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6吹雪◆b3lQN4Q8gI
2018-07-20 23:35:07
ID:9Rjd1DOI(sage)

2018/06/24(日) 14:52
―――その後は、明日からの簡単な打ち合わせをして、今日は帰ることになった。


「こういうときは何ていうんだっけ……あ、そうだ。失礼しまーす!」

私は、ガラガラで人が一人しかいない受付にお辞儀をして事務所を出る。
受付のお姉さんも、笑顔で返してくれた。


「お母さんに、事務所のこととか話さなきゃね……ん?」

このまままっすぐ家に帰ろうとしていると、後ろ……事務所の自動ドアが開く。

「あ……」

「たかぎさん!」

事務所から出てきたのは、高木菜月さんだった。


「美咲春菜……だったよね?」

「うん!」

よかった。名前、覚えててくれたんだ……。


「あなたは……」

「……ん?」


「……なんで、アイドルになろうと思ったの?」

高木さんからも、同じ質問が来るなんて……。
でも、何だか言葉に重みを感じて、一瞬だけ戸惑ってしまった。

「あ、えーと……」

軽く深呼吸をして、気持ちを整える。


「ファンのみんなに、笑顔を届けたいから……かな」

「ふぅん……」

また、そっけない態度で返された。いや、話は聞いてくれてると思うんだけど……


「あたしには、わからないな……」

そう言い残して、高木さんは逆の道を帰っていった。
わからない……どういうことなんだろう?

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