『文字』
" 意味について "
文字に意味は有るのか無いか。
文章の羅列にはたくさんの情報が刻まれているが正確に記載されているとは思えない。
───それは
リンゴの物体ひとつとっても、赤いとか、丸いとか、果物
なんて情報を与えられても
もし白紙の頭だったら完璧に想像するのは不可能だと思う。紙からあの林檎の質感、あの赤み、あの味、あの匂いを知るのはできない。
情報には限界があり、しかもあの感じを知らない物体を 理解することができない。
経験していない物はわからないのだ。
だとしたら文章に意味があると思えないな。
…
筆から紡がれる言葉たちには役目がある
記憶の引き出しを開ける役目
ここで話す『意味』とは新な知識と言っても差し障りない
このあらたな知識を文字から得ているのか?
え?
きみはこう言いたげだね。
本から、本にあるインクの軌跡たどり現に得ているじゃないかって?
きみは本から、たくさんの知識を得ている。きみはおゝくの書物をあさり。海馬に焼きつけた。
だから知識を得ていると…。
過去の記憶から呼び起こされた、経験をなぞり。知識を会得しているだけじゃないかい?
あの匂い、あの音、あの感情、あの質感、あの味
きみが思弁しているそれらは実際に体験したものだ
その記憶から呼び覚まされ、そしてそれを組み合わせて
言葉を紡いでいる。
体験→筆という順番だ。
なにかを語るには実際に体験しなければわからない。
ほんとうなのか?
それはきみにとってほんとうだったのか?
疑わしいね。