堂本香織です

65名無しさん
2022-03-27 19:02:37
ID:pRhHOYu.(sage)

「瞬間、目の前は光に包まれ、」までは「実在の世界」の話として受け取ることができるが、「2度と目は覚めなかった。」ということは「死後」の話である。もし、この小説で話者が「俺」や「私」として登場していたら、読者は単に「一人称で描写することの意味がわかってない作者なんだな」と思うであろう。そのような小説はラノベなどで時々見かける。しかし、作者の素直氏は「俺」や「私」を注意深く退けることによって、その難点をむしろ小説の「味わい」へと転化させることに成功したのだ!!
 
 
…などと深読みをしているうちに、「この話には、どこにも『私』や『俺』などという言葉は出てこない」という私の断言が、引用の一行目から裏切られていることにたった今気付いたのです。

「画面の向こう側にいる犯人が私の方を向いていた。」
 
素直氏は別に、ちょっと前に純文学の世界で流行った「一人称と三人称の区別をわからなくする」という技法を使ったわけではなかったのでした…。
 
 

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