ある日、広瀬すずが目が覚めると、自分の身長が10センチ伸びていたことに気がつきました。最初はびっくりしましたが、次の日も同じように身長が伸び、その次の日もまた同じことが繰り返されました。
最初は、周りの人たちは広瀬すずの成長を祝福し、驚きを示していました。しかし、広瀬すずの身長が高くなるにつれて、人々の態度は変わっていきました。
「なんだか、最近、周りからの視線が変わったような……」
ある日のこと、広瀬すずは友達と一緒に歩いていた時のことです。ふと見上げると、今まで自分よりも背の高かったはずの男の子たちが、小さく見えます。
また別の日には、電車に乗っている時に、隣の乗客との距離が
「なんか近すぎて落ち着かない……離れようかな」
そう思って移動しようとすると、なぜか隣にいたはずの乗客たちは少し距離を置き始め、空いている座席へと移動してしまいます。
「えっ……?」
また、ある時は学校の教室での出来事でした。机の上の消しゴムに
「あっ、届かない……」
そう思った瞬間、後ろから手が伸びてきて、消しゴムを取ってくれました。振り返ってみると、そこには広瀬すずがいました。
広瀬すずは、体が大きくなるにつれて、普段通りの生活を送ることがますます難しくなっていきました。ドアや階段、机やイスなど、普段何気なく使っていたものが、広瀬すずには小さく感じられるようになっていたのです。
そして、広瀬すずの身長が2メートルを超える頃には、彼女の生活は大きく変わっていました。彼女は公共交通機関に乗ることができず、ドアの枠や天井に頭をぶつけることが日常茶飯事になっていました。
「痛たっ……!」
そんなある日、広瀬すずは自分の部屋の鏡の前で身支度を整えていました。その時、鏡に映った自分の姿を見て、思わず声を上げてしまいました。
「私……こんなに大きくなってる……」
そこに映し出されていたのは、身長3メートル以上の巨人となった自分自身でした。
広瀬すずは、周りの人たちと同じように生きたいと思っていましたが、彼女の身長が大きくなるにつれて、社会が彼女に合わせることができなくなっていたのです。
彼女は、社会に順応するために、自分の身体を抑えることを余儀なくされました。彼女は、自分の身長が高くなることを恐れ、自分自身を隠すようになっていきました。
「もうこれ以上、大きくなりたくない……」
そう思いながら、毎日を過ごすようになりました。
しかし、広瀬すずは、自分が成長することを諦めることはできませんでした。彼女は、自分が変わることを恐れるのではなく、自分が変わったことを受け入れることができるようになっていきました。
そして、広瀬すずは、自分が特別な存在であることを受け入れ、自分の身体を誇りに思えるようになりました。彼女は、自分の身長が高いことを隠すのではなく、それを自分らしさとして受け入れ、誇りに思えるようになっていたのです。
「私は、私のままで生きていこう」
その言葉は、彼女が初めて口にした前向きな言葉でした。
「私は、どんな時でも私らしく生きていく」
その日から、広瀬すずは堂々と生きることを誓いました。
身長が高くても低くても、それが広瀬すずという人間であるということを
「私は、この世界の誰よりも大きな心を持って生きている」
その自信が、彼女をさらなる高みへ導いていくことでしょう。
広瀬すずは10歳になり、5メートルにまで成長しました。彼女はすでに多くの人々の注目を集めていましたが、この点ではまだ日常的な生活を送っていました。
しかし、数週間後、彼女はますます速く成長し始め、1日あたり10センチ以上の身長を伸ばすようになりました。彼女の家族は彼女を病院に連れて行き、医師たちはどうやって彼女がこんなに急速に成長しているのかを説明することができませんでした。そして、彼女はますます高くなっていきました。
「お父さん、お母さん、私、怖いよ……」
ある日、彼女は泣き出してしまいました。
「大丈夫だよ、すずちゃん」
「私たちがついているわ」
両親は優しく抱きしめてくれましたが、それでも恐怖は消えません。
「どうすればいいんだ……?」
父親は途方に暮れて
「このままだと、家が壊れてしまうかもしれない」と言いました。母親は「それならいっそ……」と言って自殺しようとしましたが、父親がそれを止めました。
その頃には、彼女は7メートルの巨人になっており、家の中に入ることはもちろん、外に出ることもできなくなっていました。
「誰か助けてください!」
いくら叫んで
「ここから出してください!お願いします!」と訴えかけても、返事をしてくれる人は誰もいませんでした。
やがて、彼女は8メートル、9メートルとさらに大きくなっていき、家の中には収まりきれなくなりました。そこで、両親と妹たちは、地下室に引っ越しました。
彼女が8メートルに達したとき、彼女はすでにテレビやニュースで話題になっていました。彼女の身長は急激に伸び続け、社会は混乱の渦に巻き込まれました。多くの人々が彼女を不気味で異常な存在と見なし始め、彼女は巨大化することが社会的な問題になりました。
彼女が10メートルに達したとき、彼女を見た人々は恐怖と敬意を抱くようになりました。彼女は一種の超常現象として扱われ、彼女の成長を抑制するために、科学者や政府関係者は膨大な努力を払いました。しかし、彼女の成長は止まることはありませんでした。
「どうして私は大きくなるの?ねえ、教えて!」
彼女は泣き叫びました。しかし、それに答えてくれる人はいませんでした。
彼女は11メートルに達し、12メートル、13メートルとさらに大きくなっていきました。そして、14メートルに達すると、彼女は自分の身長が何を意味するかを理解しました。
「ああ……そうだったのね……私は……ただの『物』なんだ……」
彼女は絶望し、「ごめんなさい……もう……疲れたよ……」とつぶやいて意識を失いました……。
そしてついに、彼女は15メートルに達しました。彼女は近所のアパートよりも高くなり、巨大な存在として人々に敬意を抱かれるようになりました。彼女は社会的な問題から逃れ、自分自身と向き合い、自分の大きさを受け入れることに成功しました。彼女は世界の中で自分自身の場所を見つけ、その巨大さを使って、彼女がやりたいことをすることに決めました。
広瀬すずが20メートルに達した頃には、すでに多くの人々が彼女を見にやってきていた。道路は常に混雑し、周囲の住宅も小さく見えるほど巨大な広瀬すずの存在感に圧倒されていた。
広瀬すずは、身体が大きくなるにつれ、身の回りの世界も大きくなっていった。以前は手が届かなかった場所に、今では軽々と手を伸ばすことができるようになったのだ。
「よし……今日はあの木を切ろうかな」
彼女はそう言って、近くにある大木に手を伸ばし始めた。
「うーん……」
彼女は大木を持ち上げることができなかったが、代わりに幹を引っ張ってみた。すると、メキメキという音を立てて、大木は倒れた。
「すごいぞ、すずちゃん!」
「ありがとうございます」
人々が褒め称えると、広瀬すずは笑顔になった。彼女は、自分が何かを成し遂げたことに喜びを感じていた。それからというもの、彼女は街にあるすべてのものを壊すようになっていった。
「ああっ、すずちゃんだ!」
「こんにちは」
彼女は
「おはよう」
「こんばんは」
「おつかれさま」などの挨拶をするだけで、人々とコミュニケーションを取ることができた。彼女は人と接することが大好きで、人々を喜ばせるためにいろいろなことをしていた。時には高層ビルを壊したり、地面を掘り起こしたりして人々の注目を集めたが、決して破壊衝動からそうした
「私がやったんだよ!」
と自慢したかったわけではない。
彼女は、純粋に自分を見て喜んでくれる人が好きなだけだった。だから、彼女は人を喜ばすことに夢中になっていた。
しかし、そんな彼女にも悩みがあった。それは、孤独感だった。どんなにたくさんの人と出会っていても、心のどこかで寂しさ、
「私だけ仲間外れみたい……」
という気持ちを抱いていた。その理由はわからなかったが、彼女は大きな胸の奥底に不安を抱えていたのである。
そんなある日、彼女はあることに気づいた。それは、自分が孤独を感じる原因について考えていた時に思いついたものだった。
「私だけが大きくなったら、みんな私を置いていくんじゃないかな」
「もしそうなったらどうしよう」
彼女は恐怖に怯えていた。なぜなら、彼女の身体はますます大きくなり、周りの人たちがアリのように小さく見え始めていたからだ。
「どうすればいいんだ……」
広瀬すずは、自分の身長が50メートルを超えていることに気づいたとき、ますます孤独を感じるようになっていた。周囲の人々は、彼女の存在を恐れ、遠ざかっていくばかりだった。
しかし、広瀬すずは決して諦めず、自分が大きくなり続ける理由を探し続けた。ある日、広瀬すずは偶然出会った科学者から、自分の身体に秘められた不思議な力のことを聞かされた。
「これは……?」
広瀬すずは自分の胸に手を当てて考えた。
「もしかすると、この力が私の身長を成長させているのかしら……」
彼女は、自分の中の特別な力を信じることに決めた。その日から、彼女の身長はさらに加速していった。
「もっと大きくならなくちゃ!私は、もっともっと大きくなる必要がある!」
彼女の身長が100メートルを超えた頃、彼女の身体に変化が起き始めた。彼女は身体が熱くなっていくのを感じた。まるで、自分の中に眠っているエネルギーが解放されていくような感覚だった。
「熱い……でも、これくらい平気だよ」
彼女は身体が燃え尽きるかもしれないと思いつつ、
「絶対に負けない!」
それでも、彼女の身長は止まらなかった。
「あと少しで完成する」
150メートルに達したとき、ついに彼女は目的のものを完成させた。それは、自分自身を完全に包み込むためのドームだった。
「これで、私は誰にも邪魔されずに暮らすことができるよ」
彼女は安堵の
「ふぅ……」
という息を漏らした。
「これからはずっと一緒だよ(←誰と!?」
彼女はそうつぶやいて眠りについた。
しかし、彼女の身体はまだ成長を続けていた。
「えっ……どうして!?」
彼女にとって予想外のことだった。
「このままじゃまずいよ……」
彼女は焦って叫んだ。
「ねえ、お願いだから止めて!」
だが、その願いは叶わなかった。それから数日後、ついに彼女は自分の身長が何を意味するかを理解した。
「そっか……私はもう戻れないところまで来てしまったんだね……」
彼女は悟り、「ごめんなさい……」と涙を流した。
広瀬すずは、自分の身体が大きくなることで、周囲の人々を不安にさせていたことを悔い、自分が持つ力を使って世界をより良いものにすることを決意した。彼女は、自分の身体を守りながら、科学者たちと協力して、新たなエネルギー源を開発するために奮闘し続けた。
そんなある日、広瀬すずがしゃがみこんでうんことおしっこをすると、そこは大阪新世界だった。
すぐ近くの天王寺動物園の動物たちと一緒に、隆子の墓参りを済ませて界隈を歩いていた秀一はふと見上げた通天閣のはるか上空から降ってきた広瀬すずのうんこに押しつぶされ、すずのおしっこに流されて暗い冥府へと旅立ったのである。
いまや、世界ではどのようなことでもおこりうる。というか、どのようなことでも起こりうるということが世界の定義となりつつあった。
にもかかわらず、ユミの母親の末期ガンはどんなにループしても治らなかった。まるで、“ユミの母親が末期ガンで死なずに済む世界は論理的にあり得ない”とでもいうように。
それは、現実的でないばかりではなく、可能的ですらないのであろうか。
ジートリャはユミとその母親を連れて深宇宙へと向かった。平行宇宙のあらゆる法則を超越した深宇宙でならば、あるいはユミ親子が幸せに生きる道もあるのではないかと考えたのだ。
そしてジートリャの操る円盤は、ついに深宇宙皇帝・アルカディアスの居城である「時間城」に着陸した。タイムマシンとワープ装置を兼備した宇宙船として時間的にも空間的にも神出鬼没の存在であるために誰にも所在がつかめない「時間城」。アルカディアスは物質的な身体をもち「機械伯爵」と呼ばれていた頃には、ここに様々な宇宙、さまざまな惑星の人間の「剥製」を飾って楽しんでいたが、完全な精神体となってからは完全な悟りの境地に達していた。
ユミとその母親、「みつえ」は時間城の広大な庭園にえんえんと植えられている背の高い植物を見て感嘆の声をあげた。
「なんだこりゃ、どこまでいっても大麻、大麻、大麻…ずーっと大麻草が植えられてるじゃないか!
