なんで、なんで彼がここにいるの。さきほど彼が運ばれていった部屋の方を見ると、ドアがボロボロに破壊されていた。まだ何か起こるっていうの......?

 急に視界が暗くなり、私は動揺した。が、私の視界を遮っているのが隣にいる男性だと分かると、なぜだか少し落ち着いた。彼が耳を塞げと言ったので、言われたとおり、ぐっと耳を押さえる。直後、耳を塞いでいてもビリビリと痺れるような爆音が響き、彼の手が私の目から離れ、同時に私の体は宙に浮いた。

 目を開けると、空が広がっていて、私は自分の状態が理解できずにいた。一体何が起こってどうなっているのだろう......。

 「おい!」

 男性の声にはっとして、声の方向に顔を向ける。私は巨大な穴に落ちているところだと分かった。分かった瞬間、さぁっと嫌な汗が背中を流れる。その穴は、かなり深いものだった。こんなところにこのまま落ちたら、間違いなく死んでしまうだろう。それだけは、避けたい。

 私は、無理矢理手を伸ばして、なんとか杖を掴む。そして、彼に向かって叫んだ。

 「危ないかもしれないので、そこでしゃがんでて下さーーい!!」

 彼がしゃがんでくれたか確認することは出来ないけれど、さすがに彼も分かってくれるだろう。私は穴と正反対の方向を向いたまま、言った。

 「守網(ネット)!!」

 ぱっと開いた網が、穴のふちにかかったと同時に、私の体は思い切り網の上に落ちた。背中に多少衝撃があったものの、あの地面に叩きつけられるよりは絶対に安全だ。

 「......助かった、よかったー」
 
 私は、網に横になったまま呟いた。

 
 

664◆40XbC9fmEc [2016/08/06 22:42:20 ID:vIminQbc]

>>661
「さて、、、行きますか」
高杉が歩き出そうと後ろ向いて一歩出るとずっと傍観していた幽霊はいつのまにかいなくなっていた。
「いつの間に?まぁいいさっさとこのホテルから出るか、、、あっ」
ふと高杉は思い出してチリになったオータッタッに向け、、、
「ありがとうございました。いい勝負だった」
と言い礼をした。

高杉は、礼をした後歩きだした。
「それにしても静かだな、、、屋上に行って少し眺めたいが、、、まだ屋上に誰かいるな、、、やっぱり行くか」
高杉は二階に降りず屋上に向かった。

665J◆kZDFwAt8do [2016/08/07 20:33:34 ID:m09ntEIg]

あの後、俺達は巨大なクレーターから何とか脱出して、冷える夜中に華やかに光る夏の国の方へ向かう事を一先ずの目標として歩き出した。
途中に出会った瑠璃、コギトエルゴスム、そして避難客としていたO.T。
彼らは討伐隊に自然と混ざるようについてきた。一応説明すると魔王討伐という目標に皆の意志が一致したのだ。
戦力が増えたのは良い事だ。だが、今大きな問題となってるのは皆の疲労だ。
特にラティやわかばについては随分と顔色が悪い。無理もないだろう、彼等はまともに寝れずに騒動に巻き込まれてしまったのだから。
その点瑠璃とコギトエルゴスムの二人はピンピンしている。
瑠璃はまだ若いし、コギトエルゴスムも元兵士のような感じがする。
そこで気になるのがO.Tという男だ。こいつ、前に会った事がある。
確か悪魔の森で遭難者として見掛けた。そんな遠い所から何故こんな砂漠の地にいるのだ。
どうも気持ちが悪いな。まぁ考えすぎかもしれない。

真夜中の砂漠の中、俺を戦闘にして夏の国に向かう討伐隊一行。 
後ろを見ると瑠璃が何やら寒そうにしていた。
木々も何もないこんな夜の砂漠の中、腕も足も出すと寒いのは当然だ。

「大丈夫か。」

俺は一言声を掛ける。ただでさえ皆は体力を消耗している。例え少しの体の不調でも休憩を挟む事が必要だ。

「あっ、はい!大丈夫です!」

そう言いながら腕を擦る彼女。

「無理はするな、俺のコートを……いや、すまない。」

自然と言い出したが、今の俺は血塗れだった。もう血は乾いてしまっているが、真っ白なコートである故に出血の後が非常に目立つ。そして鉄の臭いが強い。

「皆、辛かったら素直に申告しろ。直ぐに休憩を取る。」

後ろのメンバーに向かってそう叫ぶと、一行はただ黙々と夏の国を目指した。

666和美◆hNSBMrrUeA [2016/08/07 21:02:46 ID:YTdUCcTY]

話は少しさかのぼる…

「ねえ」皆が振り返る。
「勝手で悪いんだけど、私はここに残るわ」「え?」と瑠璃さん。「残ってどうする?」とジェーナさん。
「お、おい!俺達は本当にここから…」これは幽霊達だ。
「うるさいわね!待ってなさいよ!そうね、まずはギルドの最長老様に聞いてみるわ。なんせ千歳の御長寿だって言うから…
この間お会いした時に『ワシはまだまだ生きる』って仰ってたわ。エンシャント・ドラゴンですかって…
ああゴメン。まあ何か解決策を知ってるかもしれないし。
他はギルドの知識者やら魔導士やら古い文献やら何やらを当たってみたり…とにかく」
私の横に立つ少年を見る。「この子がちゃんと行くのを見届けなくちゃ」
「次には進めないって事か」「ええ『災禍ヲ残シテ去ルベカラズ』ってね。狩猟者の鉄則よ」
「でも…」瑠璃さんが不安な表情をする。
「大丈夫。彼等はここから出られるって言うんで、もう襲ってくる気はないみたいだし…話し掛けては来るけどね」
「おうよ!アンチャン達アリガトな!」今や彼らは和魂に近い荒魂だ。
「それに…ほら」
私が振り返った先には、ゲロトルト他数体の霊が円を作り、すっかりイジケた表情で膝を抱えて小さくなっていた。
「まったく情けない」「和美さん…?」「ああゴメン。まあ、何とかなるよ」
「な、何とかなるって…」
「そう『何とかなる』。これは決して投げやりな言葉じゃないの。何もしないうちは何も始まらないでしょ?」
「はい…」「これは、やれる事は全てやる!っ言う意志の『その先にある希望』の言葉ね」
「希望」「うん、心に希望があるうちは…」私は青い信号弾を打ち上げた。
「信じる事が出来る!」上空でポーンと信号弾が弾けた。
「また会おう…希望を胸に」「はい!」瑠璃さんと少年の目が合う。
「あ・り・が・と・う」と、少年の口が動いた。
「うん!」
「皆も、希望を胸に」「ああ」

皆の姿が小さくなり砂の大地に溶けた頃、上空にギルドの飛空船を上空に確認した。
霊たちは、これで4度目となる『至福者の唄』を肩を組んで歌っていた。

667◆40XbC9fmEc [2016/08/07 23:12:47 ID:W6CjeDug]

>>664続き

「ついた」

高杉は屋上に入るドアの前に立ちドアノブに手をかけ開けた。
すると開けた先には、、、

「なんだ、、、これ相当な戦いだな、、、」

屋上はヒビだらけでもう屋上から崩れてホテルが潰れるんじゃないかという感じだった
高杉が屋上を見ると煙立ち上がっていた
よく見ると人がいた

「誰かいる、、、」

高杉は刀に手をつけた

668◆40XbC9fmEc [2016/08/08 00:06:05 ID:W6CjeDug]

>>664
>>667
無視です

669るりるん@瑠璃 [2016/08/08 21:01:12 ID:vclbZnlM]

>665>666

 巨大な穴に落ちてこの世を去る、なんて危機をなんとか回避した私は、男性から「討伐隊」の話を聞いた。隊の目的は、魔王討伐。私はそこについていくことにした。

 和美さんも隊のメンバーかと思ったが、どうやら違うらしい。そして彼女は、このホテルに残るという。この危ないホテルに残って大丈夫なのかと少し不安になったが、周りの幽霊たちはもう襲う気はないと和美さんが教えてくれた。彼女なら大丈夫なんだろう。

 「何とかなる、は、その先にある希望の言葉......!」

 和美さんと共にいた、少年の幽霊と目が合う。彼の口が『ありがとう』と動いた。 

 「こちらこそ、ありがとう!」

 
 そして私たちは、夏の国へ向けて、歩き出した。夜の砂漠は結構寒い。さすがに自身を温める魔法は持っていないが、まぁ大丈夫だろう。そう思った。

670J◆kZDFwAt8do [2016/08/09 02:54:28 ID:GBDhLWmU]

極寒。とまではいかないが寒い事には変わらない。瑠璃の顔色が悪くなってきている。
皆も気力が無い。現に自分もそうだ。ウチレスニアで肉体的にも精神的にも非常に打撃を受けた。
だが、いつまでも終わった事を理由に弱っていても仕方ない。徐々に近付いてくる強く輝いた都市。

そして30分ほどは歩いただろうか。防壁に囲まれた巨大な門が見えてくる。左右には数人の兵士がマスケット銃を肩から下げていた。
俺は彼等に対して演技をする。自分が血塗れだという事を利用してデザートゲリランに襲われたと必死に偽り、正式な討伐隊と証言するとすんなりと門を通してくれた。
門を抜けるなり目の前に広がるのは非常に背の高い建物ばかり。左右の風景を埋め尽くす建物の数だが、こんな夜中であるため人がまったく歩いていない。まるで廃墟に迷い混んだ様な気分だ。

「さしぶりだな、夏の国。」

俺の横でラティが呟いた。

「そういや、ここの出身だったな。」

「うん。あまり変わらない景色だ。昼は暑くて夜は寒い。そしてとてもキラキラしている。何というか、ほっとしたよ。」

彼の「ほっとした」という言葉に、俺は返す。

「そんなほっと出来るような魔王がいるかもしれないなんてな。」

彼は苦笑いしながら返してきた。

「とんだ皮肉だよ。」




その後メンバー全員は医療施設にて身体検査と治療が必要な者は治療を受ける事になった。治療といっても、擦り傷程度のものであるが。
特に驚かれたのが俺だった。コートは血塗れ、頭からも血が流れている。ところどころ火傷を負っていていながらこうして平然といられるのが理解できないと笑われた。
次いでに討伐隊の為にホテルも予約してくれたらしいが、さっきホテルであんな事があったのでどうも信用が出来ない。いや、流石に引き摺り過ぎか。こういう時の親切は素直に受け取るべきだ。
まともに食事も休憩も出来ていないメンバーは病院に残り、俺だけホテルでチェックインを済ませに行く事になった。

そして、夜中の2時を越える前に俺は病院を抜け、ホテルへと向かう。
新しい服を治療後に着せられ、そのまま道を歩く。
やがてホテルに到着すると、俺はメンバー全員のチェックインを済ますと自分の部屋に入る。

やっと休める。その気持ちが俺の精神に安心をもたらしていた。
一先ず部屋に置かれている椅子に腰掛け、俺はアリスを側に置いた。

671コギトエルゴスム [2016/08/10 03:24:44 ID:Ms/0131A]

>>665

今更だがあのインクのおかげで髪色と顔の一部、が深紅になってしまった。

「皆、辛かったら素直に申告しろ。直ぐに休憩を取る。」

俺は人間(ヒト)の寿命と同じ程のバッテリーで動いている機械なので縁も何もないが、人間には体調、体力というものが存在しているようだ。

少し前の話。
この団─"魔王討伐隊"の隊長は「 J 」という名前だった。
魔王討伐の話を聴いた俺は
人間観察のついでに魔王討伐をさせてもらうことにした。

─俺には、解らないんだ。
魔王、そいつも人間なのだろうか?
それとも名状しがたい人間のような何かなのだろうか?
人間だとすれば何故魔王という存在になったのか?
本当に魔なのか?悪なのか?
何か別の正義なのか?

─考えても仕方のないことか。

砂漠の闇夜をひたすら歩いていると手足が悴んでいる「瑠璃」を心配するJが見えた。
あの時の乗客とは全く違った。
皆が皆を心配していた、もちろん俺も。
ただ俺は寒くならないので平気だ、と答えていた。

─この世は苦しみで満ちている、誰も"協力"などしない。
そう悟った主(カレ)は自らの手で死んでいった。
だが違った。ここには"協力"しあう人間達の姿があった。

─余計解らなくなってしまった。

672るりるん@瑠璃 [2016/08/11 23:28:17 ID:PkGucE.w]

>670

 どのくらい歩いただろうか。前方に光が見え始め、メンバーが、あれが夏の国だと教えてくれた。私は夏の国に行くのは初めてだ。

 まず全員で病院に向かい、それぞれ治療を受ける。私も体にいくつか擦り傷ができていた。それから病院側が用意してくれたホテルに、男性ージェーナさんだけ先に向かった。彼が一番怪我をしていたはずなのだが、なぜか一番に治療が終わったのだ。

 病院側が用意してくれた部屋もあったが、だいぶ回復していたので、私はホテルに向かうことにした。

673マスー君◆X9ZO.HrS8A [2016/08/11 23:34:15 ID:ULDxiaOc]

気をつけろよ!

674闇の鬼神ラギ♀Lv56 [2016/08/13 17:40:22 ID:w3l5vw0g]

『こんにちは』

『いきなりすみません』

『オレ、ラギって言います。よかったら食べ物くれませんか?』

すると…

『オレ、夏の国初めてで、食べ物腐らせてしまって…
ずっと旅をしてたんですけど』
といったオレはいきなり眠ってしまった…よほど疲れていたのだろう…
目が覚めるとそこは…

675J◆kZDFwAt8do [2016/08/13 22:13:02 ID:cLVon00c]

>>674
レスありがとうございます!
とりあえず、キャラクター設定をしてくれますか?

http://jeison.biz/casphy/bbs/read.php?cate=talk&no=2193
↑ここで本編でのキャラクターの設定をお願いします

676J◆kZDFwAt8do [2016/08/14 20:47:14 ID:O1AOqvS2]

>>674

あの後、俺はホテルを出て服を購入した。病院服で店内に入った時は驚かれた。
前まで着ていた服は殆ど血でまみれてしまい、所々焦げてしまっていてとてもじゃないか着れる物ではなかった。
俺は下着も含めて服を買い、その場で着込んで店を後にした。
服装は前と同じような白いコート。別に拘りがある訳ではないが、ただ気に入っているから白いコートを選んでいる。

病院に残っている者の様子を見るために俺は病院まで足を運ばせていたが、様々な灯りで明るい夜道の中、逆に目立ってしまう黒ずくめの格好をした少女に声を掛けられる。

「いきなりすみません、オレ、ラギって言います。良かったら食べ物をくれませんか?」

唐突だった。よく見ると手が震えていた。 

「大丈夫か?」

俺は返す。彼女は俯きながら言葉を続けた。 

「オレ、夏の国初めてで、食べ物腐らせてしまって…
ずっと旅をしてたんですけど…」

そう言うと崩れるように倒れこんだ。
俺は彼女を支え、ゆっくりと背中に担ぐ。俺の目的地は病院だ。メンバーの様子を見ると共にこの少女を運んでおこう。
やがて、病院に到着して看護師達に彼女を引き渡し、俺はメンバーが集まっている広場の方へ向かった。

「ン?Jさんじゃあないですか。」

真っ先に気付いたのはO.T

「どうしたの?」

そしてラティが一緒に話し掛ける。

「いや、皆の様子を見に来たんだ。変わりは無いか?」

「あぁ、今のところ大丈夫だよ。怪我も殆どが擦り傷程度だしね。」

「私も何も問題はない。むしろ調子が良い。」

見る限り元気そうだった。 

「なら良かった。」

と、自分。そこにO.Tは話し出してきた。

「瑠璃とかいう娘はさっきホテルに戻ると言っていた。J、貴方はどうする?」

「どうする、か。今日は皆も疲れ果てているだろうから動けない。明日になって本格的に魔王の尻尾を探すつもりだ。」

O.Tは椅子に座りながら答えた。

「今日はお休みという訳か。」

「とりあえず、俺は町を徘徊してみる。」

そう言い残して、俺は病院から出る。

677J◆kZDFwAt8do [2016/08/16 01:55:33 ID:0L2urW0Q]

町を徘徊する。とは言っても夏の国は余り来た事はない為、色々な情報を知っている訳ではない。
だが、道くらいは覚えておいた方が良いだろう。そう思って俺は大通りから外れた裏道を練り歩いていた。いざという時に逃げられる様に大通りよりも裏道を覚えておかなければならない。
砂漠の夜特有の寒さに包まれながら、俺はただひたすら歩いた。

一時間位は経っただろうか。別にその気になれば二日程度は不眠で動けるから、今日はただ徘徊するというのも悪くはない。
だが、無用に動くのは危険だし意味が無い。特に目星が付きそうな物が無かったら早々とホテルに帰ろう。
裏道にも射し込んでくる人工の光。周りの様子からしてまだスラムには出ていない。

俺はふと立ち止まって、ポケットに入れていたガイドブックを取り出す。病院から出るときに貰った。
だが、もはやガイドブックに載っているような華やかな所から大きく外れている。もはや意味がない。
ガイドブックを折り、コートのポケットに入れる。

瞬間だった。


「私を追っている様だな。」

後ろから唐突に囁かれる。その声は、強大とも言える威圧感に包まれ、禍々しい空気が漂う。

気が付くと俺の右横に紫色の刀身の様な物が光っていた。

「あんた、誰だ。」

俺は振り返らずに、恐る恐る質問する。

「誰、か。そうだな、そっちでいう『魔王』とでもいう者か?」

魔王。
後ろから聞こえたその単語に、俺はとてつもない違和感と、嫌悪を感じた。

「本当に、魔王なのか。」

「さぁな、お前達が勝手に魔王と言っているだけだ。」

人間とは思えぬ余裕と威圧感。
やはり、魔王なのか?だが、こんな簡単に表れるものなのか?

「そうだ、ゲロトルトの奴等はどうだった?随分と数を削らされたらしいな。何人死んだ?」

魔王、と言って良いのだろうか。そんな奴から、俺は問い掛けを受けている。

「あんたには言いたくないな。」

俺は答えながら振り替える。同時にアリスを引き抜いて回転のベクトルを利用して振るう。
だが、アリスの刃は紫色の刀身に受け止められる。
それと同時に目に飛び込むシルエット。

黒い。ただ、黒かった。そして紫色というのか赤色といえば良いのかよく分からないオーラが漂っていた。
この姿は恐らく人間が素直に恐怖を感じる姿だろう。
よく見るとフードの様な頭巾を被り、顔はよく見えない。それどころか、黒く塗り潰されてる気がした。

「あんたが、お前が、魔王?」

俺は鍔競り合いの中、問い掛けた。

「だから言っただろう、それはお前達人類が勝手に着けた呼び名だと。」

目の前の『魔王』は急に力を押し込んできて、俺は耐えれず後ろへ飛ぶ。
何とか着地し、頭を上げると目の前には紫色の刃。すかさずアリスを振り上げて跳ね返す。
次は横から、その次はまた上から、人間ではこんな速さで剣は振るえない。俺はその殺陣に押し込まれていく。
埒が明かない。いつか斬り殺される。建物と建物に挟まれた狭い通路で、左右の逃げ道を潰しながら剣を振り回す『魔王』
俺は一度だけその刀身を押し込み、その隙に飛躍した。
数メートルの隙間を飛び抜け、右の建物の屋上に着地する。

これが、魔王。そして俺は対陣している。この恐怖が俺の身体を疎ませていた。


俺は後退りして隙間から離れる。が、急に隙間に突き刺す様に稲妻が走ったのだ。
いや、隙間に突き刺さったのではない。隙間から天を貫く様に青白い光が昇ったのだ。
俺は困惑する。何が起こっている。魔王は何をしようとしているのだ。

俺はその場から離れ、屋上から大通りの街路へ着地する。

周りにいた一般人が俺が飛び降りてきた事に驚くが、その関心はすぐに光の柱の方へ向いた。
徐々に大きくなっていく魔王が作り出した光の柱。何だこれは、今から何が始まる?
くそ、くそったれ。せめてこの光に気付いたメンバーが一人だけでも良いから駆け付けてくれれば少しは恐怖感も薄まっただろう。

そう思いながら、俺はアリスを握り混んでその場に構えていた。

678るりるん@瑠璃 [2016/08/16 16:54:18 ID:.d14QCrE]

>672>677

 「夏の国は明るいとこなんだなぁ」

 大きな建物、眩しい程の人工の光。生まれ育った田舎とは全く違う場所に、私は少し興奮して、辺りをキョロキョロと見ながら呟いた。

 ホテルに着き、フロントで名前を言うと、ジェーナさんが先にチェックインを済ませてくれていた。案内された部屋に入って、窓を開けると、心地よい風が吹き込んできた。癒やされるなぁ、なんて思っていた刹那、青白い光が見えて、空が一部分明るくなった。光は柱のようになり、徐々に大きくなっているようにも見える。場所はここからそう遠くなさそうだ。

 「なんだろあれ......あそこに行ってみよう!」

 私は窓を開けっ放しにしたまま、ホテルを飛び出した。

679コギトエルゴスム [2016/08/17 02:52:40 ID:xSyA9gN6]

しばらく経つと「夏の国」に着いた。

ここに魔王がいる…
そう思うと緊張感と高揚感という表裏一体な感情が渦巻く。

だがそれとは別に、この夏の国に見とれている自分がいた。
無意識に
「なるほど…これが夏の国!」
と呟いていた。

病院側が手配してくれていたホテルに入りフロントで名前を名乗ると、「ジェーナ」が先にチェックインを済ませてくれていたようだ。

俺は部屋へと案内された。

部屋へ着くとなんとなく窓を開け、床に大の字になっていた。
窓から心地よい風が吹き抜ける。

「暇だなァ、なんか起きないか…」
と起き上がって窓を覗いてみると
「なァーッ!?」
突如禍々しい気配、そして青白く輝く光の柱が現れてその周辺の雲が吹き飛ばされた。

俺はとある考えが頭に過り

「寝転んでる場合じゃねぇッ!」

俺はそう言うとホテルを飛び出した。

同じ経緯で来たと思わしき人物と遭遇した、あちらもこちらの考えを悟ったのか目を合わせ同時に相槌を打つと、急いで光の柱へ向かった。

こんな現象を起こせるとすれば…魔王!!

680コギトエルゴスム [2016/08/17 03:00:16 ID:xSyA9gN6]

>>679
あ、どうやって魔王の居場所を知ったかについては
予知能力で知りました、書き忘れましたすいません。

681O,T [2016/08/20 01:07:47 ID:FrNtbiRQ]

突如として現れた魔王
そういえば、J達の目的は魔王討伐だとどこかで聞いた覚えがある。
その魔王が直々に現れた。

自分はJと魔王の死闘を建物の影からただ傍観するしかできなかった。
このままバッと建物の影から飛び出して一言やつに向かって叫ぶ。
セリフは「おい魔王⋯私が相手だ!」がいいな。

そんなことができたらさぞかしカッコイイだろう。
気分は主人公だ。最高の高揚感を味わえる。
しかし、「そんなこと」をしたところで実際にはなにができる。
私はただの村人であって傭冒険者でもない。
船やパン屋の手伝いをして暮らし、戦いとは無縁の人生だった。
その私があいつの前に出たらどうなる、なにができる。
立ち向かった所でなにもできない、10秒と持たない。
いとも容易く首をはねとばされるのが関の山。

情けなく怯える自分を眩い閃光が包み込んだ。
思わず目を強くつむる。
なにがなんだかわからない。
ただ一つわかる事は、これからなにかが始まるという事だけだった。

682J◆kZDFwAt8do [2016/08/23 15:37:16 ID:UIMi.J2M]

一旦上げ

683和美◆hNSBMrrUeA [2016/08/29 21:44:56 ID:hF86zNUI (sage)]

多くの狩猟者が見守る中
ホテル跡地を中心に、ポンタール寺院のキルミスタ猊下以下、僧72名。
『払イ』から始まり、そして今『常世送リノ儀』が終焉を迎える。

ポンタール寺院は遥か北方のレムリア山の頂にあるファーラム教の総本山で
ファーラム教は12000年の歴史を有し、僧は霊的な能力に優れている。今回のようなケースの『専門家』だ
今回、ギルド大長老の働き掛けで、猊下御自ら御助力下さった。
その彼等に掛かれば、600年間の長きに渡って溜り濁った強力なホテルの念も『たかが念』なのだ。
「嫌だ!俺の…俺のホテルぅ!」と泣き喚いていたゲルトルトであったが
払われてしまうと、より一層しょんぼりと小さくなり、それからは一切喋らなくなった。
思えば彼も被害者なのかも知れない…

さて、呪縛が解かれ和魂(ニギダマ)となった霊たちは光の渦に包まれ、次々と常世に旅立って行く。
それは、ゲロトルト他数名の荒魂(アラダマ)も例外ではない。
『常世送リノ儀』はニギダマ、アラダマ問わず一切の『魂』を常世に送る物だ。

この世に生を受けたもの…人間、ヒト、獣、モンスター、そして植物に至るまで
『現世(ウツシヨ)の命』は例外なくそこから来て…そして『魂』になれば還って行く…
いや『還らなくてはならない場所』それが『常世(トコヨ)』だ。
そこは色、形が一切なく、全てが混ざり合った所だと言う。
『魂』は常明の光の中で癒され、生まれ変わり、そして再びウツシヨにて『新たな命の旅』を始める。
…と、キルミスタ猊下に御教授戴いた。

私の前に少年と、そしてその隣に立ち手を繋いでいる女性が居て、2人は一緒に光の渦に包まれていた。
彼女は少年の母親だ。
彼女もまたこのホテルに縛られていたが、完全なニギダマになった事で少年を思い出し、再会できたのだ。
…そう、やっと…

「じゃあね」少年はコクリと頷くと「あ・り・が・と・う」と口を動かした。今度は私が頷いた。
母親は深く一礼し、少年は手が振る。
母親に返礼し、少年にも手を振りかえす。

「寄り道しないで行くのよ?」と言ったら笑顔になった。
それは、少年の少年らしい笑顔だった。
光が強くなり二人を覆うと、天高く旅立って行った。

猊下と僧達に深く礼を言い、さて皆を追いかけるぞ!と思った瞬間。
「ん?」上空に気球を見つけた。
幌には、何度見ても「なんとかならんのか」と思わせる程、デカデカとギルドのマークが記されてある。

砂の大地に着陸した気球から降りてきたのは男性2人と女性が1人。
先頭を歩いている男性は、ギルドの人間だが狩猟者ではない。
きちっとした…と言うかお堅い服装の『文官』で、後ろの男女は防具にギルドのマークが刻印されている。彼らは位のある『歴戦の狩猟者』だ。
「和美殿は?」「私ですが?」軽く手を上げると歩み寄って来て、私に封書を差し出した。
文字どおり封印が施されている

<月の王都周辺にて『龍』現る。貴君は彼の地に赴き、これを排除せよ。>

内容はそれだけだったが、その下に『王』『月の王都のギルド長』『ギルド最長老』の3者の連名と共に、それぞれの印綬が押されている。
『龍』とは『竜』よりも強大で、そのほとんどが凶暴な生物だ。
王の名があるという事は、王の名において『龍』を討て。つまりは『聖特吏』として闘えという事だ!
「こ、こんな時に!」「ギルドは貴女のこれまでの功績を考慮し王に推挙致しました。では緊急を要する故、参りましょう」文官が私の腕を持つ。
「え?あっ!ちょっと!私…皆に…ま、魔王を倒すのよ!」
「貴女は狩猟者なのですから!いやはや、これは誉な事ですぞ!」文官はいよいよ両手で私の腕を持つ。
「私は皆に追いつかなきゃ…ま、魔王を!燕子花さんの意志を・・・ああぁぁぁ・・・」
位の高い狩猟者2人も加わり、強引に引き摺られるように気球に乗せられ、そして空高く…

684J◆kZDFwAt8do [2016/08/30 21:51:59 ID:cKJx1T2I]

天を貫く眩い光の柱は次第に収束を始め、やがて見えなくなる程に細くなるとその光は消え去った。
一体何だったのか?考察に考察を重ねても答えが生まれてこない。それはそうだ。こんな光景を目にする体験などした事が無い。

やがて訪れた静寂。周りの者達はただ無言でその場に立ち竦んでいた。俺も疎んでいる。今から起こる物事全てが嫌な予感がする。

「…Jさん!」

呆気にとられた俺を正気にさせる言葉。声主は瑠璃だった。
彼女もこんな光景は初めて見るのか、杖を握り締めていた。

「先客が来てたみたいだな…。」

そして俺の後ろから現れるコギトエルゴスムという男。

「さて、どうする?Jさん。俺はどうもこのまま棒立ちするのは良くないと思うんだけど。」

コギトは腕を組みながら話す。
俺は軽く俯き、さっきまで光の柱が立っていた方を見詰める。
そして俺は答える。

「これから何が起こるか想像が出来ない。きっと人知を越える現象が次々と起こるだろう。それに俺達は恐怖するだろう。だが、忘れないでくれ。」

「俺達は魔王討伐隊だ。魔王を倒すために俺達はこうして集まった。そしてここにいる。だから、俺達は魔王を倒す。それだけだ。」

他人への励ましか、それとも自分への励ましか。どちらとも言えぬ感情の中で俺はゆっくりとツヴァイヘンダー、もといアリスを構える。

「いい台詞だねぇ。んじゃ、これから本番といきますか。」

コギトが一言。瑠璃も無言で握り締めていた杖を持ち直した。



これから、俺達の任務が始まる

685◆40XbC9fmEc [2016/09/02 18:37:08 ID:V7cTt/P.]


「いやぁ俺が潰されるとこだった、、、まぁアレを使えば簡単だったがそれにしても中庭の一般人はどうなった?」

??「うん?もちろん全員助けたさ後あのホテルの事の記憶を消しといたよ」

「そうか、ならいいがあのまんまにしたら外界が大変な事になるとこだった   ーーーーーーー、、、、

この話がなるたった数分の事、、、

>>661数分前、、、
高杉が納めた後散りになったオータッタッの前に立つ

「お前は俺の戦った中で二番目に強い者だ」

そう言うと高杉は立って

「この勝負ありがとうな」
と言った。

高杉はそこから歩き出そうとした瞬間ホテルがいきなり揺れ出した

「これは、、、ボスが死んだのか?!よく分からんがとにかくここから出るか」

高杉は走って階段まで行った高杉が階段に着いてそこから飛び降りる

「螺旋階段で良かったよ」
そう言いながら落ちていく高杉だが着地先が尖った岩で着地しずらくなっていた

「マズイな、、、このままだと?」
高杉が下を見てると暗い空間ができた

「いいところに来てくれたよ」

高杉はそのまま落ちてゆき暗い空間に入ったすると回りは夕方で空中に浮いている感覚だったすると男が高杉のもとに来る

??「気分はどうだ?高杉?」

「あぁなんとか助かった気分だよ今回はありがとな
          『椿』」

椿は高杉の腕を持って肩を担いだ
数分後さかのぼる、、、

「それにしても何故椿に死神の血が少しあるのかが気になる、、、」
椿「まぁいいだろう?我でも不思議に思っているがまぁいいんだ」
「そうか、、、」
少し不満混じりでいった高杉
椿「それにしてもこの後どこに行くんだ?」
高杉は一瞬黒く笑いそして
「そりゃ決まってんだろ、、、夏の国に魔王を潰すいや殺すんだよ」
椿はフッと笑うと
椿「分かってるさ高杉アイツを殺るぞ高杉」
「あぁあの思い出を覆したアイツを絶対に殺す、、、!」

二人は時空間を歩きながら魔王を倒すいや殺す決意をした



         






686マキ◆40XbC9fmEc [2016/09/02 19:04:44 ID:V7cTt/P.]

