「ふぅ···やっと終わったよ」
「ああ、よくやった。アユム」
「今回のはなかなかしぶとかったな···」
「まぁこの前までの連中とは格が違うからな。これから更に強い魔物たちが襲ってくるだろう」
「勘弁してくれよ···」
思わずため息が漏れる。オリヴィエがそれを見てふっと笑った。
「さあ、帰るぞ、アユム。彼女も連れてな」
「あぁ、そうだな。···よいしょっと」
橘さんを背中におぶる。
「よし、テレポーテーションを使う」
「便利ですねぇ」
オリヴィエが呪文を唱え、俺たちの身体が光に包まれる。
光から解放された時には、見慣れた屋上に立っていた。