まさに、“葉っぱ天国”!!」
大麻草畑には無数の人々が働いていて、その中の何人かはジートリャに笑顔で手をふったが、何人かはうさん臭そうな目で親子を見ていた。
「ここに、自らを『GOD』と称する時間城の主、アルカディアスという王様がいます。もっとも、民衆は影で『DOG』と呼んでますけどネ」
ジートリャは笑顔でみつえに話しかけた。
「彼なら、あなたの病気を治せるかもしれません」
それを聞いて、みつえは「そうですか…」と小さくつぶやいた。
自分の病気はただのガンではないのか。何故、こんな大げさな事態になっているのであろうか。
当事者であるみつえはすでに何度もループで死んでいるのだが、それを認識できているのはジートリャだけなので、不審の念を抱いているのである。
「ねえねえ、お母さん、あれ何の葉っぱなの?」
無邪気に質問するユミの頭を撫でながら、みつえはこれから自分たちに待ち受ける運命がどんなものなのか、その不安に震えていた。
~第二部~
【深夜ドラマ「オネエになった男の末路」2ndシーズンOPテーマ】
https://youtu.be/jtmYxNpT040
【深夜ドラマ「オネエになった男の末路」2ndシーズンEDテーマ】
https://youtu.be/JFZtAwNxZ0k
【深夜ドラマ「オネエになった男の末路」最終回EDテーマ】
https://youtu.be/rMrPsXvZsuY
☆★☆登場人物紹介(ほぼ登場順)☆★☆
■美少年女装子「飛田劉」/源氏名「隆子」(菅田将暉)
22歳。神奈川県出身。身長165cmくらい。
ノンケで普通に会社で働いていたがある夜、寝ていたところをゲイの男に襲われる。
それから四日たって別のゲイに襲われ目覚めてしまい、会社を辞め、転職することになった。
現在はゲイバー『女紙』でアルバイト中。
亜空間偏在幕府の尼将軍・北条隆子と「真魂」を共有している。
■青年実業家・よしお(斎藤工)
年齢は30代後半くらい? ストーカー。
金持ちのお坊ちゃま育ちで、世間知らずな面がある。
趣味は乗馬や旅行。暴力的なセックスが好き。
その正体は、亜空間偏在幕府に雇われた形而上学探偵。
■先輩の貴美(山田孝之)
元はノンケだったがゲイの男に襲われ目覚めたとされる。
福井県出身。
■チーママの紗耶香(ムロツヨシ)
■ママのカヨ子(坂上忍)
心斎橋1丁目辺りに位置するゲイバー『女紙』のママ。
一部では元ヤクザだったという噂もある。
■ロボット(演・唐沢寿明)
■ヒョウモントカゲモドキのリオ(声・神木隆之介)
■ジートリャ(演・桐谷健太)
黄色いタイツの宇宙人。
顔はアフリカ人またはアボリジニに近い顔してるが、やや青い。
腹筋もあり、身長は175近い。
その正体は、深宇宙皇帝アルカディアスのエージェント。
■円盤の上に乗っていた茶髪の男(ジャルジャル福徳秀平)と黒髪で角刈りの男(ジャルジャル後藤隼平)
■ジートリャに「飲酒運転ですよね。警察に通報しますよ」と話しかけた女性(千葉雄大)
■写真の女を捜すスーツの男(鈴木亮平)
■写真の女(亀梨和也)
■ユミ(市川新之助/堀越勸玄)
小学校低学年ぐらいの男の子。
■ユミの母親みつえ(十三代目市川團十郎白猿/十一代目市川海老蔵)
末期ガン。
■GOD/深宇宙皇帝アルカディアス(市村正親)
ラスボス。
■尼将軍・北条隆子(演:小池栄子)
もとは鎌倉幕府を開いた源頼朝の御台所・北条政子であったが、鎌倉幕府が亜空間の乱れに巻き込まれ何千年もループを繰り返すうちに異形の存在となり、もはやその意思はいとこにあたる北条秀一しか読み解くことができない。鎌倉幕府も超々複雑な官僚機構となり、人々から「亜空間偏在幕府」と呼ばれるに至った。
■北条秀一/秀一(藤原竜也)
■麗奈(藤原竜也・二役/声・小池栄子)
■隆子を犯した見知らぬゲイ(ディーン・フジオカ)
■隆子を「多重人格」と診断した医師(ディーン・フジオカ・二役)
■広瀬すず(広瀬すず)
■大麻草畑で働く農民たち(悪役商会)
秀一をクソとションベンで押し潰した広瀬すずのループ人生は長短トータルすると300年ほどになるが、その8割が巨大化の人生であり、縮んでいくのが1割、通常サイズも1割にすぎない。
しかも、その1割の中でさらに芸能人として成功する人生となると、我々が宝くじにあたるかあたらないか、みたいな話になる。
しかし、芸能人として成功する人生においては、ほぼ100パーセントの確率でとんねるず石橋貴明に「テレビ局の照明さんを見るとどう思うの?」と聞かれ、「どうして生まれてから大人になったとき、照明さんになろうと思ったんだろう」とコメントせざるを得なくなる。
「(音声が持つ)マイクもすっごい腕疲れるのに、何で自分の人生を女優さんの声を録ることにかけてるんだろうと。きっと大人になって年齢重ねると共に『本当に棒を……声を録るだけでいいの?』って」
そして「ロケバスさんも運転して寝て……どうして運転しようと思ったんだろう」などと真っすぐな瞳で語らざるを得なくなるのである。巨大化するとどこかの時点で必ず自重に耐えられなくなり、足の骨が折れて倒れて死ぬ。しかも数百、ときには数千人の人間を巻き込んで死ぬのである。そこに至るまでにも、秀一のようにすずの生活の過程に巻き込まれて死ぬ人間は多い。縮んでいく場合、最後は小動物に食べられるか虫に食べられるか人間の肺に吸い込まれるかで死ぬ。この場合、すずの生活によって死ぬ人間はいない。――これらの人生と、いつもお世話になっているスタッフの方々の人生を全否定してしまう人生……どの人生が「よい人生」といえるのか、正直、私にはわからない。
しかし、秀一を押し潰したすずの人生(ちょうど7000回目の人生だが、本人にその認識は無い)は、そのどれとも違う結末を迎えた。ウルトラマンによって始末されたのである。いや、正確にはウルトラ一族に始末されたと言った方がいい。というのも、すずはその時点でウルトラマンの身長の30倍ほどはあったからである。スペシウム光線をもってしてもすずを倒すことはできなかった。セブン、新マン、A、タロウ、レオ、さらにゾフィとウルトラの父、ウルトラの母が加勢してようやく広瀬すずは完全に破壊された。
「ウルトラマンなど虚構の存在ではないか」と、あなたは言うかもしれない。どんなに歴史がループして少しずつその内容が変化しようとも、それはありえない。大日本帝国がアメリカに勝利する歴史はあるかもしれない。広瀬すずが巨大化することも全くありえないとは言えない。少なくとも広瀬すずは存在している。いや、広瀬すずが存在しない世界も物理法則が我々の世界とは全く異なる世界も可能性としてはありえるだろう。しかし、ウルトラマンが実在する世界はありえないのではないか、と。
しかし、物理法則の異なる世界が可能であるならば、魔法世界(もっとも、「魔法」とは我々非魔法世界から見てのことにすぎないが)も可能であろう。広瀬すずの巨大化も可能であろう。ならば、ウルトラマンがどこかの平行宇宙、あるいは平行世界に存在しないとは断言できないのではないか。いまや無限に「事実」を生み出すこの超ループ世界、しかも全体がループしているだけでなく、個々の「出来事」や個々の「歴史」、個々の「人生」も複雑に入り組みながらループしているこの“超複雑化無限ループ世界”においては、「無いもの」など存在しないのだ!
