[エーミールは?]と尋ねた。彼は出てきて、すぐに誰かがクジャクヤママユを台無しにしてしまった、悪い奴がやったのか、あるいは猫がやったのかわからない、と語った。僕は、その蝶を見せてくれ、と頼んだ。二人は上に上がっていった。彼は蝋燭をつけた。
僕は、台無しになった蝶が展翅板の上に載っているのを見つけた。エーミールがそれを繕う為に努力した跡が認められた。壊れた羽は丹念に広げられ、濡れた吸い取り紙の上に置かれた。しかし、それは直すよしもなかった。触角もやはりなくなっていた。そこで、それは僕がやったのだ、と言い、詳しく話し、説明しようしようと試みた。