あのさ、社会人経験の長い立場で言わせてもらうと…
企業は社会的正義のためにやってるんじゃなく、あくまで営利。利益第一。損失が出る場合は、損失を最小限に抑えるのが第一。
クレーマーへの対応では、もちろんダメなものはダメと説得するけど、あくまでもゴネる客に対しては折れることになってるんだよね。内容にもよるけど。
ゴネ得になるのを見た客が、次々とゴネるようになるかというと、そうはならない。もちろん、ゴネ得シーンを客に見せるのは店にとって損失になるけれども。
でも、クレーマーと警備員とのトラブルが長引くことによって、他の客が店内で不快な思いをすれば、店自身のイメージダウンになる。それによって客足が遠のく損失のほうが大きいと考えるんだよ。
だから、あくまでもゴネる客の要求は、最終的には店側が折れる。
店側が最後まで折れないようなのは、よっぽど犯罪的な行為に限られ、この場合は最終的には警察を呼ぶことになる。
クレーマーの存在は店にとって損失だけども、その損失を最小限に抑える手段としては、トラブルが派手になったり長引いたりすることよりも、折れるほうを選ぶ。その「折れるタイミング」が難しいわけだけど、最終的には折れるように教育されているはずなんだ。
クレーマーの中には、注意を受けてると突然ブチギレて暴力に走ったり、刃物を取り出したりする人がいるかもしれない。もしもそんなことになったら、そこにいた客は怖くてもう二度と来なくなるかもしれない。そのうえ、警備員が怪我でもしたら、店側としては労災認定をしなければならなくなるし、「○○で暴行事件」みたいな新聞沙汰にもなる。そうなったらもう、つぶれるかもしれないレベルの危機になる。
クレーマーに対してあくまで正論をぶつけ続けるのは、店にとってはリスクが大きすぎるんだ。だから、その警備員がもしも神レベルの喧嘩師でも、職務上、折れる。危機管理上、そういうルールになっているはずなんだよ。
つまり、クレーマーの論力のある無しは関係ない。