みんなでリレー小説しようぜ 2

59せりな@あ°(あにまる)◆K96Jk4jthA
2016-12-04 16:27:56
ID:.v9YZi.I

俺は忘れていた。今この瞬間、全てを思い出した。


「明後日テストだ…」


そういえば最近、早く帰る奴らが増えた。きっと先生も何度も言っていただろうに、俺は全く聞いていない。

「オリヴィエ、明日テストだ」
「てすと?何だそれは」
「えーっと…なんかこう、自分の技量を相手に証明する的な」
「そうか、どうでもいいな。焼きそばパンはあるか?」
「いやどうでも良くねーわ!主に俺の進路に!」

歩はオリヴィエの両肩に手を置く。

「頼む、お前の不思議パワーでなんとかならないか」
「あるにはあるぞ、お前の脳が破裂してもいいならな」
「良くねえ!全く良くねえ!!」
「ねっ、ねえ、歩くん!」

声がした方を見ると、頬をほんのり染めたひかりが、何故かもじもじしながらこちらに歩いてくる。

「あ、あのさ、今日暇なら…勉強会しない?」
「えっ、いいの?」
「うん!歩くんがいいなら…だけど」
「いやいや全然オッケー!ありがとうひかりさん!」

えへへ、とひかりは照れくさそうに笑う。
こうしてお互い名前で呼ぶ間柄になったのは、つい最近のことだ。
メデューサとの戦いでできた傷を治療してもらった時、ひかりから、名前呼びの提案があった。


オリヴィエは、何故こうもあからさまなのに歩は気付かないのだろう、と思った。
魔物は楽だ。子孫繁栄のために子供を作り、子供がある程度育てば他人。愛情や恋愛など、感じたことも無かったし、想像さえしなかった。

だが最近になって、祖父からの愛情は深く受けていたことに気付いたのだ。淡白な父とは違い、祖父は自分を叱り、頭を撫でてくれた。
確か、祖父は恋愛結婚だったらしい。生憎祖父には先立たれてしまったが。

目の前で賑やかにしている2人をみて、何となく、少し羨ましいと思ってしまった。

名前:

メール欄:

内容:


文字色

File: