週末の大通りを黒猫が歩く御自慢の鍵尻尾を水平に 威風堂々とその姿から猫は忌み嫌われていた闇に溶けるその体めがけて 石を投げられた孤独には慣れていた むしろ望んでいた誰かを思いやることなんて 煩わしくてそんな猫を抱き上げる若い絵描きの腕「こんばんは素敵なおちびさん 僕らよく似てる」腕の中もがいて 必死でひっかいて孤独という名の逃げ道を走った 走った 生まれて初めての優しさが 温もりが まだ信じられなくてどれだけ逃げたって 変わり者はついてきた