「クク···いつまで耐えていられるかしらねぇ」
奴の攻撃は容赦なく続く。
激痛に耐えながら、奴の動きを観察する。
(攻撃を繰り出す前に、一瞬動きが止まるようだな···)
俺に向かって蛇を飛ばす直前、僅かだが奴の動きが止まっている。
(ここを攻めるか···)
「うむ。隙を見つけたようだな。あとはその瞬間に光を放つだけだ」
「だけど、どうやって光を出すんだよ。お前火と地の能力しか使えないんだろ?」
「愚問だな。忘れたのか?俺は「その気になれば太陽も焼き尽くせる」」
「?」
「俺が出す炎の光で充分事足りるだろう」
「あ、あぁ、そうだな」
何故そういう理屈になるのかイマイチ良く分からなかったが、どうやら大丈夫らしい。
「さぁ、行け、アユム」
「ああ、分かったよ」
もう一度、奴の動きを見る。
「さぁ!!次でトドメを刺してあげるわぁ」
奴が最後の攻撃を繰り出そうとする。
···動きが止まった。
「今だ!!アユム!!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
今残る体力で出せる最大の炎を、奴へ掲げる。
それが出す光は、奴に十分なダメージを与えたようだ。
「グアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
奴が断末魔をあげ、まっ逆さまに落ちていく。
俺の脚の拘束も解けた。
「さぁ、今のうちに彼女を奪還しろ」
「へっ?あ、あぁ、そうか」
攻撃に夢中で、すっかり彼女の存在を忘れていた。
空中へと投げ出されていた彼女を抱き抱え、屋上に着地する。
「ふぅ···とりあえず第一ミッションクリアだな」