吹雪と有栖さんが話している間に、店の扉が軽く開かれる音が聞こえ、新たな存在が店内に入ってきました。その足音は軽やかで、まるで風がそっと吹き抜けるような感覚を与えました。
有栖さんの目が微笑みながら扉の方を向くと、そこには軽やかなステップで歩いてくる、可愛らしい少女が立っていました。彼女は鮮やかな髪飾りと、華やかなドレスが特徴的で、その優雅な雰囲気はまさにメイドとしての魅力そのものでした。
「あら、ありぃ。遅いわね。」
有栖さんが微笑んでそう言うと、その少女はにっこりと笑いながら近づいてきました。
「ごめんなさーい!遅くなっちゃって。でも、でも、今日は新人さんが来たんでしょう?」
少女、通称「ありぃ」と呼ばれるその存在は、明るく元気な声で話すと同時に、吹雪に目を細めて微笑みました。その笑顔はまるで陽だまりのようで、吹雪も自然と笑顔がこぼれました。
「はい、そうです!初めまして、私は吹雪と申します。よろしくお願いします。」
吹雪が礼儀正しく挨拶すると、ありぃはうきうきとした表情で手を振りました。
「よろしくね、吹雪さん!私はありぃ、みんなは私のことを「ありぃ」と呼んでるの。お店ではいろいろ教えてあげるから、なんでも聞いてね♪」
ありぃの明るさとフレンドリーさは、吹雪の緊張をほぐしてくれるようでした。彼女はまるで風に乗ってやってきたような存在で、新たな友情や楽しい時間が待っていることを予感させました。
店内には、有栖さんの優しい雰囲気とありぃの明るさが満ちて、新たな冒険が幕を開ける予感が広がっていきました。