「オリヴィエ・ド・ニナータ!!契約に従え!!」
オリヴィエを体内に取り込み、身構える。
「アユム、分かっているな。安易な攻撃は危険だぞ」
「ああ、今回は結構頭を使うことになりそうだ」
以前ならただ相手を殴り倒していれば良かったが、今回は奴の手中に橘さんがいる。
下手に攻撃すれば、彼女も巻き添えにしてしまう。
(必ず守ると約束したんだ···絶対に助け出してみせる)
「あらぁ?かかってこないのかしら。じゃああたしから行かせてもらうわ」
奴の髪の毛が蛇となり、俺の身体目掛けて飛びかかってくる。
身体を横に捻って、回避する
「うふっ、なかなかやるじゃない」
いつもならここでカウンターを決めているところだが、そうはいかない。
後ろに飛んで、間合いをとる。
「オリヴィエ、どうするよ。奴の身体は校舎と一体化してるんだろ?
攻撃したら校舎もろとも逝ってしまうじゃねえか」
「とにかく今は攻撃を回避することに専念するんだ。
そして、奴の隙を見て橘さんを奪還しろ。攻撃はその後だ」
回避に専念と言っても、簡単なことではない。
奴の攻撃は、今までの奴より素早く、強烈だ。
「きゃはははははははは!!いつまで受け続けていられるかしらねぇ!!」
また奴の蛇が、俺の身体目掛けて襲いかかる。
横に避けようとしたが、足首を掴まれてしまった。
「しまった!!うわあああああああ!!」
俺の身体が、宙へと持ち上げられる。
逆さまに吊るされた状態にされてしまった。
「さぁ、ゆっくりと楽しむとしましょうか」