ルカ「それは知らんかったなぁ。まぁ俺たちは調理する側であって解体とか討伐はしないから、そこらへんはよくわからねーや。でも幼体の肉は柔らかいんだろ?」
>>4スリー「そうらしいな」
ルカ「ナバシ酒につけるとなお良しって言うよな。まぁここの場合はナバシ酒は高くて買えんがな」
スリー「ナバシの値段が高騰してるのは、畑荒らしが原因らしいぜ。この間も6ブロックの畑が全滅したらしいぜ。あんな大量のナバシなんか盗んで何に使うつもりなんだろうか…………」
エラコフス「お…俺は……見た……」
ロア「おぉい、どうしたんだエラコフス。おいアンタら来てくれ!コイツの様子が!」
エラコフス「………ナバシ泥棒の犯人……お…おお……俺は見た…。見たんだ!まるで自分がした糞を手に取って見るように確実に……確実に見たんだッ!」
ロア「落ち着けバガー!─ッたく、昨日のババロンに厄介なヤクでも呑まされたのか!?」
エラコフス「ッガァハァァァ!やかましい!やかましい!俺は見たんだ!お前俺を異常者扱いするつもりかこの糞野郎!」
ルカ「あのなぁお客さんとりあえず落ち着きな…。話ィ聴くからさ、ほら」
エラコフス「……………
俺は……見た………異界から…無尽蔵にワイバーンを召喚しまくってる……黒ずくめの……召喚…師を……」
ルカ「そんなバカな。この国に魔術師紛いのヤツはいないだろう。
50年前の戦争が終結した際に『魔術禁令』が発令され、魔術師の類いは皆殺しにされたからな」
ロア「そうだぜ。俺はその当時自警団の団長だったからな、この国全体を調査し、『魔術師は絶滅した』との報告が入った。
魔術師はもうこの国じゃお目にかかれないぜ、エラコフスが見たのは幻E─」
エラコフス「世迷言を言うなァーッ!見てないからそんなことを言えるんだろ!あぁ!?この糞が!
あの召喚師がワイバーンを生み出し続けている限りナバシは不作だ!俺達は一生ナバシ酒を呑めんのさ!」
召喚師『我等が狙いとする至高のワイバーン…いな、ワイバーンの完成形とでも言うべきか…』
???『全てはそのラッパがもたらしたもの…とは言え
そのラッパを使いこなすとはやはりただ者ではないな、【アステナ家最後の魔術師】。
息子は自警団として魔術師狩りに出て死んだそうだな』
召喚師『そのことに触れるとは、あなたの悪さに酔いそうですよ…しかしやはりあなたはそれでも全能支配者たり得る…』
スリー「あのエラコフスってヤツァ面倒だな…話がどうにも信じがたい。かといって信じなきゃ暴れる。
あれぁヤク常習犯ってとこだろう…」
ロア「……待てよ…。『皆殺し』にはしたんだよな…魔術師どもを
……だが……考えてもみろ……俺たちが皆殺しにしたと思っていても…
ヤツらは…魔術師なんだ…。俺たちは…
俺たちは都合のいい夢を見せられただけだって…その可能性すら否定出来ねえんだッ!」
スリー「ロアとかいうヤツ、てめぇもか!いい加減にしろよ!ここは狂人収容施設じゃあねえんだぞゴラ!!」
ロア「待て!昂るな!オレが『狂人』に見えるか?」
スリー「見えなきゃ言わねえよこんなこと!」
ロア「だろうな。でも信じろ。オレを信じないのは勝手だが、それで後から文句を言われるのはゴメンだからよぉ」
スリー「てめえさっきから何の話を──」
ルカ「本当にお前は落ち着け
誰かの狂気を測る前に、自分が冷静になれ」
「お断りだ。オレはこんな狂人どもとはもう付き合いきれねえ!ったく!酒で気分晴らしに来たってのによォ!ワケわかんねえ戯れ言垂れてんじゃあねえぜ!やかましい野郎どもめ!」
ルカ「落ち着けって、バカ」
スリー「てめえらまとめてぶち殺してナバシと交換してやらぁこの糞溜めどもがッ!」
ルカ「はぁ…あのなぁ。お前さっきから何をそんなに怒ってる。酒の呑みすぎか?ビッチに金こそがれたか?」
スリー「るっせぇ!」
ルカ「すまないねロアさん。スリーの野郎、ベロンベロンに酔ってやがる。顔が歯槽膿漏の歯茎みてえに真っ赤だ」
ロア「……いや。此方こそ 空気を読めなくてすまない」
スリー「ウガアアアア!!イエギャアアア!たすッ──たふけグェエエエエ!」
ルカ「スリー!」
ルカ「……くそぉ!ワイバーンじゃあねぇか!おいロアさん、二階の野郎叩き起こしてくれェ!大変だ!」
ロア「解った!」
ロア「エラコフス!おい起きろエラコフス!…ああ!目ェ開けろコラ!ワイバーンの爪でその瞼ひん剥かれてェのかァ!?」
エラコフス「……私は森の妖精だ…そしてここはトイレだ……zzz」
ロア「チッ!狂ったまま寝やがって!どーゆう神経してやがんだこのアホタレ!このままワイバーンに食わせてやろうか!」
────
ルカ「おう……って!?おいエラコフスを起こせって…」
ロア「星に願っても無理だ!ありゃ死んでも覚めねぇビッグドリーム見てんだ!」
俺という人間はどうだ。
俺のあだ名は猫背であり、それ以上にチビカスと呼ばれていた。
性格がそうであるらしかった。
性格とは後天的に作られるもの。
繰り返される行為、繰り返される選択、筆舌に尽くしがたきクズ列伝。
やがてチビカスは後天的に作られる。
そうでないこともできた。しかしそうであることを欲した。
そうして出来上がったのがこの猫背でチビカスという性格である。
そしてそれは《出来損ないの死に損ない》であるというリアル。
クズ列伝は死ぬまで続く…
前日の徹夜なんて極めて次元の低い話さ
それでは知ることはできてもわかることなんてできないからね
そう、何も…何ひとつ、わかれやしない
わかることを望んでいるんだろう
とは言っても君がではない
君の求める人がだよ
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へえ、今回は勉強していないのか
それで学年10位とは、すごいじゃないか…とでも言ってくれると思ったんだろうな
実に愚かしい限りだ
なんとなく頭にこびりついた授業の内容を引き剥がす作業に意味はない
そこにあるのは顕示欲だけさ