内井惣七『シャーロック・ホームズの推理学』(講談社現代新書)
初対面の相手と握手をした瞬間、どこから来たか、何者かを、ホームズは常に見抜いていた。快刀乱麻の洞察は、想像力を駆使した「成功の確率を高める」方法に支えられる。ホームズのめまぐるしく動く頭脳の内部への誘い、真実解明への論理的過程をあざやかに解きほぐす。
【Amazonカスタマーレビュー】
内井惣七『シャーロック・ホームズの推理学』(講談社現代新書)
sherlockholmes (5つ星のうち3.0)
本当に「シャーロック・ホームズ」の推理学?
2013年10月24日に日本でレビュー済み
「推理学=論理学」っていう感じが強い本。
まぁ見方によっちゃそうかもしれんけど、俺は違うと思う。
また、やけにダーウィンとか著名な人との比較とかで述べているが、
「本当に『シャーロックの推理』?」とよく思った。
論理学好きや得意な人間にはちょっとした暇つぶしにはなるだろうが、
俺みたいに論理学が詳しくなく、むしろ苦手な人には止めたほうがいいかもしれない。
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kurubushi(5つ星のうち5.0)
情報不足の中で行われる実践的な知のあり方
2004年8月30日に日本でレビュー済み
この書は、自分の推理から漏れる数々の事実や可能性を見過ごした「まぐれ当たり」の感が強いと言われる(こともある)ホームズの推理を19世紀後半の論理学や科学的方法論の蓄積の中に位置づける。
そしてホームズの方法が、ほとんど常に情報が不足している現実の下で、それぞれはかなり危うい確率的推論同士を組み合わせ突き合わせることで、どのようにして事実と合致する「確率」を可能な限り高めることができるかに向かって組織されていることを証明していく。
あまり類書のない19世紀の科学思想や科学方法論についての解説書であるだけでなく、すべてを知らなければ確実なことは言えないという実に古典的な学問知(実際にはすべてを知ることなど不可能だから、ほとんどいつも何も言わない)と異なる、新しいタイプの実際的知のあり方が19世紀後半に登場しだしたことを提示した本でもある。
ずっとくだけて言うなら、クリティカル・シンキングみたいなものとは、雲泥の差で、ホームズのやり方は役に立つ、ということだろうか。
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takemaru0206(5つ星のうち3.0)
論理が難解!!
2002年4月29日に日本でレビュー済み
タイトルが面白く目に止まって読んでみたが、小生の頭が悪いせいか難解であった。
シャーロック・ホームズ全集そのものを読んだほうがはるかに面白いし、
シャーロック・ホームズの推理のスタイルが素人的考えでも理解できるのではなかろうか。
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http://www1.kcn.ne.jp/~h-uchii/SH2.html
ホームズから何を学ぶ か --- 内井惣七 ---
わたしがシャーロック・ホームズと本格的なかかわりを持ち始めたのは、つい最近のことである [1987年]。一九八七年はホームズ物が世に発表されたから百年目にあたり、ホームズに関する書物が本屋の店頭にたくさん並べられて人目を引いていた。また、タイミングよく、英国グラナダ社によるテレビ映画「シャーロック・ホームズの冒険」がNHKで放映されて、わたしも何作か見ていたのである。
このような事情でたまたま購入した本に収録されているホームズ物第一作「緋色の研究」を読み始めて、わたしは驚いた。何と、ホームズが論理学に関するかなり難解な見解を長々と述べているではないか!そこで、わたしに直ちにヒラメイた仮説は、「ホームズは十九世紀後半の論理学をよく知っており、専門家の域に達していたにちがいない」というものだった。
わたしは、すぐにこの仮説を検討する作業に入った。主たるホームズ物のテキストを調べて、証拠集めを始めたのである。自分でも驚いたことに、三か月後には一冊の本になるだけの原稿が完成したのである。これは、『シャーロック・ホームズの推理学』[講談社現代新書、1988]という題の本となって、数か月後に出版された。
