喧嘩師って喧嘩上手い奴なら雑談も上手いんじゃないの?

209きいろ◆56fhiGqeT2
2017-09-25 18:08:45
ID:jzQuzTnI

>>204
「意識して書いた甲斐があったよ。これで僕は救われる」
「救われる」と、橙はまるで初めて知った英単語を読み上げるかのように言った。
「そう、救われる。僕は文章に力を入れ、君はそれを楽しんでくれた」
「君は楽しんでもらうために言葉を綴るのかい?」と橙は尋ねた。
「あるいは」僕は続けた。「でも一番大事なのは、自分が満足できるかどうか」
「自分」
「そのとおり。僕は君に楽しんでもらえて満足しているよ」

翌日、彼は橙の前から姿を消した。
まるで予定調和であるかのように、ごくごく自然と離れていったのだ。
橙は特段そのことについて悲しんだりはしなかった。

だが、胸にぽっかりと空いた穴のようなものは、永遠に消えることは無かったのである。

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