>>685続き

しばらく歩くと二人は止まって時空間に穴があいた二人が時空間から出ると建物の間に出た。
二人はそこから人の声がするところに行くと
回りは店が結構立ち並んでおりそこには結構な人がいた

「うぉーこれはスゴい夏の国は前は結構行ってたがこんなにいっぱいに、、、!」
椿「なるほどこれはこれはスゴいな我も来た事があるが、、、ここまでとは!」

二人がすごく驚いたそれもそうだろう結構な人だかりなのだから

「リンゴとリンガどっちがいい?椿?」
椿「どっちもだ」
それを聞くと高杉は笑って
「同じ考えだよじゃあ買うか!」

高杉と椿はあるいてリンガとリンゴを買いにいったそれが売ってる店の前に立つと店員が

店員「いらっしゃい何を買いたい!?」
椿「リンゴとリンガを10個ずつ頼む」
店員「はいよ!!」
店員がそう言ってリンガ、リンゴに袋にいれた
店員「はいよ!」
椿「どうもな」
椿はお釣りを出して袋を持った

「へぇあの店いい色の果物を扱ってんないまそうじゃん?」
高杉が言うと椿は「この色のリンゴ、リンガはうまいだろうな」と言った







687るりるん [2016/09/03 18:56:32 ID:K/LY8IRA]

>684
 
 途中で会った、コギトさんと共に光の方向へ走ると、そこには既にJさんがいた。

 すぐ近くから感じる、すさまじいパワー。ホテルで感じたものと比べ物にならない強さに思わず逃げ出したくなるのをなんとか踏みとどまる。これが魔王だ、と分かったから。

 私が何も言えずに立ち尽くしていると、Jさんが口を開いた。

 「俺達は魔王討伐隊だ。魔王を倒すために俺達はこうして集まった。そしてここにいる。だから、俺達は魔王を倒す」

 その言葉に、私は杖を握りしめた。そうだ、魔王討伐という目的を知った上で、この隊に入れてもらったんだから、目の前にターゲットが現れたからといって怖じけついている場合じゃない。私は、私の出来ることをしよう。そう心に決めて、自分の状態を確認する。

 「体の調子はすごくいいし、杖もちゃんと持ってるでしょ。後は......」

 私は、自分の腰あたりに手をあてて、『それ』があることを確かめた。

 「短剣なんて滅多に使わないけど、今回はどうなるか分からないなぁ」

 そう呟いて、いざという時にすぐ抜けるよう、位置を調整する。よし、完璧。

 「Jさん」

 それから私は、そばに立つ彼に声をかけた。

 「私にやることがあれば、いつでも指示して下さい。 すぐにやります。 それと、怪我などはすぐに言って下さい。 私の得意魔法は、回復ですから!」

 はっきりと、笑顔でそう言うと、Jさんが口を開く前にそばを離れる。ちゃんと笑えたかな、なんて思いながら。

 「自分の出来ることを、全力でやろう」

 そう、呟いた。


688レナ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/03 21:11:23 ID:7kTreZn.]

>>686続き 

 二人は誰もいない公園でリンゴとリンガを椿がナイフ切って皮を剃ってものスゴいスピードで他のリンガ、リンゴを切って剃った
全部切り終わって椿は高杉に渡した

「、、、お?あぁうんありがと、、、いただき~、、、、、、あっすげ甘くてうまいわ」

驚きながらも高杉は次々と食べた

「何この甘さこんなん食った事がないぞ?」

高杉は食べながらも興奮していた

椿「そんなになのか?なら我も、、、ん、うまいな!熟成がいいなこのリンゴとリンガは!」

椿も驚いて次々食べていった

同時『ごちそうさま「でした』(椿

食べ終わって場所を写そうとその瞬間、、、二人は気づいた

「なんだ、、、あの光の柱は、、、あんなん夏の国には、、、、」
椿「そうだな、、、一回とはいえあれは、、、ん?これは、、、!?」

椿は何か感じとって高杉も気づいたそれは

「あぁ、、、凄まじい気だよホテルの奴より強い、いやケタが違うな、、、」
椿「なんなんだこの禍々しい気は?、、、」

椿は目をつぶってその気景色をみたすると

椿「誰か三人いるな、、、この気は、、、うん?魔王、、、だと?」
「魔王、、、そうかアイツがここに、、、いるのか、、、」
椿「、、、魔王、、、本家の、、、この恨み」
「このあの思い出の、、、親を殺した魔王、、、」
    『、、、、、、絶対に、、、倒す、、、いや、、、殺してやる、、、!!』

その顔はまさしく鬼、、、二人は飛んだその地面には亀裂と穴があっち

689J◆kZDFwAt8do [2016/09/06 22:12:27 ID:59.Y6IZ6]

光の柱は完全に消え去った。人々は本能的な身の危険を察知したのか、周りを見渡しても住民はいない。ただ不気味な静寂が俺たちを包み込んでいる。
そんな中、俺は胃を決して光の柱があったところまで足を運び出す。一歩、二歩、三歩、無意識に数えてしまう歩数と共にとてつもない緊張感と恐怖が混じる。

「Jさん!」

一足先に進んだ俺を止めるように俺の名を叫んだ瑠璃。
だが、こちらとしてはもう立ち止まれない。立ち止まったら、それで負けてしまうという感情が芽生えてしまうのだ。
だから俺は足を止めない。真っ直ぐに目の前を見詰めて足を運ぶ。

「俺が魔王の注意を引き付ける。瑠璃は後方から援護。コギトエルゴスムは魔王の背後を狙ってほしい。」

振り向かずに俺は二人に指示する。

「了解、っと。」

コギトエルゴスムが先に返事。

「分かりました。」

続いて瑠璃も返す。

これで準備は整った。後は、対陣するだけ。
徐々に視界が悪くなっていく黒いオーラの中を突き進み、その奥で佇んでいる人影に向かって、俺は走り出した。 
何よりも早く、迅速に、右手に握ったアリスを構えてその人影へ振り出す。その瞬間、紫に光る刃がアリスの刀身を弾く。ここまでは想定の内だ。
俺は弾かれたアリスの反動を利用して体を一回転させ、そのまま振り下ろす。
だが、今度は見事に空振りする。俺は地面を刻んだアリスを引き戻して周りを確認した。


いない。どこにもいない。
魔王に攻撃することに集中していたら、気付かぬ内に周囲のオーラが濃くなっていた。
街頭の光を吸収し、暗闇を広げていくオーラ。俺の視界は既に光を捉えていない。
なるほどな、罠に嵌めたと思っているようだが、この程度で落とし穴に落ちたと思うなよ、魔王。

俺はその場で跳躍する。重力に従って落下するが、壁を蹴って更に上へ飛ぶ。
横に刺さっている看板に手をかけ、自分の体を腕力で飛ばす。
やがて建物の屋上まで飛んだ体。そのまま屋上へ着地。すかさず起き上がって周りを確認した。

「ここまで飛び上がってくるのか、人間。」

丁度俺の真横から聞こえてきた声。俺はその方向へ体を向かせるが、足を動かした瞬間に横腹に強い衝撃が走る。
その衝撃のなすがままに吹き飛ばされるが、浮き上がった体を捻らせて何とか屋上内に再び着地した。

「落ちなかったか。素晴らしい身体能力だぞ。人間。」

やっと正確に視認できた魔王の姿。相変わらず黒いオーラに包まれており、しっかりとしたシルエットが分からない。

「お前に誉められても嬉しくないな。」

「その余裕、いつまでも持つかな?」

すぐに返された言葉。
魔王はその言葉を言い切ったと同時に、こちらへ垂直に飛躍して接近する。
微かに見える紫の刃、それが大きな三日月の姿へ変貌するとき、俺も同時にアリスを振るう。
重なった二つの三日月、そのまま何度も打ち合う刃。
俺は一旦真横へ転がり距離を離そうとするが、それを許さない魔王の刃が容赦なく俺に向かって来る。
起き上がりながら刃を受け止め、そのまま押し返して俺は鍔迫り合いに持ち込んだ。

690レナ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/13 12:02:03 ID:IHVhLYHA]

あげます

691るりるん@瑠璃 [2016/09/15 08:34:59 ID:hW5ZjNZo]

>689

 Jさんが魔王に近づいていく。覚悟を決めなきゃ、と思うのに、どうしても怖くなってしまい、私は彼の名を呼んでしまった。しかし、Jさんは立ち止まらない。ゆっくり、でも確実に魔王へ近づきながら、私とコギトさんに指示を出し、私は、後方から援護することになった。自分のすべきことが分かって、ほんの少しだけ不安が薄れたような気がする。

 Jさんの姿が闇に隠れて見えなくなる。後を追おうとした私は、建物の屋上に魔王を見つけた。Jさんも現れる。あんなところまでどうやって登ったのかとても気になったけど、今は私もあそこへ行かないと。

 「木枝(ウッド)!」

 私がそう唱えると、枝がどんどん伸びて木が生えた。一本の枝に手をかけて、一気に登った。屋上と同じ高さまでたどり着いた私は、初めて魔王の姿をはっきりと見た。

 『暗くて黒い闇』魔王を一言で説明して、と言われたら、私はこう答えられるだろうな、と思った。そのくらい不気味だった。

 「あれが、魔王......」

 私は、杖を握り直して、ターゲットを魔王に絞る。

 「氷球(アイス・ボール)!」

 氷の球が魔王に降り注ぐと同時に、私は木から屋上へ飛び移った。

692マキ◆40XbC9fmEc [2016/09/16 15:52:40 ID:LVvy5HgQ]

>>668修正…
その顔はまさしく鬼、、、そして二人は飛びその地面には亀裂があった


693コギトエルゴスム [2016/09/16 20:26:55 ID:wCjOhYzU]

>>689
俺は背後を狙う、つまり奴の背後を獲らなければならない。
「了解、っと。」
俺は虚無剣を握りしめ、覚悟を決める。
グライドで建物に登り奴の後ろに回る。
(まだまだ遠いな…ッ)
あの広がりつつける禍々しいオーラによって徐々に視界が悪くなっていく、それでも俺は出来る限りの距離をつめる。

剣の打ち合う音が聴こえた。
Jさんなのか?
そして斬撃が止んだ。

"ストップガン"
「時よ!」

俺は周囲を見渡した。
魔王は静止していても直、禍々しいオーラを放っていた。
呆然と見ていると空から氷の球が降ってきた。
どうやら瑠璃のものらしい。

"アト・トリメンダズ・ヴェロシティ"
(恐ろしいほどの速度)

この氷の球を光の速さでぶつける。
…と思ったが無理だ、何故ならば魔法でも質量があるからだ。
いくらエネルギーを加えたとて、光の速度に近づくにつれて加速が鈍るのだ。

俺は出来る限り速度を速める。

「時は動きだす。」

694コギトエルゴスム [2016/09/16 20:29:24 ID:wCjOhYzU]

>>693
ミスってた
空に氷の球が浮いていたのに気づいた だな

695J◆kZDFwAt8do [2016/09/18 19:32:33 ID:qnG/skSo]

鍔迫り合いに持ち込んだのはいいが、圧倒的に力負けしている。目に見えるように押し込まれていってしまう。

「目が青く光ってるな。」

魔王が力を若干緩め、説いてくる。

「それが何だ!」

俺は返す、魔王は形の分からない顔を不気味に歪ませ、返してきた。

「どんな改造を受けた?」

「ふざけるな!!」

俺は怒鳴る。侮辱された、魔王に。くそったれ!
そして魔王は再度力を強めた。後ろへ押し込まれ、ついには突き落とされそうになる。
このまま成すままに突き落とされたら空中で串刺しになるだろう。そう考え、何とか堪えているも現実には逆らえない。
刹那、若干の冷気に包まれた感触を感じて上を見上げると、尋常じゃない速度で氷の玉の群生が落下していた。

「俺は串刺しになるかも知れないが。」

俺は魔王に話し掛ける

「お前は穴だらけになるかもな。」

そういって俺は鍔迫り合いから逃れ、無数の氷の玉が落下する寸前で屋上から地面に背を向けながら飛び下りた。
回転し、姿勢を調整して地面へ着地した。

696J◆kZDFwAt8do [2016/09/19 20:24:08 ID:smSls25o]

あげ

697るりるん@瑠璃 [2016/09/20 17:43:04 ID:UEje1uLk]

>695

 屋上の端まで押されていたJさんが、私の魔法に気付いて飛び降りた瞬間、魔王の体に氷の球が降り注いだ。一気に当たった氷の破片で、視界が悪くなってしまい、魔王の様子が分からない。

 「どうなっ......!?」

 刹那、後ろに気配を感じて、前に飛びながら振り返った。体が強ばって上手く距離がとれない。目の前に立つ『闇』に私は言葉を失っていた。

 「はっ、面白いことをしてくれるじゃないか」

 私の魔法を嘲笑った魔王は、ダメージを受けている様子が全然感じられなかった。まさか全てよけたのか、と思ったけど、所々に白く光る氷がついているから、それはなさそうだと思う。

 「何を使ってあれを出した?」

 そう尋ねて徐々に近づいてくる魔王と、後ずさりする私。応えるな、反応するな、と脳が訴えている。

 「大事に大事に握りしめているその杖か?」
 「・・・・・・・・・」

 私は無言で魔王を睨みつける。なんだ、何が目的だ。杖を奪いたい? とにかく今の状態のままでは駄目だ。何をされるか分からない。どうする、考えろ。

 必死で脳をフル回転させて考えていると、また魔王が口を開いた。

 「その杖で出していないというなら、それを投げ捨ててみたらどうだ?」

 本当になにがしたいのだろう。分からない。
 しかし、私にはある考えが浮かんでいた。それに杖は必要ないから、ここは魔王に従ってみよう。

 私は、左手で杖を持ち、右手を腰の辺りにあてた。そして、左手の杖を放るとーー、魔王が動き、大きな剣が頭上に迫ってくる。

 「炎柱(フレイムコルム)!」
 
 ゴオッっと炎の柱が魔王を取り囲む。
 叫ぶと同時に、右手で短剣を握って魔王の剣を受け止めたが、あまりの衝撃に吹っ飛ばされて、私はコンクリートに体を打ち付けた。痛みで周りが見えない。短剣は握っていることだけ分かった。
 

698コギトエルゴスム [2016/09/20 22:08:07 ID:DfyM.rvo]

>>697
魔法はまるで効いていないようだった。
魔王が瑠璃に最後の一撃を与えようとしている。
その紫に光った剣を両手に握り、腹部辺りに致命傷を負わせようとしている。

"リフレガ"

オレはヤツの剣の大きさと同じほどの大きさで出す。

ヤツの剣は弾かれた。

そして瑠璃に"ケアルガ"
"プロテス"(魔法防御up)"シェル"(魔法防御up)"リフレクト"(魔法反射)。
プロテス、シェル、リフレクトの効果時間は1時間程度だろうか。

俺の直感はこう言っている、魔王は魔法が使えると言っている。

「…ほう。私の剣を防ぐか。人間の出すリフレクとは違うようだな。」

「(他にもいたんだな…)「水鉄砲は穴が小さい方がイキオイよく遠くまで飛ぶ!」ということだ!」

「この世の法則を利用したというわけか。」

ヤツはオレに歩み寄ってくる。

対してオレも、ヤツに歩み寄っていく。

「ほう… 向かってくるのか……… 逃げずに近づいてくるのか………」

「近づかないと…アンタを倒せないんでね。」

オレはヤツに虚無剣を叩きこむ。
だが、ただ叩きこむだけではない。

"ストップガン"

(勝ったッ!!死ねィ!!)

