「この裏には何かあるんだよ」
ピッ
この、「ピッ」という音をテレビの電源を切るようなものと解釈するならば、登場人物は「現実」の世界に帰ってきて、
「あ、お巡りさーん、コイツに殺されそうなんで助けてくださーい」
「現代的な方法で解決しようとすんな!お前聖堂の騎士だろ!」
「いやお前すぐ殺してこようとするから」
という会話を行ったということになります。古典的な小説ならばこの結末でよいでしょうが、もはや夢オチ的なことが蛇蝎のごとく嫌われる現代にあってみれば、これはテレビモニターの電源が切れた音ではなく、リモコンのチャンネルが変わった音と解するべきでしょう。つまり、よしお世界は『トムとジェリー』のようなネバーエンディングストーリーということです。キンモクがトム、よしおがジェリーというところでしょうか。
ちなみに、「キンモク」とは、『晒しの楽園』の喧嘩師「キンモクセイ」のことです。『ルパン三世』でいえば、キンモクが銭形警部、よしおがルパンということになります。