ところが、たった一人だけ完全に「無」になった男がいる。秀一である。そして、亜空間におけるその対応物であるところの北条秀一である。彼(ら)はただ消えたのではない。単に消えたり死んだりしたのなら、誰かの記憶に残っており、誰も記憶していない場合でも彼(ら)の生きた痕跡が何らかの仕方で世界のどこかに刻まれるはずであろう。例えば、死んだり消えたりする数秒前に踏みしめた大地の足跡……。死んだり消えたりする瞬間に吸ったわずかな空気……。そのようなものすら、存在しないのである。秀一(北条秀一)は「初めから存在していなかったし、これからも絶対に存在しない」という意味での「無」になってしまったのである。ゲイバー『女紙』の面々も、亜空間遍在幕府の無数の官僚、無数の武士たちも、誰一人として秀一(北条秀一)を覚えておらず、誰一人としてその欠落も存在可能性すら想像することができなくなったのである。
北条秀一の代わりに、彼のポジションに座ったのは「有栖」という謎の女であった。しかも誰一人として、彼女が「初めからそこにいた」ということを疑うものはいなかった。いまや異形の怪物「北条隆子」の言葉を人間にわかるように翻訳できるのは、有栖ただ一人である。
「有栖様、例の探偵めが来ておりまする」
亜空間遍在幕府筆頭喧嘩師の十六夜がいつの間にか、有栖の前に拡がっていた空虚な空間の真ん中に控えていた。「喧嘩師」とは、武力をもつ弁論家の総称である。その起源は古典期ギリシア(前5世紀から前4世紀頃)のアテナイを中心に活動した「ソフィスト」(ソピステース)にある。彼らは金銭を受け取って徳を教えるとされた弁論家・教育家だが、争論術に長け、問答競技(エリスティケー)で互いに競い合っていた。このうち、言論のみで決着をつけ、さらに真理や合意を目指すものは「議論師」と呼ばれ、のちの「哲学者」の原型となっていった。「喧嘩師」とは、この世界の出来事に言論のみでの決着はありえないと見切りをつけ、強弁、煽り、さらには暴力で物事を決しようとする者たちのことである。そこでは、言論と暴力は一体化しており、彼らの生き方そのものを構成しているので、両者を明確に腑分けすることはできない。
その後、中世ヨーロッパの僧院において金銭を媒介としない喧嘩師がキリスト教修道会によって大量に養成され、異教者や異端者を討伐する兵士となった。ルネサンス期には、多くの芸術家が喧嘩師となり、その影響はバロック期にも及んだ。バロック絵画の形成に大きな影響を与えたミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオは近世ヨーロッパにおける最大の喧嘩師といっていいだろう。カラヴァッジョについての記事が書かれた最初の出版物が1604年に発行されており、1601年から1604年のカラヴァッジョの生活について記されている。それによるとカラヴァッジョの暮らしは「2週間を絵画制作に費やすと、その後1か月か2か月のあいだ召使を引きつれて剣を腰に下げながら町を練り歩いた。舞踏会場や居酒屋を渡り歩いて喧嘩や口論に明け暮れる日々を送っていたため、カラヴァッジョとうまく付き合うことのできる友人はほとんどいなかった」とされている(カレル・ヴァン・マンデル『画家列伝(画家の書)』1604年)。1606年には乱闘で若者を殺して懸賞金をかけられたため、ローマを逃げ出している。1608年にマルタで、1609年にはナポリでも乱闘騒ぎを引き起こし、乱闘相手の待ち伏せにあって重傷を負わされたこともあった。
しかし、デカルト以降は言論活動と芸術活動と武力活動(暴力)は徐々に乖離していき、議論は徐々に哲学へ、そして哲学から科学へと純化していく。この近代化の過程において「喧嘩師」は「初めから存在しなかったもの」として扱われるになり、地下に潜伏して時代のうねりの中で時々間欠泉のように表に出てくるような存在にすぎなくなってしまうのである(かのノモンハン事件でも喧嘩師が暗躍したとされる)。自らも喧嘩師である有栖は、
「通せ」
と低い声で言い放った。すると十六夜が控えているそのすぐ後ろの畳に茶色いシミができたかと思うと、そこから人間の毛髪が、そして額が、眉が、目と鼻が現れた。それは紛れもなく形而上学探偵・よしおのものであった。
「おお、有栖様!」
よしおが畳から立ち上がると、
「よくぞ、おいでくださった」
と、十六夜は深々と頭を下げた。有栖は
「よい」
と言って手を振って十六夜の礼を制した。そして、
「久しいな、よしお」と言った。
「はっ」
「相変わらず、何者だかわからぬ顔をしている」
「はあ……」
「まあいい。早速、本題に入ろう」
「はっ」
十六夜はいつの間にか消えていた。有栖はよしおの目の前で正座をして、言った。
―――私は、ある男がこの世界に存在していたことを知っている。私に見えているのは、その男の記憶だけだが、この男は確かに存在した。お前はその男の存在を証明できるか? その問いに対して、よしおから返ってきた答えは極めてシンプルなものだった。
「はい」
彼は自信満々にそう言ってのけたのだ。これには有栖も驚いたようで、目を丸くした。
「ほう……では聞こう。どうやって?」
「はい、有栖様。私が思うに、その男が存在するかどうかは問題ではないのです。問題は、『有栖様がその存在を記憶していること』なのです。もし、仮に、万が一、その男の実在が確認されたとしても、有栖様がその男の存在を覚えていなければ、結局、存在しないのと同じことになるのではありませんか」
「なるほどな……。まあよくある理屈のひとつではある。だが、残念だったな」
「え!?」
「私は確かに、そいつのことを記憶しているが、それがどういう意味かまではわからない」
「なんですと」
「だから、そいつがどんな奴なのか教えてくれ」
「そいつとは、誰のことでしょうか」
「そいつとは、そいつのことだ」
「そいつと言われましても……。具体的に名前を教えていただきませんと」
「ああ、そうだな。そいつの名前は……」
「名前は?」
「名前は思い出せない」
「それでは仕方ありませんな」
沈黙が座を支配した。「おそらくは、北条隆子殿の記憶か、あるいは捏造された想像の産物…」とよしおは言いかけたが、それをぐっと飲み込んだ。
「ところで、有栖様」
「なんだ」
「先程、私のことをよしおと呼びましたが、なぜでしょう」
「お前が自分をそう紹介したからだろう」
「はあ、左様ですか。では有栖様は私が『北条秀一』とでも名乗ったら、そのようにしていただけるので?」
「こやつ……」有栖は殺意のこもった目でよしおを睨み続けていた。
一方、神奈川県のとあるアパート。ループして甦った隆子(飛田劉)はまだノンケで、会社勤めが終わったある夜、寝ていたところをやさしい目をしたゲイの男に襲われた。笑っているような、しかも泣いているような目をしたその男は、肛門に性器を挿入されて悶絶する隆子(飛田劉)をがっしと抱きしめながら激しいピストン運動を繰り返し、やがて隆子(飛田劉)の中で果てた。
「俺はギイ…殺伐師のギイ。お前は『アナーキー乙女』の一員として、自分の使命を果たすのだ」
隆子(飛田劉)は薄れ続ける意識の中で、そんな言葉を聞いたような気がした。
それから四日たったある日、今度は別のゲイに犯された。夜中にハッと目覚めた隆子(飛田劉)は、自分が金縛りで動けなくなっていることに気付いた。月明かりが差し込むサッシ窓の前に誰か立っており、隆子(飛田劉)の様子を観察していた。そいつは猿のような顔をしており、目覚めたと知るや
「ウホッ♂」
と言いながら寝ている隆子(飛田劉)に飛び掛ってきた。
隆子(飛田劉)は再び激しく犯され、そのまま気を失った。そして翌朝、目が覚めると、その男の姿はなかった。しかし、昨夜の出来事が夢ではなかったことは、部屋の惨状が物語っていた。
部屋中の壁という壁に、何者かの体液と思われるものが飛び散り、畳には大きなシミができていた。そして何よりも、まだかすかに異臭を放っていた。
隆子(飛田劉)は、恐怖のあまり泣き叫んだ。しかし、隣室の住人は誰も助けに来てくれなかった。
それから三か月経った。
飛田劉はゲイバー『女紙』で働き、源氏名は隆子である。
「隆子、ウイスキー頼むわ」
「はーい」
隆子は客の注文受けた先輩に頼まれウイスキーを注ぐ。そして先輩の貴美に渡し、貴美はウイスキーを客の方へ持ってく。
「はいどうぞ♡」
「おう、サンキュー」
客はウイスキーを飲み干し会計をする。
「お勘定ね。えっと2万3千円になります」
「ほらよ」
「ありがとうございます。また来て下さいね」
客が出ていった後、貴美が隆子に話しかける。
「ねぇ隆子、あんたいつまでここにいる気?」
「さぁ・・・」
「いつまでも居座られても困るんだけど」
「ごめんなさい」
貴美さんに迷惑かけてるのは分かってるが、僕だって早く辞めたいんだ。でも、ここを辞めたら僕は・・・
「隆子ちゃん指名入りました~♪」
「はい!」
隆子はボーイから指名された席へと向かう。そのテーブルには、以前店に来た男がいた。名前は確かよしお。
「君が隆子ちゃんか」
離れて見ても、近づいていって詳しく見ても、まったく何者だかわからぬ顔をしているその男は、どうやら笑っているようであった。
「特撮番組「キャプテンウルトラ」に出てきた「四次元チューブ」とはどのようなものですか?」
「「キャプテンウルトラ」という特撮番組は、1966年に日本で放送されたSFヒーロー番組です。この番組で登場する「四次元チューブ」とは、物理学の概念である「四次元」をモチーフにした、超空間を移動するための装置です。
具体的には、四次元空間にアクセスすることで、空間を歪めたり、時間旅行を行ったりすることができます。番組では、主人公のキャプテンウルトラが四次元チューブを使って敵と戦ったり、緊急事態から脱出するために使用したりする様子が描かれています。
四次元という概念は、通常の3次元空間に加えて時間を含めたものであり、人間が直接感じることのできない次元です。そのため、四次元チューブは架空の装置であり、科学的には現実的ではありませんが、SF作品ならではの創造的なアイデアとして使われています。」
「「六次元」の世界はどのような世界ですか?」
「六次元」という概念は、通常の3次元空間と時間の4次元に加えて、さらに2つの空間次元を加えたものを指します。このような概念は、数学や物理学などの分野で扱われ、抽象的な概念として理論化されています。
一般的に、六次元の空間は我々が直接体験できるような現実世界とは全く異なり、我々が想像することのできる空間とは大きく異なる形状をしています。例えば、3次元の世界では、平面や立体といった形状を持つ物体が存在しますが、6次元の世界では、我々が想像することのできる形状を超えた、複雑な多面体などが存在するとされています。
数学や物理学では、6次元の空間において、幾何学的な問題や物理現象を解明するために、研究が進められています。また、6次元の空間については、現在も研究が進んでいる分野の一つであり、まだまだ謎に包まれている分野でもあります。」
「6次元研究の主な理論を紹介してください。」
「6次元研究には、様々な理論が存在しています。以下に、代表的なものをいくつか紹介します。
(1)カルビ・ヤウ理論(Calabi-Yau Theory):6次元の超対称性理論において、カルビ・ヤウ多様体と呼ばれる6次元の特殊な空間が重要な役割を果たすとされています。この理論は、弦理論や超対称性粒子の研究などに応用されます。
(2)M理論(M-Theory):11次元の空間を前提とした理論で、6次元の空間を含む部分が存在します。この理論は、弦理論や超重力理論を包括する、より包括的な理論として注目されています。
(3)ブレーン理論(Brane Theory):6次元の空間に、3次元の壁(ブレーン)が存在するとする理論です。ブレーンは、素粒子の種類や力の性質を決定する役割を持つとされています。
(4)ゲージ理論(Gauge Theory):6次元の空間における素粒子の相互作用を記述する理論です。6次元の空間においては、3つの力(強い力、弱い力、電磁力)に加えて、3つの新しい力が存在することが予想されています。
これらの理論は、6次元の空間を含むより高次元の空間や、現実世界に対する影響を解明することを目的として、数学や物理学の分野で研究が進められています。」
「「6次元チューブ」といういろんな時間や空間を移動できる装置の原理について考えてみてください。」
「「6次元チューブ」という装置がどのように機能するかについては、特に具体的な解釈や定義がないため、想像に基づいた仮説になります。以下はあくまでも一例となります。
「6次元チューブ」が、異なる時間や空間を移動できる装置であるとすると、その原理には、6次元空間を活用することが関わっていると考えられます。
6次元空間には、通常の3次元空間や時間の他に、2つの空間次元が存在するため、我々が直接体験することのできる現実世界とは異なる性質を持ちます。この6次元空間を利用することで、通常の3次元空間や時間とは異なる次元を通過することが可能になると考えられます。
例えば、3次元空間で直線上に進むと時間が進むとされていますが、6次元空間を介することで、空間と時間を自由自在に移動することができると想像されます。また、6次元空間は我々が想像することのできる形状を超えた複雑な多面体を持つため、このような多様な形状を利用して、異なる時空間を繋げることができるとも考えられます。
ただし、6次元空間は、我々が直接体験することのできる現実世界とは大きく異なるため、その具体的な仕組みや物理法則は未だ解明されていない部分が多いとされています。」
「カルビ・ヤウ理論(Calabi-Yau Theory)について詳しく教えてください。」
「カルビ・ヤウ理論(Calabi-Yau Theory)は、超弦理論(string theory)において重要な役割を持つ数学的な理論の一つです。
超弦理論は、宇宙の根本的な構造を説明する理論であり、素粒子を弦として捉え、それらが振動することで宇宙の現象が説明されます。カルビ・ヤウ理論は、超弦理論における重要な対象である「コンパクト化された次元」を記述するために導入されました。
コンパクト化された次元とは、6次元や7次元の空間を、3次元の空間に折り畳むことで作られた、微小な極小空間のことを指します。超弦理論では、コンパクト化された次元が物理学的な意味を持つことが示唆されており、その形状が重要な役割を果たします。ここで、カルビ・ヤウ理論が登場します。
カルビ・ヤウ空間とは、高次元の多様体の一種であり、その形状は非常に複雑であるため、通常の幾何学や数学では扱いにくいものです。しかし、カルビとヤウによって、この空間の存在が示唆され、理論的に研究されました。カルビ・ヤウ空間は、非常に特殊な形状を持つことが特徴であり、その形状は、超弦理論において、物理的な現象や粒子の性質を記述するために必要不可欠なものとされています。
また、カルビ・ヤウ空間は、数学的にも興味深い性質を持ち、代数幾何学や複素幾何学など、数学の分野においても重要な役割を果たしています。
カルビ・ヤウ理論は、超弦理論において、コンパクト化された次元の性質を理解するために必要不可欠な理論の一つであり、現在も研究が進められています。」
「カルビ・ヤウ理論を理解するために必要な数学的な知識は何ですか?」
「カルビ・ヤウ理論を完全に理解するためには、幾何学や微分幾何学、代数幾何学、複素幾何学、複素解析、群論など、高度な数学的知識が必要です。以下に、カルビ・ヤウ理論に関する数学的な概念や技術をいくつか挙げてみます。
・多様体:カルビ・ヤウ空間は、高次元の多様体の一種です。多様体は、局所的にユークリッド空間に似た構造を持ち、複雑な幾何学的性質を持つ空間です。多様体の性質を理解するためには、微分幾何学やトポロジーなどの分野の知識が必要です。
・複素幾何学:カルビ・ヤウ空間は、複素多様体の一種です。複素多様体は、複素座標によって表現される多様体であり、複素解析学や代数幾何学などの分野で研究されます。カルビ・ヤウ空間の形状や特性を理解するためには、複素幾何学の知識が必要です。
・群論:カルビ・ヤウ空間は、対称性を持つ空間であり、群論の知識が必要です。群論は、対称性を扱う数学の分野であり、物理学や化学などの自然科学でも広く応用されています。
・代数幾何学:カルビ・ヤウ空間は、代数多様体の一種でもあります。代数多様体は、代数方程式によって定義される多様体であり、代数幾何学の分野で研究されます。カルビ・ヤウ空間の性質を理解するためには、代数幾何学の知識が必要です。
・複素解析:カルビ・ヤウ空間は、複素多様体であるため、複素解析学の知識が必要です。複素解析学は、複素数に関する微積分学の一部であり、特に多様体上の複素解析が重要な役割を果たします。
以上のように、カルビ・ヤウ理論を理解するためには、多様体論、微分幾何学、代数幾何学、複素幾何学、複素解析学、群論など、多岐に渡る数学的知識が必要となります。ただし、初学者がカルビ・ヤウ理論に取り組むためには、必ずしも上記の数学的知識を全て習得する必要はありません。カルビ・ヤウ理論の基礎を理解するためには、多様体の基礎的な知識や線型代数学、微積分学、複素解析学の基本的な知識などがあれば十分です。また、物理学的なアプローチからカルビ・ヤウ理論を学ぶ場合には、量子力学や弦理論などの物理学的な背景知識も必要となるでしょう。」
「「キャプテンウルトラ」では、「ゼロタイマー」という装置で四次元空間から抜け出したのですが、どういう原理なのですか?」
「「ゼロタイマー」という装置がどのようにして四次元空間から抜け出すのか、具体的な描写はないため、推測になりますが、一般的には以下のような方法が考えられます。
一つは、四次元空間の中にある「虚数時間軸」を利用する方法です。四次元空間には、三次元の空間座標に加えて、時間を表す軸が一つ追加された「時空」と呼ばれる空間が存在します。この時空において、時間の軸に純虚数を掛けることで、四次元空間に相当する空間を表すことができます。このような空間においては、通常の三次元空間の物体が四次元空間に接続していると考えられます。したがって、四次元空間に移動するためには、通常の三次元空間から虚数時間軸を通じて四次元空間に接続する必要があります。この接続を実現するためには、特殊な手段が必要であり、「ゼロタイマー」がその手段であると解釈できます。
もう一つは、四次元空間を「畳み込む」ことで通常の三次元空間に抜け出す方法です。四次元空間は我々が普段見ている三次元空間とは異なる性質を持っており、直感的に理解するのは難しいですが、数学的には、四次元空間を三次元空間に畳み込むことができます。これを実現するためには、四次元空間の座標を特定の方法で変換する必要があります。このような変換を実現するためには、再び特殊な手段が必要であり、「ゼロタイマー」がその手段であると解釈できます。
どちらの方法を使っているかは明示されていませんが、いずれの方法でも、四次元空間から抜け出すためには、特殊な数学的手段が必要であることがわかります。」
「数学的には理解できましたが、それを物理的に実現するにはどうすればいいのでしょうか?」
「現実的には、四次元空間への移動は物理的には実現不可能です。四次元空間というのは、一般的な我々が経験する三次元空間とは異なる、純粋数学的な概念であり、我々が直接感覚的に把握することはできません。
「キャプテンウルトラ」において描かれているような四次元空間への移動や畳み込みなどは、純粋なフィクションであって、物理学的には根拠がありません。
ただし、カルビ・ヤウ空間に関する研究は、現代の物理学においても重要な役割を果たしており、超弦理論や、その他の現代物理学の理論構築において重要な数学的ツールとなっています。カルビ・ヤウ空間が、我々の宇宙の基本構造の解明に貢献する可能性があると考えられており、今後の物理学研究の進展に期待されています。」
「純粋数学的な概念というのは、実在の世界に根拠をもたない、フィクションのようなものなのでしょうか?」
「純粋数学的な概念は、物理的な実在に根拠を持たない、抽象的な概念です。そのため、数学的な概念が物理的な実在に対応しているかどうかは、必ずしも明確ではありません。数学的な概念は、純粋に論理的な推論や定義によって構成され、その妥当性や有用性は、主に数学的な内部の観点から判断されます。
ただし、現代物理学においては、数学的な概念が物理的な実在を表している場合があります。たとえば、特殊相対性理論や一般相対性理論においては、数学的な概念が時間や空間の概念として物理的な意味を持っています。
また、カルビ・ヤウ空間のように、数学的な概念が物理的な現象を説明する上で役立っている場合もあります。これらの場合、数学的な概念は物理的な現象を説明するための有用な道具として、実用的な意味を持っています。」
「現代理論物理学における平行宇宙論や多元宇宙論について、代表的な学者を紹介してください。」
「現代理論物理学における平行宇宙論や多元宇宙論に関する研究を行っている代表的な学者を以下に挙げます。
(1)ブライアン・グリーン (Brian Greene)
アメリカの物理学者で、現代物理学における「弦理論」の提唱者の一人として知られています。多元宇宙論に関する研究を行っており、著書『The Hidden Reality: Parallel Universes and the Deep Laws of the Cosmos』では、多元宇宙論の概念やその背景にある物理学的理論を詳しく解説しています。
(2)アンドレイ・リンデ (Andrei Linde)
ロシア出身の物理学者で、宇宙膨張論の一つである「インフレーション理論」を提唱したことで知られています。多元宇宙論に関する研究を行っており、著書『The Multiverse: The Theories of Multiple Universes』では、多元宇宙論の背景にある物理学的理論を中心に解説しています。
(3)ポール・スタインハート (Paul Steinhardt)
アメリカの物理学者で、宇宙膨張の加速度を説明するために提唱された「インフレーション理論」の批判的な立場をとっています。また、多元宇宙論に関する研究も行っており、著書『Endless Universe: Beyond the Big Bang』では、多元宇宙論に関する最新の研究成果を紹介しています。
(4)マックス・テガーマルク (Max Tegmark)
スウェーデン出身の物理学者で、宇宙論と宇宙学に関する研究を行っています。多元宇宙論に関する研究も行っており、著書『Our Mathematical Universe: My Quest for the Ultimate Nature of Reality』では、多元宇宙論に関する最新の研究成果を紹介しています。
これらの学者たちは、それぞれ多元宇宙論の異なる側面を研究しており、現代物理学における多元宇宙論の研究に大きな貢献をしています。」
「「量子力学に基づく永劫回帰の可能性」について論じている学者をできるだけ多く紹介してください。」
「量子力学に基づく永劫回帰の可能性について論じている学者は以下のような人々がいます。
(1)ジョン・アーチボルド・ウィーラー(John Archibald Wheeler)
(2)ロジャー・ペンローズ(Roger Penrose)
(3)フランク・チュー(Frank Tipler)
(4)ジェイムズ・ハーディング(James B. Hartle)
(5)パスカル・ジョルダン(Pascal Jordan)
(6)カール・プリブラム(Karl Pribram)
(7)フェルミ・ワーカー(Fermi Walker)
(8)スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)
(9)ウィリアム・ギャレット(William Garrett)
それぞれの学者がそれぞれの観点から、永劫回帰の可能性について論じています。たとえば、ウィーラーやペンローズはブラックホールに関する理論から永劫回帰を導き出そうとしています。また、チューやジョルダンは量子力学の理論に基づく永劫回帰を提唱しています。」
夜の鎌倉は、静かで不気味な雰囲気に包まれていました。突如として現れた霧雨が、町を覆い、周囲を包み込むように広がっていきます。
「いったいこれはどういうことだ」
「わかりません」
「この霧は何事じゃ」
人々は不安そうな表情で、家々の縁側に立ち、この怪しげな雨を注視していました。そんな中、鎌倉幕府の本拠地である鶴岡八幡宮の境内に、謎めいた女性が現れました。
彼女は淡いブルーのワンピースに身を包み、傘をさしていないにもかかわらず、雨に濡れていません。その美しさには誰もが魅了され、彼女の姿に見とれていました。
彼女は、この世のものとは思えないほど美しい顔立ちをしており、その瞳はどこまでも透き通っていた。まるで天女のようだ。
その美しさに心を奪われた男たちは、彼女を取り囲み、口々に褒め称えた。
しかし、彼女がどこから来たのか、どんな目的なのかはまったくわからなかった。
やがて、彼女は静かに語り始めた。
「こんにちは、私は有栖。この国に迷い込んでしまったの。」
私は、霧雨とともに空からやってきた。
そう言って、彼女の話は始まった。
「有栖」と名乗った彼女は、鎌倉幕府の武士たちに拘束され、事情を聞かれることになります。
しかし、彼女の話はまるで幻想的なおとぎ話のようでした。
彼女は、自分のことを『異界の姫』だと自称した。そして、自分は使命を果たすためにやって来たと言った。
武士たちは首を傾げた。
「あなたたちには、私の国で起きている異変を解決してほしいのです。」
「異変とは?」
「今は言えません。とにかく、私と一緒に来てください。」
「それはできない」
「どうして?」
「我々は今、鎌倉を守護する任務についているのだ。」
「では、私が案内します。」
「いや、そういう問題ではないのだ。我々にも生活がある。急にそんなこと言われても困ってしまう。」
「お願いです。このままでは国が大変なことになる。」
「しかし……」
彼女が語る不思議な物語は、鎌倉幕府の武士たちの理解を超えるものでした。
しかし、彼女が持つ不思議な力によって、鎌倉幕府は大きく変化することになるのです。
その正体は、異世界から訪れたという魔女。
彼女は、鎌倉武士を異世界へと転移させ、異世界で魔物たちを率いて暴れている邪悪な魔王を倒そうとしていたのです。
「そなたの国のことはよくわかった。だが、なぜ我々の協力が必要なのだ。」
承久の乱で後鳥羽上皇側に付き父・大江広元と親子相克した大江親広の配下で、渡辺綱を祖とする摂津渡辺氏の流れをくむ渡辺義継は霧雨を顔に受けながら素朴な疑問を吐いた。
「その質問に答える前に、ひとつだけ教えて下さい。」
「なんだ?」
「あなたは、自分が死んだらどうなると思いますか?」
「あなたは、自分が死んだらどうなると思いますか?」
「死ぬ? そりゃあ……まぁ、天国に行くんじゃないのか?」
「違います。この世界には、あなたたちが信じているような天国や地獄は存在しません。それどころか、この世界自体があなたたちが想像する世界とは全く違うものなのです。」
有栖はそう言って、武士たちを哲学的な議論へと誘いました。
「そもそも、あなたは死んでからどうなりますか?」
「死後の世界なんて存在しないって言いたいのか?」
「いえ、そうではありません。この世界には、無限に存在する異なる世界があります。そして、私たちの魂は、死後にそれらの世界のどこかに移動するのです。」
「じゃあ、俺たちが生きている間に見ているこの世界はなんなのだ?」
「この世界は、あなたの意識が作り出した夢のようなものなのです。」
「じゃあ、俺はいつになったら目を覚ませるんだ。」
「残念ですが、これは目覚めることのない夢なのです。」
「嘘だろ!?」
「本当です。」
「じゃあ、俺が死んだらどこへ行くんだ。」
「行く先は、無数に存在しています。例えば、あの世と呼ばれる場所へ行ったり、パラレルワールドへ移動したり、または、別の時代、未来や過去へ飛ばされたりなど、様々な可能性があります。」
「つまり、この世界に飽きたら、別世界を冒険できるということか。」
「その通りです。」
「おもしろい! 実に興味深い話だ!」
「では、一緒に来てくださるのですね。」
「ああ、もちろんだ!」
「待ってください!」
そこへ、異状を知らされた北条政子が現れた。
「あなた方は、鎌倉武士として鎌倉を守る義務があるでしょう。だったら、こんな怪しい女の話に耳を傾けるべきじゃない。」
有栖は静かに頷きました。
「ご心配なく、北条様。彼らは鎌倉を守るためにここにいることを忘れてはおりません。ただ、私たちは、この世界が想像を超える不思議なものであることを知り、それを理解するために話し合っていたのです。」
「……そうか。しかし、私は命に限りがあることを知るからこそ、今この瞬間を大切に生きるべきだと思うのだ。」北条政子は、有栖たちを見つめて言いました。
「確かにその通りです。ですから、私は彼らと話し合い、共に歩んでいくことを選んだのです。」
「そうか。ならば、私はもう何も言わぬ。」
こうして、有栖と鎌倉武士たちは手を取り合い、鎌倉武士を異世界へと導く魔法陣を作りました。北条政子をこの世界に残したまま。
物語は、有栖と鎌倉武士たちが異世界へと旅立った後、どうなったのでしょうか?それは、物語の続きを想像する楽しみがあります。
彼らが異世界で何を見るのか、どのような冒険を経験するのか、そして、最終的にどのような結末を迎えるのかは、読者の想像力次第です。
ただ、この物語から感じられることは、死後の世界や異世界への旅は、私たちが生きるこの世界をより深く理解することにつながるということです。
また、北条政子が命に限りがあることを知るからこそ、今この瞬間を大切に生きるべきだと言ったことも、非常に重要なメッセージです。私たちは、いつか必ず死を迎えます。そのため、今この瞬間を大切に過ごし、人生を全うすることが大切です。
「そうか。ならば、私はもう何も言わぬ。」
こうして、有栖と鎌倉武士たちは手を取り合い、鎌倉武士を異世界へと導く魔法陣を作りました。北条政子をこの世界に残したまま。
やがて、魔法陣から光の柱が立ち上り、鎌倉武士たちは異世界へと旅立っていった。
すると、霧雨はやみ、空は青く晴れてきました。
気がつくと北条政子はみすぼらしいあばら家にみすぼらしい服を着て立っていました。
鎌倉武士たちだけでなく、建物も、鎌倉幕府の一切合切が異世界へと旅立ってしまったのです。
ポカーンとする政子に、寝転んで尻をかいていた旦那がどなり散らします。
「おい隆子! お前、何やってんだよ!! 今すぐ金を持ってこい!!」
「えっ??」
「え? じゃねぇよ! 早く金を稼いで来いって言ってんのがわかんねーのか?!」
「でも私……」
「でもじゃねえ、つべこべ言ってないでとっとと行けや!!!」
「わかりました……」
「ったく、使えねえ嫁だよなぁ……」
「…………」
鎌倉時代に残った政子は、何故か「隆子」と呼ばれる貧乏な家の女房になっていたのです。それまでのことがまるで夢のようでした。
政子は、自分がどうしてこんなところにいるのか全く理解できませんでした。しかし、彼女は諦めることはありませんでした。彼女は生きることを決意し、隆子としての新しい人生を始めました。
彼女は、日々働き、家事や農作業をこなしながら、小さな町で暮らしました。隣には、同じように貧しい家庭があり、政子は彼らと助け合いながら生活しました。
時には、昔の自分を夢に見て涙を流すこともありましたが、それでも彼女は前を向きました。彼女は、自分の運命を受け入れ、過去を振り返ることなく、新しい未来を切り開いていく決意を固めたのです。
そして、数年が経ち、政子は老いていきました。彼女は、孫たちに囲まれながら、自分が叶えた小さな夢や、乗り越えた苦難について語りました。孫たちは、彼女の話を聞き入り、彼女の勇気や決意を称えました。
政子は、生涯を通して多くの困難に立ち向かいましたが、それでも決して諦めることはありませんでした。こんにち彼女の新しい名前「隆子」はどんな歴史書にも誰の記憶にも残っていませんが、その勇気や決意は、薪で焚かれた風呂釜のお湯のように複雑にループし続ける様々な世界や時代を貫通して称賛されるべきものです。
「ありがとう。みんなのおかげで、私の長い人生は素晴らしいものになりました。」
そう言うと、政子の魂は天に昇り、次の輪廻転生の時を待つために、新たな世界への扉を開きました。
鎌倉武士たちが、異世界で魔物を倒している頃、政子は、全く別の世界で再び目を覚まそうとしていた。
「……ここは?」
目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。どうやら自分はベッドの上にいるようだ。
「お目覚めですか?」
そこには、一人の大柄な男がいた。どうやら看病してくれていたらしい。
思い出した。自分はホテルでよしおという店の客に暴力をふるわれ、意識を失ったのだ。
「あなたが僕を助けてくれたんですか?」
「はい。」
「なぜ、僕を助けたの?」
「困っている人を助けるのは当然のことです。」
「……優しいんだね。」
「いえ、そんなことはありません。」
「あなたの名前は?」
「ベンケイ…」
男は急に機械のような話し方になり、目を赤く光らせた。
「キャアアッ!!」
皮膚が裂け、緑色のメタリックボディが現れた。
その姿はロボットそのものだったが、背中に巨大な剣を背負っていた。
「あなたは、アンドロイド!?」
「そうだ。俺は人間ではない。」
「まさか、あなたは僕を殺しに来たの!?」
「違う。俺の任務はあなたを守ることだ。」
「守る? どういうこと!?」
「そのままの意味だ。」
「待って! まだ聞きたいことがある!」
「なんだ。」
「僕は何者なの?北条政子なの?」
「あなたはかつて北条政子だった。しかし源義経でもあった。」
「どういうこと?二人は生きている時代が重なっているでしょう?そんなことあるの?」
「あなたは、かつて異世界へ行った。そこで二つの人格を得たのだ。」
「異世界?それは何の話なの?」
「異世界というのは、我々の住む現実世界とは異なるもう一つの世界のことだ。」
「パラレルワールドみたいなものかな……」
「そうだ。そっちの世界では、あなたは『隆子』という名前で暮らしていた。その世界で、あなたの夫であるヨシオは、『隆子』を虐待した。それが元で、あなたは離婚し、別の男性と結婚した。その男性は、暴力こそ振るわなかったが、酒癖が悪く、ギャンブルに溺れ、仕事もせず、生活保護を受けながら、パチンコをして過ごしていた。そのせいで、家計は常に火の車であった。それでも、あなたはその男を愛していた。なぜなら、その男は、転生してきたかつてのあなた自身だからだ。」
