葉っぱ天国で規制された男の独り言4

128葉っぱ天国で規制された男
2021-09-26 18:04:51
ID:MONV.chs

犯罪の種類と構成要件要素
上記のうち、実行行為と構成要件的故意または構成要件的過失はすべての犯罪について必要であるが、他の要素の要否は犯罪の種類によって異なる。
・故意犯では、主観的要素としては、構成要件的故意が必要である。
・過失犯では、主観的要素としては、構成要件的過失が必要である。
・(すべての犯罪は故意犯か過失犯かのいずれかにあたる。)
・結果犯では、客観的要素としては、実行行為に加えて結果と因果関係が必要である。
・殺人罪(殺人既遂罪)(b:刑法第199条)は、故意犯であり結果犯であり、客観的構成要件要素としては、実行行為(例:ナイフを持って人に襲いかかる)、結果の発生(人の死亡)、因果関係(行為と結果の間の因果関係)が必要であり、主観的構成要件要素としては、構成要件的故意(殺人の故意)が必要である。
・過失致傷罪は、過失犯であり結果犯であり、客観的構成要件要素としては、実行行為(例:ナイフが人に刺さる)、結果の発生(人が傷を負う)、因果関係(行為と結果の間の因果関係)が必要であり、主観的構成要件要素としては、構成要件的過失(不注意・注意義務違反)が必要である。
・挙動犯では、客観的要素としては、結果や因果関係は不要である。
・例えば、住居侵入罪は結果や因果関係の概念がなく、挙動犯である。ただし、侵入を企てる実行行為が開始されれば未遂罪が成立し、侵入という実行行為が完了すれば既遂罪となる。
・窃盗罪も挙動犯であり、物色行為等で実行行為の着手があり未遂罪となり、他人の財物の占有を取得することで実行行為が完了し既遂罪となる。
・暴行罪は、故意犯であり挙動犯であり、客観的構成要件要素としては、実行行為(暴行行為)が必要であり、主観的構成要件要素としては、構成要件的故意(暴行の故意)が必要である。
・殺人未遂罪は、結果や因果関係は不要であり、挙動犯に類するともいえる。殺人未遂罪は、客観的構成要件要素としては、実行行為(例:ナイフを持って人に襲いかかる)が必要であり、主観的構成要件要素としては、構成要件的故意(殺人の故意)が必要である。(人が死ぬあるいは人が傷つくという結果の発生は不要)
・身分犯では、客観的要素として身分が必要である。
・業務上過失致傷罪は、過失犯であり結果犯であり身分犯であり、客観的構成要件要素として身分(業務性)が必要である。
・目的犯では、主観的要素として目的が必要である。
・文書偽造罪は、故意犯であり挙動犯であり目的犯であり、主観的構成要件要素として構成要件的故意のほか目的(文書行使の目的)が必要である。

結果的加重犯の構成要件要素
結果的加重犯は、基本犯が実現された後にさらに一定の結果が発生した場合に加重処罰されるものであり、基本犯の要件の他に、一定の重い結果と因果関係(結果的加重犯としての重い結果との因果関係)が必要である。ここでいう因果関係は、前述の客観的構成要件要素の一般論で述べた因果関係とはやや異なる概念の因果関係であることに注意を要する。
・傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯であり、暴行罪の要件と、さらに客観的構成要件要素として、重い結果(傷害)と、(結果的加重犯としての)因果関係が必要である。(ただし、傷害罪が暴行罪の結果的加重犯であることについては、刑法各論で詳細な議論がなされる)

日本法における修正された構成要件
原則形態として刑罰法規に規定される犯罪類型の基本的構成要件に、他の規定により修正を加えた形で規定される犯罪類型の構成要件を、修正された構成要件という。
・共犯(教唆犯・幇助犯) - 単独犯の修正
・未遂犯(未遂罪) - 既遂犯の修正
・予備罪 - 既遂犯(実行の着手あり)の修正

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