辞書というのは現実での使用例を採集して編纂されている。一方でその辞書をもとに現実での言葉の使用について適正を決定している。つまり現実の言葉遣いを根拠に辞書は書かれているわけだが、逆に辞書を根拠に現実の言葉遣いを規定するという相互依存的な関係があるわけであり、言葉というものがいかに曖昧な存在なのかが分かる。それを知っていれば言葉の意味を巡る争いに心血を注ぎ労を費やすことがいかに無駄であるのかが分かるのではなかろうか。