「フン。」

俺の剣はいともたやすく弾かれた。
静止した時の中で、だ。

「何!?」

「見えて…いるのか?」

魔王は黙ったまま答えない。

「見えているのかと訊いているのだッ!!」

「さて、なんの事だ?」

「質問に質問で返すなぁーっ!!」

俺は再度剣を振るう。

「ぐうっ!…」

だが弾かれてしまうばかりか、今度は吹き飛んでしまう。

"ストップガン"解除。

「ほう…こう使うのか…今ので覚えた…」

「何!?…覚えた……だと!?」

699J◆kZDFwAt8do [2016/09/25 17:32:07 ID:RK5xvVec]

下がりすぎ

700夢生 [2016/09/25 17:39:12 ID:1Y9C6OB.]

あの、途中なんですけどすみません。
入りたいのですがいいですか?

701J◆kZDFwAt8do [2016/09/25 21:46:10 ID:RK5xvVec]

>>700
大丈夫ですよ

702夢生 [2016/09/25 23:30:54 ID:1Y9C6OB.]

ありがとうございます!

703夢生 [2016/09/26 07:23:34 ID:1Y9C6OB.]

「ブラッドナイトメア!」
そんな声が響くと、赤黒い渦が闇の中に広がり魔王のダメージが減った。
魔「!? 誰だ!!」
「・・・」
魔王がそう言うと杖を持った小学生くらいの少女が現れた。
魔王は少女を睨んだ
「あぅっ・・・」
魔「邪魔だ。」
魔王は夢生に向けて魔砲を使った。
「カローム!!」
夢生は結界をはった。 結界は五分間続きます。

704夢生 [2016/09/26 15:10:41 ID:gp48QFuI]

あげときます!

705夢生 [2016/09/26 16:12:25 ID:gp48QFuI]

結界を張ってる間に仲間を回復
杖を鎌に変化させた。

706夢生 [2016/09/26 19:15:47 ID:gp48QFuI]

あげ

707J◆kZDFwAt8do [2016/09/26 22:02:07 ID:yD9l5rjQ]

あげ

708るりるん@瑠璃 [2016/09/27 13:27:47 ID:nHkSJ9rQ]

>698>703

 コギトさんが来て、私にいくつかの魔法をかけてくれた。杖がなくて回復魔法が使えなくなっていた私にとってはとてもありがたいタイミングだ。お礼を言う間もなく、コギトさんは魔王に向かっていた。しかし、彼も弾き飛ばされてしまった。

 「コギトさん!」

 私が叫んだ瞬間、

 「ブラッドナイトメア!!」

 魔王の闇の中に、赤黒い渦が広がる。ダメージを受けた魔王が、驚いたように振り返った。

 そこに立っていたのは、一人の少女だった。魔王が少女に気を取られているうちに、私は杖を探す。あの子、結構強い魔法が使えるのね、と思いながら屋上を見回すと、端の方に杖が落ちているのを見つけた。衝撃で杖も吹き飛ばされていたようだ。

 「よかった、屋上から落ちてなくて」

 私はそう呟いて、杖を取り戻した。

 

709J◆kZDFwAt8do [2016/09/27 18:19:15 ID:no8Vy9IE]

俺は地面に着地した後、屋上の方を見上げた。
コギトエルゴスムが魔王と対陣していた。打ち合う刃の中、何やら喋りあっているようだ。
俺は着地するとき地面に突き刺してしまったアリスを引き抜き、もう一度跳躍する。壁に何度も脚を掛けて上を目指す。
数mの建物を何とか上りきり、さっきコギトエルゴスムが魔王と刃を交わした方に視線をやるが、その瞬間魔王が更に真っ黒なオーラに包まれたのだ。
驚いていたのは俺だけではなく、魔王も自分に起こった事を理解しかねてる様だ。何が起こったのだ。
次の瞬間、闇のオーラに包まれたままの魔王がそこから逃げ出す様に抜け出し、ある方向へ波動の様な物を撃ち放った。

「カローム!」

その波動を撃った方から声が聞こえる。若い、いや、子供の声だ。何故だ。どうして子供がここにやって来た。
しかし、気を反らすことが出来たのは良いことだ。

俺は建物を次々と飛び移り、魔王が立っている方へ飛躍した。
約3mの高さまで飛び上がり、上空から魔王目掛けてアリスを振り下ろす。だが、当然のように魔王はこちらを振り替えって俺を弾き飛ばした。
刀身ごと叩き飛ばされるが、何とか屋上内に留まる。だが魔王は既に目の前に瞬間移動していた…様に見える。

振り下ろされる刃を打ち返し、俺は魔王の側面に回り込もうとするも俺の動きを全て察しているかのような超人的な体捌きで俺が振るう刃を避けられる。
そんな殺陣の中、俺は一回転してアリスを逆手に持ち直して魔王の方へ思い切り突き出した。

「そこだ。」

冷たく、冷静な声が響く。まるで、時間の止まった空間の中で寂しく轟くように。
俺はその声が自分のものではなくて魔王の声と気付いた瞬間、胸に痛みが走る。


「まさに一本釣りだな。お前の情報は知っているが、10年も戦ってない子供当然の雑兵か私に敵うと思ったか?そういうのは夢を見るって言うんだぞ。」

魔王の言葉が淡々と続く中、俺は魔王の持っている剣が俺の胴体に突き刺さっているのを把握する。
痛みを越えるとてつもない覇気の圧迫感に抑え込まれ、何とか引き抜こうとするも俺の肉に鉤爪でも引っ掛かってるかのように刃が微動だにしない。

「魔兵の肉体、どこまで持つかな?」

魔王は笑い混じりの声で俺に話し掛けた。

710夢生 [2016/09/27 19:08:44 ID:rI9VX3.g]

>>709

711夢生 [2016/09/27 19:09:06 ID:rI9VX3.g]

間違えました

712夢生 [2016/09/27 20:32:37 ID:rI9VX3.g]

「・・・」
私は無言で魔王に鎌を振り下ろす。
魔王はこれをもともと解っていたかのように私を避けた
魔「バカめ! 小学生ごときに何が」
「馬鹿はどっち?」
私は笑うと銀製ナイフを投げつけた・・・
魔「少しはやるようだな~?」
私が指を鳴らすとナイフが紫色に光り始めた
魔「なんだ・・・これ?」
「それはねぇ・・・」
魔「魔力が・・・?!」
「アハハ! 正解ー! ちなみに、私はほかの小学生より強いからね? 油断しないほうがいいよ♪」
魔「そっちもな」
「え? ヤダ・・・」
気が付くと束縛の魔法をかけられてしまったようだ。
まだそれほど魔力を吸い取られていないうちにかけたのだろう。
「っち・・・」
魔「いい面してるぞぉ? 小娘ぇぇ!!」
・・・うぜぇ・・・すぐ調子のるのね。
「ネム!! 私の束縛魔法を解いて、みなさんの傷を癒しなさい。」
「私には無理っぽいニャ~・・」

713O,T [2016/09/27 23:15:23 ID:5LdSx1UM]

魔王と呼ばれている男とジェイやその仲間はまだ私の存在に気付かれていない。
ある時は気配を消して、ある時は能力で写真に潜んで屋上まで辿り着いた。
しかし対象とは10mも離れていた。

怖くないわけではない。
震えは止まらない呼吸も荒い。気を抜くと声が漏れそうになる。
それでも逃走という選択肢は己のプライドが許してはくれなかった。
頭より先に体が動いていた。

この1人の傭兵を追うために骨を折った。
ジェイのベッドの下で一睡もせずじっとしていた。
魑魅魍魎が彷徨く森へ入った。
砂漠を渡った。
テロに巻きこまれた。
何度も命を落としそうになった。
その努力や苦労を恐怖を理由に無駄にする事はできなかった。

串刺しになったというのに未だジェイは生きている。
先程の「改造」という単語からしてなにか特別な手術や魔術を受けたのだろう。
こんな時だというのに漫画に出てきた脳に針を刺して人間をやめた怪物が脳裏を過ぎった。
薄々、ジェイは普通の人間じゃあないとは思っていたが、それが今確信に変わった。
しかしそのジェイもこのままだと確実に死ぬ。
そんなこと見れば医者ではない私にもわかる。

一枚の、台風の日の村を写真を取り出し、L字に折る。
それをジェイに向くように地面に小石で固定する。
そしてもう一枚写真を取り出し、中に入る。
この考えがうまくいくかどうかはわからない。
恐らく失敗する確率の方が高い、が、これくらいしか方法は思いつかなかった。

私の入った写真は勢いよく、舞うようにジェイへ飛んでいく。
L字の写真から強風を出しかけて、吹き続けるようにしておいた。
風に押され、危うい真っ直ぐとはいえない軌道を描く写真。

そしてようやくジェイのすぐ近くを通り過ぎようとした。
すかさず一眼レフが写真から飛び出す。
3本の節足がジェイの腕をしっかりと掴み、写真の世界に戻っていった。
着ている服も一緒に写真に入れることができるんだ。
つまり触れているモノも能力の対象になる。

写真の目的地はジェイではない。
屋上の端の少女に向けて飛ばしていた。名前は例によって覚えていない。
しかしホテルでジェイの銃創を治してみせたのは覚えている。
彼女なら胸の穴を治せるはずだ。

再び一眼レフを外に出し、ジェイを放す。
一眼レフのレンズを通して成功を確認。
そのまま写真は屋上を突っ切り、ヒラヒラと落ち葉のように落ちていった。

「救出」がそのまま「脱出」になった。
あとはあの場に私がいる必要はない。
ポプラ・テール・イグジスト・クイーンを、写真を持たせて残しておいた。

714マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/27 23:55:50 ID:/I2T4Tyg]

>>668修正…
その顔はまさしく鬼、、、そして二人は飛びその地面には亀裂があった

続き
二人が飛んで直ぐに光の柱の真上に着くと

高杉「椿っ!行くぞ!椿「あぁ!」

そうするとそこから落ちるその間二人は高杉の目は白い部分が黒く黒い部分が赤くなり高杉の回りには黒い炎を纏った人に近い鎧が現れた
その鎧は天狗の姿になった ”須佐能乎”
そして高杉は

高「卍!解!!」

高杉が言うと紅桜刀、死神刀が変化し服も変わったその後時空間から抜け出してもあったオータッタッの刀も変化。死神刀と合わさってそして黒と金が混ざった刀が出来た刀身が長く切れ味がいい
紅桜刀は幅がでかくなり刀の肌が機械みたいになっている。須佐能乎には呪印が現れ高杉の体にも現れる
椿は目は蒼くなりそして紅い”須佐能乎”が椿に現れ呪印が出る椿の須佐能乎は阿修羅
そしてこのまま落ちてゆき上空から誰かが戦っている姿が見えその気中には魔王に間違いない気があった。

そして二人が地上まであと少しまで来た時二人は

高 煉獄 "アマテラス"極 椿 神創 "スピアザ流星グングンニル"極

魔王の戦っていた者が気づいて後ろに下がって魔王の回りに巨大な黒い炎が無数に現われそして上空にはスピアが無数にある
そして魔王に向けて放たれる。




715夢生 [2016/09/28 18:40:11 ID:rJC9h0LI]

「これ・・・まさかっ?!」
魔「今さらか。 そう、それは死ぬ呪いを擦り付けた束縛魔法だ。」
「あはははは・・・大魔法使いの家系もここで終いか・・はは」
私の視界が揺らぐと共に意識がだんだん・・・薄れて・・・
その瞬間目の前が暗くなり、魔王の笑い声と戦っている音が響くのだった・・・
GAMEOVER?

716夢生 [2016/09/28 19:48:43 ID:rJC9h0LI]

>>714

717夢生 [2016/09/28 19:49:08 ID:rJC9h0LI]

また間違えました・・・

718夢生 [2016/09/28 19:57:56 ID:rJC9h0LI]

>>715
・・・?
「あれ? 私死んでない?? なんでって・・・あ。」
魔「なぜだ・・・? なぜだ~~~~~~」
「あんた、擦り付けたって言ったでしょ。 擦り付けだったらなんかあったら容易く落ちるでしょうが。ここ使ったら~?」
私はこめかみをトントンと指で弾くのだった。
魔「ぐぬぬ・・・」
「どう?もう魔力はほとんどない筈よ? どうするのかしらねぇ??」
私は束縛魔法を力ずくで破ると鎌を素早く取ると魔王に切りかかる!!

「どりゃあああああああ!!!!」

719るりるん@瑠璃 [2016/09/28 22:05:04 ID:2DF/xo2.]

>713

 杖を取り戻した私の元に、風に乗って何かがひらひらと舞ってきた。

 「? ......写真?」

 舞い落ちそうになる写真を掴もうとした瞬間、ドサリ、と写真から人が飛び出し、屋上に倒れ込んだ。

 「えっ! ちょっ、Jさん!?」

 私が見ていなかった間に一体何が起こった。なんで、なんでJさんがこんなひどい傷を負っているの。震える手でなんとか杖を持ち直して、私は唱えた。

 「傷癒(ヒール・ウォウンド)!」

 杖が光ると同時に、Jさんの傷も淡く光る。速く、速く傷を癒す!私はぎゅっと目をつむっていた。回復魔法には自信があるけれど、Jさんのひどい傷に私の心臓はずっと鳴り続けている。魔王の攻撃に、私の回復は効くのかな......そんな不安が頭をよぎって、私は更に強く目をつむった。弱気になっちゃ駄目!


 「ーーーり、おいるり、おい!!」

 すぐ近くで声が聞こえて、私はハッと目を開けた。強くつむっていたせいで少し視界が霞む。手で目をこすってもう一度目の前にいる人を見た。

 「Jさん!! よかった......っ」  

 Jさんの傷はしっかりと治っていた。

720名無しさん [2016/09/28 23:43:22 ID:NqZEpuKE]

>>719
cogito elgo sum side

さっきの吹き飛ばしの時、打った位置が悪かったらしい。
俺は一時的に機能停止していたらしい。

…そうだ、瑠璃さんは!?

あれから時間はかなり経ったようだ。

(良かった、息はある!)

俺はまだあまり動けそうにないので
"アスピル"
を唱えておいた、mp回復魔法だ。

じきに目を覚ますだろう。

721コギトエルゴスム [2016/09/28 23:44:34 ID:NqZEpuKE]

あ、名前打ち忘れたけど上俺ねw

722夢生 [2016/09/28 23:50:56 ID:rJC9h0LI]

「傷癒(ヒール・ウォウンド)!」
・・・? 回復魔法だろう。やはりあの人は魔法使いなのだろう。
「にしても・・・しぶといわね~」
魔「はにゃはにゃぁ・・・」
「頭殴ったら目回したけど、しばらくしたら起きるかな~?」
そうだ、今のうちに自己紹介しとこうかしら・・・
多分懲りずに襲ってくるかも。
まいっか。
皆の魔法見てみたいしね~
「初めまして 私は夢生 十二歳の見習い魔法少女です。あなた方は?」
私はそう魔法使いのお姉様たちに聞いた。


723コギトエルゴスム [2016/09/29 00:05:51 ID:NqZEpuKE]

未だに二人は目覚めないまま、何分かの沈黙が続いていた。
そのとき、Jさんの体が動いた!

Jさんは瑠璃さんに声をかける。

「瑠璃、おい瑠璃、おい!」

「どうやら、Jさんが先に目覚めたようだな」

俺はそう呟き、ため息を吐くとJさんたちの元にワープした。

「Jさん!! よかった......っ」

「Jさん! 何があったか知らないが、無事だったことを幸運に思うぜ。」

何秒かすると、一人の少女が語りかけた。

「初めまして 私は夢生 十二歳の見習い魔法少女です。あなた方は?」

724るりるん@瑠璃 [2016/09/29 15:46:15 ID:XhTDzGiQ]

>722>723

 Jさんが無事回復し、コギトさんとも合流した私たちのところへ少女がやってきた。彼女は、夢生。見習い魔法少女だという。

 「初めまして、私は瑠璃。 私も魔法使いなんだけど、あなたの魔法は見習いとは思えない強さだったよ! すごいなぁ」

 私も夢生さんに自己紹介をする。あの魔法が使えて見習いとは。私はそこに驚いていた。

725夢生 [2016/09/29 15:58:57 ID:c6M2H4i2]

>>724
「瑠璃さん・・・。 私は・・・あの、その・・・落ちこぼれ者で、全然すごくないのです。」

回想
「少し出来るだけで調子のってるんじゃないわよ。」
「なんで代々伝わる占いが苦手なんだ」
「気にしないで。 僕は君の見方だよ」
「はぁ? そんなの嘘に決まってるじゃん。」
「☒ね」
「☒んじまえ」
「やる気あるの?」
・・・
回想終了

「・・・代々大魔法使いの家系なんです。」
私は静かにそういった。

「まあ、そんなことは置いときましょう」
私はみんなのMP、HPを回復した
「私は掩護しますね。」

726マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/29 16:36:10 ID:uADa6o1E]

>>714

続き

高杉、椿の技を放った後二人は爆発の煙に包まれた後二人は

高「死んだか?、、、いやまだ生きてるが凄く弱ってるな」
椿「あぁ、まだ生きてるな」

そう言うと二人は魔王の所に行く。陸に着陸する前に天狗の翼で煙をはらった後、須佐能乎がだんだん消え二人は須佐能乎の額から降りる
陸についた後、椿はあることに気づく

椿「?。。。何故か魔力とかが少ないな。。。」
高「恐らくさっきでかい魔法かけた奴とかがダウンさせたんだろう」

二人が話していると。。。気づいた

高「。。。回りになんかいるな四人位か?」
椿「そうだな。。。四人だな。。。どうする?」


高杉、椿『倒すか。。。』


727夢生 [2016/09/29 16:47:45 ID:c6M2H4i2]

>>726
「!! 来る・・・! こいつら、ただ者じゃないわ!!」
[あれ]を再現したやつ使ってみるかな。
「みなさん、魔王じゃないけど・・・誰かが来ます。」
私はナイフで指に傷をつけ、呪文を唱えた
「神槍! スピア・ザ・グングニル!!」
指から出てきた血が巨大な槍の形を作り上げる―――――!!
向かってきた敵(?)達にその槍を飛ばす
「うーん・・・・・手ごたえがないなぁ」
私はそう呟きつつ傷を舐める

728J◆kZDFwAt8do [2016/09/29 17:39:31 ID:UJghIEE2]

>>713>>719

俺は突き刺された剣を引き抜こうと必死に足掻くが、その刃は俺の体に噛み付いたかのように離れない。
刀身を直に握りこんだ左手から血が滴る。気づいたら肉を抉れて刃が骨まで達していた。

「…誰だ?」

魔王は俺を剣で突き刺したまま横を向く。俺も魔王が顔を向けた方向に顔を向けようとするが、遂に意識か薄れてきた。
…女の子が、鎌を持っている、それに対して魔王は軽くあしらっている。としか認識できない。
視界が暗くなって行く。声が出せない。息苦しい。辛い。死にそうだ。
いや、死んでいるのかもしれない。分からない。とにかく辛いんだ。
俺はコートを口から溢した血で汚しながら、目を閉じてしまった。



そして突然と意識が戻る。
目を開けるも、まともに視界が定まらない。だが、誰かに俺は掴まれ、近くには黒づくめの誰かが立っている。
黒い、良く見ると男だ。黒と白の縞模様のズボンに、真っ黒なコートのフードを被っている。

「あんた…あんたは。」

俺は、出しているのか分からない声でその男に呼び掛けるが、返事はない。もしかすると声量が足りないのかもしれない。

「あんたの…名前、」

「O.T…か?」

「教えてくれ、教えてくれ。」


「お前の名前…本当の名前…」




俺は手を伸ばす。だが、伸ばした瞬間俺は宙に身を投げ出された。
そのまま転がって倒れる。

俺は何とか体を起こし、周りを見渡した。

「Jさん!?」

すると後ろから瑠璃の声が聞こえた。だが、もう俺は意識が持たない。
その声を聞いて、俺は安心したようにもう一度目を閉じた。

729J◆kZDFwAt8do [2016/09/29 18:12:17 ID:UJghIEE2]

俺は傷を治してくれた瑠璃を起こし、周りの状況を確認する。

遠くの方で様々な爆発が起こっている。俺の近くはコギトエルゴスムと瑠璃と見知らぬ少女がいた。
魔王は、どうなった。あの遠くで起こっている爆発は魔王が起こしているのか。それともこの異変を察知した軍隊が援軍に来たのか。
どちらにしろ何か行動を起こさなければ始まらない。

俺はその爆発の様子を観察し、その場にしゃがんでいると嵐が去ったかのように突然と爆発は収まる。
爆心地の如く無惨な状態になっているのが視認できる。良く見ると誰かが立っている。
俺はゆっくりと立ち上がると、近くにいた少女が叫んだ。

「神槍!スピア・ザ・グンニグル!」

何を言っているのだ。そう思うと、彼女の手元から巨大な槍が現れる。少女はその大槍を軽く投げ飛ばすと、槍から火が点火したかのうように爆心地の方へ飛んでいった。


「あ…あぁ…!見ろ!あれを!」

彼女が槍を飛ばした方向を確認すると、四人の影が立っている。
その四人の正確なシルエットは分からないが、異形だ。それだけは分かる。

あれは、魔王の眷属ではないのか?
魔王は殺したとしても、後に生まれる眷属を完全に殺し切らなければ再び復活するという情報がある。
それを証明付けるように魔王が復活したのは眷属を殺し切れず、封印が出来なかったとされている。

「あれは、魔王の眷属だ。眷属を殺さないと、魔王はまた復活する。」

俺は皆に呼び掛ける。

「眷属を殺すんだ!絶対に息の根を捻り潰して止めてやるんだ!!」

そう叫んで俺はアリスを握りこんだ

730マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/29 20:44:43 ID:OzMfFd0E]

>>726>>727

   『倒すか。。。』

と二人が言った瞬間

高「ん?。。。あぁあ!?!?」

高杉がいきなり驚いた瞬間槍が飛んでくる

椿「おお!?。。。危ないなかったな。。。」
高「てかっ。。。この技お前の技じゃねぇか」
椿「。。。そう言われればそうだなこの技はお前と俺しか。。。」

と話した後椿が気づく

椿「ん?飛んだ先に誰かいるぞ。。。それも何人か分からないが一番強い気が四人。。。」
高「そう言われればそうだな。。。だがこっちには来ないな。。。ん?」

話していると高杉が魔王の異変に気付く

高「おい。。。魔王の傷が戻ってるぞ。。。」
椿「!?。。。まさかあの四人か我のグングンニルといい。。。少しイライラしたぞ。。。」
高「じゃあ俺も。。。こいつが復活するのは我慢できないな。。。」

        なんなら。。。殺すか(笑)

その微笑みにはドス黒くそして殺意と怒り、鬼。。。
二人はその四人に斬り掛かった



731J◆kZDFwAt8do [2016/09/29 21:14:12 ID:UJghIEE2]

投げた槍は夢生さんのやで?

732マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/29 21:27:46 ID:zXhhzDf2]

煙であんまり分かんない状況

733コギトエルゴスム [2016/09/29 22:36:16 ID:xBoKuVd6]

遠くの方で火の玉のようにくっきりとした爆発が起きた。
魔王はどうなったのだ?あのあと──
魔王がストップを「覚えた」。
あのあと──

爆発が収まった。
その跡には、原爆、というやつを落としたかのようなクレーターができていた。

「神槍!スピア・ザ・グンニグル!」

夢生と名乗る少女が叫ぶ。
すると、その手に現れた巨槍を軽々と投げた。

その投げた先には、奇形の四人組が立っていた。

「あ…あぁ…!見ろ!あれを!」

良く観ると、謎の二人組もいる。

「あれは、魔王の眷属だ。眷属を殺さないと、魔王はまた復活する。」
「眷属を殺すんだ!絶対に息の根を捻り潰して止めてやるんだ!!」

「魔王の…眷属ッ!!ならば手加減する必要無しッ!!」

さっきの槍が──
なにか俺の中にアイデアを湧かせた!

やってみるか!

「禁忌!レーヴァテイン!!」

どうやら巨人族が持つ炎の魔剣…らしい。
それを具現化させ、眷属たちの…

ん?形は違う気がするが、まあいい。

「おりゃああああああッ!!」

"アト・トリメンダズ・ヴェロシティ"
(恐ろしいまでの速度)

俺はあの剣を、ダーツのように放った。

734夢生 [2016/09/29 23:04:51 ID:c6M2H4i2]

「禁忌 クランベリートラップ」
次々と、魔法陣から弾幕が出てきて周りに飛び散る
(これけっこうつかえる!!)
私は自然と口元が上がってしまう
「・・・あそびましょ?」
私はそう呟く
「禁忌!レーヴァテイン!!」
突如こんな声が聞こえてきた。
目にもとまらぬ速さで奴らの方へ飛んでいく・・・!

「負けられないわね!!」
杖を地面に刺すと
「禁忌!! 恋の迷路❤」
そう唱えると同時に杖から弾幕が放たれる!!
「ざっとこんなものかな・・・MP大量消費しちゃったかな」
夢生は、回復薬を飲みました

735マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/29 23:19:24 ID:M8Pu9Hag]

>>730>>733

続き

一瞬でその四人の中で二人の背後をとった高杉と椿そしていきなり

「禁忌!レーブァテイン!」

聞こえた瞬間炎の剣が恐ろしい位のスピードで隣にいた異形の体を貫いた

高「どんだけ槍けいの技投げんだよ。。。たく」
       
       必然"キングクリムゾン"

発動した瞬間その異形が破裂する

高「ククっ。。。この程度で死のうとは俺には勝てん。。。」

一方

椿「霊符"夢想封印"」

まがたまが異形に当たって即死

椿「こんなものか。。。つまらない。。。」

と二人は倒した後前方の四人の姿を見る





736夢生 [2016/09/30 00:27:02 ID:c6M2H4i2]

>>735
「もしかしたら・・・私達誤解されているのでしょうか?」
「行ってくるかにゃ?」
「いい?じゃあ、様子見てきて。」
私はねむを煙のほうへ歩いてゆくのをじっと見ていた。

私は一回攻撃をやめて、魔王の様子を見に行くことにした。
「ちょっと魔王の様子を見てきますね。」

魔王を見てみると徐々に傷が治って行っているように見えた。
「!!!!」
後ろから殺気を感じた・・・

737マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/30 19:51:31 ID:56hxYdSI]

>>235-236

続き

高「オイオイあの四人もか?」
椿「。。。ぽいな行くか?」
高「あぁもちろん。。。とその前に。。。アマテラスっ!」

異形が再生しようとしていたのを高杉が気付きアマテラスで焼き尽くすその後直ぐにその四人に飛びかかる

高「じゃあ。。。俺はこの魔法使いっぽいのを

高杉は近付いてきた魔法使いの背後に立つ

。。。。殺りますか。。。。

椿「。。。そうか。。なら我はこのレーブァテインを放った奴を殺ってからにするとしよう」

椿はその技を放った背後に立った


738コギトエルゴスム [2016/09/30 22:11:22 ID:6Y1.BRnw]

何か剣の形状が違ったようだ。
『Laevateinn』は『神話に伝わる巨人族が持つ炎の魔剣』…
日本の『火之迦具土』…
と聞いているが…?

俺の剣は一人の異形を貫いた。
と、同時に爆破した!?
爆破などしない筈だが…まあいい。

しかも魔王の傷が治っていっている。

眷族の気配が消えた。
死んだ、というわけか?
まあいい。

…誰かが俺を殺しにきている…?
一体誰だと言うんだ?
確かに、此処には敵は四人組しかいないはずでは…?

…そうか!あの二人組か!

レーヴァテインを放ったのが原因かァ~~!?

…としたら、夢生サンも危ない!

来た!

俺は背後から、近づいてくる誰か二人組の気配を感じた。

739マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/30 22:25:31 ID:8sbbVdJs]

>>737

続き…椿

椿「。。。もう遅いお前が動けば即死ぬ。。。レーブァテインをよく使えたな?あの技は技しか使えない貴様は何故使えるか分からないが
我に向けたのは事実だろう。。。」

椿が言った瞬間地面に陣ができている事に気付く男

椿「Bat ENDだ」

740マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/09/30 22:36:33 ID:8sbbVdJs]

修正
あの技は我しか使えない

741コギトエルゴスム [2016/09/30 23:10:32 ID:6Y1.BRnw]

椿「。。。もう遅いお前が動けば即死ぬ。。。
レーブァテインをよく使えたな?あの技は技しか使えない貴様は何故使えるか分からないが
我に向けたのは事実だろう。。。」

「お前に向けた、のはな。
おい、さっき動いたら即死…と言ったなフン、なら動いてやるぞ」

"キング・クリムゾン"
(時間飛ばし)

「ただし、動くのは時間のほうだがな。」

俺は地面の時間を戻し、魔方陣を消した。

「おっと、また魔方陣ができないようにしとかないとな。」

"ストプガ"

俺は地面の時を止めた。

742夢生 [2016/09/30 23:31:00 ID:PmuGwsXg]

>>737
「ニャーン」
「どうしたの、ねむ・・・?!」
さっきの男性が私の後ろにいたのだった。
「・・・どうしました? 私は魔王討伐に協力しているものですが・・・刃向う様ならお相手しますわよ?」
私は攻撃の準備を始めた。

743マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 15:33:07 ID:FHecv6sA]

>>741-742

続き  ※ちなみに。。。四人に襲う前に椿は紅色のバンダナで顔隠     してて高杉はいつもの顔を仮面で隠しています

**椿**
そう言った後その男は

「お前に向けた、のはな。
おい、さっき動いたら即死…と言ったなフン、なら動いてやるぞ」

"キング・クリムゾン"
(時間飛ばし)

「ただし、動くのは時間のほうだがな。」

(ほう。。。魔法陣を消したか。。。キングクリムゾン。。。時止めるタイプかこいつは)

心の中でそう呟いていると

「おっと、また魔方陣ができないようにしとかないとな。」

"ストプガ"

椿「。。。動かない。。。か。。。残念だが、我には効かないんだな」
「フン。。。強きか?笑わせ!?」

その男が動こうとたら動かなかった

椿「どうした?発動者が何故動かない?」
「お前何をした?」

椿にそう聞かれる椿は

椿「教える訳がないだろう?。。。終わりだ」

そういうと椿はその男から離れたそして指を鳴らしたすると

「何をする。。。」

椿「。。。そして時は動き出す」

男は無数のナイフに刺された

**高杉**

「ニャーン」
「どうしたの、ねむ・・・?!」
妖精みたい奴に高杉を吠えられる
「・・・どうしました? 私は魔王討伐に協力しているものですが・・・刃向う様ならお相手しますわよ?」
高「へぇ。。。少しは楽しませてくれるんだろ?ククっ。。。」

その魔法少女に言われた後高杉はなめるよう言い笑ったすると。。

椿「おい!こっち終わったぞ」
高「あぁ分かったよこっちも直ぐに終わらす!」

こっち会話が済むと。

「直ぐにって。。。なめられたものですわね?」
高「ん?だって簡単に殺せるからだよ?。。。さて始めるか」

高杉は魔法少女に襲う






744コギトエルゴスム [2016/10/01 16:12:31 ID:Cn/8NY06]