ところで、さきほどのわたしの仮説は、誰にでも思いつけるようなものだったのだろうか。そうではない。現に、日本にも「シャーロッキアン」と呼ばれるホームズ愛好家がたくさんいるはずなのだが、これまでに誰一人としてこのような仮説は提唱しなかった。わたしにこの仮説がヒラメイた第一の理由は、わたし自身が論理学の専門家のはしくれであり、それ相応の組織化された知識を持ち、論理に関する事柄について鋭敏なアンテナを持っていたことである。
ホームズ自身、人間の知性のこのような働き方をよく知っていた。つまり、人間の知性はいろいろな面で限られたものだから、自分のよく知らない事柄については、簡単な推理でも難しく感じるし、またよく間違いを犯したりもする。しかし、この限られた知性も、使いようによってはまさにホームズ並みのあざやかな推理をなしとげることができる。たとえば、囲碁や将棋の専門家は見事な推理に基づいた対局を見せてくれる。このように、自分の好きな分野、よく訓練された分野、十分に知り抜いた分野では、凡人でもそれなりのホームズになることができるのである。
もちろん、そのためには、思いついた仮説や推理を合理的な手続きにしたがって検証する努力が大切である。その際、細かい事実も見落とさない観察力が不可欠であることは言うまでもない。ホームズの名人芸は、このような努力と日頃の訓練のたまものなのである。ホームズのテキストを注意深く読めば、こういった点を確認する彼の言葉や態度を見出すのは容易である。たとえば、「黒いピーター」という作品で、ホームズは「どんなときにもほかの可能性を考えて、そっちの備えも固めておくべきなんだ。これは犯罪捜査の第一原則だよ」と言う。また、「海軍条約書事件」では、捜査の初期にすでに有力な結論を得たのだが、あまりに早く結論に達したので「自分自身を疑っている」と公言している。
限られた長さの教材では、ホームズの推理の諸相すべてを伝えることはできない。そこで、教材として書き下ろしたわたしの一文では、以上にふれた(1)知識の整理・組織化、(2)合理的な検証、(3)および観察力の三点に的を絞って話をまとめたつもりである。
http://www1.kcn.ne.jp/~h-uchii/SH1.html
シャーロック・ホームズの推理 --- 内井惣七 ---
推理というのは、与えられた情報と疑問から出発して、その疑問に対する一つの解答を導き出そうとすることである。もし、未知のものが何も含まれず、疑問も生じていないのなら、推理の必要もない。例えば、目の前で犯罪が行われ、それを一部始終見ていたのなら、「だれが犯人で、いったいどのようにしてやったのか」などという疑問は生じない。だから、推理を必要とするのは、情報が不十分で、わからないことが幾つか含まれているような場合なのである。
このような条件の下では、当然、推理が間違うこともある。シャーロック・ホームズのような名探偵でも例外ではない。彼の推理はいつでも正しいのではなく、成功する確率が並外れて高いのだと考えるべきなのである。では、彼の推理はなぜそのようによく当たるのだろうか。ホームズの言葉を手がかりに、彼の名人芸の秘密を探ってみよう。
〔つづき〕
推理を始めるためには、手がかりになる情報が必要である。この情報には二種類ある。一つはよく整理された知識、もう一つは問題となっている事件の捜査から得られた具体的な事実である。
まず知識についていえば、ホームズは、犯罪捜査に役立つ種々の情報をよく整理して、必要なときにいつでも使えるような形で蓄えていた。例えば、どんなナイフを使えばこういう傷ができるかとか、こういう症状をもたらす毒はどの植物から採れるかなど、実に多岐にわたる知識である。
僕の考えじゃ、人間の頭なんでものは、もともと小さな空っぽの屋根裏部屋みたいなもので、自分の好きな道具だけをしまっておくようにできているんだ。・・・熟練した職人は、頭の屋根裏部屋に何を入れておくか、実によく注意を払うものだ。自分の仕事に役立つ道具だけを選んで、十分細かく分類し、完璧な方法で整理しておくんだよ。(「緋色の研究」)
次に、事件の具体的事実を集める捜査に関しては、彼の鋭い観察力を忘れるわけにはいかない。
ほら、やっぱり!君は観察していないんだ。だが、見ることは見ている。その違いが、まさに僕の言いたいことなんだ。(「ボヘミア王家の醜聞」)
このように、ホームズは、同じものを見てもふつうの者よりはるかに多くの情報を得ている。その情報が、彼の推理を支える一つの基礎になっているのである。
では、推理の前提となる情報を増やせば、それだけで結論の確実さが保証されるのだろうか。残念ながらそれだけでは十分ではない。というのは、手に入る情報の中には、問題の解決にとって必要不可欠なものも、そうでないものもいっしょに含まれているからである。つまり、時によっては情報が多いことも重要だが、もっと大事なのは、問題の解決にとって本質的な情報がそろっているかどうかなのである。では、本質的な情報は、どうやれば見分けることができるのだろうか。
