第一話「後悔」 「池永死刑人は……」 電源を付けていたテレビから又同じ内容が流れ出した。 ニュースアナウンサーが其の名前を口にした途端、僕はテレビの電源を切り、コードを抜き床に叩きつける。 冷蔵庫からビールを取り出し、2本目の蓋を開け、体を床に打ち付ける様に座った。 小さなテーブルの上の花瓶に差された梅の花の付いた枝が鼻に香りを運んで来る。 其の香りが更に邪魔に感じ、ビールを一気飲みした。 酒に弱く、横たわると意識が飛んでいく様に眠りについた。