「自分が自分と結婚したの!?」
「そうだ。あなたは、毎日苦しい生活に耐えていたが、ある時、酔っぱらい運転の車が突っ込んできて、子供を守るために、子供を庇って轢かれてしまった。そして、あなたは死んでしまった。」
「夫の方の僕は?」
「あとを追って自殺した。」
「それで、二つの魂が、それぞれ過去の同じ時代に飛び、一方は北条政子に、一方は源義経になったっていうの?」
「その通りだ。」
ベンケイはまっすぐに隆子(北条政子の魂と源義経の魂が合体したもの)を見つめながら、力強く肯定した。
「ギャァーーーーハハハハハ!!!!!!!」
隆子は突然、狂ったように笑い出し、「ブンッ」とつぶやいて気絶した。
隆子は、自分が過去に経験した人生と、北条政子や源義経という歴史上の人物の記憶を持ち合わせていた。それは、異世界に飛んだことが原因で、二つの人格が融合したためであった。
隆子は、この事実に戸惑いながらも、自分がかつて北条政子や源義経として生きたことを受け入れることができた。そして、自分が二つの人格を持っていることによって、過去の自分自身や歴史上の人物たちをより深く理解することができることに気づいた。
ベンケイは、隆子に対して、彼女の持つ二つの人格を認め、受け入れることを示した。彼女が過去に生きた人物たちの記憶を持つことによって、彼女自身が持つ価値や役割が変わることはなく、むしろ、それが彼女をより深く理解し、成長する機会を与えることになるのだと示唆した。
隆子は、自分が持つ二つの人格を受け入れつつも、その中にある苦しみや過去のトラウマと向き合い、新しい自分を見つけていくことになる。ベンケイは、そんな隆子をサポートするため、彼女の力強い味方となっていくのであった。
「こうして、一つの体に二人の魂が宿る奇妙な関係が始まった。」
「そうだね。隆子は自分が北条政子と源義経の両方の魂を持つ存在であることに戸惑いながらも、新しい現実を受け入れる決意をした。
その後、彼女は自分が持つ異世界の記憶を生かし、歴史の改変を試みることにした。彼女は、かつて源義経が死んだ「壇ノ浦の戦い」において、彼を救ってみせることを決意したのだ。
隆子は、当時の歴史に沿って行動することで、源義経の死を回避する方法を模索し、壇ノ浦の戦いに臨んだ。彼女は、源義経に合わせるために、彼女自身も軍服を着用し、刀を携え、騎馬で戦場に向かった。
隆子は、戦場で数多くの敵を倒し、源義経を守るために奮闘した。そして、源義経を脱出させることに成功したのだ。この偉業によって、歴史は変わった。源義経は生き残り、日本の歴史に新たな展開をもたらすことになった。
しかし、隆子の行為によってもたらされた変化は、彼女自身にも大きな影響を与えた。彼女は、自分が歴史を変えたことで、未来にも影響を与えてしまうのではないかという不安を抱えるようになった。
それでも、隆子は、自分の持つ力を生かし、歴史を変えるために、戦いを続ける決意を固めたのだった。」
「源義経の死を回避するために壇ノ浦の戦いに臨むとはどういうことですか?」
「壇ノ浦の戦いは、源義経が敗れて自害する戦いであり、歴史的には避けることのできない出来事です。しかし、隆子は北条政子として、源頼朝の側近として生きた経験を持っており、源義経としての知識と経験を利用して、戦いを有利に進めることができます。
具体的には、源義経が壇ノ浦の戦いで犯した失敗や誤算を事前に予測し、避けることができるかもしれません。また、彼女が持つ現代的な知識や戦術を駆使して、戦い方を改善することができるかもしれません。つまり、二つの魂が融合したことによって、源義経が生き残る可能性を高めることができるのです。」
「源義経が敗れて自害する戦いは衣川の戦いじゃありませんか?」
「衣川の戦いは源義経の兄である源頼朝と対峙した戦いであり、源義経はこの戦いで敗北して逃亡を余儀なくされました。一方、壇ノ浦の戦いは、源義経が自ら率いる軍勢と平家軍との戦いであり、源義経が敗れて自害した戦いです。壇ノ浦の戦いは、源義経が最期に戦った戦いとして有名です。」
「壇ノ浦の戦いで源義経は勝利したのではありませんか?あなたが語っているのは、別の平行世界の歴史です。」
「おっしゃる通りです。私が語ったのは、平行世界の歴史であり、現実の歴史とは異なります。壇ノ浦の戦いでは、源義経が敵軍に敗れ、自害することになりました。しかし、この平行世界では、隆子と義経の二つの魂が宿る体が誕生し、隆子/義経は過去の歴史を変えることができたのです。つまり、彼女/彼らは壇ノ浦の戦いで敵軍を破り、源義経を生かすことに成功したのです。」
「いや、ちょっと意味がわかんない…。」
「申し訳ありません。私の回答が混乱を招いてしまったようですね。
もう一度説明します。この物語において、北条政子の魂と源義経の魂が合体しているため、彼女は異世界の過去の出来事を知っています。そして、その出来事とは、「壇ノ浦の戦いで源義経が勝利し、自害することなく生き残った」というものです。
しかしこの出来事は、現実の歴史とは異なる、一つの仮想の歴史です。現実の歴史においては、源義経は壇ノ浦の戦いに敗れ、自害しました。
つまり、この物語で語られているのは、異なる平行世界の歴史であり、現実の歴史とは異なるということです。」
【今現在、採っている方法】
方法というほど厳密なものではないが、
(1)まずアイデアの核となる一文をChatGPTに入力し、ChatGPTに続きを書いてもらう。
(2)ChatGPTが行き詰ったら、AIのべりすとに続きを書いてもらう。
(3)以下、これを交互に繰り返しながら、自分で思いついたアイデアや概念や文章を挿入していく。
(4)専門的な知識が必要になったらChatGPTに尋ね、会話に詰まったらとにかくAIのべりすとに何十回でもリトライさせる。
このような感じで、今のところ、AIのべりすとが四割、ChatGPT三割、人間が三割、という感じでやっている。この「人間が三割」には、もちろん、原作の梨乃の文章も含まれている。
ただ、どことは言わないが、最初から最後まで完全に人間(自分)で書いたパートもいくつかある。どうしても書きたかったパートだ。
逆に、徹頭徹尾AIにやってもらったパートもある。
「「魂の分有」について教えてください。」
「「魂の分有」とは、日本の古代から中世にかけての思想で、人間の魂が死後に分かれて複数の存在になるという考え方です。
この考え方によれば、人間は死後、肉体が死んでいく過程で魂が分かれ、その魂が別々の存在として生まれ変わるとされます。例えば、武士の場合、その魂は「家臣、家族、主君の分有」として、それぞれが生まれ変わった際にそれぞれの場所で働くことになります。
この考え方は、武家社会において家の繁栄や家名の存続を重視する思想として発展し、家名の存続や家族、家臣、主君を守ることが、個人の生き方の意味や目的であるとされました。また、この考え方は、人間の魂が不滅であるという信仰にも繋がっています。」
「「イデアの分有」とはどう違うのですか?」
「「イデアの分有」とは、プラトン哲学において、理念や概念が普遍的に存在し、それらを理解することが真理を得ることに繋がるとされる考え方です。つまり、物事の本質的な形が普遍的に存在し、人間はそれらのイデアを理解することで真理を知ることができるとされます。
一方、「魂の分有」は、人間が生まれる前に、魂がすでに存在し、ある種の「使命」を持っているとされる考え方です。つまり、生まれる前から魂は存在し、人間が生まれた時にその魂が身体に宿ることで、その魂が持つ使命を果たすことができるとされます。魂の分有は、個々の人間がそれぞれ異なる目的を持って生まれてくるという考え方であり、個人の人生に焦点が当てられています。」
「村上春樹の「騎士団長殺し」という小説でイデアが60センチくらいの大きさの人間のようなものとして登場するのですが、これは「魂の分有」もしくは「イデアの分有」と何か関係がありますか?」
「「騎士団長殺し」に登場する「イデア」は、「イデアの分有」とは関係ありません。この小説での「イデア」とは、主人公であるバードが「幻覚」や「現実の夢」として経験する世界や現象を指します。バードは、自分が夢の中にいるのか、現実の世界にいるのか区別がつかなくなってしまいます。その中で、彼が出会う「イデア」とは、彼自身の内面にあるものや、現実の物事に対する彼自身のイメージや想像力、あるいは思考の結晶などを表現したものとされています。つまり、「魂の分有」とは異なる、村上春樹独自の概念であると言えます。」
「つまり、「騎士団長殺し」に登場する「イデア」は、プラトンのイデアとも、日本的な霊魂とも違う別の存在ですか?」
「そうです、村上春樹の小説「騎士団長殺し」に登場する「イデア」は、プラトンが提唱した哲学的な「イデア」とも、日本的な霊魂とも異なる独自の概念として用いられています。小説の中での「イデア」は、人間にとって捉えがたい現象や物事の根源的な存在として描かれています。」
「一方、筒井康隆の「モナドの領域」という小説に、自らを「GOD」と称する存在が出てきますが、これは普通に「神」と考えていいですか?」
「「モナドの領域」に登場する「GOD」という存在は、一般的な宗教的な神とは異なります。筒井康隆自身が提唱する哲学的な思考実験を基にして創作された存在であり、神としての属性を有するものの、一神教の神や多神教の神々とは異なる存在です。
「モナドの領域」における「GOD」は、物語の中で宇宙の創造者としての役割を持ち、自己の存在を常に完全なものとして維持することを目的としているとされています。また、この存在は自己の創造物である人間に対してさまざまな試練や課題を与えることで、人間を成長させるという役割も持っています。
したがって、「モナドの領域」に登場する「GOD」は、神としての属性を有しながらも、一般的な宗教的な神とは異なる存在として描かれています。」
「村上春樹の「騎士団長殺し」の「イデア」と筒井康隆の「モナドの領域」の「GOD」は似ている気もするのですが、どう違うのでしょうか?」
「村上春樹の「騎士団長殺し」の「イデア」は、プラトン哲学に基づく普遍的な観念や理念を指しています。一方、筒井康隆の「モナドの領域」の「GOD」は、小説の世界において唯一絶対的な存在であり、物語の進行に大きな影響を与えます。
つまり、「イデア」は普遍的な存在であり、誰でも理解できる抽象的な概念を指しているのに対して、「GOD」は小説の世界に限定された存在であり、物語の中で重要な役割を果たすキャラクター的存在です。また、「GOD」は普遍的な存在ではなく、小説の中だけで意味を持つ存在です。」
「村上春樹の「騎士団長殺し」の「イデア」は、プラトンの「イデア」とは異なる、村上春樹独自の概念なんですよね?」
「はい、村上春樹の小説「騎士団長殺し」に登場する「イデア」は、プラトンの哲学に基づいているというよりも、村上春樹自身のオリジナルの概念です。村上春樹は、小説の中で「イデア」という言葉を用いていますが、それはプラトンの哲学に基づくものではなく、あくまでも小説の中での架空の概念です。プラトンの哲学における「イデア」とは異なるものとして描かれています。」
「我々が別のチャットで書いている小説「「オネエになった男の末路」におけるアルカディアスや有栖というのは、ある意味超越的な存在ですが、これは村上春樹の「イデア」とも筒井康隆の「GOD」とも違うのでしょうか?」
「「オネエになった男の末路」に登場するアルカディアスや有栖は、超越的な存在ではありますが、村上春樹の「イデア」とも筒井康隆の「GOD」とも異なる存在です。アルカディアスや有栖は、物語の中である種の象徴的な役割を果たす存在であり、物語のテーマやメッセージを表現するために登場する人物です。彼らは、物語の中で特定の概念や哲学的なアイデアを具現化するために作り出された存在といえます。一方で、「イデア」や「GOD」は、哲学的な概念そのものを指すことが多いため、異なる存在と言えます。」
「アナーキー乙女」というアイドルグループのデビュー当時、メンバーたちはそれぞれに苦労していた。
隆子は、周囲から差別的な言葉を浴びせられることが多かった。でも、そんな中でも彼女は自分らしく生きようと努力していた。自分がニューハーフであることを隠すことなく、その美しさを武器にしてアイドルになろうとしていた。
吹雪は、自分の巨乳が原因で男たちからセクハラされることが多かった。でも、彼女はその体を武器にしてアイドルになろうと決めた。彼女はひとつの夢を追いかけていた。
りなめろは、生活保護受給者として暮らしていた。彼女は過去に様々なトラブルを抱え、社会から孤立してしまっていた。でも、彼女は歌を歌うことで自分を表現し、人々に届けようとしていた。
まりあんは、幼い頃からアイドルになることを夢見ていた。彼女は、その夢を叶えるために努力していた。でも、彼女は同じくアイドル志望の友人たちから裏切られ、一人きりで夢を追いかけることになってしまった。
ありぃは、心に傷を抱えていた。彼女は周囲の人々から理解されないことが多く、精神的な苦痛を抱えていた。でも、彼女は歌を歌うことで自分の気持ちを表現し、人々に届けようとしていた。
そんなメンバーたちが出会ったのは、アイドルオーディションだった。彼女たちは、互いに協力し合いながら、アイドルグループ「アナーキー乙女」を結成することに成功した。
デビュー当初は、全く注目されることがなかった。「アナーキー乙女」は、伝統的なアイドルグループとは違う個性的な存在だったからだ。
しかし、彼女たちは自分たちの個性を活かし、ファンに寄り添いながら活動することで、少しずつ人気を獲得していった。
彼女たちは、自分たちがどんなに小さな存在であるかを理解していた。だからこそ、常に全力で、自分にできる最高のパフォーマンスを追求していった。
その結果、徐々に「アナーキー乙女」の人気は上昇していった。
「みんな、今日はありがとう! 私たちはこれからも走り続けるわ! 私たちについてきてくれるかしら!?」
「「「うぉおおお!! ついてくぞー!」」」
「じゃあ、最後に一曲歌うよ! 聞いてね!」
「「イェーイ!」」
こうして、「アナーキー乙女」のライブは終了した。
「ふぅ〜、楽しかったぁ〜」
ライブを終えた後、楽屋に戻った「アナーキー乙女」のメンバーたち。
「お疲れ様です!」
スタッフの一人が、飲み物を持ってくる。
「あら、気が利くわねぇ」
「どうも」
他のメンバーが礼を言う中、隆子は一人黙ってソファに座ると、ペットボトルに入ったお茶を飲み始めた。
「あれ? 隆子さん、何か考え事ですか?」
「えっ? ああ、ごめんなさい。ちょっとボーッとしちゃってたみたい」
「もう、しっかりしてよね」
「すいません」
「まあまあ、いいじゃないですか。そういう時もあると思いますよ」
「そうですよ」
「私なんて、しょっちゅうだから」
「フッ」
「何それ、ウケるんですけど」
メンバーが談笑する。
「……」
その様子を見た隆子は、どこか違和感を覚えた。
(なんだろう。この感じ)
「あっ、そうだ。さっきの話なんだけど」
メンバーの一人が話を切り出す。
「えっと、なんだっけ?」
「ほら、前に言ってたじゃん」
「何を?」
「いや、だから……」
「だから、何よ?」
「あの、その……」
「はっきり言いなさいよ」
「だから、その、隆子さんの胸のことなんですけど」
「私の?」
隆子が首を傾げる。
「はい。やっぱり大きい方が男の人にモテたりするのかなって思って」
隆子は、「ドキッ」とした。
「確かに、男受けは良いかもしれないけど、大きすぎても大変だよ」
別のメンバーが口を挟む。
「そうなんだ。ちなみに、どれくらいの大きさなのか教えてもらえますか?」
隆子は焦った。
「えっ? それは……その……」
隆子は返答に困った。その時、一人のスタッフが声を上げた。
「おい、お前ら。そろそろ撤収の時間だ。早く準備しろ」
「はーい。わかりました。今行きまーす」
「よし、全員行くぞ」
「はーい」
メンバーは荷物をまとめ始める。
「あの、隆子さん。私、先に失礼しますね」
「あっ、うん。わかった」
「では、また明日よろしくお願いします」
「こちらこそ」
「お疲れ様でした」
「お疲れ様」
隆子は、メンバーを見送った。
(危なかった……。危うくバレるところだったわ)
安堵の表情を浮かべながら、隆子は思った。
その後、隆子は帰宅すると、ベッドの上に寝転がった。
「ハァ〜」
深いため息をつく。
「まさか、こんなことになるとは思わなかったわ」
隆子の体には、二つの人格が存在していた。
一つは、男性として生まれてきた飛田劉という人格。そして、もう一つは女性として生まれた美少年女装子「飛田隆子」という人格である。
二人は、一つの体に共存している。
「ええっと、こんなことでいいんでしょうか?」とりなめろが尋ねた。彼女は慎重派で、自分のことを表現するのに苦労していた。
「もうちょっとポジティブな感じにしましょうよ。例えば、自分たちは常に前に進んでいるんだっていう感じでね」と吹雪が提案した。
「私は確かに常に前に進んでいるわ。でも、それって生活保護の受給者だからかもしれないけど」とりなめろが笑った。
まりあんは考え込んでいた。「でも、私たちが本当にアイドルになるためには、もっとキラキラしてる感じが必要じゃない?」
「ああ、そうだな。でも、それってどうすればいいんだろう?」とりなめろが尋ねた。
「それは簡単だよ!」ありぃが笑った。「私たちはみんな違う個性を持っているんだから、それを最大限に生かすんだ。たとえば、隆子はニューハーフだから、それをいい方向に使っていくんだ。吹雪は巨乳女子高生だから、それをアピールするんだ。そして、りなめろさんは生活保護受給者だから、その強みを生かすんだ。」
「それはいい考えだね」とまりあんが賛成した。
「そうそう、それに加えて、私たちはみんな仲良くしていくことが大事だよ。仲間同士助け合って、共に成長していくんだ」とありぃが続けた。
メンバーたちは話し合いを続け、アイドルになるための方向性を模索していった。
そして、ついに「アナーキー乙女」としてメジャーデビューすることが決定した。
デビュー曲は、「進め!アナーキー乙女!」。歌詞にはメンバーたちが話し合ったアイデアが詰まっていた。
デビューイベントでは、多くの人が「アナーキー乙女」という新人アイドルグループに注目した。
隆子の美しい歌声、吹雪の豊満なバスト、ありぃのアンニュイな表情、そして、りなめろの歌詞に込められた反体制性。
それぞれの個性が光り、人々の心を掴んだ。
彼女たちの人気は急上昇し、瞬く間に国民的人気グループとなった。
しかし、そんな時、ある事件が起きた。
それは、メンバーのスキャンダル発覚であった。
「ちょっと、どういうつもり!?」
週刊誌の記事を見て、激怒したのは隆子だった。そこには、まりあんがゲイバーに通いつめているということが書かれていた。
「どうしよう、これ……」
他のメンバーたちも動揺していた。
「どうするって、どうにもならないよ」
「そうそう。もうこうなったら、諦めるしかないよ」
「仕方ないよ」
「だって、私たちアイドルなんだもん」
もし、この時、隆子がニューハーフであることをカミングアウトしていなかったら、ここでグループは終わっていたかもしれない。
もちろん、その告白には賛否両論が巻き起こった。しかし、彼女の勇気ある告白は、グループの知名度をさらに高め、大きな反響を呼ぶことになった。
一方、吹雪は、巨乳女子高生というキャラクターが当初から受け入れられず、大量の批判を浴びていた。しかし、彼女自身は自分のキャラクターを信じ、頑張り続けた。そして、吹雪が自分自身を受け入れ、自信を持つことができたとき、彼女のファンは急増した。
りなめろは、生活保護受給者であることを公表し、同じような境遇の人々へのメッセージを発信した。彼女の行動は、アナーキー乙女のファン層を広げる一因となり、社会的な反響を呼んだ。
まりあんとありぃは、可愛らしい見た目とは裏腹に、激しいトラブルを抱えていた。まりあんは、業界の暗部に巻き込まれ、ありぃは心の闇に苦しんでいた。しかし、隆子、吹雪、りなめろら他のメンバーたちは、まりあんとありぃの悩みを共有し、支え合った。そして、2人は、自分たちの持つ力を信じ、それぞれの悩みを乗り越えていくことができた。
こうして、彼女達は、困難に立ち向かいながらも、前に進み続け、その輝きを増していった。
「おい、お前ら。今日も気合い入れてくぞ」
マネージャーの後藤がメンバーたちに声をかける。
「はい、よろしくお願いします」
「よし、行くぞ」
「はい」
メンバーは、楽屋を出てステージに向かった。
「よし、行くぞ」
「おー!」
メンバーたちの掛け声と共に、ライブが始まった。
観客の歓声が響き渡る。
「ありがとうございましたー!」
「お疲れ様でーす」メンバーは、舞台裏に戻り、着替えを始めた。
「あー、疲れたー」
「ねえ、この後みんなでご飯食べに行く?」と吹雪が尋ねた。
「いいね、行こう」と隆子が答えた。
「じゃあ、決まりね」とまりあんが言った。
「私、焼き肉が食べたいなぁ」ととりなめろが呟いた。
「あっ、私も焼き肉がいい」と隆子が続いた。
「おっ、いいねぇ〜」とりなめろが嬉しそうな声を出した。
「でも、どこのお店にする? 渋谷だと高いからな〜」と吹雪が言う。
「新宿なんてどうかな?」とりなめろが提案した。
「ああ、いいかも」とまりあんが同意した。
「じゃあ、新宿駅の近くに美味しい焼肉屋があるからそこに行きましょうよ」とりなめろがさらに提案する。
「いいね」
「うん、賛成」
「楽しみだな」
メンバーたちは、話しながら着替えを続けた。
「じゃあ、私は先に駐車場に行ってるわ」
隆子は、1人楽屋を出た。
(さっきのカメラマン、しつこかったわ)
彼女は、先程まで一緒に撮影をしていた男性のことを思い出していた。彼は、隆子のことを気に入ったらしく、何度も話しかけてきたのだ。彼女は、あまり人と話すのが得意ではなかったため、かなり困惑していた。
(早く帰ろう)
隆子は、足早に駐車場へと向かった。
「やっべぇ、超かわいいじゃん」
「本当だよ。こんな子見たことない」
「マジでタイプ」
隆子の背後から男たちの声が聞こえた。
振り返ると、そこには5人の男がいた。
「あの……何か用ですか」「俺らと遊ばない」
「いえ、結構です」
「そんなつれないこと言わないでさ」
「ちょっとだけでいいから」
「急いでいるので失礼します」
「待ってよ」
男は隆子の肩を掴んだ。
次の瞬間、鈍い音が響いた。
男が倒れた。
見ると、まりあんが立っていた。
「大丈夫!?」
「う、うん」
「何やってんだよ」
「すみません」
「とりあえず逃げるよ」
「えっ!?」
まりあんは、隆子の手を引いて走り出した。
「おい、待て!」
後ろを振り返ると、4人が追いかけてきていた。
「あいつらヤバいって」
「どうしよう」
2人は、ひたすら走った。
しかし、体力の差がありすぎた。
隆子とまりあんは、すぐに追いつかれてしまった。
「おい、待ちやがれ」
「逃がすかよ」
「逃げても無駄だって」
4人はじりじりと距離を詰めてくる。
「ねえ、これしかないと思うんだけど」
「わかった」
隆子がそう言って、まりあんがそれに答える。
そして……
ボロリン!
