~Responsibility of evolution~ リレー小説

4非花舞 オープニング2/3
2018-02-09 04:05:23
ID:hlU4ZI6s

『"バルーン"での偵察は完了しました。
機械人間の数は3です。2体がリビングで残りが二階の階段の突き当たりにある個室……あの部屋で待機しています。』

秋穂端末の見取り図と白いカーテンを指す。
<超能力物>
IDTによって集められた、あるいは生み出された超能力者はその名の通り様々な特殊能力を持つ。
銃撃をも通さない障壁を生成する者。
火や雷、空気を操る者。一瞬で遠くへ移動する者。
触れずして物体を動かす者。心を読む者。
そして日火秋穂の超能力は超能力エネルギーを膜状の物質に変換・放出して、風船を作るというもの。
元は彼女自身のエネルギーなので風船は大きさも色も形も操作も思うがままだ。

『人質はなし。裏口は鉄で裏打ちして補強しており、ブービートラップは玄関ドアの側柱のシート爆弾だけです。
敵の装備は・・・』

結果を聴き終わったソーラレイの指示で裏手に回ると、次にチームの爆破担当、ライディーンに指を二本立てた。
ライディーンは頷くと、ポーチから慎重に薄いシート状のプラスチック爆弾を取り出した。


1分も立たぬうちに、突如一帯の街灯が消え、あたりは闇に包まれた。
技術者が周辺の全電力が切ったのだ。
「今だ」とソーラ・レイ。
ライディーンはプラスチック爆弾をドアに貼り付け起爆装置を作動して、すぐに飛び退いた。

内側に吹っ飛ばされたドアが凄まじい音を立てて床に叩きつけられる。
ほぼ同時にリビングからも殺人的な凄まじい破裂音が響き、室内の空気を震わせた。
先程侵入してリビングに潜んだバルーンを一気に膨張・破裂させた。
暗闇とスタングレネードに匹敵する爆音に機械人間の危険センサーが作動する。
機械人間と言えど目も見えず突然の出来事に身動きが取れずにいるに違いない。

『ゴー、ゴー!』

ソーラ・レイがすばやく入口を抜けて突入し、左の壁沿いを進む。
M27を構えた秋穂が、そしてそのさらに後ろにライディーンが続く。
1人が前進する度にもう1人が援護し、これを繰り返しながら交互に前進する。
廊下を左に折れるとすぐにリビングに出た。
秋穂が頭だけ覗かせて見回すと、右目の端に動くなにかが映った。
このリビングに存在するのは機械人間二体目とIDT隊員が三名。
バイザーに敵を示す警告が表示されるのとほぼ同時に秋穂が引き金を引いた。
パララララッと断続的な発射音が轟き、機械人間は頭部を吹っ飛ばしながら足元に倒れていく。
倒れ込んだ機械人間にハックナイフでとどめを刺す。
ソーラ・レイの戦術マスクのサーモがもう一体を見逃さなかった。

『机の陰だ!』

三人はリビングに飛び込むと横になったテーブルに向けて同時に発射する。
弾丸の雨を浴びてテーブルと機械人間の破片が部屋中に飛び散った。
秋穂はもはやただの木材と化したテーブルを回り込み、しゃがみ込んだ体勢のままバラバラになった機械人間に刃を突き立てた。

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