>>743
「フン…強きか?笑わせ!?」

俺は動けなかった。

椿「どうした?発動者が何故動かない?」
「お前何をした?」

俺はそう訪ねる。今までに時止めを数種類見てきたが…動けなかったのは珍しい。

椿「教える訳がないだろう?。。。終わりだ」

そういうとヤツは俺から離れ、指をパチンと鳴らした

「何をする…ッ」

椿「。。。そして時は動き出す」

俺はは無数のナイフに刺された。
と、相手は思っているようだ。
ナイフは喉の少し下に当たっている、無理もない。

「効くと…思っていたか?」

俺は全身金属に覆われている。
そこらのナイフでは弾き返すだけだ。

「クラッカーヴォレイ!!」

俺は鉄球のついたアメリカンクラッカーを取りだし、魔力を流し込んだ。
(詳細には多分書いてないが虚無剣はキーブレードみたく取りだし可能。今は仕舞ってる。)
それを振り回し、投げつける。
だが首を傾げるかのようにして避けられてしまった。

「何がしたいんだ?」

「…」
俺は笑いを堪えていた。
ヤツには気づかれていない。
あのアメリカンクラッカーは…

「どうした?早く武器を取りに行けよ。お前の武器はあれだろう?」

「なぁにィ~~?今、取りに行けと、「武器を取りに行け」と言ったのかァ?いやいや、取りに行く必要なんて全然ねーのよォ!」

そう言った瞬間ヤツは後を振り返った、そのときアメリカンクラッカーは奴の額あたりに"恐ろしいまでの速度"で素通りするかのように直撃した。
そして、俺の手元に戻ってきた。

「フン、名付けてクラッカーブーメランだ!」

「消してやるぞ、そのニヤついた顔をなァ!」

俺は続けざまに奴にアメリカンクラッカーを奴の顔に直接叩きこむ。

745コギトエルゴスム [2016/10/01 16:14:11 ID:Cn/8NY06]

すまん訂正
俺はは×
俺は○

746J◆kZDFwAt8do [2016/10/01 16:27:34 ID:75f2yz0w]

>>743

俺は爆心地の中で戦うコギトエルゴスム達を追おうとしたが、もしあの空に浮かんでいた二人がこちらへ向かってきたら場合を考えて俺はこの場所をキープする事にした。彼の実力は知っている。そこらの柔な優男なんかじゃない。
ゆっくりと立ち上がり、疲労した肉体に鞭を打ってアリスを肩に乗せる。俺達はここで見学になってしまうが、この状況なら彼に任した方が良いだろう。無駄な犠牲者を出す訳にはいかない。
と、思っていたのだが…。

さっきの少女が襲われている。大槍を投げた少女だ。
誰だ、いきなり現れた禍々しい存在。魔王ではない、どこか記憶している感覚。
俺は直ぐに少女の方へ走り、滑り込むように襲いかかった男が振るった二本の剣を右手のアリスと左手のナイフで受け止めた。

「そこまでだ、襲うつもりなら先ずはあんたの名前を名乗れ。」

俺は威圧するように発言する。その禍々しい雰囲気の中に飛び込んだ俺が目にした光景は、とてつもないデジャヴのあるものだった。

「俺の名前?名前か……そうだな。」

襲いかかった[仮面]の男は、振り下ろす力を若干緩めて名乗りだした。

「高杉だ……あんたの場合なら、天月と名乗った方が分かりやすいか?……ククククッ」

笑いで最後を閉じた返答。それを聞いた瞬間、俺の身体は宙を舞っていた。

「天月!?」

言葉と共に俺の思考が始まる。どういうことだ。悪魔の森で出会った天月が何故ここにいる!!
その思考を始めた途端に身体に走る鈍い痛み、遅れてきた痛みから、自分は腹を蹴りあげられて飛ばされたのだ。

「玄キ雨…これで終わりだ!!」

仮面を着けた彼は叫んだ。瞬間!俺の方を目掛けて真っ黒な針が四方八方から向かってくる。

「たかが人間なんぞに…その希望を打ち砕いてやろうか……フッ。」

微笑に紛れた罵声。俺はそんな言葉を気にする余裕なんてない。俺は体を捻らせ何とかして空中で体勢を変える。
右手のアリスと左手のナイフを振り回し、体感で分かる位置を把握してその黒い針を打ち落としていく。

「ぬおおっ!?」

だが、数が数だ。
全て打ち落とすのは不可能だ。俺は可能な限り黒い針を凌ぐも、次と身体に突き刺さっていく。
肩、腕、太もも。次々と俺の体を貫く針。何とかして致命傷を避けるように俺は剣を振るった。



「うおお!あぁ…!」

何とか[玄い雨]を凌いだ自分は、そのまま撃墜された飛行機の様に地面にの垂れ落ちた。
打ち付けられた体。体のシルエットを表すように自分の血が飛び散る。

「ほう……?」

俺は魔兵の麻痺した痛覚に頼って何とか立ち上がる。

「あんたは、殺し屋なんかじゃない。殺人鬼だ!人殺しを正当化しているつもりなんだろうが、それは戯言だ。」

俺は吠えた。

「…戦争屋の貴様がそれを言うのか?」

反論する高杉。
俺はその言葉に、自分の感情を乗せて返した。

「だからこそ、こういう言葉を言えるんだ。罪を背負った人間だからこそだ。」

747夢生 [2016/10/01 16:30:35 ID:ILwqNviU]

>>743
「レディに対して失礼ね? ふふ、いいわ♪簡単に壊れないでね?」
まあ、こっちの方がすぐに壊れるかもしれないけど・・・。
「獄符! スターアンドストライプ!!」
横からレーザーが出てきて正面から弾幕が放たれる!!
あいつはどんな手をうってくるのか・・・

「こんなのまだまだだよ? くたばってないでしょうね?」

748マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 16:39:30 ID:FHecv6sA]

>>744

高杉に終わったというと後ろからなんか投げられるが椿は首を傾けて避けた

椿「どうした?早く武器を取りに行けよ。お前の武器はあれだろう?」
「なぁにィ~~?今、取りに行けと、「武器を取りに行け」と言ったのかァ?いやいや、取りに行く必要なんて全然ねーのよォ!」

(こいつ。。。何を言って。。!?)

椿の顎にさっき投げたやつがいつのまにかあったそして直撃した

「フン、名付けてクラッカーブーメランだ!」

「消してやるぞ、そのニヤついた顔をなァ!」

その男は続けざまに椿にアメリカンクラッカー?で椿の顔に直接叩きこむ

終わると

「どうだぁ!?」
椿「。。。終わったか?。。。」

椿の声が聞こえたのはその男の後ろ

「!?どうなっている!?」

男は驚くが。。。

椿「消えろ。。。」
         必然"キングクリムゾン"心理(別バージョン)

(この技はいくら改造でも機械でも効くからな。。。たまにしか使わないが)
その男の脳にトラウマ、死に方など全部と感情恐怖、憎悪、憎しみ、恐れ全ての感情が男の体から出できてそして。。。
(脳から最初に想像した死に方を現実に。。。なる笑)

椿「貴様の死に方は。。。破裂か」

その男が何か呪文を言おうとする前に

椿「あー何か唱えようとしたか?無理だぞ?一度先に唱えたら無理だ」

男はだんだん膨れあがる

椿「ハハハっ。。。何も言えないだろう?これは口封じもできるからな。。。」

そろそろ逝くな





749マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 16:50:43 ID:FHecv6sA]

>>743>>747

続き

「レディに対して失礼ね? ふふ、いいわ♪簡単に壊れないでね?」
(どうぞどうぞ~やってみろよ)

となめて心の中で言っているといきなり

「獄符! スターアンドストライプ!!」
(横からレーザー正面から彈幕か…つまんないなこいつ)

と高杉は心の中で言った

「こんなのまだまだだよ? くたばってないでしょうね?」
(あっそ。。。)

高杉は横からのレーザーを避け正面の彈幕は刀で全部弾き返す

「へぇ!やるわね!」
高「。。。本気で来てみろよ?」


750コギトエルゴスム [2016/10/01 16:54:59 ID:Cn/8NY06]

>>748
「消えろ。。。」

必然"キングクリムゾン"心理(別バージョン)

俺は船での様子が突然視覚化された。

これは…あの時の…あの船だ!

あれは、あの人物は…師匠(せんせい)!
先生とは俺の主のことだった。

「せんせ…うぐあッ!?」

先生は俺に無言で斬りかかる。
すると俺の体に亀裂が入り、膨れ上がった。

椿「貴様の死に方は。。。破裂か」

俺はせんせいと言おうとしていた。

椿「あー何か唱えようとしたか?無理だぞ?一度先に唱えたら無理だ」

俺は破裂した。

だが、ヤツは何を勘違いしている?
俺に痛覚などない。
感情はあるがな。

俺は意識して
"キング・クリムゾン"
を発現させる、俺は自分の体の時を戻した。

751マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 17:02:35 ID:FHecv6sA]

>>750

椿「。。。なるほどなかなかだな悪いがさっさと殺すぞ?須佐能乎!」

そう言うと椿の回りにさっきの炎を纏ったような鎧が現れる

椿「。。。神槍"流星スピア.ザ.グングンニル"」

天に無数の槍と須佐能乎に槍が持っている
椿は投げる後を追うように天の槍も落ちてくる

752夢生 [2016/10/01 17:06:37 ID:ILwqNviU]

>>749
「本気・・・? ねぇ・・・貴方はなぜ襲ってくるの? 私はあなたと争いたくないの。」
・・・いっても無駄かもな・・・・・。
あっそとでも思ってるんだろうなぁ・・・
「こんな大人にはなりたくないな。(ボソリ)」

753コギトエルゴスム [2016/10/01 17:15:16 ID:Cn/8NY06]

>>751
呆れたヤツだ…どれだけ始末してえんだよあの数はよォ。
もーめんどっちィーし。これで片付けるかな

"ノッシングネスブレード・オーバーヘブン"

俺は虚無剣であたかもそこに存在しないかのようにして奴の矢を消した。

このままヤツの魂ごと消してやろうかな。

俺はそう思いつつもヤツが降りてくるのを待つ。

754コギトエルゴスム [2016/10/01 17:15:50 ID:Cn/8NY06]

ゴメンミスった槍ね

755マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 17:27:46 ID:FHecv6sA]

>>746>>749

続き

高杉が魔法少女にそう言った後襲おうとするが。。。
滑り込むようにいきなり誰か知らないが振るおうとした二本の刀を右手の剣と左手のナイフで受け止められた。

「そこまでだ、襲うつもりなら先ずはあんたの名前を名乗れ。」
高(こいつは。。。確かあの時の。。。)

といきなり出できた者に問われる高杉は

高「俺の名前?名前か……そうだな。」

高杉は、振り下ろす力を若干緩めて名乗った。

高「高杉だ……あんたの場合なら、天月と名乗った方が分かりやすいかな?……ククククッ」

高杉がそう言った瞬間そいつは宙に舞っていた

「天月!?」

そいつ腹を支えながらいった何故なら
高杉はそいつの腹を蹴りあげて飛ばしたのだ。そして高杉は

高「玄キ雨…これで終わりだ!!」

高杉は叫んだ。瞬間!そいつの方を目掛け真っ黒な針が四方八方から向かう。

高「たかが人間なんぞに…その希望を打ち砕いてやろうか……フッ。」

微笑に紛れた罵声を高杉は発したそいつは体を捻らせ何とかして空中で体勢を変えた。そいつは右手の剣と左手のナイフを振り回しその黒い針を打ち落としていく。

「ぬおおっ!?」
高(数が数だ。。。全て打ち落とすのは無理だろう。。。)

そいつは黒い針を凌ぐも、次々と身体に突き刺さっていく。
肩、腕、太もも。次々とそいつの体を貫く針。それでもそいつは剣を振るった。

「うおお!あぁ…!」
高(何とか[玄い雨]を凌いだか。。。)

そいつはそのまま撃墜された飛行機の様に地面にの垂れ落ちた。
打ち付けられた体。体のシルエットを表すようにそいつの血が飛び散る。

高「ほう……?」

結構降り注いだはずがそいつは何とか立ち上がった。

「あんたは、殺し屋なんかじゃない。殺人鬼だ!人殺しを正当化しているつもりなんだろうが、それは戯言だ。」
(良く言えたものだ。。。俺がお前のデータを忘れてるとでも?)

そいつは吠えた。その言葉に心の中で呟やいた

高「…戦争屋の貴様がそれを言うのか?」

反論する高杉。

「だからこそ、こういう言葉を言えるんだ。罪を背負った人間だからこそだ。」
高「。。。そうかまぁ貴様らのお仲間さんが槍を打ってきたのが疑問だが?。。。」

高杉はキレ口調で言った

756マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 17:29:38 ID:FHecv6sA]

>>752
ごめん書いた

757O,T [2016/10/01 17:36:21 ID:ivBp3t2A]

>>755
突如、高杉とその周りに小さい、無数の影が出現する。
あまりの量なので影と影が合わさりまるで1つの大きな影のようにも見える。

察知した高杉は素早く横へ回避。
次の瞬間、ノイズのような連続した音が鳴り響き、影はえぐれた地面に変わっていた。
またしても高杉の立つ地面に影が現れる。
高杉は避けるが、それを追跡する影、音、抉れた地面。

高杉はその正体を「数本」斬る。
するとそれは黒いインクとボロボロの汚れた紙に変貌する。
インクが返り血のように高杉へ降り注いだ。


場面は建物の陰に変わる。
光の柱や爆発音に引き寄せられた野次馬や軍。
それらの喧騒とはなんの関係もないと言いたげにO,Tは壁によりかかっていた。
ただ休んでいるわけではない。何十メートルも上空の自分の分身に司令を出していた。
ポプラ・テール・イグジスト・クイーン。
彼は、この一眼レフで非行を犯した事が何度かある。
標的の下着を持ってこさせた事もあった。
盗撮した事もあった。
標的の家の鍵を開けさせ、能力でその家に一晩過ごした事もあった。
ムカつくヤツをコケさせた事もある。

しかし「殺人」をさせた事はない。
彼は今、初めて人を殺そうと思っていた。
今まで、21年間生きてきて軽い気持ちで「殺したい」「殺してやろうか」と思った事は何度も何度もある。
大概の人間にはこの経験があるはずだ。
しかしそれを実行するのとしないのとでは大きく違う。

あの怪物は魔法使いに夢中だ。
なら隙ができているんじゃあないか?
倒せるんじゃあないか?
そうでなくても瑠璃がJを回復するまで注意を引くことができるんじゃあないか?
そう考えたO,Tは一眼レフに司令を出した。
さっき撮っておいた「黒い針」を使うんだ。
写真から針を出せ。
お前が上空から落とすんだ。
あの怪物を串刺しにしろ。肉塊に変えろ。カツオブシムシに食われた標本のクワガタみたいにしてやれ。
一眼レフは命令に従い実行した。

彼らは生まれて初めて人を殺そうとした
生まれて初めて他人を救うために命を賭けた。

758夢生 [2016/10/01 18:05:35 ID:ILwqNviU]

>>755
「私たちは、魔王を倒すために居る団体です。 槍を打ったのは此方の間違えなので謝ります。それでも駄目なら・・・」
私は懐からナイフを取ると自分の首筋にあてる。
「こうします。」 

759マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 18:13:47 ID:FHecv6sA]

>>755>758

続き

高「。。。そうかまぁ貴様らのお仲間さんが槍を打ってきたのが疑問だが?。。。」

高杉はキレ口調で言ってそのあと魔法少女が

「私たちは、魔王を倒すために居る団体です。 槍を打ったのは此方の間違えなので謝ります。それでも駄目なら・・・」
魔法少女は懐からナイフを取ると自分の首筋にあてた。
「こうします。」
高「。。。そういえばそうだなお前らは魔王をたおす隊だったな。。。つまりあの槍はあのさっきの異形にむけた槍でいいんだな?」

760マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 18:25:53 ID:FHecv6sA]

>>753>>759

続き

"ノッシングネスブレード・オーバーヘブン"

そいつは虚無剣であたかもそこに存在しないかのようにして椿の槍を消した。

椿「。。。面倒くさい奴だ。。。」
(少しでいくか。。。?)