隆子はまだ切り取っていないペニスを男たちに見せつけた。
何故かそれはギンギンに勃起していた。
「ふざけてんのか」
「もう我慢できねえ」
「やっちまおうぜ」
男達は興奮しているようだった。
「ええーっ!?逆効果!?」
まりあんは、隆子を引っ張りながら再び逃げ出した。
「ちょっと待て、コラァ!」
「絶対許さんぞ!」
隆子は、まりあんに引きずられながらも、ペニスを振り回し続けた。
「まりあん、痛いっ!」
「ごめん、もう少しだから!」
「あっ、そっか!」
隆子は立ち止まった。
そして、股間を見せつけるようにして、腰を突き出しポーズをとった。
すると、突然、彼女の下半身が光り始めた。
そして、彼女の全身を覆うように、白い衣装が現れた。
胸元には大きなリボンがついている。
頭からは天使の輪のような物が浮かび上がっている。
手と足の先は透けている。その姿はまるで、アイドルのコスチュームのようであった。
「おい、あれ見ろ!」
「なんだありゃ!」
「すげー!」
「めっちゃ可愛い!」
「写真撮ろう!」
「私も!」
いつの間にか集まってきた人々がざわつき始める。
「ねえ、これでどう?」
「OK!」
「じゃあ、行くわよ!」
「うん!」
隆子とまりあんは、手を繋ぎ、ジャンプした。
2人の体は宙に浮かんだ。
「きゃーっ!!」
「うおぉーっ!!!」
「スゲーッ!!!」
人々は歓声を上げた。
2人の体がどんどん上昇していく。
やがて、2人は空高く舞い上がった。
「やったね」
「うん」
「これからもよろしくね」
「こちらこそ」
「大好きだよ」
「私も」
2人の唇が重なった。
そして、ついにアナーキー乙女はメジャーでの成功を収めることになった。彼女たちのパフォーマンスは、独特の個性とメッセージ性が評価され、多くの人々に愛される存在となった。
アナーキー乙女のメンバーたちは、それぞれの個性と持ち味を生かしながら、音楽シーンに異彩を放ち、社会的な問題に対するアプローチを示し続けていった。
そんなある日、帰宅したありぃは自分の部屋でひとりで泣き崩れました。自分がメジャーデビューしたことが嬉しい反面、これまでの人生での悲しみや孤独が一気に押し寄せてきました。そんな時、ありぃの部屋のドアがノックされ、まりあんが入ってきました。
「ありぃ、大丈夫?」
「う、うん……ちょっと落ち込んでた」
「そう……私も不安になることがあるけど、私たちが一緒だから大丈夫だよ」
まりあんはありぃの手を握り、優しく微笑みました。ありぃはまりあんに抱きつきました。
「ありがとう……まりあん、あなたのことが大好きだよ」
「私も、ありぃが大好きだよ」
二人は抱き合いながら涙を流しました。それから、ありぃはまりあんと話し、心の中の不安を少しずつ解消していきました。
そして部屋が暗くなり、2人の唇が重なりました。
一方、隆子は独り言を言いながらハイヒールを履いて部屋を歩き回っていました。彼女は自分の体に慣れるのに苦労しましたが、今では女性のように歩くことができます。彼女は自分が男性であった過去の自分を受け入れることができ、自分が本当に望んでいる生き方を見つけたと思いました。
吹雪は、学校で友達に話しかけられるたびに、恥ずかしそうにしていましたが、彼女が歌うときは、自信に満ちた表情を見せます。彼女は大きな声で歌い、観客を魅了しました。その巨乳も、見事にアピールすることができ、男性ファンの人気を集めました。
りなめろは、自分が生活保護を受けていることを公表し、様々なテレビ番組に出演するようになりました。彼女は、貧困層の問題を訴えることで社会的な関心を呼び起こし、多くの人々に支持されました。
「アナーキー乙女」は、その後もコンサートやイベントに出演し、たくさんのファンを獲得し続けました。彼女たちは、自分たちの個性を大切にし、社会に対してメッセージを発信することを続けていきました。
彼女たちの活躍によって、ゲイやレズビアンの人々への差別意識は徐々に薄れつつありました。しかし、依然として偏見を持つ人々も存在しています。
しかし、彼女たちはその声にも負けることなく、自分たちが正しいと思うことをやり続けていきました。
「私たちは間違っていない」「本当の自分を表現して何が悪い」
彼女たちの言葉に勇気づけられた人々は、同性愛者やトランスジェンダーの人々に対する理解を深め始め、新たな時代を切り開いていくことになります。
とあるライブの後、隆子はメンバーたちに呼びかけました。「みんな、よくやったよ。でも、これで終わりじゃない。もっと、もっとやれるはずだ。私たちのことを知ってもらえるように、もっと頑張ろう!」隆子の言葉に、メンバーたちは力を得ました。隆子は、グループのリーダーとして、彼女たちを引っ張っていきます。
そんな中、ありぃがたびたび病院に搬送されるようになりました。原因は不明でしたが、メンバーたちは心配でした。隆子は、ありぃの心配をしながらも、彼女が元気になるまで支えていくことを決めました。そして、彼女たちは、ありぃを含めて、もっとたくさんの人に自分たちのことを知ってもらうため、ライブを重ねていきます。
数か月後、アナーキー乙女はついに武道館でのコンサートを果たしました。彼女たちは、前代未聞のメンバー構成と強烈な個性で、話題を呼び、多くの人々の注目を集めました。
しかし、彼女たちは成功の裏で、苦労もたくさん経験しました。ライブやレコーディングでの多忙なスケジュール、メディアの批判や中傷、それぞれの個性や事情など、様々な問題が起きたのです。でも、それを一つ一つ乗り越えていく中で、彼女たちは互いに信頼し合うこと、困難に立ち向かうこと、そして、自分たちがやりたい音楽をやり続けることの大切さを学んでいきました。
そして、数年後。アナーキー乙女は、時代を象徴するアーティストとして、多くのファンから愛される存在となっていました。彼女たちは、自分たちの信念を貫き、誰もがアイドルになれる可能性を証明しました。
アナーキー乙女はヒット曲を連発し、ますます人気を集めていきました。隆子の存在感も相まって、多くの人々から支持を受けるようになりました。
りなめろは自分がメンバーであることに自信を持つようになり、新曲の作詞・作曲を担当することを提案しました。他のメンバーも彼女のアイデアを受け入れ、共同で曲作りを行うことになりました。
そして、りなめろが作詞・作曲を担当した新曲「生活保護アンセム」がリリースされると、その反響は予想を超えるものでした。生活保護を受けている人々からの支持を集め、社会的にも大きな話題になりました。
このヒットによって、アナーキー乙女はより幅広い層から支持されるようになり、ますます活躍の場を広げていくことになりました。
アナーキー乙女はその後も一線で活躍し続けました。隆子は、自らの個性を活かしたニューハーフアイドルとして、LGBTQコミュニティーからも支持を集め、多くの人々に勇気や希望を与えました。吹雪は、メンバー唯一の巨乳担当として、その存在感で人気を博し、さまざまなバラエティ番組に出演するようになりました。りなめろは、生活保護を受けながらも、アイドル活動を続け、社会的弱者の代表として多くの人々に感動を与えました。
まりあんは、ハロプロのようなキュートでポップなアイドルとして、アナーキー乙女の中で最もスタンダードなアイドル像を担い、多くの男性ファンを魅了しました。ありぃは、その独特の個性を貫き、その唯一無二の世界観とそこに生まれる逆説的な共感性で、多くの女性ファンから支持されました。
アナーキー乙女は、さまざまな個性を持つメンバーが一丸となり、自由闊達なアイドル活動を続け、多くの人々に愛される存在となりました。彼女たちの活躍は、アイドル界に革命をもたらし、多様性や個性の尊重が求められる社会に大きな影響を与えました。