堂本香織です

114名無しさん
2022-03-28 20:10:13
ID:BHKtwitQ(sage)

第八話では、この小説において最も重要な独創である「史純度」という概念が提示されます。これは、様々な異世界、平行世界を「歴史の純度」の違いによるグラデーションとして理解するという枠組みです。つまり、どこかに純度100%の世界とその歴史があり、他の世界はそこにどれほどの「不純物」が混ざっているかということでその「距離」(空間的な距離ではない)を測定できる、というわけです。ただし、「純度100%の世界」というのは、ただ1つだけ絶対的に存在するわけではなく、ある世界に生きる人にとってはその世界が「純度100%の世界」というだけのことです。つまり、「現実」も「空想」も「虚構」もそれぞれの世界では「純度100%の世界」であり、その世界の人々にとって不要と思われるものが「不純物」にされるだけのことなのですが、ともかく、これにより、様々な世界の「距離」を測定し、一定のパースペクティブの下でソートする(データを規則的に並べ替える)ことが可能になったのです。

事実、「史実」からよしおを排除しても、他の適当な世界に置かれるだけで、彼を絶対的に倒すことはできなかったのです。
 

名前:

メール欄:

内容:


文字色

File: