アイドルは天からやってくる「自然的存在」であり、それ故に彼女たちの子宮は「至高界」に通じている。これが、「真相保有者」(truth-holder)である俺がアイドルを最重要視する第一の理由である。
第二に、アイドルは「関係的存在」である。女優は映画やドラマに出て演技をする。俺はそれを見る。モデルも雑誌かなにかに出てる写真を見るだけである。ここには関係性は存在しない。少なくとも相互的な関係は存在しない。
それに対し、アイドルには「応援」という形で働きかけることができる。最初は対象に働きかけても何も還ってこない。しかし根気強く現場に通い、根気強く働きかけていれば、何かしら還ってくる。たとえそれが「塩」だとしてもだ。そして、そのような働きかけを通じて、仲間が生まれ同士ができる。アイドルの塩対応がかえってヲタ仲間の結束を強めることもあるのだ。俺にとって、この仲間たちは、一緒に「至高界」へ帰還する仲間であり、向こうの世界で永くつきあっていく家族でもある。このようなつながりは、アイドル以外では生まれにくい。
では、具体的にはどんなアイドルの、究極的には誰の子宮を追い求めるべきなのだろうか。
その答えを見つけるために、さまざまなアイドルについて調査し思考実験を加えて、最終的になぜ我々は、現在日本のトップアイドルグループである「乃木坂46」に至らざるをえないのか、その道筋を考えてみよう。
そして、数多くの乃木坂46のメンバーから、何故俺が「秋元真夏」と「黒見明香」を選択したのかを俺の同士たちに知ってもらいたいのである。
そうした探究の手段として、俺は小説という形式を用いる。詩と物語と注釈の相互作用からなるこの言語形式が、俺の思考を展開するのに最も適していると思うからである。