~手紙より集まりし者達~Worship of nothingness (連続リレー小説)

33コギトエルゴスム
2016-11-20 00:32:26
ID:H5IbE/xs

「さぁ、さっきの俺の質問を答えろ。」
銃口を此方へ向けた彼は言った。

(彼は元傭兵だ、疑り深いのも仕方のないことだろう。)

「…一つ目、矢の出所についてですが─」

俺は矢を取り出し矢に書いてある文字の部分を指す。

「……この文字は?」

この文字は小さく、紙で隠れていた。そして確認したところ…

「"C.E.S"…私は魔王を倒した討伐隊員は全員把握しています。"C.E.S"…これは頭文字…つまり"コギト・エルゴ・スム"さんのことでは?」

「…ならば、ならばなぜこんな回りくどい真似をする?」

彼は険しい顔をより一層険しくさせて問いかける。

「恐らく…此処には機関も現れたという事例があります。恐らく彼はそれを知っていた。その為でしょう。」

「まだまだ納得はいかないが…良しとしよう。二つ目だ。」

「二つ目、何故魔物を駆逐しなければならないのか…ですね?」

「ああ。」

「我々は一年に渡ってこの爆心地を…あの高台から見ていたのです。」
丁度入り口とは真反対にある高台を指した。

「ですが近頃、魔物達の進化が急激に進み始め、それまで一種しかいなかった魔物が種類を増やし、遂には高台にいる監視員を魔法で射たのです。原因は解っていません。」

彼は少し驚いたような顔を一瞬見せる。

「このままでは、いずれはこのフェンスを破り外に出るでしょう。もし魔法も武術も使えない人民と遭遇してしまったら…」

「…どうかこの願いを聞き入れてもらえませんか?私も助力しましょう。魔物を駆逐し、可能であれば進化の原因を探っていただきたいのです。」

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