AIのべりすと(えーあいのべりすと)は、AI(人工知能)による文章・小説作成アプリケーションソフトウェアである。
日本のクリエイターStaが個人で開発し、2021年7月に公開した。Webに設定されたアプリにおいて数行の文章を書き込むと、その続きをAIが自動的に書き続けてくれる。
小説AIとうたっているが、ユーザーの発想でさまざまな文章に対応している。プロンプトによるAIチャットも可能。
AIのべりすと@2.0
Google TRCに依頼して提供されたTPU(テンソル・プロセシング・ユニット)と、オープンソースコミュニティのEleutherAIによるTPU向けフレームワークであるMesh Transformer JAXを用いて、68.7億パラメーター、500GB(重複あり・文庫本にして約174万冊分)というコーパスを持つ日本語最大級のAIをフルスクラッチで小説生成向けに訓練している。
海外ではすでに英語を用いた同様のサービスが登場していたが、日本語を用いた関連アプリとしては2021年現在、日本で一二を争うスケールと言える。
Web上のアプリでは、デフォルトのほかオルタナ、クリエイティブ、スローペース、タスク等さまざまなオプションが用意されている。
人口知能が小説を作る?「AIのべりすと」基本機能と5つの使い方を紹介
https://www.qbook.jp/column/20220603_1345.html
AIを小説の制作に利用する試みが現在は活発に見られ、2022年2月に発表された日本経済新聞社主催の第9回「星新一賞」では、応募総数2603編のうち、114編がAIを利用して作成されています。
(2023年の第10回「星新一賞」では32編に減少。)
「AIのべりすと」はゲームクリエイターのSta氏が開発し、Google TRCの協力により作成されたツールです。日本語最大級のパラメータとコーパスより訓練されたAIであり、非常に精度の高い文章の生成ができます。
文庫本に換算すれば174万冊分の知識を学習しているAIであり、様々な組織や開発者の支援のもとで制作されたツールです。
「AIのべりすと」を用いれば、誰でも簡単にAIの力を借りながら小説を書くことが可能です。
最初にいくつかの文章を入力することで、セリフの口調や文脈にあった物語の展開がAI側によって生成されます。
AIが作成した文章にさらに加筆を行うことで、簡単にオリジナリティに溢れる小説を作ることができます。
【題材として用いた元ネタ】
「オネエになった男の末路」作者名:ア●ーキー乙女◆iOCOl3webM
https://rakuen.jeison.biz/novel/read/?477
ゲイに犯されたことによって女に目覚めてた男は、ニューハーフの店で働いている。そして様々な人物と交友関係を結ぶ。
しかしその人物等は少し風変りで・・・!?そして隕石も!?この物語はフィクションですが、一部作者の体験談を元にしてます。(笑)
男の娘好きの方は必見!
☆★☆ 登場人物紹介☆★☆
■美少年女装子「飛田劉」 源氏名は「隆子」。18歳。身長165cmくらい。
男の娘好きで女装した男の子しか愛せない男。しかし本人は男らしくなりたいと願っている。
現在はゲイバー『女紙』でアルバイト中。
■青年実業家・よしお 年齢は30代後半くらい? 金持ちのお坊ちゃま育ちで、世間知らずな面がある。
趣味は乗馬や旅行
パン、パンパン!!
