~Responsibility of evolution~ リレー小説

5非花舞 オープニング3/3
2018-02-09 04:06:36
ID:hlU4ZI6s

残るはあと一体。二階へ上がろうとした時、不意にそれは向こうからやってきた。
サブマシンガンを手にした機械人間が階段を一気に飛び降りた。フローリングが悲鳴をあげる。
階段の前にいたソーラ・レイは押し潰されてはたまらないと後ろに飛び退いてで回避するも、腹に三点バーストを食らわされる。
シールドスーツに守られ負傷はしなかったが、間髪入れずに蹴りを入れられ廊下の曲がり角まで吹っ飛ばされた。
横にいたライディーンが咄嗟に動く。が、なにもできないまま窓へ投げられ消えていった。
左目の端でこちらへ銃口を向けるもう1人のIDTを捉えた。秋穂だ。
機械人間が剛腕を振るうと、M27の銃身は2時の方向へぐにゃりと歪んだ。
壁にめり込み磔にされたソーラレイにとどめを刺すのは容易い。
外へ投げた隊員が戻ってくる前にシールドスーツの限界まで弾丸を叩き込みミンチにしてしまいたい所だが、リビングを出る前ににまず目の前の秋穂を始末する必要がある。
再び、機械人間の白い腕が空気を切り裂いて秋穂へ突き進む。
ソーラレイのように壁に叩きつけて身動きを封じたらあとは銃撃を浴びせるだけだ。
重い一撃が確かに秋穂の胸部にぶち込まれる。
しかし次の瞬間壁に叩き付けられたのは機械人間の方だった。

ありえない、何をしたんだ、とでも言いたげな表情の機械人間。
その目に映ったのは、いつの間に現れたのか秋穂の目の前に浮かぶ赤い風船だった。
なんとも場違いで楽観的な異物。
秋穂は仲間二人がやられた事から攻撃を予測してあらかじめ作り出した風船をM27の陰に隠していた。
そして拳が飛んでくると同時に膨らました。
攻撃を受け止めた風船は凹んでエネルギーを全て吸収し、元に戻る反動ではねかえしてみせた。

激昴した機械人間がサブマシンガンを向ける。
秋穂はM27を投げ捨てて横に駆け出した。そのあとを床の弾痕が続く。風船が赤い身を散らす。
秋穂が壁に足を振り上げて蹴る。まるで重力を無視して壁を走ったように見えた。
再び壁を蹴り、今度は機械人間の方へ飛び、身を翻して勢いを殺さず顎に踵を叩き込んだ。サブマシンガンが床に落ちる。
怯む機械人間に着地するやいなや首に肘打ちを見舞う。
生身の人間なら頚骨が砕けてたどころではすまない。
秋穂はそのまま力を入れて壁に押し付けると、ハックナイフを抜き、もがく機械人間の頭部に突き刺した。

「任務完了」の四文字がバイザーに表示されるのを確認して、肘を離すと、機械の身体は糸の切れた人形のようにその場に崩れる。
速まっていた秋穂の脈がようやく正常に戻り、初めて廊下で磔になった仲間を思い出した。


日火秋穂(ニッタ アキホ)。女子。18歳。高校2年生。
好きな俳優と尊敬する人物はジャッキー・チェン。平均睡眠時間およそ11時間。
小学に上がる前からメガネをつけていたが、手術に伴い視力が上がったので必要なくなった。
この前実戦が嫌で醤油一気飲みして病院に運ばれた。もう二度としないと誓う。
家族に死ぬ程怒られたし実際死にかけたから、よりも家族以外で誰も見舞いに来てくれなかったからだ。
クラスメイトの中には一年生で同じクラスだった人もいた。それなりに話もした。
しかし誰も来なかった。理由はわざわざ言われなくても理解している。
とにかく自分の居場所は結局IDTだけなんだと悟った。
家族を守るためにも、私の居場所を守るためにももう二度と逃げない。と誓った。
好きな映画は酔拳とプロジェクトA。
趣味は植物を育てる事と筋トレ。
未成年飲酒をしでかしたけど、自分しか知らないので今のところ前科はない。

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