平凡な犯罪ほど、多くの場合よくわからない。なぜなら、そこには人の推理を引き出すような目新しさやきわだった特徴がないからね。(「緋色の研究」)
この指摘からわかるのは、ホームズは事件の特異性にまず目をつけ、それを手がかりにして、事件の真相に迫るということである。言い換えれば、その事件がほかの事件とどう違うのかという点に、その事件の本質にかかわる手がかりがあることが多いということである。このような本質に迫る情報を得るためには、、事実を入念に調べてその特異性を見つけだす観察力と、その背景となる整理された知識が必要なのである。
〔つづき〕
このようにして、手がかりがある程度そろったら、それらをつなぎ合わせて、事件を解明するための仮説を立てることができる。このときものをいうのが想像力である。
ホームズは、一つの事件について、たちどころに七通りもの仮説を考え出すことができる。もっとも、最初はどの仮説にも決め手がないかもしれない。しかし、新たにわかった事実と突き合わされるにしたがって、確からしい仮説がふるい分けられてくるのである。
このように仮説を立て、テストして真相を推理していく過程は、あるものの断片を見てその全体を当てたり、部分のパタンから全体のパタンを復元する過程によく似ている。例えば、ここに、さまざまな色の玉が入った大きな袋があるとしよう。そして、それらの玉の色別の割合を知りたいとする。最初は全く手がかりがない。しかし、たった数個でもサンプルが出た段階で、多くの仮説は消えて、考察に値する仮説が絞られてくる。赤が三個、白が二個出たとき、「袋の中の玉の九九パーセントは白だ」という仮説は唱えにくい。また、同じ袋の中から無作為に取り出した四十個の玉は、黒が一個、赤が十八個、白が二十一個だとしよう。このとき、「袋の中の玉は、赤と白が半分ずつ」という仮説は消えるし、「黒が半分、赤と白が四分の一ずつ」という仮説を真剣に考える人はいないだろう。
これらの例からわかるのは、サンプルに現れた色の割合が、全体の割合を知るための本質的な情報を含んでいるということである。しかも、われわれは、部分を観察することで全体の特異性や本質に迫る情報を見つけだし、それと合わないものやありそうにない仮説を捨てるという手続きを踏んでいるのである。このように、想像力をうまく使うということは、たくさんの仮説を思いつくということだけでなく、あまり当たりそうにない仮説を効果的に切り捨てるという側面も持つのである。
〔つづき〕
そこでいよいよホームズの方法の核心部分にきた。彼は、自分の方法が単なる当て推量ではなく、「想像力を科学的に使う」ものだと強く主張している。
いや、確率を秤にかけて、最も確からしいものを選ぶ領域、と言ってほしいですね。それは、想像力を科学的に用いることですが、われわれは推量を始めるための具体的な基盤をいつももっています。(「バスカヴィル家の犬」)
「確率を秤にかけて、最も確からしいものを選ぶ」というと、難しそうに聞こえるかもしれない。しかし、例えば、医者が患者の幾つかの症状から病気を診断したり、生物学者が化石の骨から動物の種類を推定したりするのも、実は同じ方法である。また、ジグソーパズルで、ある場所に入るピースを探すときに、行き当たりばったりにやるのではなく、形や周りの色を参考にするのも同じだといってよい。
それまでの経験や知識と観察力を背景に、最も確からしい解答を求めようという方法は、このように、われわれの日常生活の中でもしばしば使われている。しかし、ホームズが凡人と違うのは、このような考察に含まれる確からしさの判断に実に鋭敏であり、また、大いに神経を使ったことである。そこで、単なる当て推量は最も嫌ったのである。
ホームズが事件の真相にたどり着くときには、部分的な推理が幾つも組み合わされることが多い。その一つ一つについて、彼はより確からしい推理を求め、最善の仮説を組み立てていく。そして最後に、事実による十分なテストを切り抜けて残った仮説が、問題の本質をとらえた正しい結論だと判断される。ホームズが「想像力を科学的に用いる」というとき、彼はこのような手続きを怠らなかった。これがホームズの名人芸の秘密なのである。
https://ameblo.jp/xyz999999999/entry-11575088922.html
シャーロック・ホームズの推理学(講談社)_内井 惣七