「あっ、ああっ、アーーーーー!」
肛門に性器を挿入されて悶絶する。
それから三か月経った。
飛田劉はゲイバー『女紙』で働き、源氏名は隆子である。
「隆子、ウイスキー頼むわ」
「はーい」
隆子は客の注文受けた先輩に頼まれウイスキーを注ぐ。そして先輩の貴美に渡し、貴美はウイスキーを客の方へ持ってく。
「はいどうぞ♡」
「おう、サンキュー」
客はウイスキーを飲み干し会計をする。
「お勘定ね。えっと2万3千円になります」
「ほらよ」
「ありがとうございます。また来て下さいね」
客が出ていった後、貴美が隆子に話しかける。
「ねぇ隆子、あんたいつまでここにいる気?」
「さぁ・・・」
「いつまでも居座られても困るんだけど」
「ごめんなさい」
貴美さんに迷惑かけてるのは分かってるが、僕だって早く辞めたいんだ。でも、ここを辞めたら僕は・・・
「隆子ちゃん指名入りました~♪」
「はい!」
隆子はボーイから指名された席へと向かう。そのテーブルには、以前店に来た男がいた。名前は確かよしお。
「君が隆子ちゃんか」
「はい」「可愛い顔してるじゃないか」
「そうですか?ありがとうございます」
「今度デートしないかい?」
「それはちょっと・・・」
「いいだろ?なっ?」
「うぅん・・・じゃあ一度だけなら」
こうして、よしおと隆子はホテルへ行くことになった。
そして約束の日、待ち合わせ場所へ向かう。そこにはよしおが待っていた。
「やあ、待ってたよ」
「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「ああ、行こうか」
二人はホテルの中へ入る。そして部屋へ行きシャワーを浴びる。
「綺麗にしてあげるよ」
よしおは隆子の体をやさしく洗い、そしてベッドの上に乗る。よしおはおもむろにズボンを脱ぎ始めた。
「えっ、ちょ、何やってんですか!?」
「決まってるだろう。チョメチョメだよ」
「で、でもまだ心の準備ができてなくて」
「大丈夫。優しくするから」
よしおの手が隆子のおしりに伸びてきた。隆子は思わず振り払う。
「触らないでください!!」
「なんだと!せっかく俺が気持ちよくさせてやるっていうのに!」
「そんなの頼んでません!」
「この野郎!!」ドゴッ!! バキッ!!! よしおは隆子を思いっきり殴った。隆子はそのまま倒れ込む。
「お前が悪いんだからな」
「痛い、助けて・・・」
「ふん!」
「グハッ!!」
腹を蹴られ吐血する。その後も何度も殴られ続けた。
「死ね、死んでしまえ」
「ゴホッ、ゲホ、ガハァッ!!」
やがて、隆子は意識を失い、やはり三か月の時が流れた。
「隆子、ウイスキー頼むわ」
「はーい」
隆子は客の注文受けた先輩に頼まれウイスキーを注ぐ。そして先輩の貴美に渡し、貴美はウイスキーを客の方へ持ってく。
「はいどうぞ♡」
隆子はその様子を眺めながら、(どこかで見た光景ね…)と既視感(デジャヴュ)にとらわれていた。
―――—――――———5時間後―——————————————————————
「皆お疲れ」
「ママ、また隕石落ちたらしいで」
チーママの紗耶香がスマホでAbemaTVのニュース番組見ていた。ママのカヨ子は「どこで?」と返答したら紗耶香は「メキシコ」と答えた。
「これからどうなるんやろね地球・・・2013年にロシアからも落ちてきたし、日本にもいつ降ってくるかもわからへん。怖いったらありゃせえへんよね。」
カヨ子は呟いた。2013年にロシアに隕石落ちた事があった。直径15メートル、重量7000トンの小惑星が落下し、半径100キロメートルに及んだ。隆子が帰宅しようとしていた。
「隆子、お疲れー。トカゲに餌をやるん?」
そう言われると隆子は「はい」と言う。
「そうか。ほな気ぃ付けや」
隆子は店を出た。
「ママ、あの子ったらいつもクールやね」
「そやねぇ・・・」
隆子の自宅マンションに着いた。エレベーターに乗り2階のボタンを押した。2階に着くと、一人の男が乗ってきた。
「あ・・・」
「久しぶりだね。飛田劉くん」
男は、隆子のストーカー、よしおだった。