と考えていると

高「おい椿!そこまでだ!」

高杉が珍しく呼び止めた

椿「何故だこいつらは。高「こいつらさっきの異形の四体に放ったたんだ!」
椿「つまり我らは。。。」高「そう勘違いだ!」

椿が高杉にそう聞くと須佐能乎を解除し戦った相手に謝る

椿「我と高杉の誤解ですまなかった許してくれ」
「。。。あぁいいさ俺もちょっと調子に乗りすぎたすまない」

そして二人は握手した



761マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 18:35:33 ID:FHecv6sA]

>>760

続き

椿と男が握手しているところをみたあと

高「。。。さて、俺も悪かったないきなり襲って魔法少女。こんな小さいのに大技出すとはなさぜグングンニルを使えた?あの技は俺と椿しかつかえないんだが。。。?」

魔法少女が少し動揺した後

「あれは。。。想像してやってみただけです。。。」
高「想像。。。椿と少し同じか。。。」

762コギトエルゴスム [2016/10/01 18:44:02 ID:Cn/8NY06]

>>760
高「おい椿!そこまでだ!」

高杉が椿を呼び止める。
誤解が解けたか!?

椿「何故だこいつらは。高「こいつらさっきの異形の四体に放ったたんだ!」
椿「つまり我らは。。。」高「そう勘違いだ!」

椿が高杉にそう説くと俺はオーバーヘブンを解き椿と高杉に謝罪した。

椿「我と高杉の誤解ですまなかった許してくれ」
「あぁいいさ、俺もちょっと調子に乗りすぎた、すまない。」

そして二人は握手した

「高杉サンにも…少しばかり手荒な真似をしてしまいました。」
「いいってことよ。」

俺と椿は皆の元に集まった。

高「。。。さて、俺も悪かったないきなり襲って魔法少女。こんな小さいのに大技出すとはなさぜグングンニルを使えた?あの技は俺と椿しかつかえないんだが。。。?」

夢生サンは少し動揺した。

「あれは。。。想像してやってみただけです。。。」
高「想像。。。椿と少し同じか。。。」

椿「そう言えば…機械もだったな。何故レーヴァテインを使えた?」

「俺は直感だ。」

763るりるん@瑠璃 [2016/10/01 19:43:02 ID:cqAv4Uqo]


「え、ちょっ、コギトさん! 夢生ちゃん!?」
 
 上空からいきなり現れた2人組みとなぜか戦い始めてしまった、コギトさんと夢生ちゃん。お互いの間で様々な勘違いや、すれ違いが起こっていることに誰も気がついていない。私が二人の名前を呼び続けるも、全く届かない。

 「どうしよう……あぁ!」

 なんとかしなければ、と考えているうちに夢生ちゃんに身に危険が迫る。刹那、Jさんが飛び出してギリギリのところで相手の剣を止めた。よかった、と息をついたその時。

 Jさんの体が、宙に舞った。黒い針のようなものが彼の体に降り注ぐ。

 「っ!? Jさん!!」

 Jさんが地面に叩きつけられると同時に、彼の元へ駆け出していた。無数の針が刺さった体は、赤く染まっている。血が服に付くのも構わずに、私は杖を握り締めて唱えた。

 「超傷癒(ヒール・ウォウンドスーパー)!!」

 普段唱える、傷癒ではもしかしたら間に合わないかもしれない。そう思って強い回復魔法をかけた。これは私の体力の減りが大きいけど、そんなのは後でどうにでもなるから、今はJさんの傷を癒すことを最優先に考えよう。

 魔法は徐々に効いてきている、私はそう感じていた。


764夢生 [2016/10/01 20:38:25 ID:ILwqNviU]

>>762
「私は戻りますね。 すみませんでした・・・」
瑠璃さんの所に戻らなくちゃ。
「!!」
瑠璃さんは回復魔法を使っているようだ
「すごい傷・・・瑠璃さんのMP回復します!」
「夢の欠片よ・・・この者の魔力をあの頃に・・・」
瑠璃のMPが回復した

765マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/01 22:27:08 ID:F08oQGOg]

>>762

機械から聞いたあと


「私は戻りますね。 すみませんでした・・・」
瑠璃さんの所に戻らなくちゃ。
「!!」
もう一人の仲間を魔法少女は回復させた
「すごい傷・・・瑠璃さんのMP回復します!」
「夢の欠片よ・・・この者の魔力をあの頃に・・・」
その少女のMPが回復した

するとあることに気付く高杉、椿

高「。。。おいJ。。。JOKERは?黒猫は?」

高杉は少し震えた声で聞いた

766夢生◆jay6QQeYJY [2016/10/02 00:11:59 ID:ILwqNviU]

>>765
高「。。。おいJ。。。JOKERは?黒猫は?」
男はそうおびえたような声で聞いてきた。
「・・・」
瑠「・・・・・・」
2人は黙って目の前にいる男の人をじっと見つめながら魔法をかけているだけ。
「この人・・・JOKERさんって言うんですね」
私はJOKERさんのことを見ていることしかできないのか?
(ろくでなし)
いつか言われた言葉。 私は本当に・・・
「ろくでなしね」
視界が揺らぐ。 手の甲に水滴が落ちる。
なんて無力なのだろう。
「死なないでください・・・お願い・・・私をかばったりしたから・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

767夢生◆jay6QQeYJY [2016/10/02 00:15:54 ID:ILwqNviU]

>>766訂正
JOKER☒
J◯

768コギトエルゴスム [2016/10/02 00:42:45 ID:Cn/8NY06]

高「。。。おいJ。。。JOKERは?黒猫は?」

俺はなにかあの輪に入り辛い気を感じたので、影に隠れながら透聴を使い盗み聞きをする。

「・・・」
瑠「・・・・・・」

2人は黙って目の前にいる男を治していた。

「この人・・・Jさんって言うんですね」

(私はJさんのことを見ていることしかできないのか?
(ろくでなし)。いつか言われた言葉。 私は本当に・・・)

「ろくでなしね」

「死なないでください・・・お願い・・・私をかばったりしたから・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

夢生サンと高杉サンは、自らが招いたこの事態を、悔いているかのようだった。

「やあ、Jサンの様子はどうだい?」

「…。」

沈黙だった。
誰も喋らなかった。

769夢生◆jay6QQeYJY [2016/10/02 00:48:24 ID:ILwqNviU]

ネム編

「・・・」
私はネム。 猫半人なのだが、いろいろあって夢生の使い魔。
私の前には横たわっている魔王がいた。
夢生はあっち行ったけどどうしようか。
私はとりあえず人型になった
「魔王さーん? 起きろー」
「・・・」
っち・・・起きねえか。
とりあえず夢生のとこまで行くとするか。
立ち上がるとくるりと方向を変えて歩き始めた。

770コギトエルゴスム [2016/10/02 15:53:56 ID:zaP3Q.Xo]

「なあ、」

俺は呼び掛ける。
Jサンは意識不明、いや、心が眠っていた。

「Jサンは今、心が眠っているんだ。」

「やっぱり私は…」

俺は余計傷つけてしまったようだ。

「…なあ、俺はこういう状況の時こう思うぜ。今やるべきなのはJサンに庇われた自分を悔いることじゃあない……。Jサンを信じ、Jサンとの絆を大切にすることだってさ。」

「そうしたら、Jサンは仲間との絆という道標を辿って、心が目覚める。そう思うんだ…。目覚めるのは三十分後かもしれねぇ、一時間後かもしれねぇ、はたまた一年後かもしれねぇ。でも…信じていれば、祈りは、願いは必ず届くよ。」

771マキ★Fran◆40XbC9fmEc [2016/10/04 01:28:02 ID:BjyuMVxE]

>>765

続き

高「。。。。クッ。。」

高杉は黙っているJに怒りと悲しみ。。。憎しみが出てくる
魔法少女ともう一人は高杉、椿を回復してくれていた黙ってみながら

魔「・・・」
少「・・・・・・」

すると魔法少女が

「この人・・・Jさんって言うんですね」
(私はJさんのことを見ていることしかできないのか?
(ろくでなし)。いつか言われた言葉。 私は本当に・・・)

魔法少女は何かに問い詰めていたそして

「ろくでなしね」

「死なないでください・・・お願い・・・私をかばったりしたから・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

少女のその声は涙声だった

機械が呟く

「やあ、Jサンの様子はどうだい?」

「…。」

沈黙。。。誰も喋らなかった。

「なあ、」

機械は呼び掛けた。

コ「Jサンは今、心が眠っているんだ。」

J「やっぱり私は…」

Jは傷ついたのか少し低めの声だった

「…なあ、俺はこういう状況の時こう思うぜ。今やるべきなのはJサンに庇われた自分を悔いることじゃあない……。Jサンを信じ、Jサンとの絆を大切にすることだってさ。」

「そうしたら、Jサンは仲間との絆という道標を辿って、心が目覚める。そう思うんだ…。目覚めるのは三十分後かもしれねぇ、一時間後かもしれねぇ、はたまた一年後かもしれねぇ。でも…信じていれば、祈りは、願いは必ず届くよ。」

機械はそう言った
だが高杉にはJOKER、黒猫がいない事に関してその言葉は。。。

高(。。。俺には罪悪感しかないJOKER、黒猫昔からの親友。。。いや。。家族がいないのはあまりにもの複雑な気持ちなんだよ。。。それが仲間を信じる?俺は仲間でもない敵でもないただ。。。ただ復讐を終わらすために動いてるだけ邪魔する奴は倒すか殺すたまに暗殺依頼をうけるのはどこか関連している奴がいるかを探すためただそれだけの事なんだよ。。。)

椿(。。。黒猫。。。桜小町もあの子もいないのか。。。前は桜小町を殺すために動いていたが。。。あれは操られて動いていたそんな時高杉に殴られて目を覚ました。。。今に思えば恥ずかしい事だが嬉しかった。。。黒猫にも再会したしな。。。その後は黒猫は討伐に入ってしまったが。。。あいつの事だから問題ないと思ってた。。。がこの様子は。。。っ。。)

今の高杉と椿には罪悪感、悲しみ、憎しみそして怒りしか頭にない

**★End


772夢生◆jay6QQeYJY [2016/10/04 01:33:12 ID:TcEjOo62]

「おやおやぁ? どうしたのかなぁ??」
私は夢生の所に笑いながら近づいた
夢「空気読め。 笑うな。 あと何故半人に戻ってる。」
「へい。 ほい。 いいじゃん。」
夢「・・・うぅ・・・」
「あ?」
目を地面に向けるとさっき夢生を助けた男性が・・・
「・・・!!!!!」
夢「・・・あぁ・・・ぅ・・・」
夢生の頬を涙が通る
「・・・仕方ない。」

私はそう呟くと、
「猫の巫女の名の元に力を!!」
一瞬辺りが光に包まれる。
光が収まると私の服装は変わっていた
夢「!」
「任せなさい」


そう告げると男性の心臓の所に手を当て
「この者の傷は癒され、大地も癒され、この世界を愛する者はやがて悪を滅ぼすであろう・・・・・」

そう言い放つと辺りはさっきよりも明るくなり、平和が訪れたようなそんな穏やかさが帰ってきていた


773マキ★Fran◆40XbC9fmEc [2016/10/04 01:35:31 ID:BjyuMVxE]

>>772男性って高杉の事?

774J◆kZDFwAt8do [2016/10/04 02:14:16 ID:/J9CUItM]

俺は朦朧とした意識の中で、近くにいる夢生と天月を見やる。何やら呟いているが、言語が正確に聞き取れない。
少しずつ戻っていく右手の感覚を頼りに、近くに突き刺さっているアリスを引き抜いた。

「大丈夫ですか!?」

駆け寄った瑠璃。俺はそれを気にせずにゆっくりと立ち上がり、天月の方に視線をやる。
そして俺は彼に話し掛けた。

「俺は、あんたの、目的も目標を俺は知らない。これから何をするのか、何処へ行くかも分からない。」

俺は言葉を続ける。

「俺達の役目はもう終了した。全て終わったのだ、何もかもな。」

「だから、もうあんたに興味ない。俺は後は報酬を貰って、帰るべき場所へ帰るだけ。」

俺の言葉に彼は相変わらず仮面を着けたまま、変わらぬ表情で返事をした。

「ほう…何だ?その言い草は。今まで俺がしてきた事をチャラにする……そんな感じだな。」

俺はアリスのリカッソを肩に乗せ、彼に返した。

「これ以上の干渉は、もう興味ないな。」

朝日昇り始めた屋上の上、俺はかつてのメンバーに背を向けて歩き出した。

全ては終わった。だから、次はあの場所へ戻るだけ。
彼女の、約束を守るだけ。



それだけだ。

775マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/04 02:33:55 ID:BjyuMVxE]

>>771>>774

続き

しばらくするとJの意識が戻ってきたと分かったその時魔法少女と高杉を見た
近くに突き刺さっている自分の剣を引き抜いた。

「大丈夫ですか!?」

駆け寄った少女。Jはそれを気にせずゆっくりと立ち上がり、高杉の方をみた。

「俺は、あんたの、目的も目標を俺は知らない。これから何をするのか、何処へ行くかも分からない。」

Jは言葉を続けた。

「俺達の役目はもう終了した。全て終わったのだ、何もかもな。」

「だから、もうあんたに興味ない。俺は後は報酬を貰って、帰るべき場所へ帰るだけ。」

仮面を着けたまま高杉は返事をする

「ほう…何だ?その言い草は。今まで俺がしてきた事をチャラにする……そんな感じだな。」

Jは自分の剣をリカッソを肩に乗せ、高杉に返した。

「これ以上の干渉は、もう興味ないな。」

朝日昇り始めた屋上の上、Jはかつてのメンバーに背を向けて歩き出した。

高(。。。チッ)

"サイキックメモリー"

Jの脳の記憶を特定の記憶だけ堀あげた

J「。。。!?」

Jは苦しむように頭を抱えたそして高杉はその仮面を外す椿もバンダナを外した

高(一度掘り起こしたその記憶。。。お前の記憶に一生残るその時死ぬ時はそれで死ね。。。そういう事か。。。)

この技は発動者に送られる

高(。。。やっぱり死んだのか。。。王女に会ってからJOKER、黒猫に会うか。。。)
椿(。。。我も行くぞそこにな)

椿は高杉が考えていることをわかっていた


776夢生◆jay6QQeYJY [2016/10/04 16:11:37 ID:27QKHXqM]

>>773
jやよ。

777J◆kZDFwAt8do [2016/10/10 19:11:42 ID:.KpzG/FA]

>>775

俺は歩き出すが、瞬間、今までの疲労からかその場にうずくまる。頭が痛い。まるで脳の一部を引き抜かれた様な感覚だ。

「Jさん!」

すかさず瑠璃が俺の側に寄ってきて、杖を握り混んだ。俺の肩に触れて回復魔法を流し込んでくるが、俺はそれを拒む。
肩に触れた彼女の手をゆっくりと退かし、そのまま立ち上がる。

「大丈夫…ですか?」

彼女は声を掛けてくる。

「気に止めるな。」

俺はそう返した。もう良いのだ。すべての役目は終了したのだから。
俺は絶対に後ろを振り向かず、そのまま自分の行くべき道へと歩き出した。




暫くしてか、帰路につく為空港内の椅子に座っていると俺の前に黒い服装の男が立っていた。一度見たことがあるこの男。名は確かO.T。
どうやら彼はフリージャーナリスト(自称)だったらしく、俺達討伐隊の事を世間に公表して取り上げたいらしい。

「私は、この世界を救った貴方に目をつけた。私の目に狂いは無い。だから頼めないでしょうか。」

「何をだ。」

「記念……撮影。ダメですかね?」

記念撮影か。

「取り上げるなら、俺なんかじゃなく他のメンバーに言ってくれないか。」

「すみませェん…もう皆様の写真は撮っているのです。残りは貴方ただ一人です。」

なんと、正直こいつの事を信用していなかったが、随分とやる気があるように見える。
それにしても、今から世界を救った英雄の看板を背負って生きる事になるとはな、数年前じゃ考えたこともなかった事だ。

778J◆kZDFwAt8do [2016/10/10 19:12:22 ID:.KpzG/FA]

>>777

くっそ!!!!何で途中でッ!!!しかも色をミスってしまっだッ!!!クソッ!クソッ!!

