浦島太郎
昔々、釣りが大好きな若者がいた。その若者の名は浦島太郎と言った。
ある日、釣りに出掛けると、亀がガキ達にいじめられていた。
「その亀を私に売ってくれないか」
そして亀を助けた。
「ありがとうございますお礼は必ずします」
そんな気が何故か伝わってきた。亀は帰っていった。
ある日、また釣りに出掛けるとあのときの亀がいた。
「あのときはありがとうございます。
お礼に竜宮城に連れていってあげます」
竜宮城、それは聞いたことがなかった。それはそうだ、地図上には存在しないからだ。
浦島太郎が考えていると亀が浦島太郎を自分の甲羅にむりやり乗せ、
「掴まってくださいね」
そう言ってもぐった。
何故か手が離せない。
そのあとは息が止まり窒息し、更には水圧で少しずつ体がボロボロになっていった。
その死肉は魚のエサになるだろう。
「着きましたよ」
そんな頃には浦島太郎は影も形もなかった。