【構成・概要】
新書: 191ページ
出版社: 講談社
発売日: 1988/11
構成
プロローグ
1 ホームズは「論理学者」か
ホームズと確率論的方法
2 ホームズとワトスンのとの出会い
3 観察力
4 観察と推理
5 消去による推理
6 消去による帰納
7 余剰法
8 ミルにおける帰納、演繹、仮説
9 ホームズと確率論的方法
10 分析と綜合
11 逆方向の推理
12 確率論的科学観
ホームズの推理の諸相
13 仮説形成
14 仮説形成の論
15 ヒューウェルの帰納論
16 部分から全体へ
17 ホームズの複合的推理
18 ホームズの論理的センス
19 結論
ホームズとダーウィン
20 進化論と科学方法論
21 ホプキンスのダーウィン批評
22 蓋然的仮説としての進化論
23 確率的方法と進化論
あとがき
【内容紹介】
ホームズの推理はどんな推理か――多少とも論理学をかじった人なら、「ホームズの推理は帰納推理なのだ」といって満足してしまうかもしれない。しかし、演繹的推論でない推理をすべて十把ひとからげで「帰納推理」と名付けても、(1)の推理の本性が明らかになったわけではない。確かに、不確実な推理すべてを総称的に「帰納推理」と呼ぶことはあるが、19世紀においてさえ、「帰納」という語にはもっと正確な意味付けがおこなわれていたのである。後に詳しく述べるように、「帰納」という言葉は、実は、19世紀の科学方法論をみるときのひとつのキーワードなのである。それはともかく、ホームズの名人芸は、まさにこのような不確実で例外がありうるはずの推理を使いこなして、正しい結論にたどりつくところにある。――本書より
【感想】
まずはじめに、ホームズの推理は当時の科学方法論、論理学を反映した推理法であるそうです。ホームズの本を読んでいるとき、その推理は超能力的なものだと思っていました。しかし、この本によると論理学に裏付けられた推理であるということなのです。そのことを、ホームズの引用分と論理学を照らし合わせて解説しています。
「その一つ一つがその前の推理に基づいていて、しかも一つ一つは単純といった推理を一つながり築くことは、さして難しいことじゃない。
しかる後に、もし中間の推理をことごとく消し去って、ただ出発点と結論だけを示すとすると、安っぽくはあるが、ともかく相手をびっくりさせる効果は十分だ。」
ワトスンに向けては発せられたホームズの有名なセリフの一つですが。このセリフは、著者から読者にそのまま置き換えられる言葉だと思いました。
さて、述べられている内容については確実に理解した自信が無いので下手なことは書かないことにしますが、私が思っていた推理とは演繹的推理のみに限られていました。なので、確率的方法を含めた推理であるということを知って、ホームズの超能力の一部を論理学に帰着させ理解することができたと思います。
少し難しい内容だと思いましたが、専門的な知識を前提としないで書かれているので、ホームズ好きな方はどんな方でもぜひ読んでみることをお勧めします。
http://www.at-akada.org/blog/2007/03/post-136.html
『シャーロック・ホームズの推理学』講談社現代新書(講談社)、1988
■あらすじ
ホームズは同時代(19世紀後半)の論理学と科学論をよく知っており、自らの推理法が確率論的帰納法に基づくものであることを自覚していた。
■感想
ひとつ疑問なのは、内井はホームズが、同時代の論理学者ジェボンズやデ・モーガンと同様に、確率論的な方法を「用いた」のだという。しかし、ありそうにない仮説を避けておくという確率論的な操作自体は、誰もが推論の際にやっていることではないだろうか。ホームズに統計学的発想があったにしろ、実際に統計を用いたわけではないのだから、むしろホームズはそのような推論の様式に「自覚的だった」というべきではないだろうか。
いずれにせよ確率論や19世紀の科学論に関心があれば、読んで損はない本だと思われる。
あと、デ・モーガンという人は知らないと思っていたが、よく考えるとこれは「ド・モルガン」先生のことだった。
https://readingmonkey.blog.fc2.com/blog-entry-103.html
ホームズの推理は「まぐれ当たり」か?/名探偵の知と科学の確率論的転回;内井惣七『シャーロック・ホームズの推理学』