「君は相変わらず可愛いねぇ・・」
「あなたなんなんですか?なんで僕の家を知ってるんですか?」
「君がここに引っ越してくる前から知ってたよ。君の事は何でも知ってるんだ・・・」
「ひっ・・・」
隆子は怖くなり逃げようとするが、よしおは隆子を壁に押しつける。そしてズボンからナイフを取り出し、隆子の服を切り始める。
「い、嫌ぁ!!」
「可愛い声を出すじゃないか・・・もっと聞かせてくれないか?」
隆子は自分の胸を隠し、抵抗する。しかし、よしおの力には敵わず抑え込まれてしまう。
「やめて・・・お願いだからやめてください・・・」
「フヒヒッ・・・可愛いなあ。食べちゃいたいくらいだよぉ・・・」
「誰か助けて・・・」
その時、 ドカーン!!! 大きな音が聞こえた。隆子はその音の方向を見ると、隕石がマンションから見える通天閣のあたりに落ちていた。
「あ・・・ああ・・・」
「ふひゃはははっ!これはラッキーだ!神様が僕たちを祝福してくれてるんだよ!」
よしおは隆子に抱きつき、唇を重ねようとした。
「さあお楽しみはこれからだ!」
よしおは隆子のズボンを脱がそうとした時、隆子の拳がよしおの顔に直撃し、よしおは気絶した。隆子は急いで服を着替えると、よしおを置いて逃げ出した。
隆子は走って逃げた。息切れしながら走ると、目の前に人が立っていた。隆子はぶつかってしまった。
「きゃあっ!?ごめんなさい!!」
隆子は謝るが返事がない。よく見ると、それは人だったものではなかった。
それは人の形をしたロボットだった。全身緑色で、目にあたる部分は赤く光っていた。隆子は恐怖を感じ、一目散に逃げようとしたが、ロボットに捕まってしまう。
「キャアアッ!!」
隆子を抱き抱えたまま、ロボットは歩き出した。
「は、離して!お願い!なんでもしますから!」
「・・・」
隆子は必死に抵抗するも無駄に終わる。やがて、人気のない場所まで来ると、隆子は地面に落とされた。
「うぅっ・・・」
ロボットは何も言わず、去って行った。
「待って!」
隆子は追いかけたが、見失ってしまい諦めた。
自宅マンションに戻ってみると、隕石で粉々になったはずの通天閣は、何事もなかったかのように平然と佇んでいた。
「なんなの・・・さっきのは、夢!?」
隆子の部屋は2階にある。部屋へ行き2分。着いた。部屋のドアをカギを開け、戸を開け電気をつける飼ってるヒョウモントカゲモドキのリオに「ただいま」と言う。
「コオロギあげなくちゃ」
隆子はゲージからコオロギを出し与えた。リオはコオロギを食べた。
「次からは行く前に与えよ」
隆子は決心した。その頃、上空をUFOが飛んでた。
とりあえず、第一話「アーーーーーッ♂」を断片的にコピペすることによって、AIに小説を書かせてみた。結果としては、何か複雑なループ物っぽい話になりました。
また暇をみて続きをAIに読ませて書かせてみましょう。
さて、何故「複雑なループ物っぽい話」になってしまったのかをつらつらと考えてみました。
AIのべりすとに限らず、生成AIはある文章を与えられると、「その文章に続く確率が最も高い文章」を学習した膨大なデータから呼び出します。つまり、「酒場で飲んでいて一方が他方を誘う」というようなシチュエーションで切られた文章を与えられると、高い確率でラブホへ行ってしまうわけです。
同じようなシチュエーションで終わる文章を何度も断片として与えれば、ループ的な話になってしまうのは当たり前です。つまり、
①断片的に少しずつ文章を与えて書かせるのではなく、「オネエになった男の末路」の全文を読ませて続きを書かせるべきだった。
②区切りがいいと思って切り取った文章の終わりのシチュエーションがみんなほとんど同じだった。せめて断片を読ませるなら、毎回全然違うシチュエーションで終わらせるような切り取り方をすべきだった。
以上の二点が反省点として浮かび上がってきました。
とはいえ、すでに書いてしまったループっぽい物語にも未練はあります。
