だが、女性は無言のまま、眠りに入ったようであった。「あの…」と言いかけたが、眠ったものを起こすわけにもいかず、吹雪は仕方なく、店の奥へと遠慮がちに進んだ。誰もいない店内は、この前下見に訪れた時とは全く違う雰囲気を醸し出していた。(この前来た時は殺伐としながらも、緊張感に満ちあふれた賑やかな場所だったのに…)薄暗い中でガラスケースに三つのメイド服が展示されている今の店内は、どちらかというと、理科の実験室のようであった。