違和感ありありだと思われ。力不足ですみません…
枯れ果てた森の中。
そこにある朽ちた縄が巻かれた石に、男は座っていた。
真っ黒な女が、その男へ近付く。
「アナタ、『蝿の王』…よねぇ?」
「…その名を聞くのは随分と久しいな」
「500年前、人間と王族の手によって追放されたって聞いたわぁ」
女は踊るように体を揺らす。
「ねぇ、ワタシ達と来ない?一緒に王族と小汚い人間共を滅ぼしましょう」
「…我輩にメリットがあるのか?」
「あるわよぉ。もう一度、王としての名声を取り戻す事ができるわぁ。今度こそ!人間界と魔界をワタシたちの支配下にする!」
「貴様…そうか、『ネズミ』か」
「クフフフッ…知ってたのねぇ…」
男は巨大な鎌を持ち上げ、女を見下ろす。
「今丁度、カラスの王子サマが人間界に来てるそうよ…チャンスだと思わない?もう王様の方にも手は打ってあるしぃ…」
「手は打ってある?まさか」
「クフッ、お察しの通りぃ…」
殺したのよ、と女は囁くように言った。
「恐らく既に予知していたのでしょうけどぉ、無駄な努力だったみたいね?自身の安全より息子の安否を気にしたみたいよぉ?クフフ、クフフフッ」
女は男に背を向けて、またくるくると踊りだした。
「絶好のチャンスだと思うでしょぉ?おじいちゃんの行方は知らないけど…ま、見つけたらアルフと同じ運命を辿らせてあげる。老いぼれ程度なら楽ちんね」
女は立ち止まると、男に手を差し伸べた。
「背中を向けても攻撃せずに聞いてくれたってことは、協力してくれるってことよね?」
「…ククっ、ハハハハハ!!もはや死さえ恐れぬか!面白い!
良いだろう、嘗て王と呼ばれたこの身だ。朽ち果て腐るよりも一つ、今一度!復讐と警告を!また奴等に思い知らせてやっても良いな!」
「あら嬉しい。乗ってくれるのねぇ」
男は女の手を取る。
「クフッ」
女の声が木霊した。