どう考えても、AIがこの複雑なループ物をたためるとは到底思えない(というより、すでに述べた生成AIの性質からみて最初から話をたたむ気がない)のですが、とりあえず最初の方針に基づいて行けるところまで行ってみましょう。
小説として破綻するにしても、実験としてはそっちの方が面白いかもしれません。
せめて全体の雰囲気をブレさせないために、映像化(ドラマ化)された場合を想定したオープニングテーマとエンディングテーマを決めておきましょう。
【深夜ドラマ「オネエになった男の末路」OPテーマ】
https://youtu.be/vdGd1u5TAyA
【深夜ドラマ「オネエになった男の末路」EDテーマ】
https://youtu.be/v2eg6kFEeZU
隆子こと飛田劉、22歳。神奈川県出身。三か月前まではノンケで普通に会社で働いていたがある夜、寝ていたところをゲイの男に襲われる。
それから四日たって別のゲイに襲われ目覚めてしまい、会社を辞め、転職することになった。
ここ『女紙』は心斎橋1丁目辺りに位置するゲイバーであり、ほとんどのホステスがニューハーフである。
「はいどうぞ♡」
貴美が客に酒を渡した。貴美も元はノンケだったがゲイの男に襲われ目覚めたとされる。福井県出身。
「最近調子どうなんや、カヨちゃん」
客がママのカヨ子に聞いた。
「ええで」
カヨ子は言った。カヨ子は女紙のママであり、一部では元ヤクザだったという噂もある。
――――――――—————3時間後――――――――—————
隆子が店を出た。今日は貴美と一緒。徒歩で20分。
「隆子」
「なんすか?」
「あれなんだろう」
貴美が指さしていたのは公園に巨大な円盤が落ちていた。色は黒に近いグレーで、直径20メートルくらいはある。
「行ってみましょうよ」
「え!?行くの?」
「はい」
「やめとこーよぉ~。なんか変なものがでたらどーすんの」
貴美がとめようとするが隆子は行こうとする。さっそく向かった。
二人は恐る恐る近づいてみる。近くで見るとますます大きい。
「これ、宇宙船じゃないですか?」
「なんでそんなもんがここに?」
「わかりませんけど・・・中に入ってみますか?」
「やめときなって。危ないよ」
「大丈夫ですよ」
隆子と貴美は墜落した円盤を調査していた。
直径20メートルほどの円盤。衝撃波によって公園のある遊具は吹き飛ばされ、ある遊具は紙粘土のようにねじ曲げられ、押し潰されていた。円盤自体も一部が地面にめり込んでいる。
やはり破壊力は凄まじく、もはやそこに公園の面影はなかった。
人は居なかったのだろうか。そういう心配もしつつ、隆子は円盤の周りをぐるりと周回する。しかし特にこれといった発見はなかった。
「どうする?そろそろこの場から離れた方が良いんじゃない?警察や研究機関だってもう動くと思うし。」
業を煮やした貴美が、気だるげな口調で隆子に言う。
「…あともうちょっとだけです」
隆子は焦るように調査を続行する。すると
「うわ!」
天辺にある円形の蓋が空き、隆子が叫んだ。
「どしたの!?」
「蓋が空きました」
貴美が「え?」と言い、その中はなぜか明るかった。まるであの世のように。
「貴美さん、入りましょうよ」
「ええええ!?やだやだ!!なんか変なのがいたらどーすんの」
貴美は拒否するが隆子は「いいからいいから」と要求し、入る事に。
「もうわかったわよ、入ればいいでしょ一緒に入れば」
貴美は嫌々入った。
「よっと・・・ん・・・?」
隆子が見たのは人間のようなもので、黄色いタイツか何か着ていて、しかもうつ伏せで倒れていた。
「起こすよう、声かけてみます」
「え?起こすの?」
隆子が「大丈夫ですか?」と声かけると、人間型の生物は起き上がり二人は「うわっ」て驚く。
起き上がった生物の顔はアフリカ人またはアボリジニに近い顔してるが、やや青い。腹筋もあり、身長は175近い。そして人間は言葉を発した。
(何言ってんのか全然わかんない・・・)
(だからやめとこって言ったのに・・・)
その言語はアラビア語やソマリ語ですらなかった。
「あの、失礼ですけど、日本語喋れます?」
貴美が問う。すると
「喋れるマスヨ!」
「え」(喋れんのかい!)
