俺の身体が、逆さまに吊り下げられる。
足首を蛇にがっちりと掴まれ、抵抗することもできない。
「ククク···さぁ、ゆっくりといたぶってあげるわぁ」
奴の蛇が、勢いよく飛び出して、俺の腹部に突っ込む。
「ぐああああああっ!!」
蛇が暫く腹の中を抉って、奴の元へと戻っていく。
血が噴き出す。
あまりの激痛に、意識が飛びそうになった。
「さぁ、まだまだこれからよ!!」
俺の身体を、容赦なく奴の攻撃が蝕んでゆく。
そろそろ、意識が飛びそうになってきていた。
「アユム!!耐えろ、耐えるんだ!!」
オリヴィエの声が脳内に響く。
「耐えろったって···もう無理だよ···」
気弱な声が漏れる。
「···貴様、彼女に約束したのだろう? 「必ず守ってみせる」と」
「···!!」
「···男なら、一度決めたことは最後まで貫け」
オリヴィエが、低い声でそう告げた。
そうだ、俺は約束したんだ。
「必ず守ってみせる」と。
まさに今こそその瞬間ではないか。
「そうだな、ありがとう。オリヴィエ」
「うむ。さあ、分かったら奴の動きをよく見ろ。
何処かに必ず隙があるはずだ。その瞬間を狙って攻撃しろ」
「いや、攻撃したら校舎が」
「馬鹿、何も直接攻撃しろと言ってるのではない。
···メデューサの弱点、と言えば何が思い浮かぶ?」
「····光?」
「ご名答。メデューサは光に弱い。
奴の隙を見て、その瞬間に強烈な光を放つんだ」
「···分かった。やってみるよ」