779J◆kZDFwAt8do [2016/10/10 19:18:12 ID:.KpzG/FA]

>>777



「本当に空港で良いのか?」

俺は、椅子に座りながら彼に質問した。

「全ッ然、構いませェん!さぁさぁ、早くこちらを向いて。」

何だか、しつこい感じのする男だ。そう思ってカメラの方へ顔をやった。
やがて空港の時間が来て、俺はその場から離れることになった。最後に自称フリージャーナリストの男は「今後、何度かインタビューさせて貰いますゥ」と言って電話番号が書かれた紙切れを押し付けるように渡してきた。
その紙切れをポケットに仕舞い、俺は荷物を持って飛行船へ向かったのだった。




ジェーナ・マース これにてEND

780マキ★Fran◆40XbC9fmEc [2016/10/10 20:31:17 ID:/GAgpcyo]

>>775

高杉がふところから小さいドラゴンを二匹だした。特別なお菓子を食べさせると黒い方は黒い巨大な球体もう一匹は白い巨大な球体になる
そして

高「ゴア、シャガル!!来いっ!」

高杉がいった瞬間黒い霧が現れそしてゴア・マガラとシャガル・マガラが元のでかい体になった
椿がゴアに近づく

高「椿はゴアか?」
椿「あぁ」
高「じゃあシャガルで行くか俺は」

高杉、椿は討伐メンバーを見る

高「お前らはどうする?一緒に行くか?。。。そんな場合じゃなさそうか。。。お前の前にいたJOKER、黒猫は。。。いい奴だったよお前らと一緒でなここからの道はお前ら達じゃない自分で決めろ」
椿「。。。お前達はJOKER、黒猫、桜小町達とは違い強い。。。特に魔法少女の夢生よお前はまだ強くなれる。。。コギトももっとあのクラッカーを使えるようにしろ。。。行くか高杉よ」

椿と高杉が討伐メンバーにそう告ぐ

高「。。。俺は夢生を弟子にしてもいいけどな。。。」

高杉が夢生にだけ聞こえる位の声で言った後少し笑う優しい笑い方で

。。。さて行くかーーーー
 
シャガルっ!!ゴアっ!!

高杉が合図した瞬間二匹は飛びたった

じゃあな。。。英雄の討伐隊

二匹は女王の城に向かった

781コギトエルゴスム [2016/10/11 09:10:25 ID:TJ4T3EJI]

高杉がふところから小さいドラゴンを二匹出した。何かお菓子のようなものを食べさせると、黒い方は黒い巨大な球体もう一匹は白い巨大な球体になる

高「ゴア、シャガル!!来いっ!」

高杉が言った瞬間黒い霧が現れた
ゴアとシャガルと呼ばれた二体が元?の体型になった
椿がゴアに近づく

高「椿はゴアか?」
椿「あぁ」
高「じゃあシャガルで行くか俺は」

高杉、椿は討伐メンバーを見てこう言った。

高「お前らはどうする?一緒に行くか?。。。そんな場合じゃなさそうか。。。お前の前にいたJOKER、黒猫は。。。いい奴だったよお前らと一緒でなここからの道はお前ら達じゃない自分で決めろ」
椿「。。。お前達はJOKER、黒猫、桜小町達とは違い強い。。。特に魔法少女の夢生よお前はまだ強くなれる。。。コギトももっとあのクラッカーを使えるようにしろ。。。行くか高杉よ」

椿と高杉が討伐メンバーにそう告ぐ

俺はこう返す。
「あれでも結構手加減はしてたのよォ~~。なんせ誤解だもんなァ~。」
 
シャガルっ!!ゴアっ!!

高杉が合図した瞬間二匹は飛びたった

「じゃあな!高杉、椿ッ!俺のこと忘れるなよーッ!!」

俺は城に向かって行くアイツらに向かって叫んだ。


その後、俺は飛行機に乗った。
何処へ行けばいいのか?
そんなの解らなかった。
俺はこのまま各地を放浪する。
だが、この冒険は俺のデータに書き留めておこう。
二度と──忘れないように。

コギト・エルゴ・スム END

782マキ★Fran◆40XbC9fmEc [2016/10/12 02:28:54 ID:BtyXhdhI]

>>780 続き

二匹を許可を貰って城内においといてくれた二人は城に入るするとメイドが現れる

メ「貴方方は。。。天月様と椿様ですか?」
高「あぁそうだ」
椿「そうだ」

二人はメイドの本人確認を済ました後王女の姉部屋に向かう
二人は部屋の前につく

メ「こちらです。。。」
高「案内どうも」
椿「ありがとな」

二人は礼を言うと姉の部屋に入る

姉「あら?天月、椿じゃない?どうしたの?」

姉は驚いたようで用件を聞く

高「いや久しぶりに会うかって思ってな」
椿「そうだ。土産だ三姉妹分のケーキとか買っといたぞ」

椿は土産を姉に渡す

姉「ありがとうね~後私の妹は元気だった?」

姉はあの子の事を聞いた

椿「。。。。。。」
姉「?。。。まさか。。。死ーーー 高「すまなかった。。。俺がちゃんと見てれば。。。」

姉はそれを聞くと下を向いたすると

姉「そっか。。。JOKERも?」
高「あぁ。。。」
姉「。。。。。。」

姉の声は涙声になっていた

高「実はホテルで拾ったんだが。。。これってあいつのじゃないか?」

高杉は姉にホテルで拾ったお守り、帽子を渡す

姉「。。。。!これ大事にしてた。。。うぅ。」

姉は泣き出す

椿「。。。メモリーにJOKERと仲良く死んだらしい」
高「あぁ。。。だから心配すんなちゃんと送るさ」
姉「。。。。。。お願いね」

姉に泣き顔で言われると二人は姉の部屋から出る



783マキ★Fran◆40XbC9fmEc [2016/10/12 02:29:57 ID:BtyXhdhI]

>>782

高「。。。確か一番下の妹の部屋は。。。ここだ」
椿「そう。。。か?うん?あって。。るか」

椿が確認するとノックして入る
すると

妹「お兄ちゃーん!久しぶりっ!」
高「おぉ久しぶりだな!」
椿「大きくなったなー」

二人は成長した妹を見る

妹「ねぇねぇ一緒に遊ぼっ!」
椿「いいぞー何して遊ぶ?」
高「トランプとかやるか?」

懐からトランプを取り出す

妹「うんっ!トランプがいいー」
椿「そっかならトランプだな」

二人は妹と遊びそして時間が流れるそして

高「。。。さて帰るか」
椿「そうだな」
妹「えぇーーもっと遊ぼうよー」

妹が抱きついてくるだが

高「ごめんな?今日はちょっと用事があるんだだからまた今度?」
妹「むーー。。。」
椿「ん。。。じゃあこれあげよう」

椿は香りのある飾りをあげた

妹「いい匂いがするー!」
椿「それあげるから大事しなさい?」
妹「分かったっじゃあお兄ちゃん達二人にこれあげるっ!」

妹は高杉には緑、黒、紫色のダイヤのネックレスと紅色の花とダイヤのリストバンド椿には白、青のダイヤのネックレスと青色の花とダイヤのリストバンドをあげた
二人は早速つける

妹「似合ってるっ!カッコいい!!」
高「。。。!ありがとな!」
椿「おぉありがとう大事にするよ」
妹「うんっ!。。。お兄ちゃん達行っちゃうんでしょ?。。。お仕事頑張ってね」

妹から応援して貰ったあと

高椿「あぁ!」

返事をした
城の用がすんで城からでようとするそこには姉と妹、メイド達がいて見送ってくれるみたいだ

高「じゃあなまた今度!」
椿「元気にな」

二人はゴアとシャガルに乗って空に上がるそして見送ってくれるなか二匹は飛んだ

次回最終回っ!

784マキ★Fran◆40XbC9fmEc [2016/10/12 02:58:01 ID:BtyXhdhI]

>>783

二匹は目的の夏の国の景色が見れるところにつくもうあたりは真っ暗
だが景色をみると満月の下に夏の国の景色が全部みえる街灯の光によってこの景色が見れた。
高杉は次元の穴をあける

高「俺は。。。討伐隊の死んだ奴を逝かせるんだが。。。お前も行くんだろ?」
椿「あぁそのつもりだ。。。」

二人は景色を見ながら話している

高「。。。少し飲むかさっき貰ったやつ」
椿「。。。それもそうだな。。。」

椿は袋からビンを2つ出した高杉は一旦次元を閉める

高「。。。これ赤かアイツ覚えてたか。。。」
椿「我もすきな白ワインだうまいな。。。」

二人は感心しながらのんだり話したりして時間がまた流れる二人のワインは後少しだった

高「それにしてもここの景色はいいな」
椿「終わったらまたここで飲むか?」
高「いいなそうだなそうしようか」

高杉はシャガルとゴアを撫でながらうなずき賛成
そして高杉は話す

高「。。。俺はJOKERの事は結構仲良かったしむしろ楽しすぎたJOKERも俺も嫌われものだったしこんな人生どうでも良かったでも
。。。俺はこの人生まだどうでもいいが生きてる間は攻めていなくなったが黒猫もJOKERもそして椿お前も。。。俺は守ることにするよ俺は」
椿「。。。!。。。そっかなら我もお前を守ろう生きてる限りな!」

二人は誓ったそして

"頼むぜ相棒"

高杉はまた違う次元の穴をひらく二人は。。。二人の最強はそのなかに入った暗いその中に人間の怪物は入る名のなき怪物は

https://m.youtube.com/watch?v=97eugcDVUn8

785るりるん@瑠璃 [2016/10/13 12:43:31 ID:SYp2lLlA]

 

 「色々あったなぁ」

 ホテルの窓から外を眺めつつ、私はこれまでのことを思い出していた。

 幽霊ホテルを駆け回ったこと、そこで討伐隊に出会ったこと。魔王の圧倒的な強さに歯が立たなかったこと。

 助けてくれる、仲間がいたこと。

 私が提案したことに協力してくれた人がいた。
 得意な回復魔法さえ使えなくなってしまった時、傷を癒してくれた人がいた。
 杖を取り戻した後、私が回復に徹することができたのも、こっちに誰も来ないよう止めていてくれた人たちがいたからだと感じていた。

 「私も頑張ろう」

 『魔王討伐』の目的を果たした、討伐隊のメンバーはそれぞれの道を進んでいった。私も進まなければならない。

 私の道は、魔法の強化をすること。生まれ育った場所に帰って、魔法の強化をしようって決めた。あそこには私より魔法が使える友達もいる。久しぶりに会いたくなったし、魔法を教えてもらいたい。だからこの機会に一度帰ろう。

 「さすがに休まないと帰れないけどさ」

 気持ちは今すぐ出発したいと言ってるけど、体は悲鳴を上げていた。そりゃそうだ、と思う。

 心地よい風が吹いて、ガーデンが揺れる。その風に乗せるように、私はポツリと呟いた。

 「ありがとう」

 またどこかで会えたなら、なんて。

 

 ー瑠璃  ENDー

 

 

 

 

786夢生◆jay6QQeYJY [2016/10/13 16:57:41 ID:UQLrcg.Q]

>>785
皆それどれの道を歩みだしている
私は? これからどうする? また逃げる?

夢「ねえ。 私・・・・・また学校行けるかな」
ネ「・・・行ってみるか?」

心地よい風と共に朝日が昇ってきた

夢「そうね・・・。 帰ったら町は魔王の話でもちきりかも」
ネ「じゃあ、魔王討伐に加わったて言ったらどうなるかしら」

ふふふっと私たちは笑った

ぽわっと煙が出たと思ったらネムは猫に戻っていた
私は杖にまたぐとフワッと浮き上がった

短い時間だったけど・・・私は変われたのかな?

そうして朝日の中をゆったりとしたスピードで飛んでいく少女が見えたという


きっと・・・・また会えるよね?
end

787るりるん@瑠璃 [2016/10/13 18:00:57 ID:SYp2lLlA]



 >785 訂正

 × ガーデン
 ○ カーテン

 失礼しました。

788コギトエルゴスム [2016/10/14 02:40:28 ID:uAAC1xqk]

──依然としてあたりは騒音に包まれている。
俺はバッテリーを回復させていた。

ふと外を見ると、海が澄んでいた。とても青く輝いていた─。
空を見ると雲が人の形をしているように見えた。
Jサン達だ──

俺にはそう見えた。
妙な確信があった。

俺は感じた、水滴の塊によって表現される討伐隊との絆を。

俺は拳を握りしめ呟く。

「つながっている。」

789O,T [2016/10/14 23:15:47 ID:.2V6GIh2]

私は飛行船に揺られながら、これからの事、そしてこれまでの事を考えていた。

生まれて初めて他人の命のために危険を冒した。
他人を追うために死にそうな思いをした経験は何度もあるがこんな事は一度もなかった。
今回の旅が精神的に子供だった私を大人へと、大きく成長させてくれた。
そんな気がした。

これからはどうやって生活しよう。
能力があれば日々の暮らしには困らない。
金も寝床も写真から出せばいいし、この能力なら盗みくらい簡単にできる。
以前の私ならそう考え、迷いなく行動に移していただろうが、今は違う。

これからはなるべく真っ当に生きよう。
他人が傷つくような行動はやめよう。
この能力は困ってる人のために役立てた方が⋯もっと人からも愛されるしいい運命がやってくるような気がする。
いつになるかはわからないが、改心して、罪を償って、リッパに胸を張って生きられるようになれば村のみんなも許してくれるかもしれない。

Jの写真を眺める。
この飛行船に乗ってから何度見返したかは覚えていない。
ただ、この写真が私に勇気を与えてくれて、正しい道へ導いてくれる、そんな風に思える。

⋯ところでここはかなり寒いな。
まつ毛が凍って目がくっつきそうだ。
なにしろここは窓の外だからな、当然か。
窓の向こうのJを見る。
これも何度目かは覚えてない。
彼から『黄金の精神』を感じる。
「正義」の輝きの中にあるという『黄金の精神』を私は彼や彼の仲間達に見た。
彼らのようになりたい。

そのためには「投げ出さない事」が大切だ。
日記を毎日つけるとか、貯金をするとか、起きたら走るとか、細かいことでもちゃんと継続することが大事なんだ。
だから私はこの「追跡」を決して投げ出さない。
ここでもっと重要なのは「気付かれない事」だ。
気付かれたら、きっとJは不快に感じるはずだ。
それは先程の我が誓いに反する結果。
恐怖に怯える様を眺めて悦に浸るなど持っての他。

私は人に付き纏わざるにはいられないという『サガ』を背負ってはいるが⋯⋯⋯⋯『幸福に生きてみせるぞ!』


To BE CONTINUED…?

790たつみ [2016/10/15 00:00:25 ID:rkPluF9k]

くっそ夢オチ…

791たつみ [2016/10/15 00:00:49 ID:rkPluF9k]

あ、スレ間違えた。
サーセン!!

792夢生◆jay6QQeYJY [2016/10/19 00:39:38 ID:gpc/Z7yc]

あげ

793夢生◆jay6QQeYJY [2016/10/22 09:27:06 ID:BNmkqtgA]

あげとく

794マキ★Fran◆T7ej6WOXJI [2016/10/24 00:07:26 ID:hpyyF1w.]

あげ