電脳空間では、このような「背景の力」は働きにくい、と言われている。何故なら、お互いの名前も素性も知らない者同士が煽り合っているからだ、と。
だが、ちょっと待って欲しい。
コンビニで対峙したDQNと中年も、お互いの名前や素性を知らないという点では同じではないのか。
DQNは何の根拠もなく「俺ら慶応だし就活勝ち組だしあのおっさんよりは出世できる」と断定しているだけなのだ。もしかしたら、おっさんは東大出身かもしれない。
実は、「背景の力」などという客観的な力が働いて勝敗を決めたわけではないのだ。しかし、何かがDQNとおっさんの双方に、「背景の力」に似たものを一瞬で感じさせ、勝負を決めたのだ。
それは何であろうか。もちろん、「見た目」である。