「アイデンティティー・フォーマット現象」
霧雨が葉っぱ天国時代に考案した概念。「フォーマット」には二つの意味がある。①型、書式、形式、体裁という意味。②初期化。これに対応して「アイデンティティー・フォーマット現象」にも二つの意味がある。
①喧嘩掲示板の、特に匿名のレスが類型化し画一化していく現象。「名前」から開放されたレスは、まるで精神的なエントロピー増大の法則が存在するかのごとく、乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない、とするもの。
②喧嘩中にしばしば見られる、「人格の自己同一性」が消滅し初期化される現象。「ダブルバインド」は「2つの矛盾した命令を他人にすることで相手の精神にストレスがかかる状態」を指すが、喧嘩において勝利を重視するあまり自己矛盾した発言を繰り返すと、これが自分に向けられることとなる。そして、その負荷が許容量を突破した時、勝つためには何でも言えてしまう「自分の同一性を喪失した喧嘩マシーン」が誕生する。かつて、霧雨はこれを意図的に、かつ大量に引き起こす「アイデンティティ・フォーマット計画」をネット上で実行しようとしていた。