倫理をやり直します

19メモ
2022-02-21 20:26:14
ID:oQm8XbZQ(sage)

「私」とお嬢さんの結婚は決まってしまいました。そのため、Kは自分の恋を諦めるほかなくなります。これは自分が長らく苦しんできた恋の行方に結論を与えるという意味で、Kにとってほっとすることだったと思います。だから、Kは自分の恋の行方に絶望して自殺したわけではありません。今までKが「自分は道を踏み外した、死ぬべき人間だ。」と思っていながら覚悟を決めきれなかったのは、恋を諦めきれなかったためだと思います。そこで恋の結論が出たため、安心して自殺できたと思います。
もしKが自分の恋を叶えられたとしても、それは道を踏み外していることになります。それも恋に落ちただけでなく結婚するのだから、片想いをしていたとき以上に絶望に暮れるはずです。だから、「私」がお嬢さんに求婚したことはKが道を踏み外しきってしまうのを防ぐという役割もありました。これを踏まえると、Kが遺書の中で「私」に感謝したのは本心からだと思います。

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