一年のブランクがあったもののJはさほど影響はなかったようだ。
躊躇いもなく直ちに銃口を向けた。
流石元傭兵といったところか。
彼ならするだろうと私でさえも予想していた。
緊張こそするが、驚きはしない。
少女が到着した後、続々とメンバーは集まってきた。
浮浪者のような男、不気味なマスクの男、メガネの少女。
いずれも見覚えはない。
いつものように、例外なく忘れたようだ。
そして復興委員会長の男が現れた(名乗ってはいたがこちらも例外なく忘れた)。
その男が伝えた情報だが、どうも違和感を覚える。
まず既に機関に感づかれていた点だ。
手紙が送られてからわずか1日しか経っていないぞ。
にも関わらず討伐隊の動きを把握していただと。
国の内部に潜り込んでいるんじゃあないか?
しかしどこかから漏洩したという事もありえなくはない。
現に部外者の私がこうして集合場所に潜んでいるのだからな⋯。
違和感は払いきれないが、納得しよう。
次に任務について。
これが一番怪しい。
軍を出せばいいだろう。
〝戦闘力の高い元討伐隊のメンバーに雷撃戦をさせた方が速いし安く済む〟
仮りにこのような意図があったとしよう。
だとしてもわざわざ討伐隊に召集をかける必要はない。
傭兵だとかハンターだとか、他に適役がいるはずだ。
その疑問は矢文の主が明らかになった事により晴れた。
元討伐隊メンバーがわざわざまわりくどい方法で伝えたのだ。
機関と急成長した魔物、なにか繋がりがある。
⋯いや待て、だからといって討伐隊を集めてやらせる必要があるか?
何者かに肩を叩かれハッと振り返る。
一瞬冷や汗をかいたがすぐに安穏した。
振り返ると相棒が1枚の写真を咥え浮かんでいた。
写真を取り上げ確認する。
写っていたのは復興委員会長だった。
こちらを、私をしっかりと凝視している。
(まさかこの私に気付くとは⋯⋯何者だ?この男⋯)
そうこうしてるうちに2人組の男が現れた。
忘れもしない、忘れようとも忘れられるわけのない2人だった(例外なく名前は忘れた)。
ここを爆心地へ変貌させたヤツらだ。
先日暇なので城に忍び込んだ際にもヤツらを見た。
英雄扱いで城に招かれ幸せに暮らしているのか。
なんだかムカついてきた。
ヤツがここを破壊した瞬間はきちんと撮ってある。
事が終わったら新聞社に売ってやろう。