喧嘩での強そうな文体研究所

251南雲◆NAGUMO/BxE
2018-11-01 02:28:04
ID:OonEhqrw

先に保険かけておくけど、私の考えが絶対正しいっていうつもりはなくて、ひとつの考察です。
もうひとつ、長文になります。

誰でも知ってるお話に、「矛盾」ってるよね。最強の盾と最強の矛の話。アレは実話じゃなくて韓非子が作ったお話。

韓非子は、儒家の言う「聖帝である堯が、聖帝である舜を後継者に選んだ」という話のおかしさを指摘したかった。儒家によると、聖帝である堯が、世の中の悪を正した舜を評価して聖帝と認めたらしい。
そこで韓非子が言うわけ。

「堯が聖帝なら、どうして舜が正すような悪がはびこっていたのか? 辻褄が合わないじゃないか。堯と舜が同時に聖帝という話は嘘だ」

これで、儒家の主張は論破できる。ところが韓非子はそうしなかった。

「昔、楚の国に、盾と矛を売る人がいて…」

という物語を作って、それから、

「この話と同様に、堯と舜の話は成り立たない」
ということを書いた。でも、そんなストーリーを語らなくても、最初からズバッと言えば論破できちゃう。

他の話はもう忘れたけど、『韓非子』は全体的にこういうたとえ話が次々と登場する。無駄といえば無駄、冗長といえば冗長。でも本当に不要なのか。

『韓非子』を最も愛読したのは、秦王政(始皇帝)だった。始皇帝は典型的な唯我独尊、自分こそ世界一の人間と思ってる人物だったけど、人生で唯一大いに尊敬した相手が韓非子だった。しかも始皇帝は極度に無駄を嫌う人物だった。そんな始皇帝が『韓非子』を絶賛した。

思うに、ぷりんは相手の矛盾点を突き、自分の主張の正しさを「証明する」文章を書いているんだと思う。証明に遠回りは要らない。最短距離で、論理的に結論を導けばいい。説得もするだろうけど、証明した内容を補足するようなものだと思う。

Cは韓非子タイプなんだと思う。韓非子の文章は、自分の国(韓)の国王に正しい政治のあり方を理解してもらい実行してもらう目的で書いた。つまりそれは「説得する、わかってもらう」ための文章だった。

残念ながら、韓王はあまり頭が良くなくて、韓非子の主張を採用しなかった。皮肉にも、韓の敵である秦の始皇帝が韓非子を気に入り、その理論で国を強化して、韓を滅ぼすという結果になったわけだけど。

証明のための文章に無駄話はいらない。でも、相手にわかってもらうための文章は、少々回りくどくても、いろんな例を出したり、似たような内容を繰り返したりして、相手に伝える必要がある。私のこの文章も当然そっちタイプ。

同じ喧嘩とはいえ、どういう部分に力点を置いて文章を書くのか?
その意識の違いが、ぷりんとCの違いだと思う。

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