私のあいさつに、ルミナさんが丁寧に返してくれた。覚えていなくて当然、の言葉にドキリとする。なんで分かったんだろう、そういう素振りは見せてないはずだったのになぁ。
「ありがとうございます。最初から素直に言えば良かった」
私は苦笑して頬をかいた。
少しすると、どこからか男性が現れた。彼は、夏の国復興委員長のファレルと名乗った。ファレルさんは、この区域がフェンスで囲まれている理由を説明し、それから矢文を取り出した。なんでも、機関員が討伐隊に気づいたという。しかも矢の出所は、元討伐隊員のコギトさん。私は驚いて何も言えなかったが、Jさんが動いた。ファレルさんに銃を向けたのだ。
しばらくJさんとファレルさんのやり取りが続き、私たちは区域内の魔物駆除に向かうことになった。なんとか話がまとまったようだ。安心してほっと息をついた私は、後方から誰か来ていることに気付いた。
「お久しぶりです ムウです 覚えていますか?」
「夢生ちゃん! もちろん覚えてるよ、また会えて嬉しい」
夢生ちゃんの隣にはもう一人女の人がいた。彼女は夢生ちゃんのお姉さんだという。私は彼女にもあいさつをした。