信じられないかも知れないが、かつて「知性」を代表するキャラクターとして「哲学者」というのがあった。現実にはどうあれ、「哲学者」であることはアタマが良いこと、人として備わることのできる最も望むべき知性を身につけていることを意味した。いや、要するに、そういう時もあったということだ。証拠としては貧弱だが、トランプのK(キング)に哲学者の図柄が使われていたことだってある。
近現代においては、「知性」を代表するキャラクターのひとつは、「名探偵」というものになった。証拠としては貧弱だが、「偉人名探偵もの」みたいなジャンルがある。何よりも知性を重んじる現代人は、自分たちの価値観を歴史のあちらこちらに押しつける。つまり歴史上の偉人たちは「偉人」であるくらいだから、すぐれた「知性」の持ち主であるはずだ(「UFOをつくる宇宙人は高い知性を持つ」みたいな偏見である)。すぐれた「知性」の持ち主であるくらいだから、難事件だってきっと「名探偵」して解決してしまうはずだ、という訳である。
〔つづき〕
知性の人=名探偵というイメージの確立に、最も貢献したのが、この史上最もキャラ立ちした名探偵シャーロック・ホームズであることは疑いない。ホームズの際だったところは、自分の方法論について強烈に自覚し、組織だった努力でそれを練り上げ、またその仕組みをワトスンのような人にも解説してしまうところだ。こうして我々は、「最も望むべき知性」がどのように構成されているのかを知る。これは事件の解明などよりずっとスリリングでありかつ知性的だ。そして彼の方法論をみれば、事件を解決するには、いわゆる知性だけではまるで足りないことがはっきり分かる。彼が化学実験に打ち込み、イーストエンドの下町に何人もの有為な友人を持ち、変装術に長け武術にも長じるのはそうしたためだ。彼は安楽椅子探偵にはほど遠かった。
科学哲学の泰斗によるこの書は、自分の推理から漏れる数々の事実や可能性を見過ごした「まぐれ当たり」の感が強いと言われる(こともある)ホームズの推理を19世紀後半の論理学や科学的方法論の蓄積の中に位置づけ、彼の方法がほとんど常に不足している情報の下で、それぞれにはかなり危うい確率的推論同士を組み合わせ突き合わせることで、どのようにして事実と合致する「確率」を可能な限り高めることができるかに向かって組織されていることを証明する。あまり類書のない19世紀の科学思想や科学方法論についての解説書であるだけでなく、すべてを知らなければ確実なことは言えないという実に古典的な学問知(実際にはすべてを知ることなど不可能だから、ほとんどいつも何も言わない)と異なる、実際的な知のあり方を提示した本でもある。
http://tetsutaro.in.coocan.jp/Writer/U/U007.html
論理学の学者である著者がホームズ譚を見て、その第一作「緋色の研究」の中で、シャーロック・ホームズが論理学に関する用語を使って自分の推理の過程を説明する様子に驚いたとのこと。そもそも、シャーロッキアンの幅は広いが論理学・哲学の分野からの考察は、少なくとも日本では無かったようです。
ホームズが論理学に言及した言葉というと、著者がまず例に挙げるのはここ。
「ただ一滴の水から」 と筆者は言う。「論理学者は大西洋やナイアガラ瀑布を見たことがなくても、それらが存在しうることを推論できるであろう。同様に、人生もまた大きな一連の鎖であり、われわれはその環の一つを示されると、全体の本性をも知ることができるのである。他のあらゆる学芸と同じく、推論と分析の学も、長く辛抱づよい研究を積み重ねることによってのみ習得できるものであり、しかも、この学問の最高の域に達するためには、一生を費やしても十分とは言えない」 ── 『緋色の研究』 第一部・第二章
この考え方が論理学の発想なのだそうな。
https://yukio111.com/review-sherlock-holmes/
『シャーロック・ホームズの推理学』
高校生になって大学受験をひかえ、マークシート式試験の対策のために再度読み直し、内容がようやく理解できました。
現役での受験には失敗し、1年間浪人したのですが、その際も読み直したのを覚えています。
「マークシート対策」と「犯罪捜査のための推理手法」とが、どう関係するのかと疑問に思われる方も多いかと思いますが、マークシートとミステリーは構造が同じです。
どちらも複数の選択肢の中から、正しい答えを見つけ出しさえすればよいからです(選択肢を自分で用意する必要はない)。
この本で紹介されている「成功の確率を高める方法」を応用して、試験では自分の実力以上の結果が出せたと思っています。
(一言付け加えると、この方法は現代文と英語の長文読解に役立ちました)
〔つづき〕