貴美は心の中で突っ込む
「ワタシ、地球で言う、‘‘お酒``を飲みながら操縦してマシタ」
「地球って・・・まさかあなた、宇宙からやってきたんすか?」
隆子が問うとその人間は「ハイ」とカタゴトで返事した。
「操縦してたんデスケド、途中で寝てしまいマシタ、アッハッハッハー」
宇宙人は陽気に高笑いした。
「いやいやいやいや、アッハッハッハーじゃないわよ。アンタそれ、『飲酒運転』になるでしょ。なーに考えてんのよ!周りどんだけ被害が出てるとでも思ってんのよ!」
「飲酒運転?何デスカ?ソレ?」
宇宙人はヘラヘラしながら貴美に問う。
「何ですかじゃないわよ。アンタ教育受けなかったの!?他の星ならとっくに進んでると思ってたのに――――」
「貴美さん、しっ!」
隆子が貴美を黙らす。理由は、外から物音がし、人の気配があった。
隆子と貴美が中でいる中、外では円盤。その上に、人が乗っていた。茶髪の男と黒髪で角刈りの男の二人組だった。
「おいおいおいおい、なんやこれ」
「UFOちゃう?なんかそれっぽいし、へへへ」
茶髪の男の発言に角刈りの男は未確認飛行物体の可能性があると指摘した。
「UFO?もしかて宇宙人とかおるんちゃうけ?もし発見したら俺らむっさ有名人やで」
「ホンマやで、ハハハッ!」
「うぃーーーーー!!」
二人の不良は盛り上がる。そんな中、UFOの内部にいた隆子と貴美は戸惑っていた。
「どうしよう、このままじゃ全員発見されちゃう!ほんとどうしよう」
「何とかできないんすか?」
隆子が宇宙人に問いかけた。
「できマス」
そう言うと宇宙人はすぐさま操縦席に座り、装置らしきものを触り始めた。
「そこに座席がありマス。急いで座ってくだサイ!そしてベルタ―も」
「ベルタ―?」
「ベルトの事じゃないすか?」
すると二人は座席に座り、そしてベルトも締めた瞬間、ガクンっとなり、浮き上がった。
外にいた二人組の不良も振り落とされてしまい、「あだっ!」「いでっ!」と声を上げる。どんどん浮いていき、そしてビューン!と高速飛行した。
「どこへ向かうつもりなんだろう」
貴美の発言に隆子は「さあ・・・」と返事する。
「お二方、家はどちらデスカ?」
「え?」
「さっき行きすぎました」
「あ、そうデスカ」
宇宙人は逆方向へUターンする。
「着きまシタ」
「え?」
早速降りてみると紛れもなく家の近くだった。
「なんでわかったんすか?」
「実はでスネ、ワタシの愛機には特殊なAIがございましネ、本人の顔を判断し、特定できるんデス」
(ええええええ・・・)
二人は愕然した。
「あの、お名前は?」
「ジートリャデス、ではマタ」
ジートリャはUFOに乗り、どんどん浮き上がり、そして高速飛行しだす。跡形もなく消えていった。
「いやいや、特定って・・・怖くない!?」
「まぁ、怖いっちゃ怖いっすけど・・・大丈夫なんじゃないすか?」
「えぇ・・・、何がよ。後、あたしもう自宅に帰るね」
「あ、おやすみ」
貴美は自宅へ帰った。隆子も早速自宅に戻る。
(ジートリャか・・・。いい名前だね)
隆子は宇宙人の名前を評価した。
一方、その頃、ジートリャは・・・
「ううぅ・・・飲み過ぎた・・・吐き気がヤバいデェース・・・」
酔っぱらいながら運転していた。
「うおぉ・・・」
そのまま操縦し、ある場所へ向かった。そこは公園の遊具がある所だった。
「着陸しまァ~す!」
そして円盤は墜落した。
「ウゲエエエエエエエエッッップ!!!」
墜落と同時に凄まじい轟音と共に盛大に嘔吐した。
「ああ・・・気持ち悪い・・・」
そう言いつつ、ジートリャはふらつきながらも立ち上がり、辺りを見渡す。
「誰もいないようですね。とりあえず一安心です」
すると
「あのー、ちょっといいですか」
一人の女性が話しかけてきた。
「はい?何か御用で?」
「あなた、今ここで何をしているんです?」
女性は質問するがジートリャは
「あ、はい。実はでスネ、ワタクシ、宇宙船で地球に来たんデスケド、途中で眠ってしまいまして、気づいたらここにいまして、それで今帰るところなのデスヨ」
と、カタゴトの日本語で答えた。だがその言葉の意味を理解した女性の顔色は変わった。
「それ、飲酒運転ですよね。警察に通報しますよ」
「はい?警察?そんなものありマセンヨー」
