2018/06/24(日) 10:26
「……実を言うと、まだ見つかっていないのだ」
「え」
見つかってない……?用紙にも、もうひとりと会うって書いてたのに。
大丈夫かなぁ。
「し、心配するな。今現在急ピッチで、うちのプロデューサーが探しに行っている」
「ここの、プロデューサー?」
そうだ。アイドルになるなら、プロデューサーとかマネージャーが居るはず。
よく考えたら、事務所に来てからそれっぽい人と会ってない。どんな人なんだろう?
「―――俺のことだよ」
「えっ?」
後ろからの声に振り向くと、スーツを着た男の人が立っていた。
顔には、かなりの量の汗がついている。
「ここのプロデューサー……大和だ。これから、よろしく頼む」
「やまとさん……。美咲春菜です、よろしくお願いします!」
やまとと名乗ったプロデューサーさんは、体格がスラッとしていて
何だか顔もかっこいい。 この人のほうがアイドルなんじゃないかって思うくらい。
「大和君……成果は?」
「ああ、そのことなんだが……」
そう言うと大和さんは、自分の後ろに向けて手首を回し、手招きみたいなことをする。
「え……」
誰か居るのかな、と思ってたら……
私と、同い年くらいの女の子が現れた。
「紹介しよう。君とユニットを組む……」
「……たかぎなつき」
大和さんが言い終わる前に、なつきという女の子は自分から自己紹介をした。
「私、美咲春菜!よろしくね、たかぎさん」
「……」
「あれ……?」
たかぎさんは、私に返事をすることなく別の方向を向いていた。
私、無視されてる……?これからユニットを組む人なのにな
「ふう……ようやく揃ったな。では、春菜君には説明しておいたがもう一度、ここの事務所の方針を教えておこう」
>因みに合作です。