堂本香織です

104名無しさん
2022-03-28 18:13:42
ID:BHKtwitQ(sage)

ここでは、よしおはウクライナに侵攻したロシアよりも強力な存在です。先の第二話では、よしおの自己表現の基本的条件にすら介入する「象徴界」の恐ろしさが描かれていましたが、ここでは一転して、「象徴界」がそのまま具体化したような機構である「学校」がよしおをコントロールできない様子が描かれています。そして、よしおによる具体的な力の行使が「殺す!攻撃」なのです。いったい、よしおとは何なのでしょうか?
 
私も、忙しい社会生活の合間に、ふと考えることがあります。「それにしても、よしおとは何なのか?」と。作者はこの疑問を「学校という制度の手に余る存在」として描きます。しかも、単なる学校生活ではなく、就職面接のシミュレーションという場面で。「これから学校という象徴界の出先機関を離れ、広い広い社会へと放たれる」、そのことの“社会的不安”を描き出しているのです。この不安は、この小説を読む者の“道徳的不安”でもあります。「わたしは特別支援学級のことを想像してしまっているのではないか?」と。

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