アポピスが光る剣先を窮奇へ向ける。
奴は暫くそれを呆然と眺めていたが、やがて目付きが鋭いものへと変わった。
「ははは!!面白い芸アル!!でも、すぐにお前を血塗れにしてやるネ」
「それは、こちとて同じことだ」
アポピスが疾風の如く斬りかかった。
窮奇はそれを軽くかわして、アポピスの喉元へ突き入る。
しかし、奴の手刀はアポピスの手の中にあった。
「甘いな。その程度の動きで私の命を奪えると思っているのか」
「ふん!!ほざいてられるのも今のうちネ」
窮奇はアポピスの手から自分の手を引き抜き、後ろへ跳んで間合いをとった。
「今のは準備運動ネ。ここからが本番アルヨ」
奴はそう言うと、両手を前へと伸ばし、何やら呪文のようなものを唱え始めた。
「肉体強化か。そんな子供騙しでは私は倒せない」
「ふふ···まあ見てろネ」