「えーっと殺しに来たって事は···戦わないといけないのかな?」
全く予想していなかったので、思わず情けないことを口走ってしまう。
「うむ」
オリヴィエが冷たい目で俺を見ながら答える。
「まぁ仕方ないか···よし、オリヴィエ・ド・ニナータ!!契約に」
「断る」
「えぇ!?」
何故かオリヴィエが戦闘を拒否し始めた。突然の反抗期なんだろうか。
「何でだよ!!」
「今日は何となく気分が乗らん」
「お前命狙われてるんだぞ!?分かってる!?」
「おい、少年」
オリヴィエとの言い争いを遮るように低い声が響く。
「アポピス!」
「良いだろう、私がこの女の相手をしてやる」
アポピスはそう言うと、持っていた金色の杖を剣へと変えた。
「本当に良いのか?」
「あぁ、構わない。それにオリヴィエには魔界での借りがある」
アポピスはそう言って、剣先を窮奇へと向けた。
「さぁ、私を殺せ」