義務の様相論理に関して知っているものをあげる。
□A:Aであることが義務だ
◇A:Aであることは許される
このようにして、様相(義務、許可)を導入している。
ここでは命題は真か偽のどちらかしか取らないものを採用している。
なので多値論理が様相命題論理のきっかけになったことは認めるが、
C:{様相論理では真理値が3以上あるケースを取り扱うことができるので、「~すべきなのか、してはいけないのか、してもいいのか」といったように、多角的な解釈を盛り込める}
はおかしい。多値であることの恩恵でなく、演算子として様相を導入した恩恵だろう。
ここで、否定を¬であらわすと、
「Aであることが義務だ」=「Aであることが許されることはない」だから、
□A = ¬◇¬A
であり、□と◇を入れ替えた式も成立する。
出典:論理学―意味とモデルの理論 p137
さて、¬◇Aは、「(Aであることは許される)わけではない」となり、「Aが禁止」となるはず。
つまり、
義務: □A, ¬◇¬A
許可: ◇A, ¬□¬A
禁止: ¬◇A, □¬A
否定: ¬A
であり、義務の否定は、禁止ではなく、
許可の否定が、禁止である。
(計算により、否定の義務が、禁止だと分かったw)
よって、Cの、義務の否定は禁止として認められるべきという主張はおかしいと思う。
演算子を作用させる順番が間違っているといえよう。