翌日、隆子と貴美は店に来ていた。昨日の事を話そうとしていた。
「おはよう」
「おはようございます」
二人は店に入り挨拶をする。いつも通り挨拶を返すママとチーママ。
隆子はカウンター席に座り、貴美子はボックス席に座った。そして早速二人は昨日の出来事を話し始めた。
「それがさぁ―――」
「ええ!宇宙人と遭遇したんですか!?」
「そうなんだよ!しかも超美形!」
「マジっすか!羨ましいっす!」
「まあね!」
二人が盛り上がっている中、店内には客が来ていた。スーツを着た男性だ。男性は隆子に近づき、こう言った。
「あの、ここの店長さんはいらっしゃいますか?」
隆子は少し驚きつつも返事をした。「あ、はい、今呼んできます」
そして隆子は奥の部屋へ向かい、ドアを開ける。
「どうしました?」
「実は・・・」
すると男はカバンから一枚の写真を取り出し、隆子に手渡した。
「これ、僕の彼女なんですよ。この人見かけませんでした?」
写真には一人の女性が写っていた。茶髪のロングヘアーで美人だった。
「いえ、見てませんが・・・」
「そうですか・・・」
「どうかしたんですか?」
「実は、昨日から行方不明になってまして、今日もまだ見つかってないんです。なので捜索願いを出しました」
「そうなんですね・・・」
隆子が話をしている最中、男が急に慌て始める。
「あぁっ!?もうこんな時間じゃないか!?会社に行かないと」
「あ、お気をつけて」
隆子の言葉を聞かず、慌てて出て行く男。
「お待たせ―。何の話をしてたんだ?隆子」
奥の部屋から出てきたママのカヨ子が隆子に声をかけた。
「あ、何でもありません」
「そっか」
隆子も急いで仕事に戻った。