「ああ、これで人質の件は解決だ。よくやった。アユム」
「あぁ···でも、橘さんはどうする?ここに置いとく訳にもいかないだろ?」
彼女は気を失ってしまっている。
この後もメデューサとの戦闘は続くわけで、そんな所に気絶した彼女を置いておくのはあまりにも危険だ。
「仕方ない、彼女は保健室にでも送っておこう」
オリヴィエが何やら呪文を唱えると、彼女の身体は光に包まれ、消えてしまった。
「···何だそれは?」
「テレポーテーションだ」
「お前そんな超能力まがいのことも出来るのか」
「まぁ魔族だからな」
「ははは···おっ、どうやら立ち上がったみたいだね」
轟音を挙げながら、メデューサがゆっくりと立ち上がる。
「ぐう···この私に攻撃するとは····許さない····許さない····
貴様ら地獄へ叩き落としてやるうううううううううううううう!!!」
「何か言ってるな」
「どうやら冷静さを失っているようだな···奴は先程の光で能力が落ちているし、チャンスだ、アユム」
「あぁ、一気にけりをつけてやる」
第2ラウンドのゴングが鳴った。