ドナルド・トランプについて

22南雲(矮星)◆ZTci2/P9sc
2017-02-01 21:07:28
ID:Dh/WtsE.

トランプに限らず今の世界がグローバル化の反動で内向きになってきているのは確かだと思う。イギリス然り。

ただトランプという存在の影響は先が読みにくい。トランプは世界一の軍事・経済大国の大統領で世界に与える影響力が巨大なわけだが、その巨大な存在があまりにも強く「反グローバル」を進めると、今度は「反動の反動」が起きてトランプ後にもう一回グローバル化に逆流するかもしれない。
加えてトランプは「反トランプ派」にとっては非常に扱いやすい、悪役に仕立てやすい存在でもある。

オバマであろうとトランプであろうと、何かの政策を進めようとすれば必ず功罪両面が発生する。良い影響と悪い影響の両方が生まれる。トランプというキャラクターは、反トランプ派にとってその「悪い影響」を強調して批判しやすいだろう。その点、オバマを悪役にするのは簡単じゃない。

今後4年間でトランプが何をやるかまだまだ分からないが、トランプ自身が程々に穏健化しない限り、トランプの次はその反動が起きる。つまり、グローバル化の反動という現在の流れがそのまま続くか、反動の反動で再びグローバル化に戻るのかは予測しがたい。イギリスにしても、EU離脱が吉と出るか凶と出るか分からない。イギリスが失敗したら、これも「反グローバル」の流れが頓挫して、崩れつつあるEUの結束を逆に強める要因になる可能性もある。

第二次世界大戦前のナショナリズムと現代とで明らかに違うのは、世界規模で協力できなければ人類の繁栄そのものがおびやかされるという現実を、人類自身が知っていることだ。冷戦時代、宇宙人が襲来してアメリカとソ連が手を組むというパターンの映画がいくつかあったが、襲来するのが宇宙人でなくても、難題に対しては嫌でも手を組まざるを得ないことは世界の共通認識になっている。

思うに、トランプは世界の混乱の要因とはなるが、新しい潮流を作るには至らない。これまでの流れや枠組みをかなり破壊しそうだが、それ以上のものにはならないと思う。破壊によってアメリカや世界が疲弊するかもしれない。アメリカは「世界の警察」でいられなくなるだろう。しかし、皮肉めいた言い方になるが、だらだらと惰性的にクリントンが当選してしまうよりは、トランプのような劇薬が登場してくれたほうが、反グローバルでは共倒れになることの良い教訓になるかもしれないな。

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