目下、世界は目に見えぬ無数の対象aに席捲され 現実界の砂漠に圧倒されています

1名無しさん
2020-05-16 15:40:57
ID:QPKe3D9Y

日本ラカン協会 立木康介・新理事長の挨拶 「目下、世界はCOVID-19という目に見えぬ無数の対象aに席捲され、 それとともに口を開けた現実界の砂漠に圧倒されています。」

http://slj-lsj.main.jp/action_plan.html


目下、世界はCOVID-19という目に見えぬ無数の対象aに席捲され、 それとともに口を開けた現実界の砂漠に圧倒されています。甚大な量の刺激に防壁を突破された状態にあるとフロイトが記述した心的装置にも似て、現実的なも のを受け止めるはずの象徴界はいま現代社会の至るところで麻痺し、破綻し、機能不全に陥っています。それが一方では、社会的症状の噴出(自粛や confinementという名の社会生活にかかわる制止、あるいは、とくに我が国の行政が陥っているとしか思えない集団的な知的制止──ただし、これは いま最も露骨な形で顕わになっただけであって、かねてからそこにあった症状です)や、抑圧されたものの大規模な回帰(スペイン風邪や大戦の記憶が想起され るのはもちろん偶然ではありません)として、他方では、象徴的なシステムの機能不全ゆえ、想像界がじかに現実界に晒され、作用を受けざるをえないことで生 じるすべての、ほとんど身体的といってよい動揺(自粛警察という名の攻撃性の暴発は、誤ったソリューションという意味でも立派なアクティングアウトです) として、姿を現すのでしょう。そしてそれらを通じて、現実界は、ラカンが述べたとおり、やはり同じ場所に回帰してきたのです──諸々の社会的紐帯を、した がってディスクールを、ここまでズタズタにするという、感染症に特有の場所に。


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