「ありますよ。早く連絡しないと」
「だから無いって言ってるでしょ」
「ありますよ。この星の文明を甘く見過ぎじゃないですか?ちゃんと法律を守らないと」
「うるさいわねえ!!地球人の分際で!!」
ジートリャは怒りを露にした。「宇宙人に説教とは、良い度胸してますねぇ」
「は?」
「あんまり舐めた態度取るんじゃないわよ!」
そう言うとジートリャは女性の腹にパンチを食らわせた。
「うぐっ!」
あまりの痛さに倒れこむ。
「ふん、これで懲りたでしょう」
そう言うとジートリャはその場を去った。
その後、女性はすぐに救急車を呼び、病院へ運ばれた。
翌日、隆子と貴美は店に来ていた。昨日の事を話そうとしていた。
「おはよう」
「おはようございます」
二人は店に入り挨拶をする。いつも通り挨拶を返すママとチーママ。
隆子はカウンター席に座り、貴美子はボックス席に座った。そして早速二人は昨日の出来事を話し始めた。
「それがさぁ―――」
「ええ!宇宙人と遭遇したんですか!?」
「そうなんだよ!しかも超美形!」
「マジっすか!羨ましいっす!」
「まあね!」
二人が盛り上がっている中、店内には客が来ていた。スーツを着た男性だ。男性は隆子に近づき、こう言った。
「あの、ここの店長さんはいらっしゃいますか?」
隆子は少し驚きつつも返事をした。「あ、はい、今呼んできます」
そして隆子は奥の部屋へ向かい、ドアを開ける。
「どうしました?」
「実は・・・」
すると男はカバンから一枚の写真を取り出し、隆子に手渡した。
「これ、僕の彼女なんですよ。この人見かけませんでした?」
写真には一人の女性が写っていた。茶髪のロングヘアーで美人だった。
「いえ、見てませんが・・・」
「そうですか・・・」
「どうかしたんですか?」
「実は、昨日から行方不明になってまして、今日もまだ見つかってないんです。なので捜索願いを出しました」
「そうなんですね・・・」
隆子が話をしている最中、男が急に慌て始める。
「あぁっ!?もうこんな時間じゃないか!?会社に行かないと」
「あ、お気をつけて」
隆子の言葉を聞かず、慌てて出て行く男。
「お待たせ―。何の話をしてたんだ?隆子」
奥の部屋から出てきたママのカヨ子が隆子に声をかけた。
「あ、何でもありません」
「そっか」
隆子も急いで仕事に戻った。
一方、その頃、ジートリャは公園にいた。ベンチに座っている。
「ふう、ようやく酔いも覚めてきました。それにしても昨日は危なかったですね・・・」
するとその時だった。
「お姉さん、大丈夫ですか?」
少年の声が聞こえてきた。見ると小学校低学年ぐらいの男の子だった。
「ああ、大丈夫デスヨ。心配してくれてありがとうございマス」
ジートリャは笑顔で答える。
「良かったです。何かあったのかと思って・・・」
「ワタシなら平気デース。それより君の名前は?」
「僕は『ユミ』と言います」
「ユミくんね、よろしくデェース」
ジートリャは立ち上がり握手を求める。ユミはそれに応じた。そして二人は歩き出す。
「あのー、どこへ行くんですか?というよりあなたは何者なんですか?宇宙人とか言ってましたけど」
「フッフッフッ、よくぞ聞いてくれマシタ。実はでスネ、ワタクシ、宇宙船に乗って地球に来たんデスヨ。それで今帰るところデスネ」
それを聞いたユミは唖然とする。
「えぇ!宇宙人!?」
「はい、ソウデスヨ」
「凄いや!本当にいたなんて!」
目を輝かせながら興奮気味になる。その様子にジートリャは微笑む。
「ところで、君はどこに行こうとしてたんですか?」
「あ、僕ですか?お母さんのお見舞いに行くんです」
「なるほど、それは偉いですね。でも一人で行くのは危険ですよ」
「はい、分かってます。だから病院まで送ってくれる人が欲しかったので」
「そうでしたか、では行きましょうか」
そうして二人は病院へ向かった。
病院に着くと、そこにはユミの母親がいた。
「あら、あなたは?」
「私はジートリャといいマース。彼は私の知り合いなのデス」
「そうなのね。わざわざ連れてきてくださってありがとうございます」
母親は頭を下げ礼を言う。
「いえいえ、当然のことデス」
ジートリャは笑顔で答えた。
「じゃあ、僕はこれで失礼します」