日本昔話を全力でBad Endにするスレ

6せりな◆K96Jk4jthA
2016-12-10 23:02:04
ID:8a3UwEkE

「…あ、」

桃太郎は声をもらした。


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今から何年も昔のことだ。
自分は捨て子だったらしい。川辺の近くで布にくるまって、そこに置いてあった。そしてそこに、自分の頭と同じくらいの大きさの桃が、すぐ横に落ちていたそうだ。


犬と猿とキジは鬼との戦いで死んでしまった。あとは自分しか残されていない。
鬼ヶ島というからどれだけ禍々しいのかと思えば、拍子抜けするほど普通の家だ。強いていえば、あちこちから血の臭いが…漂ってくるだけ。

少しづつ、おかしくなってく気がした。あるいは、




もうここには誰1人いない。
ひときわ目立つ扉を開けると、大量の財宝がそこにあった。


財宝を持ち帰る前に、せめてここまで着いてきてくれた仲間達を弔ってやりたいと思い、桃太郎は引き返すことにした。


「え、」


振り返ると、
そこには大量の人間が転がっていた。


全員、血を流して倒れている。

どうしてこんなところに。
人間は自分以外には居ないはずだと思った。



「…あ、」


それは本当に人間だったか?
いや違う。

自分が鬼だと思って殺したものは何だったか?


「…ああ、」


自分の両手を見ると、真っ赤な血で濡れていた。


「ああああああぁああああああぁぁ!!!」




アレが鬼だ。
お前はアレを殺せ。
アレは人間じゃない。
アレが鬼だ。




何度も何度もそう教えられて、そのうち自分の姿も分からなくなって。
人間が鬼だとそう思って、自分は、人間を、



桃太郎は我武者羅に刀に手を伸ばしてそれを腹に突き立てた。

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