詳しくは本書をお読み頂きたいのですが、著者の内井惣七氏の主張を一言で言えば、
『ホームズは、ジェヴォンズの「確率の逆算法」を使って、一つ一つの推理や判断が不確かなものであったとしても、いくつかの推理の相乗作用で高い成功率を得ている』
というものです。
ホームズの推理が、水も漏らさぬ論理必然的な判断の積み重ねではなく、確率的判断の積み重ねであるという主張が、この本の最大のセールスポイントです。
この主張を受け入れるためには、ごくごく一般的な科学観のベースとなっている古典的科学観(方法論)から、確率論的科学観(方法論)へと頭を切り換える必要があります。
私はこの方法論を学び、軽いパラダイムシフトを経験しました。
https://blog.goo.ne.jp/wishken/e/6fea85eca6f163fdecc9fe282586adfc
推理小説といえばコナン・ドイルが生んだ「シャーロック・ホームズ」でしょう。推理小説の“祖”は、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」とされていますが、推理小説を完成させたのは、ドイルでありホームズの推理術でしょう。
シャーロック・ホームズ研究では、彼の推理法は、演繹だ、帰納だ、アブダクションだと多くの論議がなされていますが、実際は、あるときは「演繹」を、又あるときは複数の仮説に対しての「帰納法」を、そして推理がいきずまったときは「アブダクション」によって、ワトスンやレストレード警部などは想像もしない推理と発想を成し遂げるのだと思います。シャーロキアンならどの事件のどのホームズの推理が、演繹か帰納かなどがが、思い浮かばれるでしょう。
又、ホームズは犯人の残した「痕跡」を“記号”として理解し、これを“データ”化し、集合させ、帰納的に推理していく面があり、「ホームズは“記号論”者だ。」とも言われています。そして、ホームズはそれに加えて、「仮説ー確率法」「消去法」も駆使しています。つまり、ホームズの推理の成功の多くは、複数の事件の原因に対する仮説の中から、蓋然性(確率性)の高いものを選択して、また、蓋然性の低いものは“消去”していく手法によるものです。そして、それとともに、それらの仮説に対して、演繹、帰納を駆使し、他の登場人物や、読者にはまねのできない“発想”を生み出すのでしょう。
いずれにしても、ホームズのようなマネはムリなものの、的確な推論出来得るために、常に演繹・帰納的訓練とアブダクションしうる、柔らかな、先入観の持たない発想力を身につけたいものです。
高3のとき手フェチらしい女子がお宝鑑定みたいな目で俺の手を見てた
指の毛そろそろ剃りたいなとか思ってたとこだからめっちゃ恥ずかしかった
>>32
炭水化物をどんだけ摂っても太れなかったからタンパク質摂りまくったらちょっとずつではあるが体重増えた。
>>31
表紙の24時間時計の針が手を指している。
ここで疑問が生じる。
何故、「手」なのか?
何故、12時間ではなく、24時間なのか?
ここからマスーの犯罪の動機が解明されるかもしれない。
>>34-35
俺。最初はK-POPとか全然聴く気無かったんだよね。街で流れても全然良いと思わなかった。だけどMAMAMOOだけは何か違ったんだよ。あれからずっと耳から離れない。
>炭水化物をどんだけ摂っても太れなかったからタンパク質摂りまくったらちょっとずつではあるが体重増えた。
まさか、このために人を殺したというのか!?
>>38
MAMAMOO・・・メンバーたちは「赤ちゃんが最初に覚えて言う『ママ』のように、原初的で本能的で世界中の人々に馴染む」という意味を込めている
人類全体を胎内回帰させようとするテロ組織・・・?
マスーはその組織に洗脳されている・・・!?
MAMAMOO 「EGOTISTIC」・・・これか。エロいな・・・なるほどマスーのような童貞ならたやすく洗脳されるのも納得です
https://jp.pornhub.com/view_video.php?viewkey=ph5bd1435a126b4
>>47
ヤッてる人をメンバーに似せてる感じムカつくんだが
https://jp.pornhub.com/view_video.php?viewkey=ph5ad7f1fbadc58
INTP(論理学者型)の芸能人・有名人には、以下のような方がいます。
バカリズム
庵野秀明
柴咲コウ
松本潤
はじめしゃちょー
アルベルト・アインシュタイン
>>12
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